ソース―あなたの人生の源はワクワクすることにある。 | |
Mike McManus ヒューイ 陽子
ヴォイス 1999-10-01 おすすめ平均 |
マイク・マクナマスの『ソース―あなたの人生の源はワクワクすることにある。』を読みました。
本書は私の座右の書のひとつとなるでしょう。
もちろん意見が異なる部分もないわけではないのですが、私がこの約1年間、本を読みながら考え続けてきたことと、本書に書いてある内容があまりにも近いので、思わずびっくりしてしまいました。
本書に書いてあることはずばり、「自分の好きなことを貫く生き方」です。
すべての人にオススメします。
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● 個性とは結局何なのか
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既存の学校教育は、個々の生徒たちに自分のワクワクを発見して追及する方法を教えてはくれません。それどころか、一人ひとりの個性は邪魔者扱いすらされます。
(中略)
それぞれの生徒が一番ワクワクすることを中心に個人のカリキュラムを組んだ結果、それまで生徒の心の奥に秘められていた目的意識とヤル気の源泉が見つかったのです。
(中略)
この生徒たちは通常の教育では開花しえない、膨大な才能や能力、意欲が誰にでも存在することを示してくれました。
私は既存の学校教育を否定してはいませんが、今の評価制度では埋もれてしまう才能が多いことは事実だと思います。
学校の成績や大学の知名度というのは、人を測るための一つの尺度に過ぎず、数多くある競争ルールの一部に過ぎません。
たとえ学校の中では十分な成果が出せなくても、必ずどこか別の場所に自分が勝負できる舞台、競争ルールがあると私は思います。
そしてそれを見つける鍵は、自分が熱中できるものの中にあるのです。
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● 熱中できるものとはけ口の違い
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外見上では趣味や楽しい行動に見えたり、楽しいと思える相手でも、自分が本当に望む生き方からあなたの気をそらせていたり、回り道をさせたりしているとしたら、それはマイナス要因だといえます。
テレビを延々と見てしまうとか、毎晩飲み歩いてしまうとか、そういうのは一見「熱中している」ようにみえて、実は暇つぶし、ストレス解消、心の隙間を埋める、目的意識がないゆえの無気力状態からの脱却のための「はけ口」になっている可能性が高いです。
それは本当にやりたいことができないこと、もしくはやりたくないことをやらなくてはいけないことから生まれる負の感情を埋め合わせるための行動に過ぎず、それをいくら繰り返しても自分が本当にやりたいこと、なりたいものに近づくことはできないのです。
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● 好きなことを見つけるのに通念は必要ない
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社会全体としても個人としても、私たちは多くの誤った社会通念をうのみにしています。そのために自分の一番大好きなことが見つけられず、人生の方向性を見失っています。
私は、社会通念自体は悪ではないと思います。
共同体の中で生きる以上、全体の利益のために取決めを設けることは理に適っています。
ただ、自分の好きなことを貫いて生きるうえでは、こうした通念はほとんどの場合邪魔になるとも思います。
通念はあくまで人が作ったもので、必然的に誰かにとって都合のいいように出来ています。
そこで自分の主張をせずに通念をそのまま鵜呑みにしてしまうということは、相手にとって都合のいい立場を受け入れることと同じなのです。
私たちはもっと頭を使って、どうすれば共同体の中で自分の好きなことを貫きつつ共存できるかを、主体的に考えなければならないのだと思います。
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● 通念はウソだらけ、本当は…
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「人が取るべき責任ある行動はただひとつ。自分が心からしたいことをすることである。それが人生でもっとも責任ある行動であり、その人が負う最高の責任である。」
まわりの人間の願望や期待を満たすことに一生懸命で、自分自身の夢や願望を忘れている人は、自分に対して不誠実で無責任なのだということですね。
無理やりにヤル気を出す必要があるのは、したくないことをしなければならないときだけです。
モチベーションアップセミナーだとか、本を読んだりセミナーを受けたりしてモチベーションをあげるだとかいう考え方、やり方を実践している人は、やりたくないことをやるために無駄なことをやっているということですね。
ただ私は、たとえ今は面白くないと感じることでも、少し視点を変えてみたり、やり方を変えてみたり、目的・目標といった意義を見出して挑戦してみたりすることで、それを劇的に楽しいものに変えることは十分可能だと思います。
大事なのは自分の考え方ややり方を変えることで、そのためのヒントを得るために本を読んだりセミナーを受けたりすることは全く問題ないと思います。
ただ、あくまで得られるのはヒントで、自分の頭で考えない限り答えは出てきませんが。
「適性があると言われたからといって、それをする必要もなければ、好きになる必要もない。しかし、適正がなくてもワクワクすることなら、やったほうがよい」
「下手でも心を燃やせるものなら、ぜったいにやりつづけよう」
私は、人が持つ最大の才能は、何かに対する適性ではなく、何かに対して傾けられる情熱や執念だと思います。
ある分野で一流と言われる人で、嫌いだけど適性があったから一流になれた、なんていう人を私は見たことがありません。
何かを極めようと思うならばやはり継続的なトレーニングが不可欠で、それを続けるためには「嫌い」では無理なのです。
続けるために必要なものは情熱と執念です。
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● 好きなことをどうやって知るか
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第一のステップは、自分の中にある、やむにやまれず興味や関心が何かを知ることです。
「職」を探すのではなく、自分の人生の方向性に合った「生き方」を探す必要がある
夢は大きく描いて、どんどん追求してください。夢をあきらめる必要はありません。ただ、現在の夢がそのままの形で実現できない場合、夢そのものを捨ててしまわないでほしいということです。夢を本質のレベルにまでさかのぼれば、同じ夢を違う形で実現できるし、あなたが求めていたのは、むしろその夢が実現したらこんな自分になるだろうという、自分の「在り方」なのではないかと言いたいのです。
「夢の本質を知る」というのは非常に大切だと思います。
極端な例を言えば、子供の「サッカー選手になりたい」という夢の動機は、「なんとなく注目されて、テレビにも映ってかっこいい」というものかも知れません。
そこに本質があるのならば、別にサッカー選手ではなくても、バスケの選手だろうが、歌手だろうがアイドルだろうが、実業家だろうが、他にいくらでも彼の願望を満たす手段はあるわけです。
たとえ今描いている夢がそのままの形では叶いそうにないとしても、その本質が何処にあるのかを忘れなければ、他にいくらでも「自分の好きを貫く方法」はあります。
1.自分の夢がそのままの形や規模では実現できそうにないとき。
2.自分の中に相反する願望があって、どちらもあきらめたくないとき。
3.現在の仕事を基本的に気に入っているのだが、もうひとつ満足できないとき。
4.仕事を変わりたい、または新しい仕事に就きたいが、どんな仕事を探したらよいかわからないとき。
そういう時は「好きの本質」を掘り下げてみるといいと思います。
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● 目標を立てるな
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むしろ目標にこだわるあまり、一見目標と関係ないように見える貴重な体験やすばらしいチャンスを見逃してしまう可能性があります。
目標を立てないでいると、自由に気の向くままに創造的な好意に走ることができます。目標を立てる代わりに、目指す方向だけを決めておくほうが、長期的には多くを成し遂げられるのです。
私は目標は立ててもいいと思っていて、大事なのはそれに縛られないことだと思います。
例えば旅に例えると分かりやすいと思うのですが、きれいな景色を見ようとA地点を目指す中、途中のB地点にて思わず「こっちにもきれいな景色がありそうだ、こっちのほうが面白そうだ」という場所を見つけたとします。
そこで「いや、あくまで目標はA地点だから、無視して先を目指そう」というのはナンセンスです。
あくまで目的は「きれいな景色を見ること」だったのですから、もっと魅力的な目標地点が見つかったら、さっさと目標を変えればいいのです。
最初の一歩を踏み出すためにはある程度目標の力は必要だと思いますが、「目標を貫くんだ!」「三日坊主で終わらないんだ!」と堅苦しく考えずに、柔軟に対処するともっと人生が豊かになると思います。
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ソース―あなたの人生の源はワクワクすることにある。 | |
Mike McManus ヒューイ 陽子
ヴォイス 1999-10-01 おすすめ平均 |
3 Comments
すごく力が入った記事ですね!?
気になる内容ばかりだったのですが、そのなかでも
>社会全体としても個人としても、私たちは多くの誤った社会通念をうのみにしています。そのために自分の一番大好きなことが見つけられず、人生の方向性を見失っています。
は、考えさせられる内容でした。
本当は、様々な道があるのに、それに気付かず、もしくは探そうとせず、言われたとおりの道を行ってしまう人が多いのでは…
と、最近よく考えています。
それがよいかわるいは別として。
TAKUさんがここまでオススメする本、一段落したら読みたいと思います!
「目標を立てるな」という項目に共感するところがありました。
私には、「絶対自分はこうなりたい」という目標がありません。「こうなったら面白いだろうな」というビジョンを、あいまいに思い描く程度。ゴールをガチガチにロックしてしまうと、なんだか「遊び」がなくなってしまうような気がして・・。
目標地点に到達することは楽しいけれど、道を脱線して、まったく意図していなかった場所にたどり着いてしまうというのも、やっぱり、それはそれですごく楽しいと思うんですね~。・・『人生の醍醐味は、「脱線」にあり!』・・なんて、どうでしょう??(笑)
>ぼってぃーさん
多くの人が自分が幸せになることにではなく、
周囲に自分を幸せそうに見せることに力を使いすぎなんですよね。
本書は私の座右の書となりました。
個人的にはとてもオススメですよ!
>ビジネス太郎さん
ゴールをがちがちにロックする必要はありませんよね。
目標のいいところは、とりあえず暫定でもいいから立てて、
それに向かってある程度歩き始めることで、
今まで見えなかった景色が見えてくることにあるのだと私は考えています。
脱線は歓迎すべきことですよね!