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Author Archives: 河村 拓

『夢に日付を! ~夢実現の手帳術~』

ワタミ株式会社CEO、渡邉美樹さんの著書、「夢に日付を! ~夢実現の手帳術~」を読んだ。
私は何度か著者の講演を聞きに言ったことがあるが、必ず繰り返していた言葉がある。
それは、「夢に日付を!」
10歳のときに社長になると決め、23歳で外食産業を起こすことを決意し、24歳で起業。
目標としていた店頭公開、東証一部上場も果たし、2003年には学校法人郁文館の理事長となり、夢だった教育の再生への取り組みも始める。
夢を現実に変え続けている著者が夢のかなえ方、もっといえば夢を持ち続ける生き方について語ったのが本書だ。

夢を実現すること。これはとても難しいことですが、一方でそう難しくないことだとも言えます。難しいのは、夢を持ち続けること、夢をあきらめないでいることなのです。夢を持ち続けることができれば、夢を実現することはできるのです。

著者は言う。
別にはじめから高尚な夢を描く必要はない。
自身も最初は「庭付きの家に住みたい」「いつか中古のクラウンが買いたい」というのが企業家を志すスタートだった。
大切なのは、自分が本当に思っていることに正直になること。
そこから夢を追う過程で、夢を発展させていけばいいのだと。
夢を持ちたいと思っている人は是非、渡邉美樹さんの夢をかなえる手帳術、夢をかなえる生き方を本書を読んで自分の生活にも取り入れてみるといいと思う。
以下、自分用のメモ
大いなる夢をイメージできるのであれば、あなたにはその夢を成し遂げる能力が必ず備わっているということ。
●スタートは、夢を持ちたいという思いだけで十分
●きっかけはお金でも物欲でもいい
●何度も何度もカラーで達成した夢を頭に描き続ける
●夢に日付をいれ、今日何をするべきかを割り出し、今日の行動を変える
●夢をかなえるために、今自分に足りないのは何かを明確にする

夢に日付を! ~夢実現の手帳術~
夢に日付を! ~夢実現の手帳術~ 渡邉 美樹

あさ出版 2005-10-24
売り上げランキング : 4632

おすすめ平均 star
star話の内容は
star企業宣伝と主に新卒の学生向けに書かれた巧みな自己宣伝の本
star夢を予定に変える日付の魔力。

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『千円札は拾うな。』

安田佳生さんの著書、「千円札は拾うな。」を読んだ。
「残業をやめれば、給料は増える。」
こういわれると普通の人はどう思うだろうか?
日々仕事に追われ、がんばってもがんばっても終わらない、という人がこれを聞いたら「ふざけるな」と思うかもしれない。
しかしこういう人は、著者に言わせれば頑張る対象を間違えているのだろう。

何をどう頑張ることが必要なのか。それをきちんと理解し、実行しているか。大切なのはそこである。仕事のやり方を見直すことなく、単に仕事のスピードアップを目指して頑張るのはムダな努力だ。

今の時代は、時間で解決できる商品を作っている限り、長い目で見たときには、同業者には絶対に勝つことはできない。

毎日休むまもなく仕事に追われていては、「どうすれば仕事を劇的に効率的にやれるだろうか」と考える余裕がなくなってしまう。
前例のないようなビジネスモデルも、画期的な商品も、「考える時間」がなければ生まれてこない。
しっかり休む時間を与えてやれば「考える時間」が生まれ、結果的にはそれが新しい仕組みやアイデアを通して会社の発展につながると言うわけだ。
なんとも合理的ではないだろうか。
本書を読むと、いかに著者が常識の枠内で物事を考えるのを嫌い、常に「本質」を捉えようとしているかがわかる。
そして、常に本質を追求してきた著者だからこそ見えている先があり、本書は面白い。
自分の考え方は凝り固まってるんじゃないか、という人は読んでみるといいと思う。
以下、自分用のメモ
●勤勉の対極にあるのは怠惰ではなく不変
●優秀な人材には優秀な仕事、つまり、「長期的戦略を立てる」ことを任せる
●成長とは「自分」を捨てる勇気
●スキルは身に着けていくもの、成長は変化すること
●「無謀なほど高い目標」を掲げることが、まったく別の新しい方法を生み出す
●大切すぎる顧客は作らない
●お金は使わないと上手に使えるようにならない
●自分の価値を高めるためにお金を使う人が大成する
●どんな人生のどんな状況においてもリスクと無縁ではいられない

千円札は拾うな。
千円札は拾うな。 安田 佳生

サンマーク出版 2006-01-20
売り上げランキング : 4301

おすすめ平均 star
starタイトルとギャップ
starタイトル“は”素晴らしい。
star1章だけで十分

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『会社のルール 男は「野球」で、女は「ままごと」で仕事のオキテを学んだ』

Q2 あなたは新人を雇い入れました。彼はこの種の仕事の経験はありませんが、この職業にあこがれ、エキスパートになりたいと思っています。あなたならどんなふうに接しますか?
A 彼にまとまった仕事を与え、一週間後にできたかどうかをチェックする。
B 一緒に仕事のやり方を検討した後、あなたが最も適切なやり方を提案する。
C 彼にやってほしいことを支持し、その都度、仕事振りをチェックする。
D 彼にアイデアを求め、彼が出したアイデアを実行に移させる。

パット・ハイムさんの著書、「会社のルール 男は「野球」で、女は「ままごと」で仕事のオキテを学んだ 」を読んだ。
女性が昇進しにくいという現状を、男性と女性がそれまでに築いてきた価値観の違いから解き明かし、どうすれば女性でもビジネスの世界で成功できるかを解いたのが本書だ。
そもそもなぜ女性は昇進しにくいのか?
その違いは、男性と女性が子供時代に育んできた文化や価値観の違いにありそうだ。
男性は子供時代にサッカーや野球などを通して、攻撃的なゲームで真剣勝負を楽しむ。
一方女性はというと、勝負事や競争を避け、みんなと仲良くすることを好む。
その結果、男性が「監督の言いつけは必ず守る」「競争するのは当たり前」「チームプレイに徹する」「権力を振るう」などといったことを学ぶのに対し、女性は「相手と仲良くする」「対立を避ける」「円満解決を目指す」「全員で決定する」といったことを学ぶと言うギャップが生まれる。
極端に言えば、男性はゴールを何よりも重視するのに対し、女性は過程を大事にすると言うことだろうか。
そしてビジネスの世界は「真剣勝負のスポーツゲーム」であり、男のルールで動いている。
そのことに気付かず、つまり、自分がゲームのフィールドの中に立っていることに気付かないでいると、ゲームで負けてしまうのだ。
いったい誰が悪いのだろうか?
ここで「正しい」「間違っている」で考えてはいけない。
「悪いのは私ではない、女性が働きやすくなるように法を整備するべきだ」と思っても、状況は変わらない。
現状を理解し、自分を適応させなくてはならない。
では、女性は「男らしく」なるしかないのか?
どうやらそうではないようだ。

男のビジネス文化をひとたび理解してしまえば、その文化の中でうまく立ち回り、大きな成功を収めることができるのです。

はっきり言って、本書は「超」面白い。
女性はもちろん、若者ならば男性でも必ず読んでおきたい。
以下、自分用のメモ
●女性の世界では力関係が均衡に保たれる
●男性は対立してもその後はすばやく関係を修復する
●男はゴールに、女は過程に集中しながら仕事をする
●リーダーが権力を行使しないと部下は不安になる、権力は使うか失うかのどちらか
●怒りを表に出さずエレガントに対応するほうが良い結果を生む
●議論では問題の本質を見失わないこと
●リーダーを倒せ
●意見の相違を文書で伝えるのは避ける
●男性はゴールに到達するのに必要な能力に着目し、善良な人間かどうかは気にしない
●根回しは相手の顔を立てるため
●リーダーの役割「指示型」「育成型」「支援型」「委任型」、いずれも部下にゴールは明確に示す
●正しいリーダーより強いリーダー
●部下に厳しくしたり、部下の望みをかなえることができなかったりしても、自分のポリシーを明確にし、フェアネスを貫くが大事
●「I would like to~」→「I will~」
え、最初の質問の答ですか?
本を買って読むまでのお楽しみです。

会社のルール 男は「野球」で、女は「ままごと」で仕事のオキテを学んだ (ミリオネーゼ・シリーズ)
会社のルール 男は「野球」で、女は「ままごと」で仕事のオキテを学んだ (ミリオネーゼ・シリーズ) 坂東 智子

ディスカヴァー・トゥエンティワン 2008-04-15
売り上げランキング : 29909

おすすめ平均 star
starまさに会社のルールが分かります
star女性だけでなく男性にも推薦の良書
star全体的に当てはまると思う

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『「愛され社員」で行こう!』

藤沢あゆみさんの著書、「「愛され社員」で行こう!」を読んだ。
著者は職場でうまくいっている人には2つのタイプがあると言う。
一つが「デキる社員」でもう一つが「愛され社員」だ。

愛され社員って?
なぜかチャンスを引き寄せてしまう人です。
なぜか、ピンチでも笑っている人です。
なぜか、いつの間にかできる社員になっている人です。

どうすれば「愛され社員」になれるかを60の法則であらわしたのが本書だ。
それぞれの法則は、仕事を頼まれた後に「また何かあったら言ってくださいね」と一言添える、と言った具合にちょっとした言葉やマインドの持ち方を割と簡単に説明している。
一冊通して読んだが、ほぼすべての法則の根底には「相手をむやみに変えようとせず、自分がまず変わる努力をする。自分が変わることで周りの人や現状を変えてしまう」という考え方が私には見て取れた。
むやみやたらに人を変えようとしてしまう人には、「自分のほうが相手より正しい」「相手を正してやろう」といった傲慢な考えが相手に伝わってしまうのかもしれない。
それが相手のことを思って言っているつもりでも、「上から目線でなんか嫌だ」と相手に伝わってしまっては、主張も伝わらないし自分も嫌われるしでまるでいいところがなさそうだ。
反感を与えず相手を変えるのはなかなか難しく、奥が深そうだ・・・。
相手を尊重して、まずは自分が変わることを常に意識したい。
「自分が変わる」、つまりは成長することだ。
自分の話が長くなったが、人間関係がなんだかうまくいかないと悩んでいる人は、本書を読んでみるといいかもしれない。

「愛され社員」で行こう!
「愛され社員」で行こう! 藤沢 あゆみ

日本実業出版社 2008-04-10
売り上げランキング : 48444

おすすめ平均 star
star名著です!
star恋愛からの脱却
star浸透力が違う

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『レバレッジ時間術―ノーリスク・ハイリターンの成功原則』

本田直之さんの著書、「レバレッジ時間術―ノーリスク・ハイリターンの成功原則」を読んだ。
「1時間かかった仕事が5分で終わる」という時間の有効な「投資」の仕方についての本であり、内容は素晴らしい。
が、2日前に読んだ「最少の時間と労力で最大の成果を出す「仕組み」仕事術」と本質的にかぶる部分が多かったので、後者だけ読めばいいと思う。
今回は気になった部分の抜粋だけにした。
●時間を「消費」ではなく「投資」することで「時間資産」を築き、「不労所得」的に時間を得られる。
●重要なのは、やりたいこと・やるべきことのための時間をあらかじめスケジュールから「天引き」すること。
●俯瞰逆算スケジュール管理(カレンダー、PDA、メモ等)
●インプット、アウトプット、生活、プライベートの4つのカテゴリーに時間割を分ける。
●効率を生むためではなく、成果を生むための時間管理がポイント。
●無駄なことを切り捨て、自分でなくてもできることは人に任せ、最後に残る重要な仕事が意思決定である。経営者にとってはこの意思決定こそが唯一にして最大の仕事。
●意思決定それ自体は即座に行う。そのためにはあらかじめ情報をインプットしておかなければならない。
「パーソナルブランディング」

レバレッジ時間術―ノーリスク・ハイリターンの成功原則 (幻冬舎新書)
レバレッジ時間術―ノーリスク・ハイリターンの成功原則 (幻冬舎新書) 本田 直之

幻冬舎 2007-05
売り上げランキング : 1320

おすすめ平均 star
star読んでいくうちに腹が立ってきた
starタイトルほどの
starま、そうか、という感想

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『感動の億万長者30のルール』

平野秀典さんの著書、「感動の億万長者30のルール」を読んだ。
「感動プロデューサー」である著者は、自身の生き方を「感動の億万長者」としている。
そしてその「感動の億万長者」とはどういう人なのかを30のルールで定義したのが本書だ。
そもそも「感動」「感動の億万長者」とはなんだろうか。
「感動」とは、物心両面の豊かさを穏やかに調和させるものだ。
著者によれば、私たちは現代になってようやく、モノとコトとヒト、すべての豊かさを等しく手に入れることができるようになった。
だが同時に、情報やモノがあきれるほど豊かに供給されながらも心が乾いてしまい、幸せ感が薄くなってしまった時代でもある。
この溝を埋め、対立を融合に変えるために必要な能力、それが「感動力」なのだ。

「感動力」は、「感動する喜び」と「感動される喜び」という、双方向の幸福を実現する調和型のスキルだ。

うれしいことに、この感動というものには「魅力」という引力が発生する。
この引力は、縁やお金やチャンスなどの、世の中のあらゆる豊かさを引き寄せてしまうのだ。
人々に感動を提供し、それを受けて自分も感動し、物心両面でどんどん豊かになっていく、それが「感動の億万長者」という生き方なのだと私は解釈した。
著者によれば、「感動の億万長者」という生き方は「目標」ではなく、「テーマ」なのだそうだ。
明確なゴールのある「目標」と違い、「テーマ」にはこれでいいという果てがない。
テーマはプロセス自体が感動あふれるものであり、そのプロセスが無限に広がっていく。

「テーマ」とは、生涯を通じて常に進化させていく芸術作品のようなものだ。
「明確に想像し、信じて、実践したものは創造される」(創造の法則)

本書は21世紀の新しい成功法則への招待状である。
以下、気になった部分を抜粋
●世の中、仕事が決まっていても、志事が決まっていない人が多い。
●「共感する力」は21世紀型の成功の重要なキーワード。
●心から伝えたいたった1つのことを100の視点で伝える。
●成功者のほとんどは偉大な力(サムシング・グレート)の存在を信じているという。
●ビジネスの王道は、「買わされた」という後悔の念ではなく、「買って本当に良かった」という感動の余韻を提供し、顧客に感謝され、継続的に関係性を創っていくアプローチのこと。
●期待=実感=満足、期待<実感=感動、期待<<実感=感激、期待<<<実感=感謝
●感動以上に口コミが発生
●ほかと違うだけは「差別化」、他と違って魅力があるところを圧倒的に魅力的にすることは「独自化」
●「ターゲット」→「共演者」、「囲い込み」→「ファンクラブを作る」、「客を落とす」→「顧客と競演する」、「売り込みにいく」→「ファンを作りにいく」、「クロージング」→「ハッピーエンド」、「満足を与える」→「感動を共有する

感動の億万長者 30のルール
感動の億万長者 30のルール 平野 秀典

サンマーク出版 2008-04
売り上げランキング : 35509

おすすめ平均 star
star単純なスキル本に飽きた方に
star切り口が素晴らしい。
star人生のお供になります!!

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『最少の時間と労力で最大の成果を出す「仕組み」仕事術』

泉正人さんの著書、「最少の時間と労力で最大の成果を出す「仕組み」仕事術」を読んだ。
本書を買うのに投資した1365円が、10倍にも100倍にもなって帰ってくるような、良書だった。
本書を執筆する7年前、著者は毎日、3人でも終わらないような量の仕事をひとりで抱え、朝6時から夜12時過ぎまで働いていた。
にもかかわらず仕事は増えていく一方で、ついには体調を崩してしまったと言う。
ところが今はどうかと言うと、これらの仕事を毎朝2時間で片付けてしまい、残りの時間を別のことに当てられるようになったと言う。
その秘密は「仕組み化」にある。
仕事は大きく分けると「作業系」と「考える系」の二つに分けられる。
そして、この「作業系」の仕事に「仕組み化」は有効に働く。
「仕組み化」とは、「誰が、いつ、何度やっても、同じ成果が出せるシステム」をつくることだ。
単純作業やルーチンワークなど頭を使わないですむ仕事は徹底的に「仕組み化」してしまい、効率化させたり、人に任せたりしてしまうのだ。
「仕組み化」をしたことによって実際、著者は作業時間を大幅に効率化できたというのだが、メリットはこれだけではない。
実は一番重要なポイントは、「作業系」の仕事を「仕組み化」することで捻出した時間を、「考える系」の仕事に与えられることなのだ。

優秀な人にたくさんの仕事をさせてしまうと、その人が持つ最も大切な能力が発揮されなくなってしまう。
その最も大切な能力とは、「新しいものを生み出す能力」である。
優秀でない人は、暇になれば暇なだけで終わってしまうが、優秀な人と言うのは、暇な時間ができると、意識的に、あるいは無意識のうちに、それを「考える時間」にあて、そして実際、何か新しいものを生み出す。
優秀な人に「自由な時間」を与えるほど効率のいい戦略はない。

新しい価値の創造こそが会社を次のステージへ導いてくれる。
「労働時間」=「業績」からの脱却を目指す人にはうってつけの良書だった。
そのほか、特にポイントとなりそうだと思った部分を以下にまとめる。
●出来るビジネスマンの条件とは、高い能力を身につけていることと、それを「仕組み化」できること。
●コミュニケーションにかかわる様々な行動も「仕組み化」できる。
●ポイントは、そのつどゼロから始める無駄をなくすこと。
●「忙しい」=「これ以上何も出来ない」と考えず、効率化する努力をする。
●部下がその仕事を問題なく実行できる「仕組み」を作ったうえで、その仕事を任せる。
●新人や若手ビジネスマンは、出来る人、仕事を効率よくしている人の仕組みを真似る。
●仕組みを作る際には、「才能」「意志の力」「記憶力」に頼らない。
●チェックシートの活用、一元管理

最少の時間と労力で最大の成果を出す「仕組み」仕事術
最少の時間と労力で最大の成果を出す「仕組み」仕事術 泉 正人

ディスカヴァー・トゥエンティワン 2008-03-03
売り上げランキング : 1018

おすすめ平均 star
star仕事の標準化(他人でも出来る)の重要性
star脱出ルーチンワーク
star仕組み整理術・・・

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20代でファーストキャリアを築ける人、築けない人

若鍋孝司さんの著書、「20代でファーストキャリアを築ける人、築けない人」を読んだ。
本書は入社して数年間で若者が築いていくキャリア、「ファーストキャリア」をいかにすごすべきか述べている。
面白かったのが、「オンリーワンよりナンバーワンを目指せ」という部分だ。
著者が言うには、最近の新人社員は「自分らしく」「自分に合った」「自分が楽しい」仕事をしたがり、その根底には「オンリーワン」信仰があると言う。

“オンリーワン”には、それぞれの個人にはよさがあるはずだから全員を認めてあげたい、負けの人間は作らないという教育観念がこめられています。
(中略)
ビジネスの大前提は”ナンバーワン”です。
ある限定された分野でナンバーワンになるからこそ、その独自技術や独自手法がオンリーワンと題されるのです。
(中略)
オンリーワンだから勝たなくていい、自分が満足していればいいという考え方は、負け犬根性まで生み出してしまうのではないかと心配になります。

そもそもオンリーワンというのは、負けてもいいという文化ではないはずだ。
学校のテストの点数、偏差値と言った、単一の価値観で人に優劣をつけるのはおかしい。
みんなそれぞれ違ったよさや才能があるのだから、それぞれの才能を伸ばし、その分野で輝けばいいのだ。
例えばある分野では隠れたものすごい才能を持っているのに、ペーパーテストが苦手だからという理由で親や教師から「出来ない子」のレッテルを貼られた子供は、「自分は出来ない子だから…」と、自分の力を信じなくなってしまう。
持っている才能を開花させてあげるには、何よりも周りがその子を信じてあげることが大切で、そうすることで初めて本人が自分を信じられるようになる。
そういうときにパワーは生まれるのだ。
だからお互いを認め合おう、というのがオンリーワンの考え方ではないのかと思う。
だが著者の言うように、実際には「オンリーワンだから勝てなくてもいい、自分らしく今のままでいれば周りが認めてくれる、認めてくれないのは相手が悪い」と勘違いしている人がいるとなると大問題だ。
そんな考えでは「only」どころか、いくらでも代わりがいる人間にしかなれない。
著者の言うように、ある分野でナンバーワンになるほどの力があって初めて、オンリーワンと周りから評されるのだと思う。
それ以外で特に気になった部分は、以下に簡単にまとめた。
●成長には仕事の環境も大事だが、それ以上に、その環境で自分がどう考え、どう行動するかが重要である。
●成長できない若手ビジネスパーソンは、自分軸を手放せない。
●「よい」のレベルで満足していると、競合がやってきて自分のパフォーマンスが決して高いものでなくなるか、顧客や取引先、関係者がそのパフォーマンスに慣れ、飽きて、要求が厳しくなるかのどちらかが起こる。
●自分とは違う「異質なもの」を見つけたら、自分に取り込んで成長するビッグチャンスである。
●すべての原因は自分にある。

20代でファーストキャリアを築ける人、築けない人
20代でファーストキャリアを築ける人、築けない人 若鍋 孝司

ファーストプレス 2008-04-19
売り上げランキング : 29618

おすすめ平均 star
star自分を成長させる秘訣
star新人だけでなく、ベテランにも気づきがある
star20代でファーストキャリアを築きたいと思い、本書を手に取りました。

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『会社のつくり方』

成毛眞さんの著書、「会社のつくり方」を読んだ。
本書は創業に必要な知識にはどのようなものがあるかをまとめたものだが、20台、30台、40台、50台以上と起業するときの年齢ごとにそのメリット、デメリットに言及し、それぞれのポイントをしっかり書いてあるのでわかりやすい。
また、起業するにあたっての必要事項を端的に知ることで、今から準備できること、心がけておくべきことがおのずと明確になるのが大変良い。
特に創業前に明確にやっておくべきことは、「会社の将来イメージを明確にすること」と、「自分の特性を知ること」だと感じた。

創業した会社の将来イメージを持つことができるのが社長だけです。
社員は、社長の夢や会社の業務に共感して入社してくるものです。
株主も、社長の能力や会社の発展性を評価して投資をしてきます。
しかし、社員や株主は、自分の会社のイメージを持てないからこそ、あなたを頼ってやってきたのです。
そのイメージには三つのタイプがあります。そのすべてを頭の中で組み立ててしっかりと定着させてください。会社のあり方のイメージ、会社の発展のイメージ、そして将来の自分のイメージです。

まずは仲間や投資家、顧客から信頼を得るためにも、明確で説得力のある企業ビジョンを持っていることが大事なのだろう。明確な企業ビジョンを持つことはまた、創業後に起こる様々な困難にも立ち向かえる勇気を与えてくれるはずだ。
写真のような鮮明なイメージを持ち、目標を定め、まっすぐ突き進んで行きたい。
また、会社のイメージと共に自分の特性についても明確にしておかなければならないだろう。
自分が出来ること、出来ないことをあらかじめ知っておき、それを変わりに補ってくれるような仲間を見つけておかなければならないからだ。
これは創業してからでは遅い。
普段からそういうアンテナを張っておくべきだろう。
それ以外で特に気になった部分は、以下に簡単にまとめた。
●理想の経営者を目標とするのは危険だ。自分がどのような経営者になりたいかではなく、会社がどのような経営者を必要としているかと言うことも大事。
●不測の事態に陥った場合に備えて、「上手な会社のたたみ方」も知っておくべき。
●会社の経営状況を客観的に見てもらう弁護士と税理士を探しておくべき。
●大企業を目指すには、地道に社会的影響力を積み重ね、社会的信用を得ていくことが必要。
●大規模なプロジェクトにかかわった経験や売り上げ金額の大きさではなく、人の役に立ってきたという自信が、小さくてもなくてはならない会社を作る。

会社のつくり方 (日経文庫)
会社のつくり方 (日経文庫) 成毛 眞

日本経済新聞社 2005-11
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おすすめ平均 star
star会社と社会
star気楽に読める応援メッセージ
star成毛流「起業心得」

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10歳から起業すると決めていた 30代で年商14億を達成した私の仕事術

鶴岡秀子さんの著書、「10歳から起業すると決めていた 30代で年商14億を達成した私の仕事術」を読んだ。
10歳から起業すると決め、実際に年商14億円を稼ぐネットベンチャーを共同創業した著者の、主に「マインド」にフォーカスしたこれまでの歩みが描かれている。
私が特に気になったのは以下の部分だった。
人と違うことを、自分から始める勇気を持つ
自分よりも優れた人に教わる
プロとは再現性のある人、つまり同じことがいつでもできる人
お客様に好かれようと自分をつくってしまうよりも、お客様を好きになろうと素直になること、そこからすべて始まる
結局、この人となら一緒に仕事をしたいって思われるかどうかが一番大事
チャンスの神様は前髪しかない
上記以外でもう一つ面白いエピソードがあったので載せておこうと思う。
著者が採用活動にて面接した際の質問だ。

「あなたは、ご自分をラッキーなタイプだと思いますか?アンラッキーなタイプだと思いますか?」
1「私って、いつもラッキーなタイプなのです」
2「私って、なぜかいつも貧乏くじを引いちゃうのですよね」
このように自分自身のことをラッキーだと答えた人と、アンラッキーだと答えた人では、ラッキーの数が本当に違っていたと思いますか?
実は、そんなことはないのだと思います。
毎日毎日を、「こんなに良いことがあった」と思いながら生きているか、「あんな目にあった」と思いながら生きているかの差なのだと思っています。

ちなみに著者も松下幸之助も、「自分はツイてる」と答えた人を優先して採用したようだ。
「ツイてる」について詳しく知りたい人は斎藤一人さんの著書を読むといいと思う。
さて最後に蛇足だが、以前ブログで紹介した著書、「ザ・ビジョン 進むべき道は見えているか」が本書の中でも取り上げられていた(4月17日の記事参照http://d.hatena.ne.jp/lemoned-icecream/20080417/1208403276)。

10歳から起業すると決めていた 30代で年商14億を達成した私の仕事術
10歳から起業すると決めていた 30代で年商14億を達成した私の仕事術 鶴岡 秀子

ダイヤモンド社 2006-07-27
売り上げランキング : 30528

おすすめ平均 star
star夢を実現させる「考え方」
starこれから起業する人、一般の会社員や生き方を考えている人に参考になります
star起業しなくとも、仕事への取り組み方の参考になります!

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