著者4000名からなる著書、「クラウドソーシング 世界の隠れた才能をあなたのビジネスに活かす方法」を読んだ。
クラウドソーシングというビジネス用語をご存知でしょうか?
本書ではこのように定義されています。
インターネット等を通じ、社外の不特定多数の人々に対してアウトソーシングを行うこと。知的生産力やコンテンツなどを、多数の人々から調達・集約し、事業成果を得ることを目的にしている。
最近「群集の叡智」としてウィキペディアやリナックスが注目されてますが、実は本書もwww.wearesmarter.orgという名のコミュニティに集まった4000名の有志たちが書き上げた、まさにクラウドソーシングによるクラウドソーシングについての著書なのです。
本書を読んで驚くのは、実に様々な企業がクラウドソーシングを取り入れていること、そしてその分野が多岐にわたっていることです。
新興企業では例えばAmazonのユーザーレビュー機能はクラウドソーシングを取り入れたものですし、もっと大きいところではP&GやIBMなどの企業もこの試みを行っています。
実際にP&Gは自社の新製品アイディアのうち半分をクラウドソーシングによって生み出そうと考えており、既に現時点でアイディアのうち35%をクラウドソーシングすることに成功し、研究開発部門の生産性を一気に60%アップさせるという成果をあげているというから驚きです。
また、本書で紹介されている事例を見ると、実に様々な分野でクラウドソーシングが力を発揮しています。
新製品のアイディア募集や商品に関する問い合わせ、マーケティングなどはまだ分かりますが、なんと資金調達まで行われているそうです。
「インターネット・コミュニティの多くのメンバーは、自分たちの必要性や要求を満たす状況が生み出されるなら、無償で手を貸すことを全く厭わない」
もはやこの考え方は、無視できないものになりつつあるのでしょうか。
本書を読むと、自分でも何かクラウドを活用したコミュニティを作り、プロジェクトを立ち上げたくなります。
何か面白いアイディアが出てくるといいんですが。
興味深い一冊です。
以下、私用メモ
●裏方に徹し、斬新で力強いアイディアやひらめきを待つ
●知性のある有志を集め、活発なコミュニティを作る
●秘密を作らない
クラウドソーシング 世界の隠れた才能をあなたのビジネスに活かす方法 | |
野津智子
英治出版 2008-07-23 おすすめ平均 |
2 Comments
>クラウドソーシングというビジネス用語をご存知でしょうか?
いや~知らなかったです(^^;
リナックスとかのオープンソース開発もその一種ですかね?
>資金調達
なんか日本でも融資の為のSNSが出来るらしいですよね。
本書とても興味深いです!
社内SNS活用の観点等から読ませていただきます。
BJさん
>リナックスとかのオープンソース開発もその一種ですかね?
どちらも不特定多数にアウトソーシングしているので、
まさにそのとおりだと思います!
>社内SNS活用の観点等から読ませていただきます。
事例が豊富なので、何かヒントがあるのではないかと思います。
あ!あとBJさん、ついにはてなブログで「名言集造り」を始めたんですね!
しかもデザインがかっこいい(笑)
さっそくお気に入りに追加です。