佐々木俊尚さんの著書、「インフォコモンズ」を読んだ。
ウェブ1.0の時代、あるいはインターネット以前の時代には、情報はマスメディアによって集約されていた。
この情報はウェブ2.0時代に入って分散化し、情報はフラットになった。マスメディアの流す情報も、個人の書くブログも等価になった。
(中略)自分がいかにして効率的なコミュニケーションを行えるようにするかを、自分自身で確立していくこと―それこそがウェブ3.0なのだという。
利用者たちが自分自身で情報をかき集め、そこに自分自身にとっての有用な意味づけを行っていけるような再集約が必要なのだ。
ウェブ2.0時代に入り、確かに情報はフラット化したが、フラット化した分過度にあふれた情報の中から必要な情報を見つけ出すのが困難になり、脳の処理能力を圧倒してしまいかねなくなった。
そこで、フラット化された情報にユーザー自らが意味づけを行い、その情報を元に自分の嗜好性にあったコミュニティを作る、情報共有圏(インフォコモンズ)が必要になってくるというのが、本書の主張だ。
例えばアマゾンでは商品のページにアクセスすると、「この商品を購入した人はこんな商品も購入しています」と別の商品が紹介されるが、その商品に対して購入者がどれほどの満足度を得たかは不明である。
また、自分がその商品を購入しようと考えている理由やバックグラウンドと、別の人が購入した理由やバックグラウンドは必ずしも同じとは限らない。
情報に信頼性や、対象性が保証されない限り、有意義な意味づけが行われているとはいえない。
1.暗黙ウェブである
2.信頼関係に基づいた情報アクセスである
3.情報共有圏が可視化されている
4.情報アクセスの非対称性を取り込んでいる
ウェブ3.0時代の情報の意味づけ、集約をするアーキテクチャには、上記の4つの要件が含まれることになると著者は言う。
これはなかなか面白い。
例えば、最近招待メールをもらって登録した『発見!ちか人とお人』というSNSサイトがある。
※『発見!ちか人とお人』→https://www.chikajin.com/
いくつかの正確診断を受けたり、自分が読んだ本を登録することで、同じ志向性を持つ人、逆に自分とはかなり遠い位置にいる人を自動的に割り出して教えてくれるサイトだそうだ。
だそうだ、というのは、今のところ自分に近い人など見つかっていないのである。
正確診断の結果は自分と一致すると思えるものではない。
また、自分に近い人というのもどうやら「趣味:読書」という次元でのネットワークのようだ。
せっかく読んだ本を登録しても、その中身から属性を割り出し、自分の属性を定義してくれるわけでもなければ、それに近い属性を持つ人を引き合わせてくれるわけでもない。
ビジネス書を50冊くらい登録したが、一番近いと判定された人は漫画を読んでたりする。
まだ立ち上がって1ヶ月ほどのサイトなので、これからどんどん新機能が増えるのかもしれない。
登録した本からその人の属性情報を抽出・集約し、似た属性の人たちが自動的につながり、コミュニティが出来るようになれば面白いと思うし、早くそうなってほしい。
同じマインドを持つ人に出会ったり、同じマインドを持つ人が読んでいる、自分の知らなかった本に出合えたり出来れば、ネットワークに大きな付加価値が出てくるのではないか。
iCommunityとかiCommonsとかいう名前でGoogleがやりだしそうだ。
インフォコモンズ (講談社BIZ) | |
佐々木 俊尚
講談社 2008-07-17 おすすめ平均 |
2 Comments
へぇ~。
本もSNSも面白そうですね!
最近はてなブックマークにはまっていて、
同じサイトをブックマークしている人のサイトを
観て回るのがとても楽しいです!
これもちか人を見つけるのと似てるかもね~(^_^)
BJさん
はてなブックマーク、未だに使っていないのですが、
面白そうですよね~。
これを機に使ってみますかね!
と、BJさんのはてなブックマークを早速拝見させていただきましたが、
精力的にブックマークつけてますね~。
早速お気に入りに登録させていただきましたv