Strengths-Based Leadership: Great Leaders, Teams, and Why People Follow | |
Tom Rath
Gallup Pr 2009-01-06 |
Tom RathとBarry Conchieの『Strengths-Based Leadership: Great Leaders, Teams, and Why People Follow』を読みました。
本書はストレングス・ファインダーで有名なギャラップ社の新刊(2009年1月6日出版)で、優れたリーダーとなる上で自らの強みをどのように生かすべきかを論じています。
※ストレングス・ファインダーについては以下の記事を参照
●さあ、才能(じぶん)に目覚めよう―あなたの5つの強みを見出し、活かす
●Strengths Finder 2.0
●Discover Your Sales Strengths: How the Worlds Greatest Salespeople Develop Winning Careers
●2万人にも及ぶシニア・リーダーへの詳細なインタビュー
●100万以上のワークチームを研究
●世界で最も尊敬されるリーダーたちに対する50年にも及ぶ調査
●1万人のフォロワーを新たに調査
という膨大な研究・調査の結果判明したのは、
1.The most effective leaders are always investing in strengths.
2.The most effective leaders surround themselves with the right people and then maximize their team.
3.The most effective leaders understand their followers’ needs.
という最高のリーダーたちの共通点です。
調査によると、巷にあるリーダーシップ本に書いてあるように「共感性、クリエイティビティ、規律、戦略性、謙虚さ、断固とした姿勢、コミュニケーター…etc」といった要素を全て高い次元で満たしている人など存在せず、全てどころか半分すら満たしてはいないのだそうです。
また、全てのリーダーに当てはまる、「リーダー特有の資質」というのもないのだそうです。
最高のリーダーたちは、
1.自分の強みを知り、そこに最も多くの時間と労力をさいてリーダーシップをとる
2.自分の強みではない領域については正しい人に任せることで、チームとしての力を最大化する
3.フォロワーが求めているものが何かを理解している
本書はこの考えをベースに、ストレングス・ファインダーの診断結果から得られるそれぞれの資質について、いかにリーダーシップに生かしていけばよいのかを個別詳細に指南してくれます。
以下、
●リーダーシップの強み4領域
●フォロワーの求める4つのもの
●私の診断結果
という順で紹介していきます。
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● リーダーシップの強み4領域
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ストレングス・ファインダーでは合計34個の資質がありますが、それらがどのようにリーダーシップに影響を与えるのかを分析した結果、以下の4領域に分けることができるそうです。
Executing
●事の起こし方を知っている人、最後までやりぬく人
Influencing
●チームのアイデアを組織の内外にアピールし、注目を集められる人
Relationship Building
●チームをつなげ、団結させる人
Strategic Thinking
●未来に人々を集中させる人
ここで重要なのは、リーダーが4つ全ての領域で優れることは「ない」ということです。
チームとしては全ての領域でも優れている必要がありますが、リーダー個人としては最も強い領域に集中すればよいのだそうです。
ちなみにここでいう最も強い領域とは、ストレングス・ファインダーの診断結果である5つの資質が最も多く分類されている領域となります。
本書では最高のリーダーたちの例としてそれぞれの領域を代表する人物が各一人ずつ、合計4人紹介されているのですが、Ritz-CarltonのSimon CooperやBest BuyのBrad Andersonなどそうそうたる顔ぶれです。
彼らの中にはExecutingの領域に2つの資質がある人もいれば、Influencingに4つもの資質が集中している人もいます。
どうやら1つの領域に4個も5個も資質が集中している必要性は必ずしもないようです。
彼らの共通点は、やはり自分の強みを理解し、自分が何者であって何者ではないのかをしていたことです。
4つ全ての領域でがんばろうとせずに、彼らは最も強い1つの領域に集中してリーダーシップを発揮しています。
また、強いチームの共通点というのも列挙されているので、紹介しておきます。
●強いチームは対立があっても崩壊せず、目的や結果に集中する
●強いチームはチームにとっての最適なものを優先し、前進する
●強いチームのメンバーは仕事と同じくらいプライベートライフにもコミットする
●強いチームは多様性を歓迎する
●強いチームは才能を引き寄せる
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● フォロワーの求める4つのもの
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1万人のフォロワーたちを調査した結果、フォロワーが求める最も重要なものは、
●Trust(honesty, integrity, respect)
●Compassion(caring, friendship, happiness, love)
●Stability(security, strengths, support, peace)
●Hope(direction, faith, guidance)
なのだそうです。
最高のリーダーとなるには、これら4つを満たさなければなりません。
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● 私の診断結果
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いよいよ私の診断結果です。
私の5つの資質は
1.未来志向
2.最上志向
3.内省
4.目標志向
5.親密性
なのですが、これらを「リーダーシップの強み4領域」に分類すると、
Executing×1(目標志向)
Influencing×1(最上志向)
Relationship Building×1(親密性)
Strategic Thinking×2(未来志向、内省)
となり、予想通り「Strategic Thinking」(未来に人々を集中させる人)が「Dominant Domain」(最高の領域)でした。
それぞれの詳しい解説を見てみます。
1.未来志向
●Build Trust
相手と未来について話すとき、あなたが描く未来が現実に根ざしているようにすること
現実的な態度があなたのビジョンに対する信頼を生む
●Show Compassion
共に働く人に、夢や理想についてたずねてみることで、親近感が生まれる
●Provide Stability
あなたの描くビジョンがあまりに遠いと、人々はついていけず、不安になってしまう
●Create Hope
未来志向であるあなたのもとには指針やガイドを求めて人々が集まってくる
あなたはあなたが描く未来のイメージで人々をインスパイアする
未来を語るとき、鮮やかなビジョンと表現を用いて詳細に語り、そこに至る道すじを示すことで、周囲の人にあなたの考えを理解してもらうこと
2.最上志向
●Build Trust
あなたがうまくできることでも他の人にはできないことがあるということを認めること
相手の長所にフォーカスし続けること
●Show Compassion
相手のユニークな資質に絶えず称賛を与えること
相手のユニークな資質を気づかせ、強みを発揮させられる人になること
●Provide Stability
相手が強みを築き、自身を身につけられるように見守ること
相手の強みでない領域については援助してあげること
●Create Hope
相手を彼らの資質が最も行かせるポジションに配置することで、彼らの才能に気づかせ、最大限に発揮させてあげること
3.内省
●Build Trust
相手の考えを慎重に分析して、率直な意見を述べることで、彼らの成功を手助けし、頼られる存在となる
4.目標志向
●Build Trust
何を優先すべきかを知り、大事なことに人々を集中させる力が信頼を築く
すべての人が自分の決断の責任を負っていることを覚えておくこと
●Show Compassion
重要なプロジェクトだけでなく、人にもフォーカスしてみること
自分の人生のパートナーとして彼らに時間や注意を傾けるために、ゴールや計画を立てること
●「Provide Stability
長期的視野にたってフォーカスし、考えているということが、周りを安心させる
長期的ゴールを家族や仕事仲間と共有するときは、彼らもその計画の一部であることを伝えること
●Create Hope
「人生や仕事で最も大事なことは何か?」「何をするのがすきなのか?」「これを辞めたらどうなるか?」といった質問をすることで、人々を新たな未来に向けてフォーカスさせる
計測可能な到達目標などを周囲と共有すること
5.親密性
●Build Trust
親密な関係が強い自信をつくる
●Show Compassion
大事な人と、マンツーマンで過ごす時間を十分に確保すること
●Provide Stability
相手に自分との関係が生涯続くことを期待しているとつげること
●Create Hope
あなたが人と築く深い関係が、彼らの人生や成功のユニークな先見の証を生み出す
彼らが大きな絵を描けるよう手助けしてあげること
こうしてみると、未来志向や内省だけでなく、目標志向や親密性もCreate Hopeの領域で未来に密接に関わる働きをしてくれそうで、やはり私の強みは「未来を考えること」「未来に人々を引き寄せること」に築くのがよさそうだと思いました。
「自分の描く未来が周囲にも理解できるように、詳細に、そして現実に根ざした形で伝える」というのは今後の課題だと思いました。
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ちなみに本書には34個それぞれの資質について、「○○の資質を持ったフォロワーにどうリーダーシップを発揮していくのが良いか」という項目もあります。
これを知っておくと、身近な人とどのように接していくのかを考える上で非常に役立ちますね。
また、似たようなパーソナリティの人たちで周囲を固めるよりも、異なるパーソナリティを持つ人をパートナーとして身近において、相互補完的な関係を築いたほうが、長期的に見てアドバンテージになるのだそうです。
というわけで日頃親しくしている人や、ブログ・mixiで知り合った人などの5つの資質が「リーダーシップの強み4領域」にどう分類されているのか、私が把握している範囲で調べてみました。
何かの参考になればと思います。
また、もし興味を持って、より詳しく知りたいと思われた方は、是非本書を読んでみてください。
それでは、まずは読書会仲間から紹介します。
★TO-RAINBOWSさん『TO-RAINBOWSのビジネス書日記』
1.適応性 Realtionship Building
2.調和性 Relationship Building
3.ポジティブ Relationship Building
4.分析思考 Strategic Thinking
5.共感性 Relationship Building
結果:Relationship Building×4、Strategic Thinking×1
一人目からいきなり4つの資質が1つの領域に集中する方が出てしまいました。
私とは異なる領域で抜群の強みを発揮してくれそうですね。
読書会のまとめ役として期待大です。
★Leapさん 『Leapさんのビジネス書日記』
1.調和性 Relationship Building
2.自我 Influencing
3.最上志向 Influencing
4.分析思考 Strategic Thinking
5.公平性 Executing
結果:Influencing×2、他各1
私と同じ、2つの資質が強みの領域に集中しているタイプですね。
しかも、Leapさんも私とは異なる領域なので、相互補助的な関係が築けそうですね。
注目を引き寄せる存在ということで、読書会のマーケティング部長は彼に決定でしょうか。
★サイクルマンさん
1.最上志向 Influencing
2.慎重さ Executing
3.未来志向 Strategic Thinking
4.着想 Strategic Thinking
5.親密性 Relationship Building
結果:Strategic Thinking×2、他各1
出た、私と同じ分類!
そもそもサイクルマンさんとは3つも同じ資質を共有している似たもの同士なのですが、今回の「リーダーシップの強み4領域」でもやはりその傾向が出ました。
読書会のビジョン担当ツートップとして、よろしくお願いします!
引き続きブログやmixi仲間の紹介です。
★マックさん 『ビジョンと情熱』
1.収集心 Strategic Thinking
2.責任感 Executing
3.内省 Strategic Thinking
4.未来志向 Strategic Thinking
5.信念 Executing
結果:Strategic Thinking×3、Executing×2
私と同じ未来志向仲間のマックさんですが、Strategic Thinkingに3つもの資質が集中して、それ以外もExecutingに集中していますね。
マックさんのブログからは、未来を描きつつも、現実を見据えて着実に一歩一歩実行していく、そんなイメージが伝わってきますよね。
それがよく反映された診断結果ではないかと思いました。
最近変更されたブログタイトル、『ビジョンと情熱』、まさにぴったりですね!
★ぼってぃーさん 『キノキョウ-昨日よりは今日、今日よりは明日少しでも前進、向上!』
1.着想 Strategic Thinking
2.収集心 Strategic Thinking
3.内省 Strategic Thinking
4.共感性 Relationship Building
5.学習欲 Strategic Thinking
結果:Strategic Thinking×4、Relationship Building×1
ぼってぃーさんも私と同じStrategic Thinkingタイプなのですが、なんと4つもの資質が集中されていますね。
そもそもブログタイトルが「昨日よりは今日、今日よりは明日」と、超未来志向ですよね(笑)
また、個別の資質を見ていくと、着想、収集心、内省、学習欲と、大変勉強に特化しているのではないでしょうか。
ブログを読んでいても、ただ勉強するのではなく、しっかりと目的や目標といった未来を見据えていらっしゃるのが、伝わってきますよね。
そういった部分が色濃く出ているのではないかと思います!
★えならぷりるさん
1.回復志向 Executing
2.目標志向 Executing
3.内省 Strategic Thinking
4.未来志向 Strategic Thinking
5.収集家 Strategic Thinking
結果:Strategic Thinking×3、Executing×2
わりと最近mixiで知り合ったえならぷりるさんは、マックさんと同じ分類になっていますね。
というか、えならぷりるさんもStrategic Thinkingで、これで私も含めた7人中5人がStrategic Thinkingタイプということになりますね。
私の周りには未来に生きる人しかいないのだろうか…。
他にも、「自分のタイプも調べて欲しい」という方がいれば、5つの資質を教えていただければ調べてお知らせしますよ。
かなり長くなりましたが、オススメです。
Strengths-Based Leadership: Great Leaders, Teams, and Why People Follow | |
Tom Rath
Gallup Pr 2009-01-06 |
4 Comments
ご紹介と分析、ありがとうございました。
現在友人と起業を考えているのですが、彼も未来志向でした(笑)
未来志向でやすいんじゃないのかと・・・
互いに補い合うような組み合わせだとそれだけで安心しますね。
構成員の「強み」は組織内のマッチングの基準になりますね。
最近は読んで欲しい人にプレゼントしています。
うちの会社の社長にあげたんだけど読んでくれたかなぁ・・・
マックさん
未来志向の人、多いですね(笑)
でも、熱い人が身近にいるというのはいいことだと思います。
起業も楽しみですね!
私もたま~にですが、人に本をプレゼントすることがあります。
人に本を薦めるときもそうですが、どの本が喜ばれるか考えるのは
結構楽しいですね!
ご紹介&分析をして頂き、ありがとうございました!
偏ってますね(笑)
こんなに面白い結果になるなんて。知ることができて、よかったです。
これを縁に、さらにとんがった存在になれるよう行動していきます。
あ、ちなみに、ようやくパソコンが復活したので、
これからブログの記事も書いていきます。
これからもよろしくお願いします!
ぼってぃーさん
どこで尖るかということはとても重要ですよね。
やはり、自分の強みや資質に根ざした領域でエッジをきかせるのが、
一番だと思います。
パソコン復旧、おめでとうございます!
ブログ記事楽しみにしています!