影響力の武器[第二版] | |
社会行動研究会
誠信書房 2007-09-14 おすすめ平均 |
ロバート・B・チャルディーニの著書、「影響力の武器[第二版]」を読みました。
本書は随分前(1ヶ月以上)にmixiで知り合ったぼってぃーさんから「指向性にあうのではないか」とお勧めしていただいた一冊です。
内容としては、人が正しい判断ができなくなり、だまされやすくなるような心理状態への対処法が書かれています。
●こちらからお願いしたわけではなくても、相手から好意を受けると自分もお返ししなくてはいけないような気がしてしまう(返報性のルール)。
●一貫性のある人と思われたい一心で、自分の主張を曲げることを嫌い、無理に通そうとする(コミットメントと一貫性)。
程度こそあれ、こういったことはあると思います。
普通に読んでしまえば、悪徳セールスや、宗教団体からの勧誘にだまされないための防衛法を学んで終わりになってしまうかもしれません。
実際読んでみると、宗教にはまってしまう人の心理も結構理解できるので、かなり役に立つと思います。
しかし、私は読み進めるうちに次々と以前の私の心の葛藤状態を言い当てられているような感覚に襲われ、かなりグサリときました。
以前私は、周囲の疑問や反対は押し切って、私自身にとって非常に重要な決断を、自身の一存で決めました。
そのときは自分は間違っていない、絶対に正しいと信じていました。
しかしだんだんとその自信が揺らいでいきました。
本当にこれでいいのだろうかという疑問が湧いてくるのを感じつつも、私は自分の間違いを認めることが出来ず、自分の行動や決定と一貫した思考や信念を持ち続けようとして、自分をだましていました。
また、その選んだ場所で感じていた恩義も重荷になっていました。
相手の言っていることがおかしいと感じつつも、相手から受けている恩義を考えると、首を立てに振らないといけないのだろうかと錯覚させられていました。
後から思うと、そもそもその恩義というのも、かなり押し付けられていた部分がありました。
結局は「やはりおかしい」と確信できた段階で過ちを認めることができたのですが、「自分は間違っていた」とそのときに強く感じた自己否定の思いが、何かを変えないといけないとばかりに本を引き寄せ、今の私につながっています。
あのとき、自分の正しいと思った決断を押し通して、本当に良かったと思っています。
あのとき、「全自分」をかけた決断をしたからこそ、それが間違いだったと気づいたときに自己改革のきっかけを得られたのでしょう。
あの決断がなければ今の私は間違いなくありませんでした。
成長とは「自分を捨てる勇気」と言ってもいい。
成長できる人は、間違った階段を上らなかった人ではない。間違えたと気づいた瞬間に、躊躇せずに今いる階段から飛び下りることができた人なのだ。
これは半年くらい前に読んだ「千円札は拾うな。」の安田佳生さんの言葉ですが、半年前は分からなかったその意味が、最近ようやくわかりました。
間違った階段を上ってもいいんです。
大事なのは間違えたと気づいたときに、すぐに引き返して自分を作り変える勇気を持つこと。
自己否定の思いが強いほど、そこから抜け出したときの成長は大きくなるのだと思います。
自分の内なる声を信じる勇気を持ちつつ、間違いだと気づいたときには自分を否定する勇気も持つ、私はそれで行こうと思います。
最後にぼってぃーさん、いい本をお勧めしていただいて、ありがとうございました。
感謝!
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誠信書房 2007-09-14 おすすめ平均 |
3 Comments
ここまで書いて頂けると、うれしいですね!
僕もお薦め頂いた「さあ、才能に目覚めよう」は感動しました。
自分の強みがすごく偏っていて、いろいろと考えさせられます。
またブログに記事を書きますね。
すばらしいですね。
私もこの本(第1版)を読んで人間関係を築くスキルが
格段にあがりました。
何度も読んでスキルとして定着させたいですね。
ぼってぃーさん
いやぁ、本当に多くを学ばせていただきました。
感謝!
「さあ、才能に目覚めよう」の記事、楽しみにしてますね!
はじめさん
本書は良書ですよね!
>私もこの本(第1版)を読んで人間関係を築くスキルが
格段にあがりました。
まさに心を成長させてくれる一冊。
こういう本に出会えるのも、読書の醍醐味ですよね。
読書すること、ブログを書くことが目的になっては本末転倒ですので、
今後も「実を取る」ことに集中して、
日々成長して行こうと思います!