坂本桂一さんの「頭のいい人が儲からない理由」を読んだ。
本書はhiroさんのブログにて紹介されていた一冊です。
●頭のいい人は儲からない
●一本筋の通った人は失敗する
●常識はビジネスの敵
●まじめで勤勉だと成功が遠ざかる
と、かなり天邪鬼な内容が書かれていますが、要するに自分の頭で考えることをせず、どこかにある(と思い込んでいる)正解を探し続けているうちは成功しないということだと思います。
それなのに、どうも日本人はいつもどこかに正解があると無意識のうちに思ってしまうらしい。それで、正しいWHATを探すのにばかり時間と労力をかけるのだ。そのくせHOWにはそれほど気を使わず、通り一遍のことしかしなかったりする。その結果、うまくいかなかったりすると、やっぱりあっちを選ぶべきだったとその原因をWHATのせいにして後悔するのである。
答が先にありきで、丸暗記だろうがなんだろうが答えさえ合っていればよしとされるなどというのは、受験勉強にしか通用しない特殊な考え方だということを、まずわからなければダメだ。
言われたことを素早く、正確にこなすことがひたすら求められるような環境で働くのならば、このような正解まずありきのやり方でも通用するのでしょう。
しかし、何か新しいものを生み出そうというときには、資料を探そうが、ネットで検索しようが、どこにもマニュアルや正解はないわけです。
そんなときは自分の頭で考える作業、つまり仮設を立て、様々な情報を基に検証し、緻密な戦略を自らつくるということをしなければならないのです。
そんなときに常識は何の役にも立ちません。
常識とは、今までに人々が考えてきた「正しい」と思われる事柄の集合体に過ぎないのですから。
常識が悪であると決め付けるのは良くないと思いますが、自分の頭でその真意や真価を考えることなく、また、物事の本質を考えることなく、常識や世間のならわしといったものに依存してしまうのはもっとまずいと私は思います。
また、毎日塾に通って、テストでいい点を取って、いい大学に入って、一流の企業に入社すれば幸福になれるという「入学歴・入社歴」の考え方もどうかと思います。
価値観も、考え方も、何に幸福を感じるかも人それぞれなのですから、
●「世間」がどう思うか
ではなく、
●「自分」の目的は何なのか
●「自分」はどういう生き方がしたいのか
●「自分」はどうすれば幸福になれるのか
を、最終的には自分の頭とハートで考えるということが、ただ「生きる」のではなく、より一人ひとりが「活きる」ためには必要なのではないでしょうか。
あくまで正解は自分の中にあるもので、本から得た知識や人との触れ合いから得た情報も、自分の中にある正解をとりだすための触媒に過ぎない。
だからこそ、”Follow your heart”なのだと、私は思います。
ビジネスにしても、生きることにしても、常に自分の頭で考えられる人でありたいですね。
今まで自分の頭で物事を考えるということをしてこなかった人には、かなりガツンと来る内容だと思います。
お勧めです。
頭のいい人が儲からない理由 (講談社BIZ) | |
坂本 桂一
講談社 2007-03-27 おすすめ平均 |
2 Comments
日本人特有の集団を重んじるというところが
>「世間」がどう思うか
という概念を生み出しているように思います。
確かに世間の目からかけ離れすぎていくのもよくないですし
道徳といった重んじるところは重んじた上で
自分の人生を活きたほうがいいですね。
hiroさん
いろいろな情報を頼りにしつつも、最後は自分の責任で、
自分の頭で考えて決断・行動するということが大事ですよね。
読書にしても、あくまで軸は自分の中において、
つきあっていきたいと思います。
良い本を紹介していただき、ありがとうございました!