人と違うことをやれ! (PHP文庫) | |
堀 紘一
PHP研究所 2009-01-06 おすすめ平均 |
堀紘一さんの『人と違うことをやれ!』を読みました。
本書は、若者たちへのエールのような一冊です。
●少数派でいることを恐れない
●自分の意見をしっかり持つ
●常に自分の頭で考える
これは本書に繰り返し登場する言葉です。
日本人の大多数はこれとは真逆の生き方をしていますね。
人によっては途方もなく耳の痛い話が満載なのですが、かなり面白いので、厳選して紹介しようと思います。
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● 片寄った価値観
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東大を出て一流企業に入れた者は、たったそれだけの事実で一生エリートでいられ、一生いい生活ができるのが当然だと勘違いしてしまう。一方、学歴もなく名の通った会社に入れなかった者は、人生の入口のそれだけのことで、一生下積みを余儀なくされるかのような錯覚に陥ってしまう。
いずれも、なんとも単純で馬鹿げた考え方である。
日本には、塾で一生懸命勉強して、いい高校、いい大学に入り、一流企業に就職するのが目的の、いわゆるエリートコースと言うものがあります。
私は、なんら自分の意思も持たずにこの競争ルールの乗せられて、挙句自分は勝ち組みだなどと思っている人は大嫌いです。
この競争ルールの中で敗れて、「学歴社会の弊害だ…」「弱者に弱い政治だ…」とか言っている負け組み根性丸出しの人は、もっと嫌いです。
私はこういう価値観を、いつか破壊したいと思っています。
ある一つの競争ルールの中で敗れたからというそれだけの理由で、まるでもう自分には可能性がないかのように、セルフイメージを貶める必要なんてないはずです。
競争ルールなんて他にいくらでもあります。
自分が勝てる場所を探そうともせず、自分にとって不利な土俵で、「皆と同じだから」というただそれだけの理由で戦うなんて、馬鹿げています。
人のまねをする必要なんてないのです。
第一に私が声を大にして言いたいのは、ビジネスマンとして成功するのに学歴はまったく意味がないということだ。そんなものに関係なく、これからは頭を使えばいくらでも成功するチャンスは出てくる。
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● 「自分はこうありたい」-「現状はこうだ」=「だからこうしよう」
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目的をはっきりと明確に打ちださず、ただいきなり短絡的に成功という結果だけを欲しがる。こんな虫のいい話が成り立つわけがない。自分の目的がはっきりしないまま、他人のサル真似をしたり、ただ流行をおったりするから、大きな成功など期待できないし、だいいち、充実感が持てないのである。
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● 考える力を鍛える
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過去に起きた事例をそのまま当てはめれば解決できるような問題ばかりであれば、記憶力がものを言う。だが、これからは次から次へとこれまでには経験しなかったまったく新しい問題が、ビジネス社会に起こってくる時代になる。何が問題なのか自分で考えなくてはいけない。そういう問題は記憶力では決して解決できないのだ。創造性、つまり洞察力や発想力をフルに働かせた頭脳活動をしなければならない。
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● 人がやりたがらないことをやる
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人があまりやりたがらないようなことをすれば、必ずその報いが返ってくると私は信じている。何をするにも打算でやるのではなく、他人の役に立ちたい、相手の喜ぶ顔が見たいというような気持ちでやっていれば、診てくれている人の中にはそこを認めてくれ、評価してくれる人が出てくる。(中略)誰もが嫌うようなことを文句も言わずに一生懸命やっているその姿に信頼を寄せ、期待感を込めて仕事を依頼してくるのである。
これは結構大事だなと思いました。
特に4月から私は新人になりますが、しばらくの間は、「やりたい!」と思えるようなおいしい仕事は、恐らくみな先輩が持っていってしまい、残された「皆がやりたがらない仕事」が私には回ってくることになるでしょう。
そこで腐らず、文句を言わずに一生懸命取り組んでいれば、その姿を見た人が、「あいつなら安心して仕事を任せる」と、一目置いてくれるかもしれません。
逆に「こんなの自分のやる仕事じゃない!」とふてくされているような人は、「あいつには安心して任せられないな」と敬遠されてしまいそうです。
仕事を選べるのは、それに見合う能力が身についてからなのだと肝に銘じて、まずはやってみようと思います。
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人と違うことをやれ! (PHP文庫) | |
堀 紘一
PHP研究所 2009-01-06 おすすめ平均 |
お知らせが3つあります。
1つ目は、就活生向けに始めたメルマガですが、メルマガ内で告知したとおり、しばらく休止します。
理由は、もっとやりたいことがみつかり、そちらに労力を分配したいからです。
2つ目は、ブログのデザインが少し変わりました。
と言っても、今までは流動的だったページ幅を、860pxで固定しただけですが。
3つ目は、読書会”TRICKYY”から新しいブログが立ち上がりました。
その名も、「ビジネス書ユニ学生!」(http://d.hatena.ne.jp/unigakusei/)
昨日の読書会にてアイデアが出て、そのまま即立ち上げの運びとなりました。
“TRICKYY”の人事担当、広報担当の二人で、がんばっていくようです。
私はサポートはしますが、運営には関わりません。
3 Comments
エリートコース…。このような考え方、僕も嫌いです。
まあ、すでにエリートコースから外れている僕にすれば関係のない話ですが(笑)
やっぱり努力するなら、自分のたてた目的に向かって、ですね!
愚痴らずに、自分の出来ることをコツコツと…。
当たり前のことを、再確認することが出来ました!
こんにちはorangeee13です。
>人がやりたがらないことをやる
以前アルバイトで営業をしていたんですが、
その小さな会社の社長が
いつも率先してトイレ掃除をしていました。
僕も他のところでトイレ掃除を率先してやるようになり、
打算的な気持ちは一切なく
すがすがしい感情を抱くようになったのを覚えています。
人の嫌がることを率先してできる人間でありたいですね。
>orangeee13さん
効率だけを考えれば、「社長には社長にしかできない仕事をやってもらいたい!」
と思うのでしょうが、
「社長がトイレ掃除をやっている!俺たちもその精神を見習わないといけない!」
と社員が感じるのであれば、それはそれで社長にしかできないことなのではないかと、
思いました。
とても貴重な経験をされたんですね。
私も見習いたいと思いました。