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Author Archives: 河村 拓

『全体最適の問題解決入門―「木を見て森も見る」思考プロセスを身につけよう! 』

岸良裕司さんの著書、「全体最適の問題解決入門―「木を見て森も見る」思考プロセスを身につけよう! 」を読んだ。
本書の特徴は、全体が最適となるような解を「見える化」する問題解決手法を示していることです。
「木を見て森を見ず」な問題解決方法では、部分最適にとらわれるあまり、結局全体としては問題は解決できていなく、むしろ悪化していることさえあります。
逆に森ばかりを見て木を見ないと、見当はずれな解決策を実行してしまい、焼け石に水状態になりかねません。
本書では一つ一つの「症状」を、それを引き起こす「前提」によって「ロジカル」につなぎ合わせ、全体像を「見える化」することにより、どこを改善すればドミノ倒し的に問題が解決されるのかが一目で理解できるような手法を提示しています。
これはいくつかの手法を組み合わせて行われるのですが、私が特に面白いと思ったのが「中間目標に集中する目標達成術」でした。
例えばせっかく頑張って問題の解決策を作り上げても、いざそれを実行するとなると様々な障害が発生します。
「経営幹部が理解を示さないかもしれない」「既存の経営指標が邪魔になる」「説明して良さを理解してもらうのが難しい」「説明する時間をもらえない」
そして、「じゃあどうすれば導入できるのか?」と聞かれても、全てを解決するような画期的なブレイクスルーはそう簡単に出てくるものではありません。
「中間目標に集中する目標達成術」では、まず先に上がった「障害」を全てひっくり返してしまいます。
「経営幹部が理解している」「既存の経営指標が邪魔にならないことがわかる」「よさが理解されるように説明できるようになる」「説明する時間を作ってもらう」
そして、これらを実行にいたるまでの「中間目標」としてとらえ、一つ一つをどの障害がどの障害を解決する前提条件になっているかを考えながら、つなげていきます。
すると一本の線ができ、中間目標を一つ一つ解決してば目標が達成されるような「最短距離」が勝手に導き出せてしまいます。
ブレイクスルーを生み出そうとすると全く違う視点や発想をどうしても期待してしまいますが、実は解は足元にころがっているのだという、ちょっと目から鱗な手法でした。
その他の手法も簡単かつ実用的なので、ビジネスの現場のみならず、日常にも活用できます。
お勧めです。

全体最適の問題解決入門―「木を見て森も見る」思考プロセスを身につけよう!
全体最適の問題解決入門―「木を見て森も見る」思考プロセスを身につけよう! きしらまゆこ

ダイヤモンド社 2008-08-01
売り上げランキング : 1618

おすすめ平均 star
star制約条件を疑え
star3つの質問に答えられれば問題は解決
star思考プロセス解説本

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『辞めない採用、即戦力の育成で儲かる会社になる!』

小山昇さんの著書、「辞めない採用、即戦力の育成で儲かる会社になる!」を読んだ。
本書は株式会社武蔵野、代表取締役社長である著者が、中小企業の人材採用・人材育成戦略を語ったものです。
かなり細かいノウハウまで紹介されているので、中小企業経営者にとって一度は目を通しておくべき一冊だと感じます。
商品で差別化しようとしても他社にすぐに真似されてしまいがちですが、「人材」というのは簡単には真似することの出来ない、差別化されやすい部分です。
人の成長には時間がかかるので、いい人材を採用して、効果的な教育を受けさせ、育成することに成功すれば、長期的な強みになりえます。
しかし問題なのは、中小企業に人が集まらないこと。
採用のなかでも特に将来性のある新卒採用に力を入れるよう著者は説いているのですが、困ったことに学生の多くは「ブランド志向」で、名のある大企業ばかりに目が行き、中小企業には見向きもしない。
しかも近年は売り手市場で、大企業がこぞって大量採用を行うため、中小企業にはいい人材がめぐってこない。
やっとの思いでいい人を採用できたと思っても、すぐに転職してしまう。
しかしそのような中でも採用活動の上手な企業は、しっかりと人材を確保しています。
上手に教育を受けさせれば社員は定着し、どんどん成長していきます。
ここで一つずつ取り上げてもきりがないほど本書にはそのノウハウやテクニックが詰まっているので、中小企業に限らず、採用に関わる人なら読んでおきたい内容です。
著者は本書の中で好ましくないと述べていますが、就活を前にした学生が読んでも価値のある一冊だと私は思います。
理由は、採用の裏側が手に取るようにわかり、就活の対策が立てやすいからではなく、就活をする際に最も気をつけなければならないことが分かるからです。
本当にブランド志向、安定志向の学生が多いと私も感じますが、自分が今後働く企業を選ぶ際に最も重要なのは、企業の名前でも知名度でもなく、「自分の価値観と企業の価値観が合致しているか」だと私は思います。
どんなにブランドのある会社に入っても、結局お互いの価値観があわなければ本当に満足してその会社で働くことは出来ないのではないでしょうか。
男女の関係と同じで、価値観があわなければいずれ離れます
会社を辞めることはなくても、心が離れたままでは真剣に仕事に打ち込むことも出来ず、成果も出せないでしょうし、それは結局不幸でしょう。
そもそもそんなやる気を失った社員が目に付くような組織として脆弱な企業では、将来の発展も期待出来ません。
目先の安心にばかり目を向けた就職活動をしても、それは問題を将来に先送りしているに過ぎません。
いずれ自分に返ってきます。
著者の小山さんが学生を採用するときも、「価値観があうかどうか」を大前提にしているのだそうです。
本書の中では実際にどうやって学生の価値観を見抜くのかも解説されています。
私は学生も、企業の価値観を見抜く術を持つべきだと思います。
参考になる一冊なので、是非読んでみてください。
と、就活を終えたばかりの内定者の私が言ってみました。
以下、私用メモ
学歴よりも、体験を重視する(アルバイト、クラブ活動など)
社長自らが新卒に出て行き、夢を語るしかない
毎年同じくらいの人数を採用すべき(2年目が育たない)
内定者研修でコミュニケーションを増やし、入社前の不安を解消→内定辞退を防ぐ

辞めない採用、即戦力の育成で儲かる会社になる!
辞めない採用、即戦力の育成で儲かる会社になる! 小山 昇

あさ出版 2008-08-19
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おすすめ平均 star
starじっと吾が手を見る読後感
star採用する側の本ですね。
star正論

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『プロフェッショナルプレゼン。 相手の納得をつくるプレゼンテーションの戦い方。』

小沢正光さんの著書、「プロフェッショナルプレゼン。 相手の納得をつくるプレゼンテーションの戦い方。 」を読んだ。
プレゼンで相手をなんとか説得しようと、たくさんの主張を盛り込んでしまい、結果的に何が言いたかったのか良く分からない、視点のぼけたプレゼンになってしまうことは良くあります。
伝えたいメッセージを絞り、プレゼン全体で何か一つの主張が出来る形に仕上げると、聞く側も理解しやすく、洗練された印象を受けるのではないかと思います。
本書はまさに相手に「理解されること」を念頭に置いた洗練されたプレゼンとは何かを、博報堂での35年間のキャリアを元に著者が示したものです。
著者によると、多くの場合プレゼンがうまくいかないのは、相手を説得しようとしてしまうからなのだそうです。
たしかに、話す側の目線で何とか主張を通そうと躍起になっても、多くの場合それは相手の求めるところではないと感じます。
聞く側が求めているのは「説得」ではなく、適切な判断を下すための「説明」です。
クライアント側は最終的に自分たちにとって最も有益だと判断した案を採用するわけですから、必要なのは「説得する技術」ではなく、洗練された魅力的な案と、それを分かりやすく相手に伝える技術なのです。
本書で示されているプレゼンノウハウは明快です。
プレゼンのコンセプトやゴールの設定から、論理展開の組み立て、そして実際のプレゼン現場での動きまで、順序だてて解説されており、非常に理解しやすいです。
一つ一つのステップが「ゴール」に直結しているので、全体で一つのメッセージを表現する、洗練されたプレゼンづくりが学べます。
プレゼンの概念を理解するにはうってつけの一冊ではないでしょうか。
お勧めです。
以下、私用メモ
準備
●ゴールを決める
 ・このプレゼンはなんのためにやるのか?を問いかける
 ・ゴールがはっきりしてはじめて、プレゼンの方向性や方法論が決まってくる
●相手を知る
 ・相手の価値観を踏まえた提案を考える
●ゴールの「ひとこと化」
 ・プレゼンのコンセプトをひとことで表現できるくらい洗練されてなければ、相手は理解できない
組み立て
●目次づくり
 ・「ひとこと化」されたコンセプトをもとに、それを肉付けする項目を考える
 ・まずは思いつく限りあげ、それから絞っていく
 ・項目と項目のつながりが論理的であり、かつ、論理展開が平易でなければならない
 ・論理の破綻や飛躍はNG
 ・理想は、最初から黙って聞いていれば頭のなかに論理が組みあがっていく展開
●フレーズ化
 ・それぞれの項目を企画書に落とし込む
 ・1項目1枚が原則
 ・内容は短い1行に「フレーズ化」して表現する
 ・フレーズは「話す内容のまとめ」ではなく、「メッセージ」
 ・「短い」「言葉の意味がわかりやすい」「気持ちを動かす」がポイント
●数字データ
●シンボリックデータを一つ入れる
●提案が妥当かどうかをあらわす数量化されたデータを示す
●クライアントの要望にそのまま応えるプランと、自由に考えたプランの2つを用意する
●アイデアは2回壊して本物にな
●リハーサルは他の人にしてもらい、クライアントになったつもりで見る
●事前に自分を知ってもらうため、プロフィールを渡しておく

プロフェッショナルプレゼン。 相手の納得をつくるプレゼンテーションの戦い方。
プロフェッショナルプレゼン。 相手の納得をつくるプレゼンテーションの戦い方。 小沢 正光

インプレスジャパン 2008-09-12
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おすすめ平均 star
starプレゼンのノウハウをこんなに惜しげもなく披露していいの?
starエッセンスぎっしり
star大切なことは「一言で語ることができるか」ということ

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『新規事業がうまくいかない理由』

坂本桂一さんの著書、「新規事業がうまくいかない理由」を読んだ。
本書は企業内起業、それも既存の事業とはあまり関係のない分野に進出する際の「注意すべき事項」を提示し、いかにすれば新規事業を上手に活用できるかを示唆したものです。
「ヒト」「モノ」「カネ」とそろう大企業が何故しばしば企業内起業に失敗するのかというと、どうやらその要因は「モチベーション」と「ハングリー精神」にありそうです。
これは私も感じることなのですが、そもそも就職先に大企業を選ぶ人というのは多くの場合「安定」を求めている人たちです。
たとえ能力的には優秀であっても、新規事業立ち上げに関わるという冒険をあえてしたいとは思わないのが普通だと著者は述べます。
そこを理解せずに挑んでしまうため、企業内起業というのは多くの場合ハングリー精神にあふれた企業化集団には勝てないのだそうです。
そこで、重要なのはこの前提を理解したうえで、ハングリー精神やモチベーションの乏しい人間がオペレーションを行うことを前提とした事業モデルを選ぶ、もしくは、少数の非常にモチベーションの高い人間だけでマネージできる組織を考える、ということになります。
本書を読むと、豊富な企業の資金力を元に充実した教育を受けている優秀な大企業のサラリーマンも、「起業」になると全くの「素人」になってしまい、更に社員のみならず企業自体も「素人」になってしまいがちなのが良く分かり、面白いです。
「モチベーション」と「ハングリー精神」という大企業にない強みを充分に生かして新しい分野に打って出れば、やはりベンチャー企業には大きな勝算がありそうです。
「安定志向」「ベンチャー志向」どちらの人が読んでも面白いと思います。
以下、私用メモ
新規事業従事者の陥りがちな罠
1.全方位にまんべんなく労力をかける
 ・やるべきことはいっぱい→大事なのは限られたソースをどこに集中するか
 ・事業コンセプトや収益構造の設計こそ重要
2.考えずに調べる
 ・新規ビジネスに過去の知識や常識は不要
3.すぐに閉塞感におそわれる
 ・新規事業立ち上げがどういうことかを知らないのが原因
 ・ベンチャーが最初から順風満帆なんてありえない
4.過去の経験のなかに課題解決の方法を探す
 ・過去の経験や事例はむしろ足かせになる→ゼロベースで考える
5.リソースがないという嘘に縛られている
 ・人材がいない、予算が足りない、経験者がいない→そんなのは決定的な要因ではない
 ・誤った認識をしている担当者がむしろ問題
会社が陥りがちな罠
1.成功が前提となっている
 ・ほとんどは失敗に終わる
2.撤退の際のルールが明確になってない
 ・思い切った投資ができなくなる
 ・撤退すべき状況でもずるずると続けてしまう
3.意思決定に多くの人がかかわり過ぎる
 ・百害あって一利なし
 ・できるだけ少ないほうがいい

新規事業がうまくいかない理由
新規事業がうまくいかない理由 坂本 桂一

東洋経済新報社 2008-08-29
売り上げランキング : 51963

おすすめ平均 star
star非常に費用対効果が高い本
star薄いだけに、内容も薄い。
star担当者として傍に置いて置きたい本

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『LAW(ロウ)より証拠』

平塚俊樹さんの著書、「LAW(ロウ)より証拠」を読んだ。
良書です。
2つの理由で本書は読んでおくべきだと、私は感じました。
著者の平塚さんは、日本でただ一人の証拠調査士(エビデンサー)です。
本書で紹介されているその事件簿を見ると、私たちは一歩間違えれば不当に経済的・精神的自由を奪われ、多額の借金を抱えたり、肉親を失ったり、果てには自殺に追い込まれかねないことを痛感させられます。
一例を取り上げると、道を歩いているところを車にはねられた人が、相手から損害賠償を受け取るどころか、逆に訴えられたということがあるそうです。
このケースでは交通事故に遭ったのは女性なのですが、自動車道路の側道の、歩行者用の道を歩いていたところ車が「猛スピード」でぶつかってきて、入院してベッドから起き上がれない状態が1ヶ月以上続く重症をおったそうです。
彼女が動けないのをいいことに、犯人側は弁護士と結託して一方的にウソの供述をして、「女性が赤信号で横断歩道を渡っていた」というむねの調書を作ります。
ウソの供述による調書に対しては、当事者のもう一方が1ヶ月以内に異議を申し立てれば確定を防げるのですが、この場合女性は1ヶ月以上起き上がれなかったため、そんなことができるはずがなかったのです。
そもそも、そんな知識すらないのが普通でしょう(これを狙って、よけきれないと判断した犯人側はわざと 重症になるようにアクセルを踏んでいた模様)。
そしてしまいには、「赤信号をわたっているところをはねられたのだから、75万円以上の債務は存在しない」と、「債務不存在請求確認訴訟」を起こしてきたそうです。
多くの人は、こうしたトラブルに対処するための知識を持ち合わせていません。
そこで突然トラブルに巻き込まれると、手立てがわからぬまま時間が過ぎ、知らぬ間に不利な状況に追い込まれてしまいます。
弁護士を雇いたくても、高額な費用がかかる。
警察も忙しくてろくに対応してくれない。
もうどうしようもないという状態になった人が、平塚さんに相談をもちかけるそうです。
こうしたトラブルには、自分で証拠を集めたり、必要な証拠を持っていって考えうる全ての機関に相談したりと、やるべき手を全て打つくらいの徹底的な姿勢が必要なのだそうです。
まさに命がけです。
いつ自分がこういう場面に出くわすかわからないので、しっかり自分の防衛手段を知っておく必要がある、というのが、私が本書は読む必要があると感じた一つ目の理由です。
二つ目の理由は、平塚さんのエビデンサーとしての姿勢に、仕事の本質があるのではないかと感じたことです。

私はとにかく、加害者の陰で糸を引いている弁護士が許せない。組織でもけっこうな地位にいる人間のくせに、一般市民を陰で抹殺しているなんて

ここまで世の中がひどいなら、それに対抗していく手段を広めていかなければ、弱者は決して救われない。(中略)もちろん、本書を世に出すのもそうした活動の一環なのである。

こういったトラブルの際は、法律論で対抗するのではなく、社会で悪党を追い出すようにするのが大切である。

私は和解金を勝ち取れたことよりも、不毛な世界に溺れていた彼女が、前を向いて歩けるようになったことが心からうれしい。

社会に潜む悪を追放するべく死闘を戦い抜く使命感といい、トラブルを解決するのみならず、トラブルに巻き込まれた被害者が真の意味で幸福を手に入れられる方法を追求する誠実な姿勢といい、その仕事観からは我々も学ぶべきものが多いと感じます。
そもそも日本にエビデンサーは平塚さんただ一人で、完全な独占市場なのだそうです。
身を隠して秘密にしていれば独占状態が続くにもかかわらず、今回あえて本を書いたのも、このノウハウが知られることで日本がもう一度世界一安全な国になることを願ってのことなのだそうです。
これぞ真の社会貢献ではないでしょうか。
自分たちが何故、何のために働くのか、今一度思い出させてくれる一冊だと感じます。
一人ひとりが自分の使命についてもう一度深く考えることで、世界はよりよくなれると私は思います。
是非、読んでみてください。
以下、私用メモ
●自分が被害にあったらその法律を調べる
●会話を録音したテープは自分を守る武器になる
●人間同志の間に生まれたトラブルは、法律に頼りすぎず、人間的な手段で解決していくのが一番
●カードを使うときは、その場で金額を確認すること

LAW(ロウ)より証拠
LAW(ロウ)より証拠 平塚 俊樹

総合法令出版 2008-07-10
売り上げランキング : 133055

おすすめ平均 star
star証拠のとり方が学べる
star人に頼るだけでは・・・
star一読に値します

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『ザ・シークレット』

ロンダ・バーンの著書、「ザ・シークレット」を読んだ。
本書はある秘密について、解き明かしています。
実は私たちのだれもが無限の力を使って働いていて、同じ一つの大宇宙の法則に導かれているようです。
それは何かというと、『引き寄せの法則』です。

「人生であなたに起きている事は、全てあなたが引き寄せています。あなたが思い、イメージすることが、あなたに引き寄せられてくるのです。」

本書によると、私たちに起こるものは全て、私たちの思考が引き寄せたものなのだそうです。
例えば、
「お金が不足しないか、心配だ」
と考えていると、その思考が発するエネルギーがその状態を引き寄せ、いつもお金が不足するという事態が現実になってしまう。
逆に、自分の願いを明確にイメージすると、それを引き寄せることが出来てしまう。

「引き寄せの法則」はあなたが一番強く思い描いていることを実現してしまいます。それだけです。

この法則に従えば、お金も、異性も、健康も何でも自分が思考したものを引き寄せてしまう、といわれて皆さんはどう思うでしょうか?
実は私は、あながち否定できないと考えています。
本書で明かされている願いを引き寄せる方法には、
1.自分が本当に欲しいものを明確にし、願うことを習慣化する
2.願ったときに、既にその願いはかなえられたのだと信じる
3.願いがかなえられた様子をイメージして、感謝する
の3つのステップがあります。
実は以前読んだ「日本一のお金持ち」斎藤一人さんの本にも同様に、宇宙には自分が望んだものを引き寄せる法則があるのだという一説がありました。
『牽引の法則』と述べられていたのですが、そこで語られていたプロセスが上記の3つのプロセスとなんと一致するのです。
また、多くの成功者が“something great”の存在を信じていることも、見逃せません。
多くのビジネス書では目標達成の方法について、夢に日付を入れて、その状態を鮮明にイメージし、その状態と今の自分との間にあるギャップを見極め、それを設定した日付までに達成するには今日何をすべきかを逆算し、実行するのだと述べられています。
しかし、願いが引き寄せられるプロセスは宇宙が決めることで、それについて考える必要はないとしている点でこの法則は異質だといえます。
そういえば以前、講演で渡邉美樹さんが自身の成功について「9割以上は運」だと語っていましたが、その運こそがまさに、願いをイメージしたことによって引き寄せられたものだったという考え方も出来てしまいます。
「非科学的だ」というのは簡単ですが、実はその科学でも飛行機が何故空を飛べるのか、実はよくわからないのだそうです。
よく分からないけど、飛んでいるのを目撃してしまったので、事実として受け入れるしかない。
一度読んでみることを、強くお勧めします。
以下、私用メモ
●マイナス思考であることを心配すると、さらにマイナス思考を引き寄せる
●感情は自分が何を考えているのかを知らせてくれるシグナル
●愛のともなう思いこそ無敵
●宇宙がどのようなプロセスで願いを引き寄せてくれるかは考えなくていい
●インスピレーションと同調して行動する

ザ・シークレット
ザ・シークレット 山川 紘矢 山川 亜希子 佐野 美代子

角川書店 2007-10-30
売り上げランキング : 95

おすすめ平均 star
star何にフォーカスするか
star何が正しいのか・・・
star思考は現実化する ということ(秘密)を書いた本

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『自分をグローバル化する仕事術』

天野雅晴さんの著書、「自分をグローバル化する仕事術」を読んだ。
本書はシリコンバレー在住30年、Global Vision Technology,Inc.CEOの著者がシリコンバレー式(グローバル式)の仕事術を解説したものです。
単一民族である日本と、多種多様な文化や思想が根付くシリコンバレー(アメリカ)の風土の違いに立脚しているのが特徴で、理解しやすいです。
今までは通用していた「単一民族主義」の日本の仕事術。
しかしグローバル化が進むにつれ、おそらく今までのやり方では限界が訪れ、いずれ「多民族主義」のやり方を取り入れざるを得なくなるのではないか。
そこで今後グローバルで通用する仕事術を日本人は身につける必要があるのだと、本書は述べています。
私が特にこれは日本にも取り入れるべきだと感じたのは、大きく分けて以下の3つでした。
コミュニケーション編
自己主張する
 ・自分の言い分を相手に押し付けるのではない
 ・お互いのアイデンティティを知ることが目的(グローバル化すると日本人の「察する」文化は通じない)
 ・自分が求めるものをはっきり主張しないと、相手に理解されないし、無視される
 ・強い口調ではなく、ゆったりと、時にはユーモアを混ぜて
 ・単刀直入に
●対峙姿勢は対等
 ・上司も部下も対等
 ・フェアにコミュニケーションする
自立編
●周囲の人がどう思うかでなく、自分がどう思うかで判断し、行動する
●ダラダラ考えず、直感を元に即断即決する
●いつでも緊張感を持って、自分を磨き続ける
自分ブランド編
●何をすれば自分を差別化・独自化できるかを戦略的に考える
●何でも出来るジェネラリストは評価されない
●自分をアピールするための長所を磨き、特別な存在になる
こうしてみると、グローバル云々は関係なく、日本の中でもデキる人は既に実践しているものが多いのではないでしょうか。
何でもかんでも欧米のやり方を取り入れるのは、相手に都合の良い競争ルールを飲まされるようでいい気はしません。
しかし、日本文化のいいところは残しつつ、多民族主義仕事術のいいところを自分たちに合わせて取り入れる分には問題はないはずです。
本書を通して、どのように自分を「グローバル仕様」にしていくのか、是非考えてみてください。

自分をグローバル化する仕事術
自分をグローバル化する仕事術 天野 雅晴

ダイヤモンド社 2008-08-29
売り上げランキング : 34201

おすすめ平均 star
star日本人はアメリカ人に服従するべき国民?
star読みやすく本格的
starビジュアル(右脳)とロジック(左脳)を複合してプレゼンは行うこと。

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『クラウドソーシング 世界の隠れた才能をあなたのビジネスに活かす方法』

著者4000名からなる著書、「クラウドソーシング 世界の隠れた才能をあなたのビジネスに活かす方法」を読んだ。
クラウドソーシングというビジネス用語をご存知でしょうか?
本書ではこのように定義されています。

インターネット等を通じ、社外の不特定多数の人々に対してアウトソーシングを行うこと。知的生産力やコンテンツなどを、多数の人々から調達・集約し、事業成果を得ることを目的にしている。

最近「群集の叡智」としてウィキペディアやリナックスが注目されてますが、実は本書もwww.wearesmarter.orgという名のコミュニティに集まった4000名の有志たちが書き上げた、まさにクラウドソーシングによるクラウドソーシングについての著書なのです。
本書を読んで驚くのは、実に様々な企業がクラウドソーシングを取り入れていること、そしてその分野が多岐にわたっていることです。
新興企業では例えばAmazonのユーザーレビュー機能はクラウドソーシングを取り入れたものですし、もっと大きいところではP&GやIBMなどの企業もこの試みを行っています。
実際にP&Gは自社の新製品アイディアのうち半分をクラウドソーシングによって生み出そうと考えており、既に現時点でアイディアのうち35%をクラウドソーシングすることに成功し、研究開発部門の生産性を一気に60%アップさせるという成果をあげているというから驚きです。
また、本書で紹介されている事例を見ると、実に様々な分野でクラウドソーシングが力を発揮しています。
新製品のアイディア募集や商品に関する問い合わせ、マーケティングなどはまだ分かりますが、なんと資金調達まで行われているそうです。
「インターネット・コミュニティの多くのメンバーは、自分たちの必要性や要求を満たす状況が生み出されるなら、無償で手を貸すことを全く厭わない」
もはやこの考え方は、無視できないものになりつつあるのでしょうか。
本書を読むと、自分でも何かクラウドを活用したコミュニティを作り、プロジェクトを立ち上げたくなります。
何か面白いアイディアが出てくるといいんですが。
興味深い一冊です。
以下、私用メモ
●裏方に徹し、斬新で力強いアイディアやひらめきを待つ
●知性のある有志を集め、活発なコミュニティを作る
●秘密を作らない

クラウドソーシング 世界の隠れた才能をあなたのビジネスに活かす方法
クラウドソーシング 世界の隠れた才能をあなたのビジネスに活かす方法 野津智子

英治出版 2008-07-23
売り上げランキング : 53603

おすすめ平均 star
star名著『ウィキノミクス』の補足的事例集
star次世代の経営手法か?
star新しい働き方の可能性をも感じさせる

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『P&G式 世界が欲しがる人材の育て方―日本人初のヴァイスプレジデ ントはこうして生まれた』

元P&Gヴァイスプレジデント、和田浩子さんの著書、「P&G式 世界が欲しがる人材の育て方―日本人初のヴァイスプレジデ ントはこうして生まれた」を読んだ。
「人材の育て方」と題すには、本書は焦点が若干ぼけてしまっています。
どちらかというとP&Gジャパンの軌跡と、女性でありながらどのように和田さんがP&Gのヴァイスプレジデントにまで上り詰めたのかがメインで、P&Gの人材育成ノウハウが体系的にまとめられているわけではありません。
ただ、それも仕方がないのかなと思います。
考えてみれば、「世界の人材工場」「ヘッドハンターの人材バンク」と称されるようなP&Gの強みである人材育成ノウハウを、社外に漏らすわけにはいかないでしょう。
しかし、その点を踏まえて読めば、本書は学ぶべきところの多い良書です。
人材育成についても、いくつか重要なポイントを抽出することが出来ました。
求められるスキルの明文化
●世界中の社員と共通基準
●そのまま評価基準につながる
●研修内容を、確実に必要なスキルが身につくよう、対応させる
●仕事内容とトレーニングするべきスキルを対応させる
●OJTが基本
徹底したP&G式DNAの確立
●昇格は全て内部から行うことで、企業のコアバリューを一から教え込む
目的主義―P&Gの躾け
●何をするにもまずその目的を考えさせ、そこから必要なアクションを導き出す
人材育成を目指す風土
●マネジャー職以上の評価は、ビジネスの結果と部下のトレーニングの結果が同じ割合で行われる→人材育成が最重要課題であることを明確にする
●教育研修の講師はマネジャー以上の社員が行う→教えることを通して●マスター度合いを高める
●スリーピープル・ティーチングで定着
●外部セミナーの内容を社内でシェアリング
●個人とビジネスの結果を分けて考える意識を徹底させ、失敗を認め、●個人を非難せず、失敗の分析から学ぶ努力をする
What Counts Factors
●リーダーシップ
●実行力
●優先順位をつけて仕事をする
●クリエイティブ力
●他人との効果的な協同
●戦略的思考と問題解決力
●コミュニケーション力
3Eリーダーシップモデル―リーダーシップはポジションではなく、ビヘイビア(行動)
●Envision(ビジョンでもって組織を率いる)
●Energize(動機づける)
●Enable(人材育成・組織開発する)
※詳しくは本書のP211を参照
私が興味を持ったものだけを上げても、これだけの数がありました。
こうしてみると、本書で学べるのは人材育成マニュアルというよりは、人材育成に対する考え方であり、原理原則です。
しかし、実はプラクティスの奥にあるこうした本質を学ぶことがより重要なのではと感じます。
人材育成に対する崇高な理念こそがP&Gの人材育成を支えるコアファクターなのであれば、人材育成を目指す企業がまずすべきは他者のプラクティスをそのまま導入して真似ることではなく、自社の人材育成に対する理念を明確化することなのかもしれません。
その点で、本書は多くのものを得られるものだと感じます。
また、女性に対する社会的規範や役割期待に対して、それを受け入れるかどうかは自分次第であり、何らかのプレッシャーを感じたとしても自分がそれに従わなければ自由になれるというその行動基準は、多くの社会進出を目指す女性にとって一つのモデルを示していると思います。
是非読んでみてください。

P&G式 世界が欲しがる人材の育て方―日本人初のヴァイスプレジデントはこうして生まれた
P&G式 世界が欲しがる人材の育て方―日本人初のヴァイスプレジデントはこうして生まれた 和田浩子

ダイヤモンド社 2008-08-22
売り上げランキング : 13080

おすすめ平均 star
starそれ、自慢ですか?
starがっかり・・・
starP&G出身者が他企業で活躍できる理由

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『トム・ピーターズのサラリーマン大逆襲作戦〈1〉ブランド人になれ!』

トム・ピーターズの著書、「トム・ピーターズのサラリーマン大逆襲作戦〈1〉ブランド人になれ!」を読んだ。

だれにも頼らず自分の力で生きていけるひとを、私は「ブランド人」と呼びたい。

以前は大学を出て、有名企業に就職して、波風立てずに過ごせば順調に出世して…という安定した道が用意されていたのに対し、これからのグローバル社会、競争社会は自分の才覚で生きるしかない時代になると著者は述べています。
これからの労働者は組織に完全に依存するわけには行かず、自分自身のキャリアをマネジメントしなければならない、とはドラッカーの言葉ですが、まさに自分がどの分野でプロフェッショナルとなるのかを決め、どこで働き、どのように自分を磨き成長していくかを自分の責任で決めなければならない。
他の人にはない、自分の「強み」を持って、自分の力で生きていける、まさに「ブランド人」になることを、私たちは求められます。
こう言われると、多くの人はプレッシャーに感じるかもしれません。
しかしそうではなく、むしろ自分の力を思う存分発揮し、悔いなき人生を送る千歳一隅のチャンスがやってきたのだと捉えているのが、本書のいいところです。
全てを自分の責任で決めなければならないとは、逆に言えば自分の責任で好きなように出来るということでもあります。
「自分は何に成りたいのか」
「何を成し遂げて有名になりたいのか」
そんなことを考えながら、好きな仕事に見も心も奪われつつ、グローバル・競争社会の荒波をまるで海賊のように超えていく、そんなゾクゾクするような生き方が許されているのです。
本書はそんな「シビレル生き方」を追求するブランド人を、50の側面から描いていきます。
時代をどうサバイバルしていくか、という考えで本書を読んでしまうのはあまりにもったいない。

「死は、生きることをやめる多くの方法のひとつにすぎない」

本書を通して、
●自分の腕を頼りに、
●輝く個性を頼りに、
●同志のネットワークを頼りに、
●すごいプロジェクトを頼りに、
●成長を頼りに、
どんな自己実現を目指して”生きて”いくのかを是非考えてみてください。
お勧めです!
※具体的なパーソナルブランディング戦略については、ピーター・モントヤの
 「パーソナルブランディング 最強のビジネスツール「自分ブランド」を作り出す」
 をあわせて読むと有効です。
以下、私用メモ
ブランド人の8つの帽子
●マーケティング
●商品開発
●業務管理
●顧客サービス
●販売
●情報管理
●時間管理
●計画

トム・ピーターズのサラリーマン大逆襲作戦〈1〉ブランド人になれ! (トム・ピーターズのサラリーマン大逆襲作戦 (1))
トム・ピーターズのサラリーマン大逆襲作戦〈1〉ブランド人になれ! (トム・ピーターズのサラリーマン大逆襲作戦 (1)) Tom Peters 仁平 和夫

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