SEの勉強法 | |
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克元亮さんの『SEの勉強法』を読みました。SaaS、PaaS、クラウド、仮想化などなど、IT業界は次々と新しい概念が出てきます。加えてコンサル系の道に進もうと思うならば業務知識にも精通していなければならなかったり、プロジェクトマネージメントの道に進もうと思うならばマネージメント能力を身につけなければならなかったりと、必要な知識・技能が多岐にわたります。
要するにSEという職業はたくさん勉強しなければならないのです。しかし一方でIT業界の中でも分野やキャリアが多岐にわたっているため、自分の進むべき道、進みたい道がわからない、そのため何を勉強すればいいのかがわからない、というSEが多いのではないかと思います。本書はそんな人にうってつけの一冊です。
本書は大きく分けて、
・SEのキャリアと必要な知識・技能
・それらを身につけるための勉強法
の2つで構成されています。
前者で特徴的なのは、SEのキャリアを「コンサルタント」「ITアーキテクト」「プロジェクトマネージャ」の3つに分け、
・それぞれのキャリアの特徴
・どのキャリアにも必須のスキル(コミュニケーションスキル、ドキュメンテーションスキル等)
・2つのキャリアに共通するスキル(コンサルティング手法、モデリング手法等)
・キャリア専門のスキル(経営戦略、会計、アーキテクチャデザイン等)
が挙げられていることです。
自分が目指したいのはどのキャリアなのか、そのために必要な知識や技能はどれで、どう身につけていけばいいのかが一通り理解できます。ここは実際に読んでいただくとして、ここでは後者の勉強法について気になった個所を紹介します。
スキルセットを意識して幅を広げる
私はIT系営業職なので、SE程技術的に明るいわけではありません。営業中もそこまで技術的な話をする機会はないのですが、やはり売っているものが売っているものなので、当然技術的な理解もあったほうが提案のバリエーションは広がります。広く浅くやるよりも、一つを深堀してそこから派生させた方が効率的なので、すでに興味を持っていて、使う場面も多そうなHTML言語を勉強してみようと思います。
勉強の「しくみ」を5Pのフレームワークで考える
「時間がない」「元気がない」「続かない」「やりたくない」などなど、勉強ができない理由はたくさんあります。そういう人は本書にある「勉強のしくみ5Pのフレームワーク」を使うといいでしょう。
①Purpose(目的・達成目標)
②Planning(計画)
③Practice(実践)
④Partner(仲間)
⑤Present/Profit(報酬)
①については、本書では目的をさらに展開し、目的の目的を追求することを推奨しています。
・その目的を達成したら、次の目的は何か
・その目的を達成したら、何が良くなるのか
・その目的を達成したら、自分はどうなっていたいのか
目的がたくさんあればあるほど、それが実現したいものであればあるほど、勉強しようという意欲は勝手にわいてきます。だから資格を取ろうと決めたらすぐに勉強を始めてしまうのではなく、まずは立ち止まって目的を洗い出すことが重要で、それが勉強を継続させるポイントなのです。例えば中小企業診断士の資格を取ろうというのであれば、「年収が上がる!」「名刺に載せたらカッコいい!」「異性にモテる!?」「独立するときに役立つ!」という具合ですね。こういうのはマインドマップで書くといいんじゃないでしょうか。
②については、資格勉強など、期間が伴う勉強には計画が必要です。学校の試験勉強など、ある程度直前にやればなんとかなるものなら、その場の勢いで片付けることも出来ます。しかし、そういうモチベーションでは資格試験のような、毎日コツコツと積み上げていかなければならない勉強には対応できず、続きません。いつ、何をやるのかを計画して、それが実行できたかどうかを1日ペース、ないしは1週間ペースで確認できるよう見える化することが必要なのです。
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One comment
[書籍言及リンク集]『SEの勉強法』(1)
『SEの勉強法』を発刊して10日あまりですが、さっそく、いくつかのサイトで紹介や書評をいただいています。以下にご紹介します。 ・テーマ的にちょっと専門色が強めの勉強本ですが、かなり骨太そうな感じ。 – マインドマップ的読書感想文 ・自分の進むべき道、進みたい道が