D・カーネギーさんの著書、「道は開ける」を読んだ。
本書はどうすれば悩みから抜け出し、心の中の暗闇を追い払うことが出来るかを示しています。
●今日の二十四時間を最大限に活用することを心がける
●最悪の事態を想定して受け入れる覚悟をする
●公平な客観的立場で事実を集める
●気にする必要もなく、忘れてもよい小事で心を乱さない
●避けられない運命はあるがまま受け入れる
●問題は厄介な出来事ではなくそれに対する自分の考え方にある
など、心に留めておくべき内容が数多くある中、私の心を一番強く捉えたのは次の一節でした。
『レモンを手に入れたら、レモネードをつくれ』
私たちが失望落胆して、もはやレモンをレモネードに変える気力も失せたとしても、とにかく二つの理由のために私たちは現状打破を試みなければならない。つまり、どちらからいっても、全てが得で、失うものはなにもないからである。
第一の理由―成功するかもしれない。
第二の理由―たとえ成功しなくても、マイナスをプラスに変えようとするだけで、うしろを振り返らずに前方を見つめることになる。消極的だった考えが積極的になり、それが創造力を活動させ、われわれを多忙にし、過ぎ去ったものをなげく時間や気持ちはなくなってしまうだろう。
本当はやりたいことがあるのに、うまくいかないのではないか、失敗するのではないかと不安になり、後悔しないようにと、やりたいことを断念して安全な(と思われる)道を選んでしまう人のほうが、世の中には多いと感じます。
この悩みを拭い去り、多くの人が自分の望むとおりに生きるためのヒントが、この『レモンを手に入れたら、レモネードをつくれ』にありました。
結論は、「自分の内なる声に従っている限り、後悔しない」のだと思います。
レモン(lemon)には「不良品、欠陥品、不快なもの」という意味があります。
レモンをレモネード(lemonade)に変えるとはつまり、マイナスをプラスに変え、失敗を飛躍のステップに変えてしまうことを表します。
何かをするときに自分の本心を貫かず、周囲に流される人は、結果的に失敗したときに「あの人がこういったからこうなった」「環境が悪かったからこうなった」と、責任を外部に求めがちで、そこからあまり学ぶことができないと感じます。
逆にいつでも自分の軸で判断している人は、失敗を全て自分に帰すことができ、自身の判断軸を磨き続けることができるのではないでしょうか。
そういう人は、失敗をばねにしてどんどん成長していける。
だから最終的には「あの失敗があったからこそここまで成長できたのだ」と、あとで振り返ることができる。
つまり、自分の内なる声に従い続ける限り、人はレモンをレモネードに変え続けることが出来る。
そしてあとでレモン「だった」(lemon+過去形のed=lemoned)と自身の宝物のように振り替えることが出来る。
Steve JobsがStanfordで行ったスピーチの一節、
Again, you can’t connect the dots looking forward, you can only connect them looking backwards.
So you have to trust that the dots will somehow connect in your future.
Believing that the dots will connect down the road, will give you the confidence to follow your heart.
は、このことを言っていたのかもしれません。
まさに全てが得で、失うものは何もない。
迷うことなく自分の内なる声に従い、レモンをレモネードに変えてしまえばいい、というのは私にとって大きな発見でした。
しかし本書を読んで得られる発見は、人それぞれだと思います。
是非読んで、何かを発見してみてください。
道は開ける 新装版 | |
デール カーネギー
創元社 1999-10 おすすめ平均 |