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Author Archives: 河村 拓

『ビジネスマンのための「発見力」養成講座』

小宮一慶さんの著書、「ビジネスマンのための「発見力」養成講座」を読んだ。

人は何万回見ても、見えないものは見えない。
発見力も発想力も、基本は同じ。他の人には見えていないものを見る力です。
より正確に言うと、「見える力」です。

人は目に映っているからといって、その情報が全て見えているわけではない。
人間の目はスクリーニングを通して関心のあるものしか見ないのである。
また、見えているつもりでも、そこには実は思い込みが合ったりして、深みに気付けていなかったりする。
表面的なものだけ出を見て分かった気になっていると、それ以上は見えなくなってしまう。

ものを見る力を磨くには、まず、自分には見えていないものがある、分かっていないことがあるという意識がとても大事です。

ものを見る力は、関心を持つこと、そして正しい仮説を持つことで決まるようだ。
そもそも関心を持たなければ、気付かない。
しかし、ただ関心を持って見ただけでは、表面しか見えず、深みが見えてこない。
深みに気付くには、正しい仮説を設けて、それを判断基準にして見るべきポイントを絞る必要がある。
例えば就活中の学生によくある例として、どんな会社がいいのか分からない、どう会社をみればいいのか分からない、という悩みがある。
これは、正しい仮説をもって必要な部分に関心を持ち、見ていないからだ。
簡単な例を挙げると、例えば
強い会社=情報共有が徹底されている会社
という仮説が成り立つとする。
ならばそれをどうやってみればいいかと言えば、簡単だ。
末端の社員を捕まえて、会社についていろいろ質問してみればいい。
会社の中長期的なビジョンや経営理念などを末端の社員が理解していなければ、その会社は情報共有がされていないということだ。
ここで問題になるのは、果たして仮説が正しいかということだ。
仮説が間違っていれば、それはすなわち間違って見ていることになる。
よって、発見力を養うには、まずは自分の関心を広げること、そして正しい仮説を設ける思考力を養う努力をすることが必要だなと感じた。
読書を通じて関心を広げ、知識をインプットした上で、仮説を立てる→観察する→正しいか検証する、このサイクルをまわし、精度を上げていくのがよさそうだ。
要するにフレームワーク力である。
以下、私用メモ
●分解して、見るポイントを絞る
●仮説がレッテルになるのを防ぐために、先入観を疑ってみる

ビジネスマンのための「発見力」養成講座 (ディスカヴァー携書)
ビジネスマンのための「発見力」養成講座 (ディスカヴァー携書) 小宮 一慶

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『最高の成果を生み出す6つのステップ』

マーカス・バッキンガムさんの著書、「最高の成果を生み出す6つのステップ」を読んだ。
前作、「最高のリーダー、マネジャーがいつも考えているたったひとつのこと」(http://d.hatena.ne.jp/lemoned-icecream/20080516/1210940421)はあまりに素晴らしく、「優れたリーダーには何が必要なのか」ということに強く興味を持っている私は多大な衝撃を受けた。
その著者が新著を出したと聞いて迷わず側予約購入したのだが、またまたやってくれた。
今回は仕事でいかに自分の強みを生かすかがテーマだ。
「人は失敗から学ぶ」とは良く聞くが、実は失敗から学べることは失敗の性質でしかない。
短所をいくら研究しても、長所についてはほとんど学べない。
成功について知りたいならば、成功を研究しなければならないのだ。
そして、すぐれた個人、すぐれた組織は、ただ弱みを克服することでは生まれず、強みを伸ばすことによってのみ生まれる。
人にやる気を出させ、業績を伸ばすのに有効な方法はいろいろあるが、一番の方法は各人の強みを充分発揮させることなのだ。
しかし、著者の調査データによると、実際に自分の強みを充分に仕事に生かしている人は10人に2人しかいないようだ。
その原因は上司であったり配属先であったり仕事内容であるかもしれないが、まずは外的要素ではなく、自分の信念が「10人のうちの2人」になることを妨害している可能性を考えなければならない。
その信念とは、三つの神話である。
●成長するにつれ、人の性格は変わる。
●人はもっとも弱い分野で、もっとも成長することが出来る。
●すぐれたチームのメンバーは、チームのためならばどんなことでもする。
しかし、真実はこうなのだ。
●成長するにつれ、人は本来の自分に近づく。
●人はもっとも強い分野で、もっとも成長することができる。
●すぐれたチームのメンバーは、チームに自発的に強みを提供することにほとんどの時間を費やす。
真実を知ったとき私たちは、重要なのはいかに自分の強みを知り、それを生産的なことに結びつけるかであることに気付く。

もっとも責任ある正しい行動とは、まず自分の強みを明らかにし、勤務時間のほとんどで強みを発揮できるように、時間や役割を調整する方法を見つけ出すことだ。すぐれたチームのメンバーはこのことを理解している。そして、自分が弱い分野に強いメンバーを見つけ出すことを己の義務と心得ている。かくして、メンバー一人ひとりが円熟していないからこそ、チームが円熟したものになる。

これを読んで私が真っ先に思い出したのは元ブラジル代表サッカー選手、ロナウドだ。
彼はチームのために守備に奔走することはめったになく、自分が得意なゴールに近い場面以外ではほとんど仕事をせずにサボっている。
しかしそれは、彼が自身の強みはゴールすることにこそあることを知っていたからなのだろう。
守備に奔走して体力を消耗し、肝心なゴールを決める場面で最大限の力を発揮できないくらいなら、守備は放棄して自分の強みだけに専念したという意味で、彼は真のプロフェッショナルだったのだ。
さて、神話を打ち砕き、自分の強みを生かすことの重要性がわかったら、今度は自分の強みを明確にする必要がある。

あなたの強みは、あなたの実際の行動によって明らかになる。強みとはあなたの行為そのもの、具体的には、いつでもほぼ完璧にやりとげられる活動なのだ。

強みは、以下の三つの異なる要素からなる。
●資質
●スキル
●知識
資質は共感性、積極性、競争性など、生まれつき、そして今も変わらず備えているものであり、これは習得不可能なものだ。
これは状況にかかわらずいつでも活用できる強みである。
それに対しスキル、知識は生まれつき備わっているものではなく、身につけるものであり、習得可能である。
それを頭に入れた上で、毎週の現実の仕事にどんな気持ちで自分が取り組んでいるのかを正確に知り、強みを示す四つのSIGNに注意することで、私たちの真の強みを知ることが出来る。
強みを示す四つのサインとは、
●成功(Success)
●本能(Instinct)
●成長(Growth)
●必要性(Needs)
である。
得意な活動であれば、しばしば高い成果を挙げ、成功することがある。
しかし中には、能力はあっても好きになれない活動がある。
それを続けることは私たちを消耗させることになり、「真の強み」にはなりえない。
真の強みには「やらずにはいられない」という性質がある。
そして、実際にやっているときは高い集中力を発揮でき、あっという間に時間が過ぎる。
そして、その活動を終えた後には満足感を得、自分らしい、自分にぴったりという感覚が湧いてくる。
つまり、強みとは自分を強いと感じさせる活動であり、欲求が能力を引き出すのだ。

興味のある活動には力を注ぐので、その活動には磨きがかかる。するとあなたはまたその活動に力を注ぎ、さらにすぐれた成果を収められるようになる。このスパイラルは上へ上へと伸びる。あなたは欲求に動かされて活動に取り組み、取り組むことですぐれた成果を導き出す。これをもう一度SIGNに置き換えると、まずあなたはI(本能)によってある活動に引き寄せられ、G(成長)によって持続的にその活動に従事し、N(必要性)によって最高の気分を味わう。するとまたIに戻り、最初からそれを繰り返す。欲求によって引き出された能力は、まえへ上へと伸びていくのだ。

ただ一つ注意したいのは、欲求はあるが能力がない活動だ。
それで生計を立てられないような活動であれば、「趣味」にとどめておくべきだ。
本書は
ステップ1 神話を打ち砕け
ステップ2 明確にせよ
ステップ3 強みを解き放て
ステップ4 弱みを封じよ
ステップ5 人に伝えよ
ステップ6 強い習慣を作れ
という流れになっており、ステップ2の後半からはワーク形式になり、それぞれのステップをいかに実行していくかを示している。
まだこれらのワークは私には早そうなので、来年、再来年にもう一度読んで、実行することにした。
とりあえずその前に、著者の前々作、「さあ、才能に目覚めよう」を読んで、自分の資質を掘り下げてみようと思う。
以下、私用メモ
●性格の45から50%は生来備わっている(ここでいう性格とは競争心が強い、臆病、我慢強いなどの資質のこと)
●性格を形成する残りの50から55%は機会と仲間によって左右される
●自分だけの得意分野、それは自然が与えた勝利のための戦略である

最高の成果を生み出す 6つのステップ
最高の成果を生み出す 6つのステップ 加賀山 卓朗

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『グーグルに勝つ広告モデル』

岡本一郎さんの著書、「グーグルに勝つ広告モデル」を読んだ。
本書はグーグルをテレビ、新聞、ラジオ、雑誌という既存の広告媒体を脅かすモノとして捉え、それにどう対抗すべきかを主張するものではない(タイトルはそんな感じだが)。
グーグルというよりは、グーグルによって情報が整理されたインターネットと言う新たな広告媒体に着目し、それが今後どう既存メディアに取って代わり、シェアを奪いかねないのか、そして、そうした中で既存メディアの存在意義は何か、どういう方向性を今後打ち出していくべきかを考察したものである。
個人的に面白かったのはテレビだ。
ちなみに私はテレビをあまり見ない(一日換算すると1時間以下)。
はっきり言って、つまらないのだ。
対象が分散しすぎていて、密度が薄い。
テレビというのはあくまで大衆向けのメディアであるから、さまざまな顧客層や興味関心の分布を考えると、中身が最大公約的なものに落ち着いてしまう。
だから10人中8人に「まあいいんじゃないか」という満足感を与えることは出来ても、「最高だ」という満足感を与えるほど尖ったコンテンツはなかなかない。
インターネットが普及する以前は、ターゲット化された顧客層にコンテンツを提供するような映像型メディア媒体はなかったので、それでもみんながテレビを見たかもしれない。
しかし、インターネットで今や誰でも好きなときに好きな情報を知り、コンテンツを楽しむことが出来てしまう。
テレビの前で中途半端なコンテンツをダラダラと惰性的に見るよりも、インターネットで好きな動画をYoutubeで見ていたほうが楽しいのだ。
こうなるとテレビ離れは確実に進んでいき、これはテレビ業界の収益性に大きな打撃を与えかねない。
テレビがあまり視聴されなくなれば、当然企業も高い広告費を支払ってまでCMをのせようとは思わないだろう。
テレビ業界は変化せざるをえない。
著者はユーザーが「好きなときに見たい」(タイムシフト)、「好きな部分だけみたい」(編成権)を求めていることを利用し、従来のテレビ側が一方的に番組を放送するのではなく、ユーザーが好きな時間に好きな番組を見れるような「オンデマンドポイントキャスト」を目指すべきだと主張している。
これにはメリットが二つある。
まず一つは、コンテンツごとによりターゲッティングがしやすくなり、広告の精度が上昇するということ。
もう一つは、過去のコンテンツも見られるようにすることで、番組製作コストを抑え、資産の回転率が上がることだ。
これは非常に良いモデルだと思うのだが、著者は一つ問題があると言う。
それは、テレビがこれまで担っていた社会的な役割が崩壊するのではないかという懸念である。
個人が好きな番組をばらばらに見るようになってしまうと、以前にはあった同じ番組を視聴することによる社会的な連帯感が失われてしまう。
番組を見た後、学校や会社でそれを話題に話すといった、社会をスムーズに動かす潤滑油がなくなってしまう。
そうなると趣味も嗜好も違うような人と話すためのコミュニケーションの材料が失われてしまい、好きな人とだけ付き合えばいいということになってしまう。
社会としてのつながりはどうなってしまうのか。
しかし本当にそうなのだろうか。
同じ番組を見ていないと話題がない、コミュニケーションが取れないということは必ずしもないのではないか。
こんな面白い番組がある、コンテンツがある、と言う情報をお互いにシェアしたり、いくらでもネタはあるだろう。
それに、趣味も嗜好も違うような人と話すための材料がないとは言うが、そもそも趣味も嗜好も違えば同じ番組を見ていないのではないか。
逆に、皆が同じ情報を持っているのではなく、一人一人が違う情報を持っているからこそお互いがそれをシェアすることに意義が生まれ、人とつながる価値も高まるのではないかと考える私は楽観的に過ぎるのだろうか。

グーグルに勝つ広告モデル (光文社新書)
グーグルに勝つ広告モデル (光文社新書) 岡本一郎

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『勝間和代のビジネス頭を創る7つのフレームワーク力 ビジネス思考法の基本と実践』

勝間和代さんの著書、「勝間和代のビジネス頭を創る7つのフレームワーク力 ビジネス思考法の基本と実践」を読んだ。
これほど思考力、フレームワーク力を体系的・論理的にまとめた著書は見たことがない。
大変密度が濃く、全てを吟味して吸収し血肉とし、フレームワークとして、実際の行動に落とし込まなくてはもったいない。
いつでも必要な部分を読み返せるよう、気になった部分を体系的にまとめおく必要がある。
1.ビジネス思考力とは:
1.ビジネスの場を中心として
2.限られた情報と限られた時間の中で
・意思決定の内容の精度はイマイチでも、行動、決断が早い人は伸びる
・逆に考えすぎて意思決定が出来ず、行動から学べない人は伸び悩む
・鮮度はいいけれど確度が多少悪い判断のほうが、遅くて正確な判断よりもよほど重要であるから、限られた情報の中でどんどん意思決定をする必要がある(あくまで、そのあとに修正可能であることが条件)
3.より適切な推論・判断を行い
・推論・判断が適切で速い人は、「フレームワーク力」が豊富である
・フレームワーク力とは、既存のフレームワークを正しく使う能力、そして自分で新しくフレームワークをつくっていく力
4.より適切な行動を起こすことで
・行動さえできれば、圧倒的に他者より優位に立てる(20%×20%×20%=0.8%)
5.より高い付加価値を生み出す能力
今、自分が持っている最良の情報を組み合わせて、新しい情報を生み出せる能力
現場の一人ひとりが不確実な情報を限られた時間の中で意思決定していかないと、企業の経営が成り立たなくなってしまっていて、そうした、自分で意思決定していける人材が求められている
大事なのは思考の結果ではなくプロセス
最低限の知識をつけたうえで、実際に一つでも多く痛い目に遭いながら、新しいフレームワークを頭の中で積み上げていくことで身につく
知識→理解→応用→分析→統合→評価の繰り返し
2.フレームワークとは:
現実を観察する方法を構成する仮定、概念、慣行の集まり
フレームワークをたくさん持つということは、頭の中でさまざまな情報を処理し、判断し、意思決定を行う際に、その場に応じて最適な道具を使えるということ
3.論理思考力とは:
一見ランダムに見えるような事象、関係性が明確でない事象であっても、その事象を支配する何らかの法則や関係性を導き、その関係性の中で、その場ではまだ明らかになっていない事象や将来の不確定事項について、高い確率で起こりうることを推察する力
基本となる三つのテクニック:
1.MECE
・漏れなく、ダブりなく
2.ピラミッド・ストラクチャー
3.仮説思考
・思いつきと再現性の間には溝があり、ランダムな思いつきで行う予想と、MECE+ピラミッド・ストラクチャーに基づく仮説設定では、その分析結果の制度が異なる
・仮説思考のクセがある人はサイクルを回すことで、より精度の高い仮説にたどり着けるが、思いつきで考えてしまう人は精度が向上しない
身につけるための四つの実践方法:
1.日常業務で使う
2.論理パズルを解く
3.なぜ五回を考える
4.観察から仮説をつねに立て続ける
4.水平思考力とは:
直感や想像、新しいものの組み合わせなどから解の仮説をイメージする方法
ロジカル・シンキングが絞り込む思考法だとすると、ラテラル・シンキングは広げる思考法
=「Out of the Box Solution」(想定した範囲以外から出てきた解)
基本となる三つのテクニック:
1.前提を疑う
・自分も他人も、根深い前提思考、ヒューリスティックを持っていることを自覚する
2.見方を変える
・自分の考え方、見方から離れる
3.組み合わせてみる
・既存のもので、一見関係なさそうなものを組み合わせて、新しい考え方を作る
・=「組み合わせバリュー」
・何かを組み合わせると出来ることがあるのではないかという発想をつねに持っておくことが重要
身につけるための四つの実践方法:
1.アイデアの量を増やす
2.アイデアを試してみる
・よいアイデアを出す人とそうでない人の違いは、温めたアイデアを周りや市場に評価してもらって、フィードバックをうける、そのフィードバックを新しい情報として取り入れていく、この繰り返しをどれだけ速いスピードで行っているか
3.失敗から学んで修正する
・よい失敗:未知の状況の中で、限られた情報から、見込める最大リスクの範囲内でベストの判断だと思って行ったけれども、結果的に失敗になったもの
・悪い失敗1:一度行ったことがある種類の失敗を、自分の能力を過信したり、過去の失敗を否定したりして、単純に繰り返すもの
・悪い失敗2:初めての失敗であるが、自分の能力を過信し、失敗したら取り返しがつかない結果を招くにもかかわらず、無謀なチャレンジをしてしまうもの
・悪い失敗3:失敗を恐れて何もしないうちに、結果として現状が悪くなってしまって、何もしないことが失敗になってしまうもの
・「よい失敗」の回数が多いほど、成功につながるスピードが速まる
4.チームを活用する
・多くのラテラル・シンキングのアイデアは、一人で黙々と考えたものではなく、人と話をしていて急に浮かんだり、何かのピースが足りないときに、そのヒントを思いもかけない人がくれたりして生まれることが多い
・相手を厳選すること
・素人マーケターになっていないか注意
5.視覚化力とは:
論理思考力、水平思考力で分析したものをもう一度新しいものに組み直すには、視覚化力、数字力、言語力の三つが必要
この三つで統合をしてはじめて、考えを整理し、人と共有することが出来る
Visualizationとは、何かの概念やものごとをVisualにする、すなわち、画像にして目でわかりやすくすること
上手に視覚化力を使えるようになることで、情報の入力においても、考えるプロセスにおいても、出力についても、大きな差別化が出来る
基本となる三つのテクニック:
1.画像のパワーを使う
・何かを統合して表現する際には、イラストやグラフ、図解などを使う2.訓練を意識的に行う
・デザインの力を身につける
デザインとは、モノに備わったものであり、人が知覚できる行為の可能性
3.画像と文字を組み合わせる
身につけるための四つの実践方法:
1.フォトリーディング+マインドマップをマスターする
2.イメージ・ストリーミングを習慣的に行う
3.イラスト・図解をつねに意識して使うクセをつける
・人にものを説明するときに大事なのは、相手の無意識の中に、あるいは、相手がこれまで経験地として蓄えてきているものに、いかにきっかけを与え働きかけ、それを呼び覚ますことができるか
4.睡眠を十分にとり、夢を活用する
6.数字力とは:
情報を絞りに絞ってもっともシンプルにしたのが数字
数字が読めない、理解できないというのは、「ものごとを組み合わせる
創造性が弱い」ということにもつながる
相手との意思の疎通を円滑にするのが数字力の役割
基本となる三つのテクニック:
1.数字の意味を知る
・数字のいちばんの役割は、感性と理性をつなぐこと
・数字は、将来予測を行うと、私たちに将来のリスクや可能性を事前に教えてくれる
2.数字に分解する
・数字と言う小さな塊になってはじめて、測定し管理するということが可能になる
3.統計を読む
身につけるための四つの実践方法:
1.統計データを見る習慣をつける
2.身の回りのわかっている数字を記録する
3.数字から仮説をつくる
4.数字を使って人に説明してみる
7.言語力とは:
言葉というのは、ある意味、曖昧なもの
基本となる三つのテクニック:
1.なるべく多くの知識・説明を知る
2.言葉に落とす習慣をつける
3.比喩を意識する
身につけるための四つの実践方法:
1.読書・読書・読書
・ボキャブラリーの裏側にある知識、経験、世界観、考え方、想定、仮定、そういうものを知るのが読書
2.話す時間・書く時間の質量を高める
3.辞書を引き検索するクセをつける
4.ブログで訓練する
8.知的体力とは:
自分の思考力を最大限に発揮しようとするとき、重要なのは、いかに身体を健全に保ち、心を健全に保っていくかである
この心と身体の関係=「知的体力」
基本となる三つのテクニック:
1.身体と頭の関係を理解する
・思考は五感全体、身体全体で行われている
・頭を鍛えるのと同じくらいの労力を使って、身体を鍛える
・ふだんから身体を大事にして、身体感覚を磨いていく
2.健全な精神が健全な発想を生む
・知的体力といったときの体力には、肉体的な体力だけでなく、精神的な体力も含まれ、それらを健全な状態に保つことが必要
3.食べ物と知力の関係を理解する
・アルコール・カフェイン・ニコチンを過剰摂取しない
・気持ちのよい場所に行くことも、ネガティブな感情が生まれない人とつきあうようにすることも大事
身につけるための四つの実践方法:
1.ブレインジムの体操を行う
2.聴覚・触覚・味覚・嗅覚を鍛える
3.三毒を追放する
・三毒とは、妬む・怒る・愚痴る
4.身体にいいものを中心に生活する
9.偶然力とは:
=セレンディピティ(Serendipity)
予期せぬ出来事はどうしても起こるのだから、それを避けるのではなく、起きたことをつねに最大限活用しようという考え方
偶然力を生かす五つの考え方:
1.好奇心
2.持続性
3.楽観性
4.柔軟性
5.リスクテイキング
・迷ったときはリスクをとる方向で考える
基本となる三つのテクニック:
1.偶然のチャンスを生かす
・偶然のチャンスというのは、十分に準備をしたなかではじめて出てきて、そこで偶然に、「ああこういうことなのか」と、答が向こうからやってくるイメージ
2.つながりを見つける
3.無理に格好をつけない
身につけるための四つの実践方法:
1.良いチャンクを集める
2.つねに観察しつづける
3.魅力的な人々に会う
4.つねに周りをポジティブな視点で見る

勝間和代のビジネス頭を創る7つのフレームワーク力 ビジネス思考法の基本と実践
勝間和代のビジネス頭を創る7つのフレームワーク力 ビジネス思考法の基本と実践 勝間 和代

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『事業戦略のレシピ』

遠藤功さん監修の著書、「事業戦略のレシピ」を読んだ。
絵に描いた餅は食べられない。
本書は「実行できる」戦略を作るにはどうしたらいいかを、作成プロセスごとに順を追って解説したものだ。
戦略とは何かを端的に言うと、「夢と現実のギャップを埋めていくシナリオを設計していくこと」となる。
そして戦略策定には4つのステップがある。
①現状分析
②戦略オプション策定
③オプションの評価・絞込み
④計画・アクションへの落とし込み
ギャップを埋めるための適切な戦略を練ることは、現状分析、つまり敵を知り、己を知ることから始まる。
業界の成功要因や自社および他者の強み、弱み、ポジショニングの分布などを分析し、そこからどういった戦略が有効かをリストアップする。
そしてそのリストから実行に移す戦略を絞り込むのだが、ここで重要なのは「いかに当事者の腹に落ちる選択が出来るか」である。
当事者にとって思い入れのない計画は絵に描いた餅になるだけだ。
そして最後に実際のアクションがイメージできるところまで計画を落とし込む。
その際実行した結果がモニタリングできるようにしておけば、戦略の効果が見えやすくなり、「Plan-Do-Chek-Action」のサイクルにつながる。
本書では各ステップにおいて利用できる効果的なツールがいくつも紹介されている。
が、重要なのはツールを用いて分析することではなく、その分析結果から何を見るかであるということは覚えておきたいと思った。
この「何を見るか」というのは判断を愚直に繰り返すことで訓練して身につけるしかない。
また、効果的な戦略を策定しやすい強い経営を実現するには、組織の「見える化」が重要になる。

企業活動において、「見える」ということは競争力の源泉と言っても過言ではない。経営から現場に至るまで、悪いことから良いことまで必要な情報が必要なタイミングで「見える」状況になっていれば、必要なアクションを適切かつ迅速に実施することが出来る。

つまり、組織の隅々に「見える化」が企業インフラとして整備され、経営思想として定着している企業は強い経営を実現している企業である。

強い経営というのは、「骨太で合理的な戦略」と「自ら問題を発見し解決する強い現場力」の両方を兼ね備えていることが条件であり、それらを実現するための前提が、「管理のための見える化」と「自律のための見える化」である。

組織が大きくなるほど情報量も増え、また現場と上層部の距離も広がるため、情報共有は難しくなりがちだ。
変化の時代であり、戦略策定のスパンが長くて3年とかいうことになると、
●組織が小さい
●情報共有がスムーズで「見える化」されている
●フットワークが軽い
という企業がこれからますます力を発揮することになりそうだ。

事業戦略のレシピ
事業戦略のレシピ 遠藤 功

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『思いが人生をつくる』

ジェームズ&リリー・L・アレンさんの著書、「思いが人生をつくる」を読んだ。

「人は思考の主人であり、人格の作者であり、状況、環境、運命の製作者なのです」
 力、知識、愛、そして自分の思考の主人である「人」は、すべての状況の鍵を握っており、望む自分自身を作る資質を内に備えているのです。

「人は思ったとおりの人間になれる」という格言がある。
であるならば、ありのままの、等身大の自分を認識することは実はたいして意味のないことかもしれない。
なぜなら、長所も短所も含め、ありのままの自分を認識したところで、その自分像を思い描いている限り、そのままでしかいられないことになるからだ。
それよりは、こういう人になりたいという自分の理想像を鮮明に描くことのほうが、よっぽど大事なのかもしれない。
しかし、何かを手に入れたいと思うのならば、それは思いだけでは達成できないはずだ。
自分の強みを知り、それを生かす術を知ることも大切になる。
企業にしたって、いくら会社の理想像を描いてみても、現状認識ができていなければ理想と現状の間にあるギャップを正しく把握できず、それを埋めるための適切なプロセスを描けなくなる。

人は、自分が望むもの、祈るものを手にするのではありません。自分自身のあり方そのものを手にするのです。望みや祈りは、自分の思考と行動が調和するときのみ、かなうのです。

人は、自分の環境を改善しようとやっきになりますが、自分自身を改善しようとはしません。だから、何も変わらないのです。

自分の思考と行動を調和させるには、正しい行動を知っていなければならないはずだ。
そして思考は夢を描くことによって生まれ、それと調和する行動は自分と現状を知り、どうすれば夢に近づけるかを戦略的に考えることで生まれる。
だから、自分を知り、理想との差分を受け止め、自分を組み変える勇気を持って行動できる人だけが、夢をかなえられるのかもしれない。
そして、そういうある種の自己犠牲を払える人にのみ、世の中を変えることが出来るのかもしれない。

夢を抱く人は、世界の救済者です。

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『3万円の元手で月商1000万円! 初めてのネット輸入&販売』

森治男さんの著書、「3万円の元手で月商1000万円! 初めてのネット輸入&販売」を読んだ。
かなり実践的な内容になっているので、教科書的に利用すれば、本当に誰でもそこそこの売り上げを上げることは出来そうだ。
ネットで小遣い稼ぎを始めたい、と言う人にはお勧めできる。
ただ私自身はあまりやってみたいとは思わなかった。
おそらく、「手軽に稼ぎたい」→「ネット輸入販売」という動機が性に合わないのだと思う。
より時間をかけ、小手先のテクニックを身につければ、競合者よりも多くの利益を上げ、月商何百万ということも確かに可能だと思う。
しかしそこに自分でなければ生み出せない価値があるのかと考えるとどうしても疑問が出てくる。
要するに誰にでも出来る儲けられる仕組みにはあまり魅かれないし、そのために時間を使うくらいなら本を読んでいたいのだと思う。

3万円の元手で月商1000万円! 初めてのネット輸入&販売
3万円の元手で月商1000万円! 初めてのネット輸入&販売 森 治男

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『日本でいちばん大切にしたい会社』

坂本光司さんの著書、「日本でいちばん大切にしたい会社」を読んだ。
ここ数年企業の不祥事がクローズアップされているが、法律や社会のルールを平気で破るこれらの企業は、社会のものである企業を私物化した結果だと著者は言う。
そもそも会社は経営者や株主だけのものではないのだ。
そこを勘違いすると、「真に正しい経営」が出来なくなる。
企業には「五人に対する使命と責任」があると著者は言う。
上から順に、「社員とその家族」「外注先、下請企業の社員とその家族」「顧客」「地域社会、地域住民」「株主、出資者」であり、これら全てを幸せにすることが「真に正しい経営」なのだ。
この順番にも理由がある。
最近は最も重要なのは株主や顧客の満足だという人もいるが、これらを達成するのは誰かと言うと自社の社員であり、外注先、下請け企業として協力してくれる企業の社員なのである。

私が社員を一番目に上げる理由は、お客様を感動させるような商品を創ったり、サービスを提供したりしなければいけない当の社員が、自分の所属する会社に対する不平や不満・不信の気持ちに満ち満ちているようでは、ニコニコ顔でサービスを提供することなどできるわけがないからです。

誰かの犠牲のうえに成り立つ組織は正しくないのです。

そこを理解せずに株主の満足度を優先して追求する経営を行うと、短期の業績や株価の動向に一喜一憂し、長期的視点にたった正しい判断ができなくなる。

正しい決断をし続けていくには、ブレない正しい視点を持つことが大切です。
会社が今やっていること、これからやろうとしていることについて、「儲かるか儲からないか」とか、「他者に勝つか負けるか」という視点ではなく、それが「正しいか正しくないか」「どんな判断をすることが社員のため・お客様のため・地域社会のためになるのか」などといった、会社がもっていなければならない正義感や倫理観に立って決断しなければなりません。

本書では上記の「五人に対する使命と責任」を信念を持って果たし続けている、「日本でいちばん大切にしたい会社」が紹介されている。
障害を持つ少女を雇うかどうかを判断する際に、会社にとって有益かどうかではなく、その子の一生を幸せにしてあげられるかどうか、それが今の会社に出来るかどうかで悩んだという日本理化学工業株式会社に、私は特に心を打たれた。
正しいことをしようという強い想いを持つことの尊さ、企業ビジョンや経営理念の大切さを改めて感じさせてくれる良書だった。
以下、私用メモ
がんばれるのにがんばらないのは偽者の弱者であり、手を差し伸べる必要はない

日本でいちばん大切にしたい会社
日本でいちばん大切にしたい会社 坂本 光司

あさ出版 2008-03-21
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star必ずしもその通りではないかもしれないが感動はします
star単なる事例集ではない
star21世紀の経営

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『オカネとウソの論理学 -嘘とお金のさじかげんがわかる、法律と会計の本』

柳澤賢仁さんの著書、「オカネとウソの論理学 -嘘とお金のさじかげんがわかる、法律と会計の本」を読んだ。
なぜ嘘をついてはいけないのか?
なぜお金を儲けてもいいのか?
本書はこの2つの問題に対して法律・会計の面から迫った一冊だ。
極端に言えば、嘘には「ついてもいい嘘」と「ついてはいけない嘘」があるのではないかと思う。
そしてついてはいけない嘘は、社会性の面と個人の面とにそれぞれ理由があると思う。
社会的に見てまずい嘘とはどんな嘘かと言うことは、社会のルールを守ったかどうかに集約される。
日本では自由市場の立場を取っており、そこには定められたルールがあり、それにのっとっている限り人々は自由な競争を許され、富を築くことが保障され、様々な権利を得られる。
偽装や不正が問題となるのは、それがルールを無視したフェアプレーに反する行為だからだろう。
誰もがルールを平気で破るようになれば社会は混乱に陥る。
社会から様々な恩威を与えられながら、社会に損害を与え裏切ることは許されないのだ。
個人の面ではまず、自分の正義に反するような嘘をつくことで、自分の人間性に100%の自信がもてなくなるということがある。
そうなるとどんどん正義を守ろうと言う意欲は薄れ、そういう人からはツキも逃げていく。
また、自分の弱さや愚かさに対して嘘でごまかすのも良くない。
それらと向き合い、自分が納得できる形で改善するなり折り合いをつけるなりしなければ、結局は前に進めないし自分のためにもならない。
お金儲けに関しては、どんどん儲けていいに決まっている。
お金儲けが悪いことのように言う人は、個人の人間性の問題をお金の問題にすりかえているか、妬んでいるかのどちらじゃないかと思う。

オカネとウソの論理学 -嘘とお金のさじかげんがわかる、法律と会計の本-
オカネとウソの論理学 -嘘とお金のさじかげんがわかる、法律と会計の本- 柳澤 賢仁

ライブリー・パブリッシング 2008-05-15
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starうん、功利主義でいこう
star「嘘とお金」に関する「さじ加減」
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『悩む力』

姜尚中さんの著書、「悩む力」を読んだ。
近代以前、人々は宗教、伝統、習慣、文化、地縁的血縁的連合などによって、自動的に社会の中でしっかりと結び合わされていた。
何を信じるかは自分で決めるものではなく、所属する共同体が信仰するものを個人も信仰するのが当たり前だった。
その意味で彼らは束縛されていたが、逆に「何を信じるか」を自分で考える必要がなかったという意味では自由だったのかもしれない。
しかし近代科学や合理主義の急速な進展により、これらの結びつきはどんどん解体され、個人の自由をベースにした「個人の時代」がやってきた。
こうして拠り所を失った個人は自我の確立を迫られるようになる。
自分はなぜ生まれたのか、なぜ生きているのか、なぜ生きねばならないのか。
なぜ働くのか、なぜ愛を求めるのか、それらに意味はあるのか。
これらは答えのない問答であり、だからこそずっと私たちに付きまとう悩みとなる。
宗教などを抜きにして、全ての意味を自分で考えようとし、自分に向き合うほどに見えてくるのが、自分の弱さ、愚かさ、無力さだったりする。
時に絶望的にもなる。
考えるのが苦痛になり、周りに合わせたり、スピリチュアルなんてものに頼ることで楽になりたいと考えもする。
しかし、悩みにふたをしたところで、その先には虚無感しかない。
本当はどこかで違和感を感じながらも、自分を騙している「自分」に心の中で気付いているからだ。
だったら悩みぬいて、突き抜けてしまえばいい。
内なる声にふたをせず、突き抜けるまで悩めばいいのだ。
突き抜けたら、後は好きなように、横着に生きていけばいい。
厚かましくてもわがままでもいいから、自分が本当に信じられる自分になる。
そのとき真の充足感が得られるに違いない。
本書を読んでそう思った。

悩む力 (集英社新書 444C)
悩む力 (集英社新書 444C) 姜 尚中

集英社 2008-05-16
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star時代を引き受ける
star悩む力にも格差?!
star悩んで悩んで突き抜けろ

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