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Author Archives: 河村 拓

『シークレットアドバイス-世界トップの企業家&CEOが明かした「私の働き方」 』

フォーチュン編集部編著、「シークレットアドバイス-世界トップの企業家&CEOが明かした「私の働き方」 」を読んだ。
形としては、「心に書きとめておきたい名経営者の至言」の、グローバルバージョンと言えます。
登場するのはマイクロソフトのビル・ゲイツ、アップルのスティーブ・ジョブズ、GEのジャック・ウェルチ、巨匠ピーター・ドラッカー、投資家ウォーレン・バフェットなどなど、まさにそうそうたる顔ぶれ。
中身としては、彼らがインタビューで語った「仕事術」「決断力」「リーダーシップ」「チームワーク」「シークレットアドバイス」を編集したもので、これだけ見るとものすごく興味を引かれるのですが、実際の中身はちょっと薄いかなと感じます。
「人に優しくすることは大切だ」「意思決定の仕組みを作らないと悲劇を起こす」「どんな仕事でも最善を尽くすことは大切だ」「相手の功績を認め、自分の責任を認めることは重要だ」
これらは正しいと思いますし、大切だと思います。
これらのアドバイスに共感するような人がそもそも知りたいのは、その本質や、具体的にどうすればいいのかであったり、どうすれば自分にも応用できるのかだと思います。
しかし本書はそういった部分をほとんど扱っていません。
また、アドバイスには具体性や論理性、未来のイメージなどをバックグラウンドにした「説得力」が必要だと思うのですが、本書は「説得力」を成功者たちの持つ実績やステータスに丸投げしてしまった印象を受けます。
「成功者が言うから正しいはずだ」で納得できる人にはいいと思いますが…。
ただ、成功者のファンが彼らに興味を持って読む文には、面白い内容だとは思います。

シークレットアドバイス-世界トップの企業家&CEOが明かした「私の働き方」
シークレットアドバイス-世界トップの企業家&CEOが明かした「私の働き方」 「フォーチュン」編集部 桜田直美

幸福の科学出版 2008-09-03
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おすすめ平均 star
star世界のトップの金言が詰まっている
star豪華メンバーにインタビュー
starけっこういい話がつまっている

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『年収2000万円の転職術』

神川貴実彦さんの著書、「年収2000万円の転職術」を読んだ。
年収2000万≒外資戦略系コンサルティング企業への転職術と考えていいと思います。
本書で扱っているのは「お金」を前面に押し出した、高学歴・高収入のキャリアプランの考え方です。
東大じゃなければ五十歩百歩
TOEICは900点くらいないと目を引くことは出来ない
●トップ10クラスじゃなければMBAでも意味がない
大企業出身じゃないと難しい
などなど、なかなか手厳しい内容で、読みながら「私はあんまり関係ないのかしら」と思ってしまいました。
東大→大企業というレールを歩いて気づいたら「中収入」にならぬよう、自分の学歴にしっかりとレバレッジをかけるキャリアプランを重要なポイントを押さえつつ描いているので、自分の高学歴を最大限生かしたい人にはうってつけの内容だと思います。
しかし、これらの要素を抜きに考えれば、本書の中身は自身のキャリアプランを見直す上で、広く用いることの出来るものではないかと思います。
自身のライフプランを真摯に描き、思い描いた生活を送るためには具体的にどのくらいの収入が必要なのかを考える。
そして自分自身を棚卸して、条件を満たす企業に転職するにはどんな準備が必要なのかを考えるという部分は、何も東大生や外資コンサルを目指す人だけに共通する部分ではないと思います。
職務経歴書の書き方や面接の仕方もアピールすべきポイントや注意すべきポイントを押さえてくれています。
就職を前にキャリアを漠然と考えてしまっている、もしくは今まで漠然と考えてキャリアを積み上げてしまった、という人は一度本書を読み、キャリアプランを考え直すのも手だと思います。
100ページと短いですが、必要なエッセンスだけを盛り込んだ印象を受け、この内容で1000円は安いと思いました。

年収2000万円の転職術 (ピンポイント選書)
年収2000万円の転職術 (ピンポイント選書) 神川 貴実彦

プレジデント社 2008-06-12
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おすすめ平均 star
star 外資系大手戦略系コンサルティングファームを頂点に位置づけ、それ以外の処方は希薄
star中身は薄い
starキャリアの上限を知る

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『大富豪トランプのでっかく考えて、でっかく儲けろ』

ドナルド・トランプとビル・ザンカーの共著、「大富豪トランプのでっかく考えて、でっかく儲けろ」を読んだ。
「でっかく考えればでっかいことを実現できる」
「でっかく考えてがむしゃらにやれ」
「でっかいことを成し遂げる自分を想像しろ」

「どれだけでっかく考えられるかが、どれだけでっかく成功できるかを左右する」
繰り返し「でっかく考えろ!」が登場する本書は、まさに自分で勝手に設定した限界を吹き飛ばしてくれる一冊です。
何しろ洋書版のタイトルが”Think Big and Kick Ass in Business and Life”であるように、読み終えた後の感想は痛快の一言です。
トランプ流成功哲学は、情熱的です。
●成功を望むなら、Noという言葉を無視する習慣を学べ!
●世間の流れに逆らっていようと、自分の直感に従って行動しろ
●頂点を極めようとするとき、何よりも必要なのはねばり強さだ。
好きな仕事情熱を持って取り組めば、金は後からついてくる。
●情熱を注ぎ込むべき使命や大目標を見つけ、情熱的に取り組めば奇跡が起こる。
●しかし、実行力があるほど挫折も味わう
●決して決してあきらめるな
努力するほど運が上向く
本書を読むと、成功に必要な要素というものは、本質的には普遍なのだと感じます。
中には「借りは10倍にして返せ」と、不誠実な対応をするやつは完膚なきまでに叩き潰すことを説く過激な内容もあります。
実際に自分が叩き潰してきた人物(ちなみに著名人)を実名で公表し、その不誠実振りをご丁寧に本人の写真まで載せて宣言することで本書の中でもきっちり借りを返すという徹底振りです。
日本でここまでやるとひんしゅくを買いそうですが(というかアメリカでもひんしゅくを買っていると思いますが)、自分を打ち負かそうとしてくる相手から身を守る術を知っておかねばならないということは、覚えておいて損はないと思います。
やはり人が何か大きな事を成し遂げる上で最大の障壁となるのは、勝手に設定した自分の限界なのではないかと思います。
自分には知識や経験や実績がないから、学歴がないから、才能がないからと、勝手に思い込んであきらめてしまいます。
しかし、最も大切なのは「思考のサイズ」だとトランプは説きます。
自分の殻を突き破り、思考のサイズというボトルネックを解除するにはうってつけの一冊だと思います。
お勧めです!
以下、私用メモ
●もっともっとという欲が衰えた瞬間、あなたは坂道を転がり落ち始める
●自信が粉々に砕かれるのを防ぐ唯一の方法は、きびしい現実をきっちりと理解すること
●現在の良い時期は、過去の激務と献身の賜物だ。今日の行動が明日の結果を作る。
●借りを返さない人間は、ただのまぬけとみなされる
●目的に向かって集中力を持ち続けなければならない
自分には高い価値があると信じ、この信念を振る舞いに込める

大富豪トランプのでっかく考えて、でっかく儲けろ
大富豪トランプのでっかく考えて、でっかく儲けろ 峯村利哉

徳間書店 2008-07-17
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おすすめ平均 star
star「全ての従業員がジャイアンツの松井のようだったら・・・」
star米国産暴走機関車日本列島縦断
starアメリカの藤田田

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『「心の翼」の見つけ方』

浜口隆則さんの著書、「「心の翼」の見つけ方」を読んだ。
先日、石川和幸さんの著書「思考のボトルネックを解除しよう!」を紹介しましたが、本書はまさに「選択のボトルネック」の外し方を説いたものです。
著者は、多くの人たちは「思い込み」に支配されており、それが成功を妨げる大きな原因になっていると述べます。
それらの思い込みは時に、世の中の大多数の人が正しいと思い込んでいる常識に過ぎず、「正しいこと」であるとは限りません。
●「自分には出来ない」「自分はたいしたことない」という思い込み
●自分が本来持っている可能性よりも低い自己像
●「失敗してはいけない」という思い込み
●「仕事は嫌なこと」という思い込み
●「運はコントロールできない」と考え、全てを自分の責任だと捉えられない思考
●「お金は汚いもの」という思い込み
●「人と違うことをするのは悪いことだ」「好きなことをするのは悪いことだ」と考える思い込み
●「成功しないと幸せになれない」という思い込み
●「自分は一人で生きている」という思い込み
これらのものを捨て去る時、私たちは真っ白なキャンバスを手に入れます。
逃げずに自分と正面から向き合ったときに始めて、そこに真に自分らしい、「新しい自分」を描くことが出来ます。
それが本書の言う、「心の翼」です。
本書を通して、何が自分の「選択のボトルネック」になっているのかを是非探し出してほしいと思います。
しかし、本書にはそのボトルネックを外すヒントはありますが、本書を読むだけで必ずしもボトルネックが解消されるわけではありません。
「心の翼」の見つけ方を知ったら、今度は見つける努力が必要になります。
本書を読み終えた後でも、私はまだまだ自分は失敗を恐れているな、と感じます。
失敗は悪ではないということは理屈では分かりますが、何か大きな目的や目標を掲げようとすると、常に「失敗したらどうしよう」という考えが頭をよぎり、心にブレーキをかけようとします。
そのたびに「ハートに従えば後悔しない」「レモンを手に入れたらレモネードをつくればいい」ということを思い出し、何とか立ち止まらずに済みます。
また、アップルから追放され、その後立ち上げた二つの企業ももうすぐで失敗するところだったという状況から復活を遂げた、Steve Jobsの存在は、いつも私に勇気をくれます。
失敗は結果ではなく、成功へのプロセスである。
とにかく失敗を考えずにいろいろなことにチャレンジして、成功と共にいろいろな失敗を経験することで、「失敗力」を身につけたいと思いました。
以下、私用メモ
●成功者ではなく、「挑戦者」のそばにいる
失敗は結果ではなく、プロセス

「心の翼」の見つけ方
「心の翼」の見つけ方 浜口 隆則

フォレスト出版 2008-06-06
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おすすめ平均 star
star大人の童話のようなビジネス書、読後感がとても爽やか!!
starいい本です
star中盤からが特に良いだけに!

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『レバレッジ・シンキング 無限大の成果を生み出す4つの自己投資術』

本田直之さんの著書、「レバレッジ・シンキング 無限大の成果を生み出す4つの自己投資術」を読んだ。
本書の根底にあるのは、“leverage”(レバレッジ=てこの原理)を意識した、“Doing more with less”(少ない労力と時間で大きな成果を獲得する)な考え方です。
より具体低には、先に「投資」をすることで自らのパーソナルキャピタルを築き、後に不労所得的に成果を生み出す方法論です。
意欲さえあれば誰でも実践できる簡単な方法で、
●労力・時間:成果=1:1
から
●労力・時間:成果=1:∞
まで引き出すことが出来ると説いています。
レバレッジ・シンキングでは労力・時間・知識・人脈にレバレッジをかけることを目指します。
●労力―無意識化、習慣化、仕組み化、KSFの意識、二毛作
●時間―時間を区切る、期限を設ける、先行投資により時間を増やす、俯瞰逆算スケジュールを立てる、時間割によるルーチン化
●知識―他者を真似る、多読する、セミナーに通う
●人脈―コントリビューションすることが基本、短期ではなく長期投資、会を主催する、パーソナルブランドを作る
など、紹介されている方法に特別なことは何もなく、実践できてかつ成果の出るものばかりです。
あらかじめこれらのことに効率よく投資しておくことで、それらが後にフローとなって不労所得的に積み重なっていきます。
「実践した人」と「実践しなかった人」では時間がたつほど大きな差が生まれてしまいます。
もしまだ本田直之さんの著書を読んだことがない方であれば、まずは本書を読んで”leverage”の考え方の基礎を学ぶことをお勧めします。
その後で、
●「レバレッジ・リーディング」
●「レバレッジ時間術」
●「レバレッジ人脈術」
を読んでみると、それぞれについてより理解が深まります。
ただ避けたいのは、「今のうち自己投資して勉強しておけば、後で楽になる」と安直に考えてしまうことです。
投資に大事なのは、いかにリターンを得るかという目的意識です。
需要があるからと、公認会計士や中小企業診断士の資格取得や、TOEICのスコアアップを無目的に目指しても、結局使わなければ無駄に終わります。
大事なのは将来的な「ゴール」を設けて、ゴール地点と今の自分との間にあるギャップを確認して、それを埋めるための自己投資をすることだと思います。
何かを選択するということは、何かを捨てるということでもあります。
自分にとって何が必要で、何が不要かをきちんと選択できなければ、効率は上がらず、成果も出ません。
明確なゴールは、そういった選択の基準になります。
本書の中で本田さんも、いきなり行動するのではなく、始める前に最短距離を考えて効率的に行動することが重要だと述べています。
本書を読んだら、まずは自分のゴールを確認してみてはいかがでしょうか。

レバレッジ・シンキング 無限大の成果を生み出す4つの自己投資術
レバレッジ・シンキング 無限大の成果を生み出す4つの自己投資術 本田 直之

東洋経済新報社 2007-06-29
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おすすめ平均 star
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star目新しい点はさほどない
star何でもレバレッジ

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『神はテーブルクロス』

“変幻自在のトリックスター”須藤元気さんの著書、「神はテーブルクロス」を読んだ。
何を隠そう私も格闘家の須藤元気さんが大好きでした。
当事映画「マトリックス」にはまっていた私は、須藤さんのトリッキーなファイトスタイルに「まるでマトリックスじゃん!かっこいい!」と感動してしまったわけです。
しかし2006年12月31日、彼は試合後、突然引退を発表してしまいました。
「型にはまらないファイトスタイルといい、この人は本当に自由だな」と当事思ったのを覚えています。
本書からは、非常識な独自のファイトスタイルを貫き、そして現在「世界のどこにいてもホームと言えるような時代」を作るべく、”We are all one”というメッセージを掲げて活動する須藤さんの持つ哲学が垣間見れます。
ちなみに本書は、スピリチュアルな内容と言っていいと思います。
私は基本的に、テレビで話題を集めたようないわゆる「スピリチュアル」にはあまり興味がないのですが、本書は抵抗なく、面白く読むことが出来ました。
詳しくは本書を紹介してくださった、hiroさんのブログ記事が大変参考になると思います。
やはり、時には世界に身を委ね、偶然に任せることも大事かなと改めて思いました。
普段理論的に物事を考えすぎてしまい、頭がカチカチになってしまいがちな人に、お勧めです。

『思考のボトルネックを解除しよう!』

石川和幸さんの著書、「思考のボトルネックを解除しよう!」を読んだ。
最近は勉強ブームで、多読・速読による情報の積み上げや、ロジカル・シンキング、フレームワーク力などの手法・テクニックを身につけることが注目されています。
しかし、これら「身につけたもの」をいかに訓練し、「身に染み込ませる」ことで有効にアウトプット=成果につなげるかを包括的に扱ったのは、私が読んだ限り本書が初めてです。
本書で面白いのは、ボトルネックという考え方です。
知識、つまり頭のよさを、本書では
●情報―言葉やデータなど
●手法―フレームワーク、ロジカル・シンキングなど
●技能―情報と手法を実際に使いこなすための技術
の3つに分解しています。
例えばいくら知識と手法が優れていても、技能のレベルが低ければそれらを生かすことが出来ず、最終的に出てくる成果はしりづぼみになってしまいます。
逆にいくら技能に優れ、実践的な応用力が高いとしても、そもそもの使いこなす材料である知識・手法が不足していては、せっかくの技能を無駄にもてあますことになります。
このように、情報・手法・技能はそれぞれが制約しあっていて、どれかがリミッターとなることで、パフォーマンスを制限してしまいます。
そのリミッターとなっている部分が「ボトルネック」であり、ボトルネックがアウトプットの質を決めてしまう。
つまり、ダメな部分にあわせられてしまいます。
本書では成果を生み出す公式を
知識(情報×手法×技能)×選択×活力=成果
とあらわしており、この5つの要素の中のボトルネックを解除することで、最終的な成果を最大化することが、本書の言わんとすることです。
自分にとってどの部分がボトルネックになっているのかを割り出し、本書の手法を参考に改善してみるのは非常に有用だと感じます。
紙面の量的には少ないのですが、実は著者のメッセージが一番こめられているのは、「選択のボトルネック」ではないかと思いました。

「選択」のボトルネックは、あなたの「居場所」と「向かうべき場所」を決めてしまいます。

逆に言うと、「選択」がボトルネックになって、「知識」のボトルネックをいくら高めても、その努力が無駄になるおそれもあります。

例えば自分の可能性を信じていなかったり、常識や思い込みにより自分の中で「前提」を作ってしまい、自ら選択の幅を狭め、「自分はこの程度だ」と居場所を選択してしまう。
ある意味、これは最大のボトルネックです。
このボトルネックが外れたとき、どんな社会が待っているか。
「人はなんにでもなれるし、何でもできる」
「前提をなくせば、世界が違って見える」
「選択するとは、責任を引き受け、未来を引き受けること」
「志や夢、情熱を持ち、それらに基づいた選択をする」
「答えのないものに対して未来に向けた決断をする」
一人ひとりがより自分の内なる声を信じ、本当になりたいもの、やり遂げたいことを実現するべく自信と勇気と信念を持って取り組むようになれば、世界はよりよくなるのではないでしょうか。
読んでいて気持ちのいい、一冊でした。
参考リンク:
思考のボトルネックを解除しよう!   – to-rainbowsのビジネス書日記
以下、私用メモ
ボトルネック改善の五つのステップ
1.ボトルネックを特定する
2.ボトルネックを最大限活用する
3.他を、ボトルネックに同期させる
4.ボトルネックの能力を引き上げる
5.また1.に戻る
ECRS―付加価値最大化と非付加価値最小化の手法
●Eliminate(なくせないか)
●Combine(いっしょにできないか)
●Re-order(順番を変えられないか)
●Simplify(単純化できないか)
机上練習
●何度も練習する
●「シミュレーション」する
●「ケーススタディ」で現実に当てはめてみる

思考のボトルネックを解除しよう!
思考のボトルネックを解除しよう! 石川 和幸

ディスカヴァー・トゥエンティワン 2008-08-18
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おすすめ平均 star
starリミッター解除
star生産量を上げるには
star「選択」のボトルネックがポイントか

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『影響力の法則―現代組織を生き抜くバイブル』

アラン・R・コーエンさん、デビット・L・ブラッドフォードさんの共著、「影響力の法則―現代組織を生き抜くバイブル」を読んだ。

言い換えると、相手と信頼関係を築き、双方にとって良い結果がもたらされるように仕事をする人が、人を動かせると言える。目的のために手段を選ばないのであれば、当面はうまくいっても、次第に敵ができ、自分の力を発揮できなくなってしまう。

本書はいかに人を動かし、自分の望むものを相手から引き出すかについての原理原則をまとめたものです。
権力を用いないその手法は、組織のフラット化が進行している現代において、人々を巻き込んで事を成す上で、非常に有効なものだと思います。
本書では影響力を、「価値の交換」と定義づけています。
つまり、こちらの求めるものを手に入れるために、相手側が価値を感じる何かを提供するのです。
例えばビジョンを語ることで相手に気持ちの高揚や意欲を与えたり、プロジェクトに協力してもらうことで相手に成長の機会を与えたりと、自分が望むものを相手から引き出す上で、逆に自分が相手に与えられるものは実は多く存在します。
重要なのは何に価値を感じるかは人それぞれで、自分が価値を感じるものではなく、あくまで相手が価値があると感じるものを提供することです。
相手にとって価値のあるものを提供できるかどうかで、人を動かせるかどうかが決まってしまう。
となると、日頃から注意深く相手の興味や関心を把握しておくと同時に、自分が相手に提供できるリソースの種類も増やしておくことが重要になります。
人とアライアンスを組むときは、自分が相手になにを提供できるのかが鍵になる。
これは「1の力を10倍にする アライアンス仕事術」にて平野敦士カールさんが述べていたことですが、根本の部分で本書の主張と合致します。
人を動かす、人を巻き込む、どちらにおいても本質的には、自分が相手に何を与えられるかで決まるというのは、普遍なのかなと感じます。
以下、私用メモ
自分が相手から何を求めているのかを明確にしておくこと。自分の個人的な欲望と、仕事上の要請を混同すると、一番重要なものを逃すことになる。
有効なカレンシー
1.気持ちの高揚や意欲を喚起するもの―ビジョン、道徳的正しさ
2.仕事そのものに役立つもの―チャレンジ、成長の機会、情報
3.立場に関するもの―承認、評判、接点
4.人間関係に関するもの―理解、受容、一体感
5.個人的なもの―感謝、当事者意識、安楽さ

影響力の法則―現代組織を生き抜くバイブル
影響力の法則―現代組織を生き抜くバイブル 高嶋 薫 高嶋 成豪

税務経理協会 2007-12-03
売り上げランキング : 81862

おすすめ平均 star
starフラット化する組織で生きていくために
star義理や信頼の再定義
star翻訳としては不完全

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『心に書きとめておきたい名経営者の至言』

日経ベンチャー編の「心に書きとめておきたい名経営者の至言」を読んだ。
本書は55人の名経営者による、77の至言によって構成されており、登場するのは渡邉美樹さん、稲盛和夫さん、孫正義さん、松下幸之助さん、三木谷浩史さんなどそうそうたる顔ぶれです。
名言集ということでまた内容が薄くなっているのではという不安はありましたが、やはり名経営者の選りすぐりの至言を集めているだけあって、一つ一つが経営の本質を突いており、私も読みながら本に線を引きっぱなしでした。
とはいえ一つ一つに割かれているページ数は見開き1ページなので、あまり掘り下げた内容ではありません。
まずは本書を通して経営とは何か、経営者とは何かを知り、掲載されている項目のうち興味のあるものを個別に別途研究してみる、という使い方をするといいと思います。
以下、私用メモ
経営者の先見性というものは、単に未来を予測するということだけでなく、むしろ未来を創造していく点にある。
イノベーションを起こすには、将来から考える。5年先、10年先の社会に思いを巡らせ、そこから現在を見る。
●上に立つものが妥協すれば組織全体が妥協する。
●仕事がうまくいかないからといって、飲みに行っても、ストレスは解消しない。しかし「もう一回あの書類を見直そう」と考えれば、問題は解決し、翌日にはストレスが消えている。
成功した人は小さなことにこだわり、完成度を追求している。
●努力すれば2割か3割は良くなるが、その先には進めない。強く自己否定できた瞬間に目の前の壁が消える。
●ビジネスの基本は単純化すること。
●トヨタもホンダも世界を目指したから勝ち残っている。
社長や本社が商品開発やマーケティングに権限を持つのは、1000メートル先の的をピストルで撃つようなものだ。権限を現場に与えれば、1メートルの所から的を撃つことができる。

心に書きとめておきたい名経営者の至言
心に書きとめておきたい名経営者の至言 日経ベンチャー編

日経BP社 2008-08-04
売り上げランキング : 72305

おすすめ平均 star
star名経営者55人が教えてくれます
starいつもそばに置いて見返したい

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『無理なく続けられる 年収10倍アップ勉強法』

勝間和代さんの著書、「無理なく続けられる 年収10倍アップ勉強法」を読んだ。
勉強は重要だと理解しつつも、何故多くの人が続けることが出来ないのかというと、それは努力や意志の問題ではなく「続けられる仕組みを作ったかどうか」にあるのだと著者は言います。
本書では、
●基礎を最初に徹底的に学ぶ
●先達から、勉強の仕方をしっかり聞く
●学ぶ対象の基本思想を理解する
●学んだことは自分のことばでアウトプットしてみる
●勉強をわくわく楽しむ
というどんな勉強にも通じるコツを示した上で、学習した内容が単なる雑学に終わることがない、しっかりと自身の成長=年収アップにつながる勉強法を説いていて、非常に本質的です。
特に英語、会計、IT、経済については個別に具体的に解説されています。
また、努力を「勉強を習慣化する仕組みづくり」に費やすことによって、まとまった時間が取れなくても誰でも隙間時間をフル活用できるようになっているので、実践的でもあります。
時間のない社会人の方にはもちろんですが、「努力や意志の力に頼らない仕組みづくり」は、学生でも充分応用できるものだと思います。
ただ、著者の勉強法はIT機器を上手に使いこなすのが特徴で、紹介されている勉強法にはノートパソコンやMP3プレイヤー、ノイズキャンセリング型ヘッドフォン、MindMap用ソフトウェアなど、必要な道具をそろえるのに若干コストがかかります。
自分への投資だと思って、一つずつそろえて使いこなしていくのがいいと思います。
本書でも述べられていますが、日本には勉強内容を教えてくれる機関は数多くあるものの、勉強の目的や、勉強の仕方を教えてくれる場所は実はあまりありません。
まずは本書を読んで、紹介されている方法をいくつか実践してみながら、自分の仕組みに合った勉強法を試行錯誤しながら作ってみることを強くお勧めします。
既に勉強しているという人も、単に雑学を溜め込むだけの「勉強オタク」にならないよう、本質的な勉強とは何かを本書を読んで再確認してみてはいかがでしょうか。
「勉強したい!勉強って楽しそう!」と、モチベーションを書き立ててくれる一冊です。
私はさっそく英語学習の一環として、アマゾンで「7つの習慣」の英語版のオーディオブックCDを注文しました。
以下、私用メモ
●目に見えて測れないと、管理できない
●ノートパソコンを補助脳として使う
 ・一キログラム前後の、軽くて壊れにくいものを選ぶ(レッツノートがお勧め)
 ・PHSの通信カードと無線LANを併用する
 ・マインドマップをパソコンで書く
●目でする勉強
 ・新聞―流し読みで時事情報を得る
 ・雑誌―専門誌から先端の情報をまとめて得る
●英語
 ・一日一時間、耳でオーディオブックを聞く
●会計
 ・簿記はビジネスの言語
 ・簿記の二級、一級レベルまで学ぶと、仕事の見え方が変わる
 ・まずは家計簿を複式でつけてみる
 ・簿記三級入門を買って読んでみる

無理なく続けられる 年収10倍アップ勉強法
無理なく続けられる 年収10倍アップ勉強法 勝間 和代

ディスカヴァー・トゥエンティワン 2007-04-05
売り上げランキング : 640

おすすめ平均 star
star???
star勝間さんの出世本
starまあ、そこそこ

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