経営に終わりはない (文春文庫) | |
藤沢 武夫
文藝春秋 1998-07 おすすめ平均 |
藤沢武夫さんの『経営に終わりはない』を読みました。
本書は
●ぼってぃーさんのブログhttp://botty1.blog64.fc2.com/blog-entry-10.html
●ビジネス太郎さんのブログhttp://bijinesusho.seesaa.net/article/120079241.html
にて絶賛されているのを見て、読んでみました。
本田宗一郎と藤沢武夫の関係のように、お互い管理せずとも信頼して背中をあずけられる同志を私も見つけたいと思うとともに、今の自分自信や職場について、いろいろと悩みや迷いが出てくる一冊でした。
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● 二十五年の幸せな別れ
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「まあまあだな」
「そう、まあまあさ」
(中略)
「ここらでいいということにするか」
「そうしましょう」
(中略)
「幸せだったな」
「ほんとうに幸福でした。心からお礼をいいます」
「おれも礼をいうよ、良い人生だったな」
それで引退の話は終わった。
それは、本田だって、私がいやになったときもあるでしょう。このとおり私は勝手ですから。役員室をつくるときも、研究所を独立させるときも、彼に相談してない。経営にかけては、向こうより私のほうが本職なんですから。
私だって、本だがいろんなことをやっているのを、
「なにいってんだ」
と思うときがあります。しかし、いずれにしても、根底では二人は愛しあって、理解しあっていた。
「これ以上はないという人にめぐり会えた」
という気持ちがすくなくとも私のなかにはある。
このように信頼できるパートナーがいることが、どれほど頼もしいことなのか。
本書を読むとその姿にあこがれます。
私は物事を自分一人の力でやろうとしてしまう傾向があります。
特に重要なことについては自分ひとりで抱え込んで、一人で責任を背負い込んでやろうとしてしまうことが多いです。
要するに安心して人に任せることができないんですね。
相手を信頼しきれていないのです。
だから、つらくなるんですね。
私にはやりたいことがありますが、それを死ぬまでに実現しようと考えたとき、時間が全然足りないという焦りが出ます。
人が5年でやることなら3年以内で、10年かけてやることなら5年以内で自分はやり遂げるくらいのスピードがないと、とてもじゃありませんが今思い描いている将来像を実現できそうにありません。
そういうこともあり、また、今の職場と将来のやりたいこととのギャップをつないでいたビジョンに迷いが生じたこともあり、職場での今後も含めていろいろと今悩みが出始めています。
やはり、一人ですべて抱え込んでやるのは無理です。
もっと人とのつながりを意識して、信頼できる仲間との協業でやりたいことを実現していく方向性を今一度考えてみる必要があるなと感じます。
ともに同じやりたいことに向けて、背中を預けて挑戦していけるような同志ですね、私が今まで見過ごしていたものは。
今の職場で働くことが将来のやりたいことに近づくことにつながるのか。
少し前まではつながっていると思っていましたが、今はなんともいえません。
「今やっていることが必ず未来につながる日が来るのだと信じて、自分のハートの声に従って行動することが重要だ」とスティーブ・ジョブズは述べていました。
私の場合はどうなのでしょうか。
今の職場で働くことは、今でもハートの声にしたがっていることになるのでしょうか。
あれもこれも全部自分ひとりで背負ってがんばりすぎるのは、息が詰まる上につらくなってしまい、やりたいことがやらなければならないことのようになることがありますね。
経営に終わりはない (文春文庫) | |
藤沢 武夫
文藝春秋 1998-07 おすすめ平均 |
5 Comments
ブログの紹介ありがとうございます!
僕も初めて本書を読んだときは、お二人の絶大な信頼に圧倒され、非常に憧れました。
実は本書、大学のレポートの課題として出されたのがきっかけで読みました。そのときの教授の言葉は今でも忘れません。
「ここにいる(経営学部の)人は本田宗一郎にはなれません。しかし、藤沢武夫になら、なれます!」
聴いていて非常に興奮したのを今でも覚えています。
なんだか大変お悩みのご様子。
僕もやりたいことを全部しようと考えるとき、あまりにも時間が足りないことに唖然とすることがあります。
ちなみにですが、僕はこれから先の10年で、藤沢武夫にとっての本田宗一郎のような方と出会うことができれば、最高に幸せだと考えています。
それまでは黙々と自分の能力を磨き上げていこうと思います。
ともあれ、長期戦ですから気楽に真剣にいきましょう!
こちらもご紹介ありがとうございます。(笑)
ブログを書いていて良かったなと思うのは、こうして感銘を受けた本や、啓発されたことなどを、お互いが紹介し合ったり、感想を述べ合ったり、刺激を受けたりできるところですね。
遠くに離れたところに住んでいる、ぼってぃーさんやTAKUさんと、ブログを通じてこうして色々と啓蒙し合えることって、ある意味、本田宗一郎さんと藤沢武夫さんのような関係じゃないかな・・なんて、勝手に思っています。(笑)
志がぶれている状態で同志は見つからないと思います。
石の上にも三年、とは凡庸な人間が淡々と積み重ねることのメリットを説いた言葉で、非凡な人にはあてはまらない。
舵を切るのも良し、前に進むのも良し、かと。因みに凡庸な私は愚直に積み重ねています。
どもども。お久しぶりです。
今選んでいる道が全く検討違いだと確信できるまでは、悩みながらも前進してみるのはいかがでしょう。
いくら頭の良いTAKUさんでも、さすがに3ヶ月目で会社から自分に必要なエッセンスを吸収しきりきれていないんじゃないでしょうか。
もしくは前の会社を辞退して今のTAKUさんがあるように、この会社を辞めることで倍強なれるような覚悟があれば良いかもしれないですが。
死にかけのサイヤ人級に
>ぼってぃーさん
確かに自分にとっての本田宗一郎に出会えれば、
誰でも努力次第で藤沢武夫になれるかもしれませんね。
税理士試験、がんばってくださいね!
>ビジネス太郎さん
私もブログやmixiなどを通じてつながれた人とは、
たとえ直接会ったことがあるわけではなくても、
強い結びつきを感じます。
ある意味、お互いを磨きあう同志ですよね!
>まやまさん
おっしゃるとおりだと思います。
迷いや悩みが出ているとはいえ、私も5年間は今の職場で真剣に働いてみようと考えています。
書き方がまずかったと思うのですが、
「職場での今後」というのはどちらかというと営業の道に進むのか、
それとも別の道(開発など)に進むのかということで、
やりたいことを実現するには何処で働くのが一番なのか、ちょっと悩んでいるんですね。
それに加えて今の職場のスピードに疑問が出ているのは事実なのですが、
さすがに今すぐ辞めることを検討してはいないです。
コメントを拝見して、やはり私もしばらくは石にかじりつこうと思いました。
ありがとうございます!
>けんろーさん
そうですよね、ちょっと悩みや迷いが出たくらいで職場を変えていたら、
学びの深み・質がおろそかになってしまいますよね。
1年弱の間だったとはいえ、それこそ死にかけのサイヤ人級に追い込まれるまでとりあえず前進してみたからこそ、
前の会社を辞めた経験を通じていろいろと学べたのだと思いますし(笑)
この先悩みが大きくなるのか小さくなるのかはわかりませんが、
死にかけのサイヤ人級にボコボコになるまではもがきながらも挑戦してみますよ!