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Author Archives: 河村 拓

『マインドセット ものを考える力』

ジョン・ネスビッツさんの著書、「マインドセット ものを考える力」を読んだ。
いよいよ不確定で非連続の時代を迎えた今、私たちは様々な知識に加えて「時代のうねり」を読む力が必要になった。
会社依存の時代は、世の中の先行きを予測せずとも、会社は成長し、自分の給料も上がり、経済は発展した。
しかし、今や会社の寿命は30年、それに対し労働寿命は50年と言われており、会社に依存するのはもはや不可能で、個人のサバイバルの時代になっていくだろう。
つまり、誰もが自らのキャリアを自らの責任の下考え、構築していかなければならない時代、ドラッカーの言葉を借りれば、誰もが自らをマネジメントするエグゼクティブにならなければならない時代がやってきたのだ。
そして、そのためには「時代のうねり」を読まなければならない。
本書は「時代のうねり」を読むマインドセット、つまり考え方について書かれている。

ものの考え方は、雨(情報)の降る土地であり、私たちそれぞれが持つものの考え方によって違った結論につながる。

個人が膨大な情報に取り囲まれている今、その情報を適切に処理するための「ものの考え方」が必要なのだ。
著者は未来を予測する際、以下の11のマインドセットが特に重要だと言う。
●変わらないもののほうが多い
●未来は現在に組み込まれている
●ゲームのスコアに注目せよ
●正しくある必要はないということを理解せよ
●未来はジグソーパズルだ
●パレードの先を行きすぎるな
●変わるか否かは利益次第である
●物事は、常に予想より遅く起きる
●結果を得るには、問題解決よりもチャンスを生かすべし
●足し算は引き算の後で
●テクノロジーの生態を考える
そして、それらを元に著者が描いた5つの未来図が紹介されているが、ここでは特に共感した1つを紹介したい。
世界の経済を知るには、国ではなく、経済圏に着目しなければならない。
そして、世界市場で今後何がますます重要になるかというと、人材の世界規模での共有と、ビジネスの分権化である。
ITの導入により管理を分散化し、情報の鎖を通じて個人の貢献度を高め、一人一人の能力をより活用できるようになった今、小さくフットワークの軽い企業が官僚的な大企業を打ち負かすのは確実だ。
そしてインターネットの発展により、様々なレベル、様々なスキルを持つ人材を世界中から見つけ、活用できるようになった今、労働者の持つ地理的・物理的距離の制限は大幅に解消された。
これからは世界規模で企業が能力のある人材を選び、また、能力のある人材が企業を選ぶ、アウトソーシングの時代になる。
特に今後就職する学生等は、この視点をしっかり持つ必要があるのではないか。

マインドセット ものを考える力
マインドセット ものを考える力 本田 直之 門田 美鈴

ダイヤモンド社 2008-05-16
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star未来を読み解く力
star一つの未来予想図&思考パターンの提案
starあまり過度の期待はしない方が良い。

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『続ける力』

伊藤真さんの著書、「続ける力」を読んだ。
継続は力なりとは言うが、新しく何かを始めようとしても、いつも3日坊主で終わってしまう。
よくあることだ。
そもそも「続けられない」のは何故なのだろうか。
それは、新しいことを「例外的な特別なこと」として扱っていること、そして、努力を続けても絶対にうまくいくという確信がもてないことの2つが大きいなと感じた。
新しいことを「例外」としてとらえていると、どうしても今日はやらなくてもいいや、という感情が生まれてしまう。
しかし、「例外」を「原則」に変え、生活するうえで自然に、欠かさずやることとして取り込んでしまえば、続けることが出来る。

そこで、新しく始めることを、毎日の歯磨きのように自然なこととして受け入れられるようにすることが、「続ける」ための、最も大きなポイントになるのです。

すなわち、自分の考え方の体系なり、ライフスタイルを、新しいことを受け入れられるように、ちょっとずつ変えていく必要があるのです。

私も一日一冊本を読むことを決めたときに、ただ漠然と「一日一冊読もう」では終わらせず、早朝に起きて一冊読み、ブログを更新するときめ、そのために起床・就寝時間を変え、「原則」にするためにライフスタイルを万全な形に最適化させた。
ここまでしたからこそ、今では本を読まないのがむしろ「例外」になり、習慣的に読めるようになったのだと思う。
そしてもう一つ大事なのが、確信の持てる計画を立てることだ。
それは、ゴールを見据え、そこにたどり着くためには自分には何が足りないのかを分析し、俯瞰逆算的に「今日すべきこと」を割り出すことによって可能になる。
今取り組んでいることが、必ず将来のゴールに結びついていると確信がもてれば、これほど心強いことはない。
ここで大事なのは、輝かしいゴール、大きな夢をまず描くことだ。
継続する力がほしい、という人は泉正人さんの「最少の時間と労力で最大の成果を出す「仕組み」仕事術」、渡邉美樹さんの「夢に日付を! ~夢実現の手帳術~」とあわせて、読むといいと思う。

続ける力―仕事・勉強で成功する王道 (幻冬舎新書)
続ける力―仕事・勉強で成功する王道 (幻冬舎新書) 伊藤 真

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star日々の継続が未来を切り開き、世界に通ずる!
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『上司はなぜ部下が辞めるまで気づかないのか?』

松本順市さんの著書、「上司はなぜ部下が辞めるまで気づかないのか?」を読んだ。
今、新卒採用で入社した若者の3割が3年以内に辞めてしまう。
なぜこのような事態が起こるのか、そして、それを防ぐためにはどうしたらいいのかを、本書は簡潔にまとめてくれている。
なぜ部下が辞めてしまうのか。
本書を読んで私は、それは部下が職場で自分が認められていると感じられず、それゆえ自己重要感を満たせないことと、わけのわからないマネジメントに振り回されて成長欲を満たせないことの2つが大きな理由だと感じた。
仕事がうまくいかず、結果が出せない。
成果を出したいと思うが、何をどう改善すればいいのかがわからない。
それに対して上司は「何で結果が出せないんだ、もっと頑張れ」と具体的なアドバイスは皆無で、精神論に終始する。
こんな状況ではやる気をだすほうが無理と言うものだ。
出来ない部下に叱咤することなど、はっきりいって誰でも出来る。
本当のマネジャーの仕事は、部下を育てること、そして部下の力を最適な形で組織の力に取り込み、発揮させてあげることである。
現代のマネジャーは、自分が部下を褒められるようにマネジメントをする能力が求められるのだ。

成長に必要な情報は包み隠さず教えてくれる。
よいところ、ダメなところをきちんと見てくれる。
頑張ったことは必ず評価してくれる。
そして、評価の基準を「相対評価」から「絶対評価」に変えてくれる。
部下が一人の人間として、社会人として成長できる職場をつくる。
そして、「社員の成長がわが社の成長につながる」という考え方を、全員が共有しながら働く喜びを感じられること。それが「ワクワクしながら働ける職場」なのです。

以下、自分用のメモ
●入社前は優秀だと言われたのに、入った途端に評価されない
●部下の「分からない」を分析して、解決に導くことが上司の仕事
●「ダメな人を叩く会議」は社員のモチベーションを奪うだけで生産性がない。「結果を出した人はなぜ結果を出せたのか」を分析し、法則を共有すべき。
●仕事を頑張ればどのような処遇が得られるかが明確だと、やる気が出る
●評価基準を明示する

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ナナ・コーポレート・コミュニケーション 2008-04-03
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star社員のやる気を刺激する「仕組み」を伝授
star若い社員が辞める原因は、ズバリ「上司がダメだからです」!!!
star組織の目的を人が知っていれば育つはずではないだろうか

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『「先読み力」で人を動かす ~リーダーのためのプロアクティブ・マネジメント~』

村中剛志さんの著書、「「先読み力」で人を動かす ~リーダーのためのプロアクティブ・マネジメント~」を読んだ。
「いつも緊急の仕事で手一杯」
「部下がなかなか主体的に動いてくれない」
「ミーティングの効率が悪い」
本書はそんな悩みを持つ人にお勧めだ。

仕事ができない人は、自分や他人が起こしたトラブルに巻き込まれ、後手で対応してしまうために一生懸命働いているのです。

一方、仕事ができる人は、トラブルを起こさないように、前もって起こりうる問題を予測する「先読み力」があるのです。

著者いわく、問題解決のスキルをいくら磨いても、仕事はうまくまわせないのだそうだ。
問題が発生してから後手で対応していては、解決しても解決してもまた新たな問題が発生することになる。
必要なのは、未然に問題を認知し、必要なタスクを洗い出し、問題が発生する前に解決策を実行する「プロアクティブ(pro-active)」な姿勢なのだ。

「先読み力」とは起こりうる出来事(問題)を推測・発見する力のことです。

つまり、「先読み力」とは、問題発生以前の解決スキルなのです。

先読みし、プロアクティブに行動することには3つのメリットがある。
1つ目は、「自分のために投資する時間を確保できる」ことだ。
プロアクティブに動くことでトラブルを回避でき、時間の余裕が生まれる。
2つ目は、「目標を短期間で達成できる」ことだ。
問題を先読みし、事前に不要なトラブルを回避することで、余計な足止めを受けずにすむ。
3つ目は、「早いスピードで成長できる」ことだ。
起こりうる出来事を予測し、準備し行動することで、成長の機会が早く得られる。
本書では「タイムマネジメント」「チームマネジメント」「成果を生み出すミーティング」「チーム関係者の巻き込み」という4つの切り口で、それぞれいかに「先読み」し、「プロアクティブ」に行動するかを解説している。
かなり詳しいので、実践で使えるノウハウを求めるのなら読んで損はないと思う。
以下、自分用のメモ
●「重要であるが緊急ではない」タスクを先延ばしにするとリアクティブな行動を生む。プロアクティブにタスクを管理するポイントは、緊急の仕事を減らし、緊急ではない重要な仕事を優先して実行すること。
●ミーティングに参加するプロアクティブな理由―「情報提供する」「決定権限を持っている」「決定に影響を与えられる」
●ミーティングでは、「何を、誰が、いつまでに」をすべての決定事項に対して明確にする

「先読み力」で人を動かす ~リーダーのためのプロアクティブ・マネジメント~
「先読み力」で人を動かす ~リーダーのためのプロアクティブ・マネジメント~ 村中 剛志

日本実業出版社 2008-03-27
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star「先読み」というタイトルに惑わされるな!
starプロジェクトマネジメントの説明
starプロジェクト型の業務に関わる人は必読です。

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『セルフトーク・マネジメントのすすめ』

鈴木義幸さんの著書、「セルフトーク・マネジメントのすすめ」を読んだ。
「試合になると本来の力が出せない」
「面接やスピーチで緊張してしまう」
本書はそんな人にお勧めだ。
本書でいうセルフトークとは、感情や行動の引き金として、自分の中に生まれることばのことを言う。
セルフトークには二つのタイプがあり、一つは刺激によって自動的に生まれ、「感情」を呼び起こし、「反応」としての行動を導くセルフトークA(automatic)、もう一つは自分の意思で生み出して、「理性」を呼び起こし、「対応」としての行動を導くセルフトークB(bear)である。
常に安定したパフォーマンスを引き出すには、このセルフトークAをセルフトークBによって「変える」「使う」「減らす」「なくす」という対応が有効だ。
一つ面白い例を本書から引用したい。

人が自分の実力を最大限に発揮できるのは、おおむね誰か他の人のために行動する場合です。自分のためだけに働くときのパフォーマンスは、(他の条件が同じなら)誰かのために働くときのパフォーマンスを確実に下回ります。これは、集団でしか生存できない、人間としての生物的な特徴です。

これは面接やスピーチに応用できる。
例えば「みんなにいいところを見せたい」「できる人間だと思われたい」というセルフトークAが生まれるとどんどん緊張してしまう。
そんなときはすぐにそれを「主賓や出席者のためには何を伝えるのが役立つか?」「どう話せば、相手にこの商品のよさを理解してもらい、相手の仕事をより快適にすることができるか?」と、どうしたら相手に貢献できるかに焦点を置き換えるのが有効だ。
また、話の内容にも工夫ができる。

また、セルフトークAを防ぐためには、話の内容にも注意すべきです。自分の言葉を、すべて自分が言いたいこと(want)にする、これが鉄則です。形式としていわなければならないこと(must)が入れば入るほどセルフトークAが生まれ、緊張しやすくなります。

スピーチの内容をすべて自分が話したいことだけにすれば緊張しないわけだ。
私も普段あまり形式的なことは言わず、自分が本当に思っていることだけを言うようにしているので、この効果は実感できるところだ。
以下、自分用のメモ
●心が二つある状態のとき、人は疑う。人間の心は絶え間なく発生するセルフトークによって、プラス→マイナス→プラス→マイナスと常に揺り動かされている。そのことを自覚せず、ポジティブな言葉に頼っているだけでは限界がある
●「すべてが自分しだいであるから、他者や環境すら変えることができる」と言う考え方が「自責の質問」、「すべて他人のせいだから自分は何もできない」という考え方が「他責の質問」
●悩むというのは、答を手にしたいのに、その答が手に入らず、同じところをぐるぐる回っているような状態。考えると言うのは、答を探すのではなく、答に至る問いを自分の中で立てるプロセス。

セルフトーク・マネジメントのすすめ
セルフトーク・マネジメントのすすめ 鈴木 義幸

日本実業出版社 2008-04-24
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『私塾のすすめ ─ここから創造が生まれる』

斎藤孝さんと梅田望夫さんの著書、「私塾のすすめ ─ここから創造が生まれる」を読んだ。
今回面白かったのは、「好きな仕事」でないとサバイバルできない、というテーマだった。
梅田さんはよく、「好きなことを貫く」とおっしゃるが、それは好きなことを貫けば幸せになれるというより、好きなことを貫くくらいでなければITが進化した現代では通用しないという意識からきているようだ。

とにかく、仕事の対象への愛情がないとサバイバルできない。いやいや仕事している、長時間やるのが苦痛だと言う仕事では、これからは競争力が出ない時代なのだと思います。

好きで入れ込める人でないと、もたない社会になってきたというのは、「好きなことやろうよ」という一見やわらかいメッセージとは、似ているようだけれど全く違う厳しい社会ということですね。

やりたいことがない、などと悠長に構えている暇はないのかもしれない。
自分の志向性にあった場所を、本気で探さなければならない。
問題は、どうすればそれが見つかるかだ。
「自己分析」「自分探し」
就活でよく耳にするこれらだが、私は昔から(多分中学生くらいから)この言葉が嫌いだった。
なので、「自分探し」という言葉に以前から違和感があったという斎藤さんに素直に共感できた。
私がこの言葉が嫌いなのには二つの理由がある。
一つは、そもそも個性というものは、人との関係性の中から磨かれ、形成されていくものだからだ。
いくら自分の内面を見つめたところで個性などでてこない。
自分の中に自分をいくら探したところで、新しい自分は出てこない。
当然、そこから自分の行くべき道など見えはしない。
そしてもう一つは、そもそも「自分とは何か」を知ることに大した意味があるとは思えないからだ。
大事なのは、「自分が何を成し遂げたいのか、どんな人物になりたいのか、どういう生活がしたいのか」であり、「そのために今何をしているか、何ができるか」なのではないか。
大事なのは今どこにいるかではなく、これからどこへ向かいたいのかという、志向性だ。
梅田さんの提唱する「ロールモデル思考法」(「ウェブ時代をゆく」参照)は、自分の志向性を見つける上で大変参考になる考え方だと思う。
ウェブに興味のある人もない人も、「ウェブ進化論」「ウェブ時代を行く」の2冊だけは、絶対に読んでおくべきだなと、本書を読んでますます強く感じた。

私塾のすすめ ─ここから創造が生まれる (ちくま新書)
私塾のすすめ ─ここから創造が生まれる (ちくま新書) 齋藤孝 梅田望夫

筑摩書房 2008-05-08
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おすすめ平均 star
starかみ合っていないが・・・
starとんがった人材になる、そのためには何かを捨てて自分の好きなことに集中する。
starポジティブおじさん×2

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『ポジショニング戦略[新版]』

アル・ライズ、ジャック・トラウトさんの著書、「ポジショニング戦略[新版]」を読んだ。

ポジショニングとは、「情報があふれかえる現代社会で、人々にメッセージを届ける」という難題を解決する、最も有効な考え方である。

ポジショニングは、商品そのものに手を加えるわけではない。消費者の頭に、商品を位置づけるのだ。

情報社会になった今、消費者は常に膨大な情報にさらされており、とてもすべてを処理することなどできない。
そんな中で頭角を現そうと思ったならば、消費者の頭に新奇なイメージを作るのではなく、消費者の頭の中に既にあるイメージを操作し、それを商品に結びつけるのが有効なのだ。
そして、独自ポジションを見つけるには、自分の内面や商品をとことん見つめるのではなく、消費者の頭の中を見つめるのだ。
いきなり市場リーダーを狙わずに、独自ポジションを見つけることで発展したエイビスやセブンアップなど様々な題材を元に、本書はどうすれば優れたポジショニングができるのかを解説する。
近年の事例では、例えばiPodを追随しようと様々なメーカーが競合製品を出したが、真正面から戦いを挑んだ結果、明確なポジションを消費者の頭に築くことができなかったため、大失敗に終わっている。
それに対して、ソニーのプレイステーションとは別の顧客層にフォーカスし、独自のポジションを築くのに成功したWiiは、確固たる地位を築くどころか、プレイステーションを食ってしまった。

消費者の「頭の中」を制するものが、ビジネスを制する。

マーケティングに興味があるなら、読んでおくべき一冊だと思う。
以下、自分用のメモ
●長期にわたって何かを印象付けるなら、あいまいさを捨て、シンプルでエッジの効いたメッセージを発信すること
●負けるポジションにはまりこんだ企業は、どんなに努力しても無駄だ
●リーダーのポジションを得るには、「一番乗り」を果たせ
●確固たるリーダーのいない、不安定な市場はチャンス
●企業の実力を生み出したのは商品の持つ力であり、商品の力は商品が消費者の頭の中に確立したポジションから生まれる
●マルチ・ブランド戦略とは、シングル・ポジション戦略である
●リーダーは、ライバルの動きに保険をかけることで、現在のポジションを維持できる
●「穴」を探せ―サイズ、価格、年齢、性別など
●穴は消費者の頭の中から探す
●穴がなければ、ライバルのポジションを崩す
●ネーミングを消費者がどうとらえるかを意識すること
ライン拡大ではなく、基盤拡大をすること
●多角化はポジショニングの対極

ポジショニング戦略[新版]
ポジショニング戦略[新版] 川上純子

海と月社 2008-04-14
売り上げランキング : 7474

おすすめ平均 star
star消費者を混乱させた者から落ちてゆく
starマーケティングのみならず・・・
starシンプルでわかりやすい

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『シャネル 最強ブランドの秘密』

山田登世子さんの著書、「シャネル 最強ブランドの秘密」を読んだ。
本書はシャネルブランドの生みの親、ココ・シャネルの人物像に迫った内容になっている。
「最強ブランドの秘密」というくらいなので、シャネルがなぜあれだけ人々に受け入れられ、今も愛されているかについて何か本質的な追求がなされているのかと思いきや、そうでもなかったのが少し残念だった。
ココ・シャネル本人に興味がある人にはいいと思うが、ブランド論を求めるなら読む必要はないと思う。
それにしても面白いのは、日本の女性たちである。
もともとシャネルと言うブランドは、ココ・シャネルが「自分のため」に作り出したモードだった。
それは当事の派手な装飾品や富を誇示するためだけの服装への嫌悪から始まり、女性が金持ちの贅沢のための「口実」にされることを拒み、「金」の力によって外に出て自由を得ようとした彼女が、自分のために生み出したものだった。
それは高級な素材を利用したわけでもなく、貴金属を用いたわけでもなかった。
実用性を重視したそれは、大衆向けのものであり、服装そのものが豪華かどうかではなく、切る人のセンスが問われるモードを生み出した。
しかし日本では女性がブランド物のバッグを買い与えられ、まるでそれを一種のステータスかのように振りかざす。
これはどういうわけだろう。
まぁ、そもそもブランド品というものは金持ちが使うものであって、一般人が無理してブランド品を一個手に入れて身に着けたところで金持ちになるわけでもなく、不釣合いなだけで滑稽なわけだが。

シャネル 最強ブランドの秘密 (朝日新書)
シャネル 最強ブランドの秘密 (朝日新書) 山田 登世子

朝日新聞社 2008-03-13
売り上げランキング : 149169

おすすめ平均 star
starシャネル研究者によるシャネルの概要を知る入門的良書
star個としてのシャネル
starブランド論ではなく、シャネル論

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『きみはなぜ働くか。―渡邉美樹が贈る88の言葉』

渡邉美樹さんの著書、「きみはなぜ働くか。―渡邉美樹が贈る88の言葉」を読んだ。
我々はなぜ働くのか―
それはお金や地位や名誉のためではなく、自分の人間性を高めるためなのだと渡邉美樹さんは言う。
渡邉さんの言わんとしていることも、仕事の報酬は目に見えるものだけではないのだということだと思うが、私は別にお金や地位や名誉を否定するつもりはない。
いずれもあったほうが幸せになれると思うし、もし不幸になったとすれば、それはお金や地位、名誉が悪いのではなく単純にその人自身に問題があるだけだ。
ただ、最近仕事(または人生)に目的をもてない学生が多いと感じるのも事実だ。
志がない。
なぜ働くのかと聴くと「生活のため」と疑う様子もなく言われてしまう。
「生活のため」くらいの目的しかないから、やりたいことがない、どんな会社にいけばいいのかわからないなどと言い出す。
渡邉さんもこのことを、学生の一番の問題だと捉えている。
では、なぜこうなるのか。

自分が主体的に物事を考えてこなかった結果である。自分という存在が、偏差値と言うわけのわからない数字によって、常に振り分けられる人生を歩んでしまったため、自分の力で考える習慣が育たなかったのである。

君たちに今夢がないのは、親の責任である。親に夢がないから、子どもに夢がないのだ。

確かに学校の成績が子どもを画一的に評価するのはおかしい。
学校の目的はペーパーテストでいい点数を取らせることだけではないはずだ。
また、親に夢がない、というのも事実かもしれない(幸い、私の両親には当てはまらない)。
しかし、私はそもそもの原因は、親、もしくは周りの人間が、その子の持つ力を信じてあげなかったことあると思う。
たとえ算数のテストの点が周りの子より低かったとしても、それがなんだというのだろう。
それでその子の未来がなくなると本気で考えているとしたらお笑いだが、問題はそこではなく、「みんなと同じように頑張って勉強していさえすれば、この子の将来は安心だ」と勘違いしていることだろう(塾に通わせるのがいい例だ)。
そんなのは幻想であるばかりか、その子の持つ特性を無視して「型」に無理やりあてはめて、結局子どもを駄目にしてしまうだけである。
ミカンの子どもとして生まれてきた種に、リンゴになれといっているようなものだ。
子どもはリンゴになりたいとは思わない。
しかしリンゴになれなければ教師も親も認めてはくれない。
だから、自分は駄目な子どもなのかと、自信をもてなくなる。
当然、夢なんかもてるはずがない。
「最近の若者は、自分勝手で、自分さえ良ければいいと考えている」とはよく言うが、本当のところは自分に自信がもてないから、他人のことなど考えている余裕がないだけだ。
もう、子どもの自信を奪うのはやめてはどうか。
その子自信の持つ力を「ただ」信じ、励ましてあげさえすれば、彼らがどれだけ勇気付けられるかを考えてほしい。
そしてもう一つ、私は「あたりまえ」という言葉が大嫌いだ。
本書の冒頭に以下のような文章がある。

「ワタミらしいって、どんなことですか?」雑誌のインタビューを受けました。
「誠実に一生懸命生きること」
「自分にうそはつかないこと」
「自分以外の幸せと自分の幸せを重ねること」
「日々の戦いの中で、人として成長していくこと」
「夢を追いかけること」
と、私は答えました。

私はこれを読むだけで、「人とはこうあるべきだ、人生とはこうあるべきだ」という信念を愚直なまでに持って渡邉美樹さんが夢を追い続ける姿を想像するだけで、感動で涙が出てくる。
しかし、その後の、「これは当たり前のことですが、最近はその当たり前のことができなくなっている」という記述には賛同できなかった。
人それぞれ価値観は違う。
自分の我を通すために他人に迷惑をかけるのはまずいが、みんながそうしているからとか、それが常識だから、あたりまえだからと言う理由で、安易に人の真似をしたいとは思わないし、自分の「本当の思い」に反する行動など絶対にしたくない。
最後に、私は渡邉美樹さんが大好きだ。
自分の信念を愚直なまでに貫いて生きている人がいる、それだけで私は、「自分の内なる声に従うこと」に自信がもてる。
以下、自分用のメモ
●夢を追う人は人生を後悔しない
●人を信じて失うことの大きさと、人を信じないで失うことの大きさでは、人を信じて失うことのほうがずっと小さい

きみはなぜ働くか。―渡邉美樹が贈る88の言葉
きみはなぜ働くか。―渡邉美樹が贈る88の言葉 渡邉 美樹

日本経済新聞社 2006-09
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おすすめ平均 star
starこれを読んで感動した人は 他人に利用されるだけで終わる人です
star暑苦しい文体だけど、得る物はある
starきれいすぎる本です。

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『レバレッジ人脈術』

本田直之さんの著書、「レバレッジ人脈術」を読んだ。
昨日に続き、人脈術に関する著書だ。
先日読んだ「28歳までに他社からスカウトされる人脈術」の坂田篤志さんもそうだったが、本田さんも人脈を「情報を交換したり、人を紹介したり、刺激しあったりして、一緒に成長していけるようなマインドの仲間」と捉えている。
自分の価値観に合った仲間を見つけ、つながりを持ち、共に高めあうことが目的なのだ。
そして、人脈を作るにはとにかく人に「コントリビューション(貢献)」することが大事で、そのためにも情報をインプットする自己投資は不可欠であるという点も類似していた。
具体的な人脈術のエッセンスについては坂田さんとはまた違う部分もあるので、更に人脈術を深めたいと言う人は読んでみるといいかもしれない。
2冊を通して私は、自分の成長、そして目標の達成のためにも、切磋琢磨していける高いマインドを持った仲間の輪を積極的に広げていくべきだということを確信した。
以下、自分用のメモ
●人を見る目―「自分の大事な人に紹介できるような人か」「長期的に付き合えるような人か」
●相手の持つ3つの価値―時間、情報、人脈を限られた財産として尊重する
●コントリビューション4つのレベル―情報提供、プレゼント(本など)、ノウハウ・アドバイス、コネクト
●異業種交流会はムダ
●会を開く際に重要なポイントは、フォーカスされたカテゴリーの人を集めること

レバレッジ人脈術
レバレッジ人脈術 本田 直之

ダイヤモンド社 2007-12-14
売り上げランキング : 4425

おすすめ平均 star
star人脈の基本は「コントリビューション(貢献)」
star相手に貢献できることは何かを考える
star親友は感性と自然が生み出す。人脈は磨かれた人柄で創り出す。

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