勝間和代さんの著書、「読書進化論~人はウェブで変わるのか。本はウェブに負けたのか」を読んだ。
「本はウェブに負けたのか」とありますが、結論から言うと、まだまだ本の優位性は動かないだろうなと思いました。
ウェブの情報は確かに魅力的ですが、やはり体系化されているかどうか、信憑性があるかどうかという面で、一冊の本には及びません。
しかし、ウェブや時代の変化と共に、読書自体も変化している、そして読書を通して読む人も、そして書く人も進化しているのだと言うのが、「読書進化論」のテーマです。
これから読書を始めようと言う人も、読書習慣を既に作っている人も、今後自分がどのように読書と向き合っていくかを考える上で、非常に有用な一冊だと思います。
本を読むことの醍醐味はなんといっても、
本ほど人生の疑似体験ができる身近なツールはない
ということにあると思います。
やはり一人の人間で考えられること、経験できることは限られています。
なので、人との出逢いは新たな刺激を受けるチャンスになるのですが、現実世界で直接会える人物や人数は、やはりどうしても限られてしまいます。
勝間さんは読書を「イメージトレーニングに近い」と述べていますが、本は様々な人たちの経験を擬似的に体験することで体験知を吸収できる、非常に時間対効果・費用対効果の高いツールです。
本田直之さんの言葉を借りると、読書は本番前の練習のようなもので、練習することで本番でもいいパフォーマンスが発揮でき、また、本番では出来なかった部分を再び練習へとフィードバックすることで更にパフォーマンスを向上させることができます。
ようは、本を読むのと読まないのとでは、成長するスピードが全く違ってしまうわけです。
しかし、同じ読書でも成果につながる読書とそうでない読書があります。
多くの方が述べていることですが、勝間さんも本書の中で、
本を読むときに目的意識を持っているといないとでは、まったく読書の時間効率が違ってきます。
と述べています。
ただ、私は最初のうちはあえて目的を設定せずに読むのも一つの手だと思います。
読書は体系的な知識を学べるツールでもありますが、同時に様々な生き方のロールモデルに触れることができるツールでもあります。
なので、最初は特に目的を設定せずに(あえていうなら自分に変化を起こすためでしょうか)本を読みあさることで、読書を通していろいろな人の生き方に触れ、「こういう生き方はあこがれる」「こういうふうになりたい」「こういう仕事がしたい」といった目的を見つけてしまう。
そして、今度はそれを実現するために役立つものはないかという「目的意識」を持っていろいろな分野の本を読みあさる、というのでもいいのではないかと思います。
あと、これも勝間さんが何度もおっしゃっていることですが、本を読むならブログは絶対に書いたほうがいいと思います。
理由は、
1.自分専用の情報のデータベースができる
2.情報がタグ付けされて頭の中にファイルされる
3.文章力が養える
の3つです。
1.自分専用のデータベースが出来る
まず本を読んでも読みっぱなしにしてしまうと、大半の内容は忘れてしまいます。
なので、本に線をひいたり、紙にメモを書いたりとするわけですが、私はブログにまとめるのをお勧めします。
というのも、紙媒体だと管理が面倒なのに対し、ブログであればすべての情報をウェブの「向こう側」に一元管理できるので、ネット環境さえあればいつでもどこでもその情報にアクセスできます。
本に線を引くという方法も、後で参照したいときに「あの内容はどの本にかいてあったっけ?」と思い出せないことがあるのに対し、ブログであればブログ内検索機能を使えば一発で探し出せます。
2.情報がタグ付けされて頭の中にファイルされる
「情報のタグ付け」は勝間さんが本書で述べていることですが、ブログを書くときには箇条書きではなく、文章の形でまとめたほうがいいと思います。
なぜならば、著者の言葉をそのまま抜き出すのではなく、自分の言葉に「翻訳する」作業を通してアウトプットすることで、頭の中で本の中身がつながった状態で残るからです。
そうすると似たようなテーマを別の本を読んだときに、「この情報はあの時読んだ本のこのつながりと重なるな」とか、「これは新しいつながりだな」という風に情報をタグ付けして頭の中で関連付けながら読むことができ、学習が効率化するように私は感じます。
3.文章力が養える
ブログは不特定多数の人の目に触れるので、読んだ人がどんな反応をするのかが分かります。
読者の反応を見ることで、自分の文章力を精錬させることが出来るのに加え、自分がどんな文章を書くのが得意なのかが少しずつ見えてきます。
まだまだ試行錯誤の私も、始めた頃に比べればましになってきたはず。
あと、文章を書くときはどうしてもつながりを意識しないといけないので、論理思考力が養えるというのも魅力ですね。
さて、1日1冊の読書を始めてから、半年がたちました。
ほぼ同時に始めた資格試験の勉強も、来週でひと段落します。
もちろん、読書も勉強も続けますが、ここらで今一度自分の習慣を見直して、もう一段、ステップを上げてみたいと思います。
今月の27日に読書会を開く予定なので、そのときに話してみよう。
参考リンク:
読書進化論~人はウェブで変わるのか。 本はウェブに負けたのか~ – to-rainbowsのビジネス書日記
読書進化論~人はウェブで変わるのか。本はウェブに負けたのか~ (小学館101新書) | |
勝間 和代
小学館 2008-10-01 おすすめ平均 |
4 Comments
hiroさん
読書って、やはり自分の今まで知らなかった世界に触れる
チャンスの宝庫ですよね。
私もブログを始めたのは、梅田さんの『ウェブ時代をゆく』を読んだのがきっかけでした。
毎日ブログを書いてアウトプットするとなると、
毎日書くためのネタが必要なわけで、
そのためには毎日情報をインプットしないといけない。
読書とブログは切っても切り離せない関係ですね!
初コメントです。
>ただ、私は最初のうちはあえて目的を設定せずに読むのも一つの手だと思います。
僕もそう思います。
本を読み始めたばかりの人やまだまだ読書量が足りていない人は名著と呼ばれる本をどんどん読んでいけばいいと思っています。
目的を持って読書をしなさいと勧めている人は、たいてい読書量が半端じゃない人ですよね。
まずは身近な人が勧めてくれる本を読むのがいいかと。
ということで、いつもありがとうございますm(_ _)m
参考にしています。
ぼってぃーさん
最初のうちにあまり目的を絞ってしまったり、飛ばし読みしてしまったりすると、
自分の世界を広げるチャンスを見逃してしまいますよね。
やはりまずはしっかりと良書を読んで、
自分の中で知識を体系化して、効率よく読書するための土壌を身につけたいですね!
これからもよろしくお願いします!
こんばんは。
>本を読むならブログは絶対に書いたほうがいい
これはごもっともですね。ブログを書いて世界が変わっている人間がいますので…
しかし、ブログを書くということも本を読んでいなかったら初めていなかったので
、
>成長するスピードが全く違ってしまうわけです。
という意見も身をもって体感しています。不思議なものですね。