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Author Archives: 河村 拓

『一流の人は空気を読まない』

堀紘一さんの著書、「一流の人は空気を読まない」を読んだ。
本書はドリームインキュベータ会長である著者が、最近の「空気を読まなくてはいけない」という風潮に警報をならしたものです。
KY(空気を読めない)という言葉が聴かれるようになって久しい最近ですが、同じKYでも
本当に空気が読めない人
空気を読もうと思えば読めるがあえて読まない人
とを本書では区別しています。
「一流の人は空気を読まない」と題してはいますが、結局は空気を読めるということは必要な能力なのです。
場の空気を感じることができないということは要するに、他人の望みや考えを感知できない、必要な感性が欠如してしまっている状態で、これ自体はかなりまずいことです。
しかし、空気を読んでばかりの「空気読みのスペシャリスト」になっても、それは単に周囲との摩擦を避け、何事もなく生きていこうという失敗のない無難な生き方に他ならず、尖った何かを持つ「一流」には決してなれないと、本書は言っているのです。
本当は間違いだと思っていても、上司の言うことだからここは空気を読んで賛成しておこうという「空気読みのスペシャリスト」ではなく、間違いだと思ったら自分で正しい空気を創りだすようなクリエイティブな人が、今後は求められているのです。
そして、そういう人こそが新しい空気を創り、新しい時代を切り開く「一流のリーダー」となるのです。
真のリーダーになろうと思ったならば、空気などに縛られず、自分が正しいと思ったことを主張できるようにならなければならないのです。

結局のところ、空気とは、読むものであるだけでなく「創るもの」であり、空気を創りだせる人間にならない限りは、先が知れている。
さらに極端にいえば、「空気なんてクソくらえ!」と考えられるくらいの気骨を持ってほしいということである。

人の価値観は様々なので、誰しもがリーダーを目指したり、一流を目指したりする必要はないと私は思いますが、本当は言いたいことややりたいことがあるのに、周りの空気に縛られて迎合主義に陥ってしまうのは本当にもったいないことだと思います。
価値観は様々だからこそ、他人のではなく自分に合う価値をとことん追求したほうが、充実した生き方になるのではないでしょうか。
人と違うことを恐れず、失敗を怖がらずに決断する大切さを教えてくれる一冊です。
お勧めです。

一流の人は空気を読まない (角川oneテーマ21)
一流の人は空気を読まない (角川oneテーマ21) 堀 紘一

角川グループパブリッシング 2008-10-10
売り上げランキング : 58861

おすすめ平均 star
starタイトルの通りだが、貧富の格差は間違っている
star勇気が湧いてくる本。
star目標を具体的に設定。そこから傾向と対策を練る。一流になるためには徹底した行動をとること。

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『超「超」整理法 知的能力を飛躍的に拡大させるセオリー』

野口悠紀雄さんの著書、「超「超」整理法 知的能力を飛躍的に拡大させるセオリー」を読んだ。
Gmailが登場するのは最近の整理術関連の著書ではおなじみですが、それとスキャナーを合わせた「デジタル・オフィス」にはあこがれてしまいました。
とりあえずスキャナーがついている複合機プリンターは買おうと思います。
Gmailを活用したデータのオンライン格納
1.作業中のファイルはGmailで自分宛にメールで送り、ネット上に保管する
 ・複数の仕事場で仕事がシームレスにできる
 ・分類せずとも、検索できる
H ・Dにいれておくと紛失したりHD自体が破損したりというリスクがあるが、ネット上なら安全
2.パスワードもGmailで管理
 ・PCに記憶しておくこともできるが、これだと違うパソコンを使用するときに困る
3.Gmail Drive shell extension
 ・マイコンピュータに「Gmail Drive」が作成され、あたかもPC内にあるドライブのように扱える
Gmailの問題点
1.時系列がスレッドによって乱される
2.グーグル・フォビア
 ・Gmailに情報をおくということは、Googleが内容を見れる状況にあるということ
 ・しかしそんなことをすればGoogleは社会的信頼を失うことになるので、現実には起こらない
スキャナーを使ってデジタル・オフィスを構築
 1.保管、コピー、検索、通信する書類等は、すべてスキャナーでPDFにして取り込む
 2.不要な紙を減らして、整理の手間を省く
さて、本書では整理法とは別に、これからの知的生産術についても書かれています。
様々な情報はウェブで検索できてしまうようになったので、私たちはウェブやPCでは出来ない能力を身につけなければならなくなりました。
具体的には、「問題設定」「仮説の構築」「モデルの活用」という3つの能力が必要になるとのことなのですが、それぞれについての説明はここでは省きます。
面白いのは日本の大企業とアメリカの新興企業との知的生産力の比較がされているところです。
従業員一人当たり時価総額で見ると、
●Googleは867万ドル
●Appleが686万ドル
●Microsoftが327万ドル
なのに対し、日本の企業はというと
●トヨタ51万ドル
●ソニー25万ドル
●日立製作所6万ドル
なのだそうです。
ここまでの驚愕の差があるとは、正直思っていませんでした。
日本の主要企業の中では高い数値を持つトヨタも、これらの企業と比べると1/10以下でしかないのです。

この原因は、「日本人が大組織の中で能力を発揮できる機会を与えられていないことにある」と考えざるを得ない。とくに、知的労働者が搾取されているのだ。

「空気を読む人」ではなく、「革新する人」が正当に認められる組織になるだろうか?新しいアイディアにリワードが与えられるような組織が誕生するだろうか?「問題設定」と「仮説構築」、そして「モデル活用」の能力によって個人が評価されるような組織に変わりうるだろうか?そうした構造に日本の組織がなりうるか否かが、将来に向かう日本の経路を規定するだろう。

「好きを仕事に出来るほど世の中は甘くない」とか言ってないで、どうすれば自分の好きな分野、得意な分野で自分の能力を最大限に発揮できるかをもっと真剣に考えなければいけない時代になったのかもしれませんね。

超「超」整理法 知的能力を飛躍的に拡大させるセオリー
超「超」整理法 知的能力を飛躍的に拡大させるセオリー 野口 悠紀雄

講談社 2008-09-18
売り上げランキング : 20180

おすすめ平均 star
starエッセイ以上専門書未満
star今の時代の一つの選択としてのデジタルオフィス
stargoogleを活用してみた超整理法から,知の産業革命まで

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『年商100億の社長が教える、丸投げチームのつくり方』

山地章夫さんの著書、「年商100億の社長が教える、丸投げチームのつくり方」を読んだ。
本書は50事業、年商120億円のグループ企業を統括するトップ経営者である著者が、
仕事を部下に丸投げする技術
について語ったものです。
「有能な部下がいない」
「自分でやったほうが上手く出来る」
という考えから抜け出せないと、思い切って部下に仕事を任せることが出来ずにすべてを一人で抱え込んでしまい、余裕のない忙しい状況に自分を追い込むことになります。
この状況にはまり込むと、
●リーダーが目の前の作業に忙殺されて、本来やるべき重要な仕事が出来ない
●いつまでたっても部下が育たない
という弊害が生まれ、成果は頭打ちになり、いつまでたっても組織が成長しません。
リーダーがより重要な仕事に専念するためにも、そして部下の成長のためにも、仕事を任せることは避けて通れません。
著者の「丸投げ」スタイルにおいて、
●ビジョンの共有
●コミュニケーションを通した信頼関係の構築
の2つがまず大前提にあります。
その上で、まずは自分の仕事を「時間管理のマトリックス」を用いて分析することから始めます。

そして、
●第1領域の仕事は、速やかに処理するものと、部下に委任するものを区別して任せる
●第2領域の仕事にスケジュールを集中させるよう意識し、自分で取り組めないものは部下に任せる
●第3領域の仕事は減らし、部下に任せる
●第4領域の仕事はすぐにやめる
というふうにします。
要するに、
重要でない仕事はそもそも減らすかなくす
緊急で重要な仕事は極力部下に丸投げする
自分は緊急ではない重要な仕事(新規事業のアイディアを考える、人脈を作る、ビジョンを考える等)に専念する
のです。
自分の仕事は第2領域に集中させるのが、理想的な状態です。
具体的に仕事を任せる際には、いくつかのポイントがあります。
まず押さえるべき5つのポイント
1.ゴール
 ・どんな結果を出すのか、数字と期限も用いて明確にする
2.目的
 ・このゴールが会社のどんな目的に対応するものなのかを伝える
3.ルール
 ・企業理念や価値観を無視してはいけない
 ・こうしたほうがいいと言わないほうが、主体性を発揮させられる
4.権限の範囲
 ・使える予算、使える人や人事権などを伝えておく
5.報告
 ・自分に対するプロセスの報告がいるのかいらないのかハッキリしておく
相手の能力が低い場合の任せ方
 ・仕事を細分化し、少しがんばれば出来そうな大きさにしてから任せる
 ・期待する成果、納期を確認しあいながら任せる
自発的な問題処理
 ・レベル1 上司が解決
 ・レベル2 上司が解決策を示し、部下が実行
 ・レベル3 部下が解決策を提案し、上司の承認を得てから実行
 ・レベル4 部下が行動し、あとで上司に事後報告
 ・→レベル1と2をなくし、レベル4がほとんどでたまにレベル3がある状態を目指す
任せたことの結果が自分の期待を違うときの対応
 ・成果に不満を持ちながらストレスをためるのは良くない
 ・しっかりとした信頼関係のもとでダメだししながらも、任せ続ける
基本的なことかもしれませんが、自分が今「丸投げ」のどの段階にいるのか、更に上を目指すには次はどの段階に挑戦するべきなのか等を確認するうえで有用なフレームワークだと思います。
私も自己管理のツールとして時間管理のマトリックスは常に頭で意識していますが、何をすべきで何をすべきでないかを目的から逆算して考える上で、非常に効果的だと感じます。
仕事を抱えすぎで余裕のない人は、読んでみてはいかがでしょうか。

年商100億の社長が教える、丸投げチームのつくり方 (アスカビジネス)
年商100億の社長が教える、丸投げチームのつくり方 (アスカビジネス) 山地 章夫

クロスメディア・パブリッシング 2008-09-10
売り上げランキング : 3486

おすすめ平均 star
star奥さんの理解があってこそなのだろうなぁ
star上手に丸投げするために
star学びの多い、チーム理論

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『デューデリジェンスのプロが教える 企業分析力養成講座』

山口楊平さんの著書、「デューデリジェンスのプロが教える 企業分析力養成講座」を読んだ。
本書は企業の本質を見抜く9つのポイントを通して、将来予測を含めた企業の本当の価値を知るための一冊です。

企業を精査し、その本質的価値を見抜く作業を、M&Aの世界ではデューデリジェンス(企業精査)という。これに対し、企業の妥当な価格を算定する作業をバリュエーション(企業価格評価)という。

資産運用を行う上で私たちが知りたいのは、当然「将来の結果」ですが、実際に与えられるのは「過去の結果」だけです。
将来の結果を見抜くためにはまず過去の結果をもとに、それがどのような事業構造によって生み出されたものなのかを分析し、その事業構造が今後どのように変化するのかを洞察する必要があります。
この分析と洞察をあわせるとデューデリジェンスとなり、それをもとに将来の結果を予想することをバリュエーションと言うのです。
本書では、デューデリジェンスとバリュエーションを行う上で役に立つ、
●収益構造
●資本価値
●事業構造
●競争構造
●市場構造
●社会動向
●マクロ経済
●資本市場
●資本政策
という9つのフレームワークを、それぞれケーススタディの形で解説しています。
●投資を見すえて企業を分析する場合、その会社の成果配分の構造を考えることが必要である
●アセットを持つ不動産ビジネスは、そのアセットの時価を計算し、割安かどうかを判断することが重要
●少ない資産でたくさん利益を出している企業が、結果としてたくさんのキャッシュを稼ぐ
●小売業の競争の本質は「スケールの追求」にある
●株式市場では、短期での株価の浮き沈みは激しいが、長期で見ればその企業の株の価値に収れんしていく
など、ざっとあげただけでもいくつかのヒントはありましたが、やはり全体的に見ると素人の私にはまだまだ理解の及ばない部分も多かったです。
まずは一冊、入門書を読んだほうがよさそうですね。

デューデリジェンスのプロが教える 企業分析力養成講座
デューデリジェンスのプロが教える 企業分析力養成講座 山口 揚平

日本実業出版社 2008-10-09
売り上げランキング : 7338

おすすめ平均 star
star財務分析入門の次の一冊
starデューデリって、こんなことやるの?
star個人投資家としては役に立たず

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『バフェットの教訓―史上最強の投資家 逆風の時でもお金を増やす125の知恵』

メアリー・バフェットとデビッド・クラークの共著、「バフェットの教訓―史上最強の投資家 逆風の時でもお金を増やす125の知恵」を読んだ。
投資関連の本を読むのはこれが初めてなのであまり極端なことは言いたくありませんが、それでも本書は史上最強の投資家、ウォーレン・バフェットの投資に対する姿勢を学べる、良書だと思います。

悪人はしょせん悪人であり、悪い人と良い取引をしたいと思うほうが間違っている。

ウォーレンが投資の世界で成功してこられたのは、優良ビジネスの経済特性を正確に識別する能力がそなわっていたからだ。ここで言う「優良ビジネス」とは、揺るぎない競争優位性を、消費者の心の一部に食い込む形で保有している事業のことだ。

投資も結婚と同じであり、対象の会社の情報をかき集め、きっちり理解できたと確信が持ててから、投資に踏み切るべきなのである。
とはいえ、実際に金を生み出してくれるのは、”一生添い遂げる”という部分だ。

ウォーレンは高望みをしない。すべての投球に対してホームランを狙わず、じっくり絶好球を待って、確実に打てる球だけをスイングする。

世の中には、根源的経済性に富んだビジネスと、根源的経済性に乏しいビジネスが混在する。当然、投資先として望まれるのは前者のほう。

会計はビジネスの言語だ

成長に大量の資本を必要とするビジネスと、成長に資本を必要としないビジネスとでは、天と地ほどの差が存在する

時折、株式市場が常軌を逸した動きを見せ、ハイ・クオリティの会社を低価格で売ってくれることがある。このときこそ、楽に金儲けができるチャンスだ。

株式ブローカーが株のプロを自任するなら、自分の金で勝手に設ければよさそうなものだが、不思議なことに、この疑問を口にする顧客は誰もいない。

ウォーレンは一つの銘柄に大量の資金を投入する。

ウォーレンが投資を行う際、みずからが理解できる能力範囲に重きを置く。

投資家はビジネスの一部を買って成長を見守り、投機家は、株価の短期的値引きをサイコロの目で占う。

多くの投資家たちは、短期的な株価の上下運動に目がいきすぎて、短期的には合理的でも、長期的には非合理的な決断をしがちです。
そのため、短期的な業績不良のために「優良ビジネス」の株が一時的に下落することがある。
ウォーレン・バフェットが狙うのは、まさにここなのだそうです。
「優良ビジネス」はそもそも根源的経済性に富んでいるので、一時的に株価が下落はしても、長期的には必ず成長する。
なので、一時的に下落している「優良ビジネス」の株を見極めて、それが適正価格、もしくはそれ以下であったときにそこに資金を集中投資するのだそうです。
私は投資はギャンブル的要素の強いものだと思っていましたが、それはそもそもビジネスを理解していない人がやるからギャンブルになるだけで、しっかりとしたビジネスの知識があれば100%の確信を持って行えるようです。
占いや直感ではなく、あくまで論理的、理論的に分析する。
基本は、
●優良ビジネスを見極める
●適正価格、もしくはそれ以下になるのを辛抱強く待つ
●絶好の時期がきたときに集中投資する
●添い遂げるつもりで、長期的視点に立つ
ということでしょうか。
まずは簿記の勉強から始めるとよさそうですね。

史上最強の投資家バフェットの教訓―逆風の時でもお金を増やす125の知恵
史上最強の投資家バフェットの教訓―逆風の時でもお金を増やす125の知恵 Mary Buffett David Clark 峯村 利哉

徳間書店 2008-01
売り上げランキング : 6307

おすすめ平均 star
star元義理の娘(ややこしい・・・)
star株式市場に携る者として手元に
star自分の頭で考えよ

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『読書進化論~人はウェブで変わるのか。本はウェブに負けたのか』

勝間和代さんの著書、「読書進化論~人はウェブで変わるのか。本はウェブに負けたのか」を読んだ。
「本はウェブに負けたのか」とありますが、結論から言うと、まだまだ本の優位性は動かないだろうなと思いました。
ウェブの情報は確かに魅力的ですが、やはり体系化されているかどうか、信憑性があるかどうかという面で、一冊の本には及びません。
しかし、ウェブや時代の変化と共に、読書自体も変化している、そして読書を通して読む人も、そして書く人も進化しているのだと言うのが、「読書進化論」のテーマです。
これから読書を始めようと言う人も、読書習慣を既に作っている人も、今後自分がどのように読書と向き合っていくかを考える上で、非常に有用な一冊だと思います。
本を読むことの醍醐味はなんといっても、

本ほど人生の疑似体験ができる身近なツールはない

ということにあると思います。
やはり一人の人間で考えられること、経験できることは限られています。
なので、人との出逢いは新たな刺激を受けるチャンスになるのですが、現実世界で直接会える人物や人数は、やはりどうしても限られてしまいます。
勝間さんは読書を「イメージトレーニングに近い」と述べていますが、本は様々な人たちの経験を擬似的に体験することで体験知を吸収できる、非常に時間対効果・費用対効果の高いツールです。
本田直之さんの言葉を借りると、読書は本番前の練習のようなもので、練習することで本番でもいいパフォーマンスが発揮でき、また、本番では出来なかった部分を再び練習へとフィードバックすることで更にパフォーマンスを向上させることができます。
ようは、本を読むのと読まないのとでは、成長するスピードが全く違ってしまうわけです。
しかし、同じ読書でも成果につながる読書とそうでない読書があります。
多くの方が述べていることですが、勝間さんも本書の中で、

本を読むときに目的意識を持っているといないとでは、まったく読書の時間効率が違ってきます。

と述べています。
ただ、私は最初のうちはあえて目的を設定せずに読むのも一つの手だと思います。
読書は体系的な知識を学べるツールでもありますが、同時に様々な生き方のロールモデルに触れることができるツールでもあります。
なので、最初は特に目的を設定せずに(あえていうなら自分に変化を起こすためでしょうか)本を読みあさることで、読書を通していろいろな人の生き方に触れ、「こういう生き方はあこがれる」「こういうふうになりたい」「こういう仕事がしたい」といった目的を見つけてしまう。
そして、今度はそれを実現するために役立つものはないかという「目的意識」を持っていろいろな分野の本を読みあさる、というのでもいいのではないかと思います。
あと、これも勝間さんが何度もおっしゃっていることですが、本を読むならブログは絶対に書いたほうがいいと思います。
理由は、
1.自分専用の情報のデータベースができる
2.情報がタグ付けされて頭の中にファイルされる
3.文章力が養える
の3つです。
1.自分専用のデータベースが出来る
まず本を読んでも読みっぱなしにしてしまうと、大半の内容は忘れてしまいます。
なので、本に線をひいたり、紙にメモを書いたりとするわけですが、私はブログにまとめるのをお勧めします。
というのも、紙媒体だと管理が面倒なのに対し、ブログであればすべての情報をウェブの「向こう側」に一元管理できるので、ネット環境さえあればいつでもどこでもその情報にアクセスできます。
本に線を引くという方法も、後で参照したいときに「あの内容はどの本にかいてあったっけ?」と思い出せないことがあるのに対し、ブログであればブログ内検索機能を使えば一発で探し出せます。
2.情報がタグ付けされて頭の中にファイルされる
「情報のタグ付け」は勝間さんが本書で述べていることですが、ブログを書くときには箇条書きではなく、文章の形でまとめたほうがいいと思います。
なぜならば、著者の言葉をそのまま抜き出すのではなく、自分の言葉に「翻訳する」作業を通してアウトプットすることで、頭の中で本の中身がつながった状態で残るからです。
そうすると似たようなテーマを別の本を読んだときに、「この情報はあの時読んだ本のこのつながりと重なるな」とか、「これは新しいつながりだな」という風に情報をタグ付けして頭の中で関連付けながら読むことができ、学習が効率化するように私は感じます。
3.文章力が養える
ブログは不特定多数の人の目に触れるので、読んだ人がどんな反応をするのかが分かります。
読者の反応を見ることで、自分の文章力を精錬させることが出来るのに加え、自分がどんな文章を書くのが得意なのかが少しずつ見えてきます。
まだまだ試行錯誤の私も、始めた頃に比べればましになってきたはず。
あと、文章を書くときはどうしてもつながりを意識しないといけないので、論理思考力が養えるというのも魅力ですね。
さて、1日1冊の読書を始めてから、半年がたちました。
ほぼ同時に始めた資格試験の勉強も、来週でひと段落します。
もちろん、読書も勉強も続けますが、ここらで今一度自分の習慣を見直して、もう一段、ステップを上げてみたいと思います。
今月の27日に読書会を開く予定なので、そのときに話してみよう。
参考リンク:
読書進化論~人はウェブで変わるのか。 本はウェブに負けたのか~ – to-rainbowsのビジネス書日記

読書進化論~人はウェブで変わるのか。本はウェブに負けたのか~ (小学館101新書)
読書進化論~人はウェブで変わるのか。本はウェブに負けたのか~ (小学館101新書) 勝間 和代

小学館 2008-10-01
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おすすめ平均 star
star勝間マニアのための勝間ヨイショ本
star満足しました
star読書で自分の 世界に革命を

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『質問会議 なぜ質問だけの会議で生産性が上がるのか? 』

清宮普美代さんの著書、「質問会議 なぜ質問だけの会議で生産性が上がるのか? 」を読んだ。
本書で言う「質問会議」とは、アクションラーニングのことです。
質問を用いながらお互いの意見を引き出していく様子をイメージしていましたが、実はこの会議、
「質問」と「質問に対する答え」しか発言してはいけない
という、ちょっと不思議なスタイルです。
これと対になるものとして「意見会議」がありますが、これは往々にして、
●問題を断定してしまう
●一人ひとりが考えて、自分の解決策を提示して終わり
●助言が受け入れられ、実行されるか不明
という性質を持ち、非生産的になりがちです。
これに対し「質問会議」には、
●問題の本質を発見できる
●会議と実行がセット
●問題を解決しながら、個人とチームが共に成長できる
といったメリットがあります。
詳しい手法については本書を読んでほしいのですが、この「質問会議」のポイントは問題解決のみでなく、それを通した個人の成長、そして個人の成長をベースとしたチームの成長にあると思います。
ビジネスの場では往々にして目の前の問題を早く解決することが求められ、優れた一人の力に依存することが最もスピーディーであることもめずらしくありません。
しかし、これではメンバーの成長が望めませんし、チームとしての生産性は頭打ちです。
個人、そしてチームの成長が、長期的な発展には不可欠です。
「質問会議」では個人・チームの成長にそもそもプライオリティがあります。
個人としては
1.質問力
2.傾聴力
3.共感力
4.思考力
5.フレーム打破力
といった能力が開発され、それらが基になってチームとしての
●共有=チームとしてのビジョンの共有・論理的調和
●共感=信頼・感情的調和
が促進されます。
また、現代のリーダーには
解決策をメンバーから引き出す力
を求められていることから、質問会議で共有・共感を養うことは、そのままリーダーシップの育成にもつながります。
一口で三度おいしい、かなり興味深い手法です。
お勧めです。
以下、私用メモ
質問会議の8つのポイント
1.参加者とその役割
 ・4~8人が妥当
 ・問題提示者-当事者として抱えている問題をチームに提示
 ・問題提示者以外のメンバー-問題を熟知していなくてよい
 ・ALコーチ-単なる司会ではなく、チーム育成のためのリーダー
 ・参加者は全員平等
 ・多様性のあるメンバーが良い
2.ALコーチの設定
 ・問題解決に直接関与しない
 ・結果を導くより、プロセスを管理する
 ・みんなが考える時間、振り返る時間を提供する
 ・会議進行と時間の管理をする
3.時間とその配分
 ・1回1時間
4.基本ルール<質問中心>
 ・質問と、それに対する答えのみ
 ・問題に対して質問を繰り返すことで、本質に迫る
 ・質問することで、傾聴力・質問力を養う
5.基本ルール<振り返りとALコーチ>
 ・リフレクションにより学習を習慣化
6.現実の問題
 ・現実に起きている問題
 ・等身大の問題
 ・チームに決定権のある問題
 ・解決策がいろいろ考えられるような、複雑な問題
 ・重要度が高く、緊急性のある問題
 ・少数メンバーが問題に精通している問題
7.行動計画と実施
 ・メンバー全員で行動計画を練り上げ、実行し、振り返ることで、思考力、チーム力を養う
8.成長と変化に対する意識づけ
質問会議の進行の12のステップ
1.2つの基本ルールの提示と確認=質問中心・振り返りの時間をとる
2.チーム規範の設定
 ・守秘義務
 ・セッションへのコミットメント
 ・共有とサポート
 ・平等と尊重
 ・傾聴と振り返り
 ・課題そのものに注意を向ける
3.問題の提示
4.質問で問題を明確にする
5.途中の振り返り=新しい視点でのアプローチ
6.問題を再定義する
7.同意できないことの意味
8.問題がテーブルの真ん中に
9.目標・ゴールの設定
10.行動計画の作成
11.全員の行動=サポートを誘発する
12.振り返り

質問会議 なぜ質問だけの会議で生産性が上がるのか?
質問会議 なぜ質問だけの会議で生産性が上がるのか? 清宮 普美代

PHP研究所 2008-09-20
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おすすめ平均 star
star分かりやすく、応用も利きそう
star質問の力を再認識させてくれた。
star意見を言ってはいけない不思議な会議

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『勝間和代の日本を変えよう Lifehacking Japan』

勝間和代さんの「勝間和代の日本を変えよう Lifehacking Japan」を読んだ。
本書は従来の勝間さんの著書とは異なり、日本の抱える構造的・制度的な問題や世界の抱える貧困問題などに対しての提言を示したものです。
●悲観的な若者
●女性の雇用問題
●ワーキングプア・フリーター
こういった問題に対して勝間さんがどのように考えているのかももちろん興味がありましたが、私はそれ以上にこれらの問題に対して勝間さんが本書を通じて、何をしようとしているのかに注目していました。
本書には対談形式の章もあり、日本の構造や制度がいかに女性を働きにくくしてきたか、ワーキングプアを生んできたかといったテーマが扱われていて、面白いです。
ただ、読んでいて私は若干構造的・制度的問題に責任をおわせすぎではないかと思ってしまいました。
もちろんそういう面も強いとは思いますが、本人の自助努力で挽回できる部分もかなりあると思うんですよ。
例えばワーキングマザー問題について、ワーキングマザーはがんばっても年収300万円が限界だという現実があり、それでは子供のために十分な教育費を捻出することが出来ない、政府の責任だ、という主旨の主張を対談者が述べている部分があります。
しかし私に言わせれば、勉強は苦手だからと自分を磨く投資をせずに「300万が限界」といっても説得力はないと思います。
実際に勝間さんのように子育てをしながらも稼いでいる人たちはいるわけで、特に勝間さんはそのノウハウを「本」という形で還元してくださっているわけですから、私たちはもっと勉強してそういうロールモデルを取り入れればいいはずです。
しかし現実はどうなのでしょう。
例えば私が「この本いいですよ」と進めても、素直に読もうとする人とそうでない人がいますが、やはり読まないのは社会的に弱者と呼ばれるような人たちです。
自分が社会的弱者であるという自覚がないのか、誰かが解決してくれるのを待っているのか分かりませんが、そういう本人の無責任な姿勢が周囲をシラけさせているのも、問題が解決しない理由に含まれると思います。
ただ、本人たちの自助努力が足りないからと言って、恵まれている人たちが立場的に有利であることをいいことにこういった問題に無関心でいるのも無責任だと、本書を読んで少し自戒を込めて思いました。
問題は気付いた人が解決するのが一番早いはず。
私たちはもっと勉強して、自分たちが働くことによって豊かに出来る対象をどんどん広げていかなければならないと思いました。

勝間和代の日本を変えよう Lifehacking Japan
勝間和代の日本を変えよう Lifehacking Japan 勝間 和代

毎日新聞社 2008-09-27
売り上げランキング : 13140

おすすめ平均 star
star今自分が出来ることは
star厚化粧
star小洒落た世間話

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『弱者の戦略―人生を逆転する「夢・戦略・感謝」の成功法則』

栢野克己さんの著書、「弱者の戦略―人生を逆転する「夢・戦略・感謝」の成功法則」を読んだ。
本書はタイトルのとおり、弱者のための戦略を説いたものです。
既に成熟している大企業が強者であるならば、中小企業やベンチャー企業、あるいは士業を行っている人たちは弱者であると言えます。
そして、多くの弱者たちは、弱者であるにも関わらず強者の戦略を実行しようとして失敗するようです。
例えば商品を広く扱い、顧客層も広く大雑把で、営業も広告宣伝に頼る、これは強者の戦略であり、同じ戦略を用いて弱者が彼らに勝てるわけがないのです。
にもかかわらず意外に多くの人がこの罠にはまるのは、ひとえに勉強不足なのだそうです。
では弱者の戦略とは何か。
それは、
人がしないことに一点集中
泥臭く接近戦で営業
の二つです。
弱者にとって、商品、地域、顧客、営業の部分で強者との差別化を行うことは必須です。
つまり、大手がカバーしていない分野や地域、顧客層に商品やターゲットを絞込み、そこで泥臭くアナログで会う、異業種と交流する、ハガキ・手紙を出す、ブログを書くなどの「接近戦」で営業活動をするのです。
一点突破によってそこでのNo.1を目指し、つきつめるとそれがオンリーワンになる。
後は、才覚のある人は更に事業を大きくしてもいいし、そうでなければ足るを知り、身の丈にあった「天職」におさまるべきだと著者は説いています。
本書の良い点は、実際に様々な困難を経ながらも最後に逆転を果たした「成功する弱者」の実例が多く取り上げられていることだと思います。
著者自身もその一人なのですが、仕事が上手く行かずに何度も転職を経験し、独立しても失敗し、借金を抱え、何度もうつ病にかかり、宗教団体にも出入りしていたという思わず絶句する経歴の持つ主です。
「七転び八起き」と著者は言いますが、私はむしろ「七転び一起き」くらいじゃないかと思うほど。
それでも勉強だけは欠かさずに続け、44歳を転機に「逆転成功」の人生を歩み始めた著者の体験談は、いわゆる「弱者」の人々に勇気を与える内容ではないかと思います。
夢だけでは食べていけない。
戦略だけでは窮屈。
感謝だけではカモにされる。
しかし、夢と戦略と感謝が同居すれば、逆転が始まる。
予断ですが、著者の経歴も確かに驚きでしたが、それでも愛想をつかずに著者についてきてくださった奥様の存在が私にはいい意味での一番の驚きでした。
※栢野さんのブログです。
 なんかすごいです(笑)
 http://blog.livedoor.jp/kaya0169/

弱者の戦略―人生を逆転する「夢・戦略・感謝」の成功法則
弱者の戦略―人生を逆転する「夢・戦略・感謝」の成功法則 栢野 克己

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『自分で奇跡を起こす方法~読むだけで人生が変わる真実の物語』

井上裕之さんの著書、「自分で奇跡を起こす方法~読むだけで人生が変わる真実の物語」を読んだ。
結末はあえて書きませんが、本書は交通事故で最愛の妻を失うかもしれない状況に直面したときに、著者がどのように行動し、その過程から何を学びつかんだのかを記したものです。
読み終えて私が感じたのは、「交通事故にあい、何かを失った」という事実を変えることはできなくても、それに対しどう受け止め、その後どのような生き方をするかを選ぶ権利は自分自身にあるということ。
そして、選ぶ権利をつかむためには、日々学ぶことを通して自分を磨き、成長し続けなければならないということでした。
最愛の人が「よくて植物人間」と宣告された時、私たちはどうするのでしょうか。
運命をうらみますか?
犠牲者となることを選びますか?
それとも、必ず意識が戻ると信じて、そのときに自分が支えとなれるよう、準備を続けるでしょうか?
著者が選んだのは3番目でした。
著者の方法が再現性のあるものなのかどうかは私には分かりません。
しかし、「意識は必ず戻る」と信じ、それを前提に行動し続けた結果、何かが起きたのは事実であり、著者の行動がなければそれは起きなかったのも事実だと思います。
自分の身に、もしくは誰かの身に何かが起きたとき、起こった現実は変えられなくても、その先にあるどの未来をつかむのかはあくまで自分が選択できるのです。
しかし、それは選択できるだけの「モノ」を持ち合わせている人にのみ、与えられる権利でもあります。
日々学び、成長し続ける人だけが生き方の選択権をつかみ取れるのです。
「障害のおかげで、自分は○○を学んだ」という話はよく聞きますが、それは「○○を学ぶ」ことを選択したからこそ学べたのです。
犠牲者になることを選ぶことも出来ます。
何かを学ぶことを選ぶことも出来ます。
直ると信じて、そのためにひたすら準備することを選ぶことも出来ます。
でも、実際に選択できるか、行動できるかは自分次第です。
是非読んでみてください。
お勧めです。

自分で奇跡を起こす方法~読むだけで人生が変わる真実の物語
自分で奇跡を起こす方法~読むだけで人生が変わる真実の物語 井上 裕之

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