藤井孝一さんの著書、「投資効率を100倍高める ビジネス選書&読書術」を読んだ。
本書は、読書の指南書といっていいと思います。
本を読むことの効用はもちろんですが、どちらかというと「いかに読書を活かすか」の部分にウェイトがおかれていて、
●良書の選び方
●効率よく1日1冊読む方法
●読んだ後の勉強法(=アウトプット法)
の部分は特に充実しています。
本書を読むことの効用は、書評メールマガジンを8年間続けてきた著者の濃いノウハウを学べること以上に、自分の読書習慣を棚卸できることにあると感じます。
やはり、漠然としたものと体系化されたものとでは、「見える化」の部分で大きな差がでてしまいます。
著者の体系化された読書習慣のフレームワークに自分の読書習慣を当てはめてみることで、自分の読書習慣を体系化し、良い部分と悪い部分を明確にし、改善につなげられるということは、「読書は自分への投資」と考えている人には非常に価値のあることではないでしょうか。
特に私自身が重宝しそうな部分について、紹介しようと思います。
1.良書を効率よく選ぶ方法
●買う本が決まっている場合はオンライン書店
・オンライン書店のランキングは1時間おきに更新されるからあてにならない
・新着情報や書評ブログ・メールマガジンを活用する
●「出逢い」と「発見」を求めるならリアル書店
・自分が読書をする目的、何を得るために読むのかを明確にする
・ランキング本は一応手にとって見るが、買うかどうかは別
・「はじめに」は、著者の書籍に対する思い、書籍のエッセンス、対象者などが含まれているので、読むべき
・目次で全体像を俯瞰する
買う本が決まっているならオンラインで買って、出逢いと発見を求めるならリアル書店で買う、これは結構多くの人がやっていることだと思います。
私の場合、オンライン書店に関しては、よく拝見する人のブログやメールマガジンから買う本が、全体の6割くらいを占めてます。
リアル書店で買う際は目次を読むことはやっていたのですが、「はじめに」の部分はあまり読んでいませんでした。
しかし、確かに読書後に「いい本だった」と思える本は、体感ですが著者の言いたいことが明確であることが多かったと思います。
これは即取り入れようと思います。
2.効率的に読む技術
●速読
・早く読めるが、早く理解できるわけではなく、分からないまま読み終えるだけ
・潜在意識は理解していると言われても、インチキだと感じる
●著者の場合
・1冊全て読もうとしたら2時間くらい
・早く読む上で重要なのは、無駄な部分は読まないこと=選択と集中(面白くない、重要でない、目的に合致しない、事例やコラムなど)
・1冊30分に収める
・たくさん読めば早く読めるようになる
●損切りも大事
・1500円の本を1冊2時間で読む場合、自分の自給が5000円だとすると、1冊につき1万1500円使うことになる
・漫然と読まない、読むことを目的としない
・駄本は読むのをやめる
私も一冊全て読むのに大体2時間くらいかかります。
もっと早く読みたいとは思いますが、それは多く読めば自然と早くなるものだと考えていて、速読はやらないようにしています。
試してみて感じたのですが、やはり「早く読める」=「早く理解できる」ではないなと感じたのと、著者との対話ができないことが理由です。
著者も本書の中で「著者に共感したり、質問したり、反論したりしながら読む」と述べているのですが、これはより本の中身を理解し、自分の血肉とするためには必須だと思います。
速読で問題なのは、この「共感したり、質問したり、反論したり」という対話の時間が取れないことではないでしょうか。
3.読んだ後の勉強法
●読んだ後に、「考える時間」を最低でも読むのに費やした時間以上に確保する
●どんな本でも、何か一つでも自分に当てはめられるものはないか、活かせるものはないか探す
●読んだ本の内容を、友人に話してみる
●ビジネス書の話題で盛り上がるようになったら、読書会を開いてみる
●読書会は、きわめて学習効果の高い、考える・アウトプットする時間になる
現状、私は本を読むのに2時間、ブログを書く(=考える・アウトプットする)のに1時間くらいかけてます。
本を読むのに費やす時間以上に考えることに時間を費やすとなると、まだまだ足りませんね。
ただ、ここの部分は読書会で補えばいいかなと思ってます。
一人で本を10冊読むよりも、8冊読んで残りの時間を読書会に費やしたほうが、私はずっと学習の効率がいいと思います。
友人や同僚に情報発信していると興味を持った人が結構集まってくるので、既に読書習慣を築いている人には主催者になることもそんなに難しいことではないと思います。
まだまだ書ききれないほど、本書はとにかく濃いです。
質・量ともに大満足の一冊でした。
あくまで私的な位置づけですが、本書は本田直之さんの「レバレッジ・リーディング」と双璧をなす一冊ではないかと思います。
早速次の読書会で取り上げてみようと思います。
余談ですが、私がよく本を買う際に参考にさせていただいている
「悩める25歳平凡会社員の「多読」成功術」
のhiroさんが、なんと本書173ページの写真にのっています。
顔には残念ながらモザイクがありますが、さすが、出来るオーラが出ていらっしゃいます。
参考リンク:
投資効率を100倍高める ビジネス選書&読書術 – to-rainbowsのビジネス書日記
投資効率を100倍高める ビジネス選書&読書術 | |
藤井 孝一
日本実業出版社 2008-10-23 おすすめ平均 |
6 Comments
確かに早く読んでも読んだ気になるだけであまり頭に入らないですね。
かといって長い時間をかければ、無駄なところまで読むわけで重要なところがボケることも多いですし。
最近やってるのが見直す時間までひっくるめて○時間(内容や厚さによる)と決めて読んでます。
「読む目的+締め切り」が仕事でも何でも効率化につながるかなぁ。
自分に足りんのはアウトプットだなぁとつくづく感じました。
読書会ひらこっかなぁ。
マックさん
確かに、締め切りを設けないとどうしてもダラダラしてしまいますよね。
私も読む前に目次などに目を通して、
だいたいどのくらいの時間をかけるかまず決めています。
読書会はかなり勉強になりますよ!
私の場合は、周りに本を読んだ感想などを発信しているうちに
読書仲間が増えて、自然に読書会に発展したという感じです。
自分の話しをするのはナルシストタイプの得意技なので、
マックさんなら楽勝ですね(笑)
初めまして、JIROと申します。
私も1年くらい前から読書を始めて、沢山の本を効率よく読みたいと思い
速読系の本を3冊程度読んでみましたが、なかなか上手くいかず
結局、普通通りに読んでいます。
もっと早く読めればと常々思うのですが...
LEMONedさんは2時間で1冊ですか~、すごいですね!
では、またちょくちょくお邪魔させていただきます。
JIROさん
はじめまして、コメントありがとうございます!
200ページくらいの本であれば、何とか2時間くらいで読めるようになりました。
以前は3~4時間かかってましたけど(^^;
やはり、読書側に本の内容を理解する土壌があると、理解のスピードが上がるので、
自然に読む早さも上がりますね!
本田直之さんが1冊1時間、長くて2時間で読むとのことなので、とりあえずそれが目標です。
是非、またいらしてください!
こんばんは。まず私の紹介ありがとうございます(笑)
>読んだ後に、「考える時間」を最低でも読むのに費やした時間以上に確保する
これはつくづく思いますね。読んだだけでは自己満足で終わってしまいますからね。書評を書いている身としては肝に銘じておかなければいけないですね。
>どんな本でも、何か一つでも自分に当てはめられるものはないか、活かせるものはないか探す
この発想をすると駄本って意外となくなるのかななんて思います。
中にはどうしようも無い本もありますが…
hiroさん
ますますhiroさんのファンが増えれば幸いです(笑)
確かに中にはどうしようもない本もあると思います。
が、「これは良書」「これは駄本」と本を裁くクセをつけてしまうと、
謙虚な姿勢を失ってしまい、学ぶことができなくなってしまいますよね。
やはり、本を裁くくらいなら何か一つでも学び取ることに
頭と時間を使ったほうがいいですよね!