フォーチュン編集部編著、「シークレットアドバイス-世界トップの企業家&CEOが明かした「私の働き方」 」を読んだ。
形としては、「心に書きとめておきたい名経営者の至言」の、グローバルバージョンと言えます。
登場するのはマイクロソフトのビル・ゲイツ、アップルのスティーブ・ジョブズ、GEのジャック・ウェルチ、巨匠ピーター・ドラッカー、投資家ウォーレン・バフェットなどなど、まさにそうそうたる顔ぶれ。
中身としては、彼らがインタビューで語った「仕事術」「決断力」「リーダーシップ」「チームワーク」「シークレットアドバイス」を編集したもので、これだけ見るとものすごく興味を引かれるのですが、実際の中身はちょっと薄いかなと感じます。
「人に優しくすることは大切だ」「意思決定の仕組みを作らないと悲劇を起こす」「どんな仕事でも最善を尽くすことは大切だ」「相手の功績を認め、自分の責任を認めることは重要だ」
これらは正しいと思いますし、大切だと思います。
これらのアドバイスに共感するような人がそもそも知りたいのは、その本質や、具体的にどうすればいいのかであったり、どうすれば自分にも応用できるのかだと思います。
しかし本書はそういった部分をほとんど扱っていません。
また、アドバイスには具体性や論理性、未来のイメージなどをバックグラウンドにした「説得力」が必要だと思うのですが、本書は「説得力」を成功者たちの持つ実績やステータスに丸投げしてしまった印象を受けます。
「成功者が言うから正しいはずだ」で納得できる人にはいいと思いますが…。
ただ、成功者のファンが彼らに興味を持って読む文には、面白い内容だとは思います。
シークレットアドバイス-世界トップの企業家&CEOが明かした「私の働き方」 | |
「フォーチュン」編集部 桜田直美
幸福の科学出版 2008-09-03 おすすめ平均 |