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Author Archives: 河村 拓

『ザ・ドリーム・マネジャー モチベーションがみるみる上がる「夢」のマネジメント』

マシュー・ケリーの著書、「ザ・ドリーム・マネジャー モチベーションがみるみる上がる「夢」のマネジメント」を読んだ。
社員が仕事にも、会社にも、一緒に働く仲間にも愛着が持てなくなり、業務効率が上がらないまま、高い離職率に悩まされる企業。
この、士気の低下へと向かう悪しき傾向を打破し、企業の競争力を劇的に改善する「ドリーム・マネジャー・コンセプト」、それは社員一人ひとりの現在の仕事と夢の実現とをつなぐ架け橋をつくることでした。
昨日たまたま、後輩とこんな会話をしました。
後輩「○○○(某サッカーJ2のクラブチーム)って、いつもちょっといい成績を残すといい選手をすぐに引き抜かれちゃって、またチームが弱体化するの繰り返しで、なかなか強くならないんですよね。有望な若手がいてもすぐに移籍しちゃうんですよ。なんとかならないですかね?」
「チームに中長期的なビジョンがないのが原因じゃない?チームの未来と選手の望む未来が合致しなければ、より待遇のいいチームに選手が行くのも当然だよね。『我々は2012年のJ1優勝を目指して、才能のある若手主体の熟成路線のチーム作りをする』みたいな具体的な未来像に、説得力のあるプランが伴えば、そのプロジェクトに共感した選手たちが集まってくるんじゃないかな。」
自分の望む未来が今のクラブチームにないと分かれば、選手は移籍してしまいます。
同様に、自分の望む未来が今勤めている企業にないと分かれば、社員は辞めていくか、モチベーションを失うかのどちらかだと思います。

「問題は、仕事に未来が見出せないことだと思います」

ちなみに本書にもサッカーチームを比喩にする場面が何度かあるのですが、何か縁を感じますね。

「(中略)夢こそが、その架け橋なんだ。われわれはこれが先のない仕事なんかじゃないと彼らに納得させる必要がある。そしてそうするには、ここで働くことが自分の望む未来につながると具体的に示すことこそ、唯一の方法だ。」

本書ではその具体的な実行作として、「ドリーム・マネジャー」という新しいポストを用意します。
簡潔に言うと、彼らは従業員一人ひとりと面接し、彼らの夢をたずね、それを仕事を通してどうやって実現していくか、一緒にプランを考えるわけです。
小さい頃は誰でも何か夢を持っていたと思います。
私も「サッカー日本代表になってワールドカップで優勝する!」と本気で思ってました。
その時「一流の選手たちはみんな毎日一生懸命練習しているんだよ。だから上手になりたければ、毎日練習しよう」という具合に、どうすれば夢が実現するのかを一緒に考えてくれるような人が周りにいたら心強いですよね。
しかし現実には、「そんなのになれるのはごく一握りの天才だけだから、お前には無理だ」とか、「世の中そんなに甘くない」と夢を実現できない根拠をたくさん知らされて、いつの間にか、

「(中略)ところが人は、生きるための闘いに足をとられて、夢を見ることをやめてしまうことがある。そしてやめてしまったが最後、静かな失望の中で生きるようになり、日々の生活から少しずつ情熱とエネルギーが失われていくことになります」

という状態になってしまいます。
だからこそ、再び夢を思い起こさせられ、その実現を支援してもらえたとき、社員が企業に感じる恩威は計り知れないものがあり、それが強いモチベーション、さらには忠誠心にまでつながるはずだという著者の信念に、私は強く共感します。
社員が夢への情熱とエネルギーを取り戻し、かつ今の仕事がその夢の実現につながるのだと信じることが出来れば、当然その情熱とエネルギーが仕事に向けられるようになる、とても簡単な理論です。
経営者、マネジャー職の人に、強くお勧めしたい一冊です。
また、個人レベルでも、マインドの近い友人と定期的に集まって、お互いの夢とその進捗状況について話し合ったり、アドバイスし合ったりするのも効果的だと思います。
以下、私用メモ
●人は会社のために存在しているわけではない、会社が人のために存在する
●夢は人それぞれなので、自分の考えを押し付けないこと
●やって当然と扱われることを人は好まない
●家族だからこそ、巣立ちを認めなければならない

ザ・ドリーム・マネジャー モチベーションがみるみる上がる「夢」のマネジメント
ザ・ドリーム・マネジャー モチベーションがみるみる上がる「夢」のマネジメント 大野八生 橋本夕子

海と月社 2008-10-15
売り上げランキング : 111826

おすすめ平均 star
starマネジメント論ではなかった
star従業員の夢を叶える会社

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『ブログ論壇の誕生』

佐々木俊尚さんの著書、「ブログ論壇の誕生」を読んだ。

インターネットの世界に出現した巨大なブログ論壇。その新しい言論は、古い言論を支配していた団塊世代と激しく対立し超克しようとしている。新たな公共圏生成のインパクトをレポート。

と表紙裏にあるように、本書はあくまでブログという新たな論壇の実態をレポートしたものです。
ブログの発言力や影響力が注目されだしたのは何も今に始まったことではありません。
しかし特に団塊の世代を中心に、いまだこのネット空間に誕生した「言論の波」についていけていない人は多いようです。
マスメディアを支配する団塊世代と、そこから除外された若者たちの集まるネット空間の対立という構造は面白いですし、誰にも編集されず、コントロールされず、フィルタリングもされないネット空間に表出している「若者たちの絶望と激怒」の様子は読み応えがあります。
この新しい言論の波が今後どのようにマスコミや政治に影響を及ぼすのかまではあまり触れていませんが、現在起こっている現象を理解するには有用な一冊だと思います。
上記にもありますが、誰にも編集されず、コントロールもされず、フィルタリングもされないネット空間だからこそ、マスコミが取り扱わないような「生々しい現実」がしばしば表れているのを感じ、今日本が抱えている問題に対する認識が少し変わりました。
「ネット犯罪」や「ネットいじめ」といった表面的な現象にとらわれず、その本質に迫れる一冊ですね。

ブログ論壇の誕生 (文春新書)
ブログ論壇の誕生 (文春新書) 佐々木 俊尚

文藝春秋 2008-09
売り上げランキング : 81853

おすすめ平均 star
starブログには何を書くべきか
star立ち読みして面白そうだったので買って読んだが、期待はずれだった。
star古すぎる!

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『ザ・コピーライティング―心の琴線にふれる言葉の法則』

ジョン・ケープルズの著書、「ザ・コピーライティング―心の琴線にふれる言葉の法則」を読んだ。
神田昌典さんが監訳されている「広告・宣伝・コピーライティング」に関する本書ですが、これは保存版、もしくはバイブルとでも言うべき一冊です。
広告は、その効果を検証しにくいという面を持っています。
商品が売れたとしても、それが広告の効果なのか、それとも別の要因が関係しているのか分からない、もしくは売れなかったとしても、広告に原因があったのか、もしくはそれ以外に原因があったのかは、きちんとテスト・分析しなければ分かりません。
そのため多くの広告が人の意見や感性で作られてしまい、最大限の効果を得られずにみすみす売り上げ・チャンスを逃すことになります。

広告宣伝企画の第1ステップは、感想、個人的意見、憶測、先入観といったものを一切取り払ってしまうことである。
その次のステップは、各種広告と様々な媒体(新聞・雑誌、ラジオ・テレビ、ダイレクトメールなど)の実際の効果をテストする科学的方法を見つけることだ。

本書が優れているのは、まさにこの科学的に効果を実証されたコピー・ライティングのノウハウと、すぐにでも応用ができる「型」が豊富に列挙されているところです。
何も広告業界に勤めていなくても、例えば営業レターやDMを書くときに、または名刺やプロフィールシートの見出し・中身を書くとき、ホームページの内容を考えるときなどにも大いに使える内容です。
特に、「どんな見出しが一番注目されるか」「35の見出しの型」「コピーの売り込み効果を高める20の方法」「こうすれば問い合わせが増える32の方法」などのテーマは、かなり重宝するのではないでしょうか。
巻末に用語の索引と、業界別広告実例の索引があるので、必要なときに辞書的に使えるのもグッドです。
まさにビジネスアイディアの宝庫ですね。
自宅と職場に一冊ずつほしいと思いました。
お勧めです。
余談ですが、本書の第17章に「頭の体操10問」というものがあり、2つの広告の中から実際に効果があったほうがどちらかを選ぶ問題が10個あります。
本書をさっと読んで得たノウハウを駆使して説いてみたところ、7/10正解でした。
ポイントは、素人の私が自身の意見や感性ではなく、本書のノウハウを当てはめて解いたところ、7問正解したというところです。

ザ・コピーライティング―心の琴線にふれる言葉の法則
ザ・コピーライティング―心の琴線にふれる言葉の法則 神田 昌典 齋藤 慎子 依田 卓巳

ダイヤモンド社 2008-09-20
売り上げランキング : 1163

おすすめ平均 star
star実例が盛り沢山
starコピー初心者です!でもとても読みやすかったです。
starコピーライティングのバイブル

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『CosMos コスモス』

アーヴィン・ラズロ、ジュード・カリヴァンの共著、「CosMos コスモス」を読んだ。

コスモスとは、これまでずっと存在してきたもの、そしてこれからのちも存在していくものすべてのことです。それは、あらゆる創造物の多様性が繰り広げられる”一なる場”なのです。

もうわけが分かりません。
しかし、普段とはちょっと違うジャンルに触れたかったので、興味半分で読んでみました。

宇宙の96%ほどはダークエネルギーとダークマターで占められている

もはや精神と物質を、体と魂を、そして本質的に統合的なものであるリアリティと私たち自身を、それぞれ切り離すことはできないのです。

共鳴と反映の原理が一緒になると、「似たもの同士は引き合う」―つまり、前向きな思考や意思はいい結果を引き寄せるし、その逆も真であるという、”引き寄せの法則”になります。

臨死体験、死後通信、生まれ変わりといった現象をめぐる科学的調査によって、個人の意識は脳と肉体を超えて存在しつづけるという証拠が急速に積み重ねられています。

一通り読んでみて、更にわけが分からなくなりました。
ダークマター?
本質的に統合的なものであるリアリティ?
科学的に証明されているものの、理解には及びませんでした。
ただ、非常に面白いです。
小学1年生の頃から疑問に思っていたのですが、そもそも宇宙ってどうやって誕生したんでしょうか?
ビッグ・バンによって誕生したというなら、ビッグ・バンはどうやって起こったのでしょうか?
宇宙の基となったもの、更にその基となったものとさかのぼっていくと、いつか無にいきつくんでしょうか。
じゃあどうやって無から有が誕生したのでしょうか。
無って何ですか。
神様がいるなら、神様を作ったのは誰なんでしょうか。
謎だらけの宇宙ですが、いつしか私たちにも分かる形で解明されるときがくるのでしょうか。
知的好奇心をかきたてる一冊ですね。

CosMos コスモス
CosMos コスモス 村上 和雄 和波 雅子 吉田 三知世

講談社 2008-10-01
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おすすめ平均 star
star★★★永久保存版的書籍★★★

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『即戦力の人心術―部下を持つすべての人に役立つ』

マイケル・アブラショフの著書、「即戦力の人心術―部下を持つすべての人に役立つ」を読んだ。
マーカス・バッキンガムの「最高のリーダー、マネジャーがいつも考えているたったひとつのこと」が最高のリーダー、マネジャー像を理論的に示したものなら、本書はその最高のロールモデルを示しています。
当事海軍の落ちこぼれだったベンフォルド艦の艦長に就任し、「この艦を海軍史上最高の艦にしてみせる」と決意し、自らが描いた未来の実現に向けて部下たちを巻き込むリーダーシップ。

ベンフォルドを引き継いだとき、私はこの艦を海軍史上最高の艦にしたいと思っていた。結果だけでなく、「正しいやり方」でそうすることが重要だった。(中略)そのための自己診断法は単純なものだ。こう自分に問いかけるだけである。
「もし、このことが明日の『ワシントン・ポスト』の一面に載って全米中に知られることになったら、それを誇りに思うだろうか、それとも、恥ずべきことだと思うだろうか?」

指導者にとって重要なのはチームの力であり、そのためには「集団の知」が必要なのだ。私は、部下が自分のチームの共通の目標を知れば、それだけ多くの強力を得られる―そして、よりよい成果を達成できることを知ったのである。

そして、組織をオーガナイズするときにはいつでも「部下の立場」を出発点にし、どうすれば部下が最大限の力を発揮できるかを考え、どうすれば部下が自らの仕事に誇りを持てるかを思考し、常に尊敬とフェアな姿勢を持って彼らに接するマネジメント。

それは、「部下の身になって、何が一番大事かを考えてみる」ということだ。
しかし、このシンプルな方針こそ、上司として成功するためには必要不可欠なものだと私は確信していた。

私の仕事は、部下が自分の可能性を最大限に発揮できるような環境をつくり出すことだけだった。適切な環境さえつくれば、団結した組織が成し遂げられるものにほとんど限界などないのだ。

人材をその能力に応じて適材適所に配置すれば無駄が減り、組織は効率よく運営されるようになる。

これ以降、私は目標を明確にし、それを行うだけの時間と設備を与え、部下がそれを正しく行うための適切な訓練を受けていることを確認しない限り、もう二度と命令を出すことはしないようにしようと、心に誓った。

私は彼らの最強の”応援団長”となった。

部下たちが大切な人間であることを実感できるよう、彼らへの感謝と自分がどれだけ助かっているかを伝える、褒める技術。
部下のために闘う姿勢。

だが、部下たちは、負けはしたが自分たちのために闘った私を支持してくれた。「自分たちの提案を大事にしてくれる上司」に対しては、部下たちは心を開き、信頼を寄せてくれるものなのだ。

ある部下が、「私たちはみんな、艦長が自分の次の昇進のことよりもわれわれを大切にしてくれていると思っています。」と言ってくれたからである。

凡庸なリーダーは、自分の部下のことを知ろうとしない。
(中略)
上司がつねに部下に送り続けなければならない唯一の信号は、一人ひとりの存在と力が自分にとっていかに大事であるかということである。

この英雄物語における私の唯一の役割は、部下の話に耳を傾け、彼のアイデアを評価し、それがよいものだと確信すると、その採用を懸命にアピールすることだった。
(中略)
才能に役職などないのだ。

「もうずいぶん長くここにいる。他の艦の乗組員たちが自由を楽しんでいる間も、きみたちが働いていることは承知している。それには理由がある。
海軍はベンフォルドをペルシャ湾で最も重要で、欠くことのできない艦と考えているのだ。われわれがいちばんすぐれているのだ。いちばんであるということは責任を伴うものだ。頑張ってくれてありがとう」

どれをとっても最高のお手本で、こんな上司がいたらどこまでもついていきたくなるだろう、そして自分も必ずこういうリーダー、マネジャーになろうと、涙を流しながら思わずにはいられませんでした。
常に手元において、いつでも振り返ろうと思います。
すべての部下を持つ人たち、そしていつかリーダー、マネジャーとして活躍したいと考えている人たちに強くお勧めします。
また、前述の「最高のリーダー、マネジャーがいつも考えているたったひとつのこと」を先に読むと、更に理解が深まると思います。
余談ですが、これほどの内容にもかかわらず、アメリカで2002年に出版されてから翻訳されるまでに6年もの間があったというのは驚きです。
やはり、良質な洋書を原書段階で手に入れる仕組みを考えないといけませんね。
また、マックさんのブログでも本書が絶賛されています。
以下、私用メモ

そのために私は、「何をするにも必ずもっとよい方法があると考えよ」と呼びかけることにした。各部門における技術的な熟練度は、上司である私より現場の部下のほうが高いという前提をはっきりさせ、つねに部下に「きみがしている仕事で、もっとよいやり方はないか?」と聞いてまわったのである。すると、思いもしなかった画期的な回答が出ることもしばしばであった。
また私は、部下に仕事を楽しんで行うための提案をするようにも促した。

上司が送る信号は重要だ。自分が行うあらゆる決定や行動を通じて、部下にどう活動すべきかを教え込まなければならない。

公然と部下を叱りつけた前任者とは逆に、私はベンフォルドの艦内放送を使って部下をほめたり、新しいアイデアを分かち合ったり、自分たちの目標を説明したり、それぞれが共通の目的のために強力し合うことをオープンにしたのである。

そして、もし私が非生産的な仕事を生み出しているのだとしたら、私はそのことを知りたかった。もし私のしていることで部下に何かしら問題をもたらしているとしたら、私に伝えてもらいたかった。
(中略)
批評会で私が自分自身をさらすのを見て、部下たちも自分をさらけ出すようになった。

すなわち、「私はきみたちを見限ったりはせず、力になるつもりだ」というシグナルである。

部下にとってはミスやトラブルの報告ほどつらく、言い出しにくいものはない。部下が上司に報告することを恐れない信頼の気風を生み出すことは、組織にとって死活問題になり得ると言っても大げさではない。

「おい、今はきみが艦長だ。許可など取らなくていい。責任を持って自分でやるんだ」

さらに、とくに部下たちが本当にほめるに値することをしたときには、彼らの親に手紙も書くようになった。

即戦力の人心術―部下を持つすべての人に役立つ
即戦力の人心術―部下を持つすべての人に役立つ Michael Abrashoff 吉越 浩一郎

三笠書房 2008-09
売り上げランキング : 22104

おすすめ平均 star
starここまで部下思いの上司を私は知らない
star良きリーダーであるために
star“It’s Your Ship.”

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『「バカ売れ」キラーコピーが面白いほど書ける本』

中山マコトさんの著書、「「バカ売れ」キラーコピーが面白いほど書ける本」を読んだ。
まさにヒントの宝庫
読んでいる間にもぐるぐると創造力が書き立てられ、次々とアイディアが浮かんでくるのを体験できます。

この本に書かれているのは、「人の記憶に残る」、「バカ売れする」、「簡単に作れる」の3拍子がそろった文章、キラーコピーが書ける圧倒的なノウハウです。
「キラーコピー」、それは一瞬にして人の心をわしづかみにする「必殺のコピー」のことです。

注目すべきは、本書がキラーコピーの原則原理を理解できるだけでなく、それを利用してすぐに自分でもキラーコピーが書ける「型」が豊富に用意されている点です。
これで書けない人は、いないのではないでしょうか。
特にマーケティングに携わる人には、必見の内容だと思います。
なぜならば、本書の、
キラーコピーはマンツーマン
 ・誰にでも通用するような言葉は、言い換えれば誰にも通用しないことの裏返し
 ・「自分のことを言われてる!」とターゲットが感じるくらい、尖っていなければならない
 ・特定個人に語りかけるキラーコピーだけが力を持つ
 ・生ぬるい、エッジの甘いコピーは誰の気持ちもとらえない
キラーコピーはシンパシー
 ・特定個人に向けて尖ったメッセージを送ると、それは同じような気質、好み、感性といったものを持つ潜在ターゲットの共感を呼ぶ
キラーコピーはラブレター
 ・思いを告げたい、届けたい、たった一人の相手に対し、考え抜く
キラーコピーは問題解決
 ・ターゲットは悩みそのもの
 ・「20台で年収が○○円で、家族構成がこうで…」というのはターゲットではない
という法則、実はそのままマーケティングにも応用できてしまうからです。
ブログに例えれば、ターゲットを絞った、エッジの鋭い内容を書く人の記事はやはり何度でも読みたくなります。
逆に、あまりにも対象者を広げ、ジャンルも幅広く、毎日書いていることがばらばらな人の記事は、まさに「誰にでも通用する言葉は、誰にも通用しない」で、深く響くものがなくてつまらない。
常に同じ軸にたって、継続的にエッジの効いた内容を発信してくれるブログは、訪れるたびに期待に答えてくれるので、毎日でも読みたくなります。
もちろんその軸のターゲットに自分(自分の悩み)が含まれているのが大前提ですが。
じゃあ、偉そうなことを言っている私のブログはどうなんだというと、半年前に始めたときから一貫して私がターゲットにしているのは「私自身」で、マーケティング的なことはほとんどしていません。
あくまで本との対話、自分との対話、そしてアウトプットの練習を兼ねた自分専用のデータベース構築が目的です。
でも、それでいいかなと思ってます。
●キラーコピーはシンパシー
「私」という特定個人に向けて尖ったメッセージを送り続ければ、私と同じような気質、好み、感性、悩みを持った人の共感を呼ぶような、そういう人たちが集まって刺激しあったり、情報交換しあったりするようなブログになるのではないかと、本書を読んで改めて思いました。
上記の目的に加えて、同じマインドやモチベーションを持った人たちと出会えるのでしたら、最高ですよね。
まだまだ私自身の軸にもメッセージにもエッジが足りていないのは自覚していますが、「読書×ブログ×実践=成長」で、徐々に鋭く磨いていきたいものです。
以下、私用メモ
悩みのレベル
1.悩みを知らない
 ・継続的に言い続けることが必要
2.悩みを気にしていない
 ・同様にスタミナと時間が必要
3.悩みを気にし始めている
 ・ターゲットとしては有望
4.悩みについて調べている
 ・良い提案をしてあげればよい
5.悩み、苦しんでいる
 ・商品を見せるだけでオーケー
 ・ただし、ライバル多し
ターゲットの使う言葉を知る
●ターゲットに触れる
●雑誌を読む
キラーコピーを書くための11の法則
1.日付、時間を入れる
 ・コピーに鮮度、緊迫感が出る
2.署名をする
 ・信憑性が格段にあがる
 ・手書き、極力本名であることが大事
3.質問、疑問に答える
4.物語を書く
5.ニュースにする
6.物語を途中で終わらせる
7.好奇心を煽る
8.正直に伝える
9.レアであることを伝える
10.「共通するもの」でくくる
11.「なるほど!」と言わせる

「バカ売れ」キラーコピーが面白いほど書ける本
「バカ売れ」キラーコピーが面白いほど書ける本 中山 マコト

中経出版 2008-08-22
売り上げランキング : 48951

おすすめ平均 star
starコピーを考えることって、サービスを見直すってこと。
star書けそうで書けない
starそろそろ第三者の意見を。。。

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『READING HACKS!―読書ハック! 超アウトプット生産のための「読む」技術と習慣』

原尻淳一さんの著書、「READING HACKS!―読書ハック! 超アウトプット生産のための「読む」技術と習慣」を読んだ。
著者は「ハック」を、
●何かの対象にのめる込む「きっかけのマネジメント」「仕事を効率的にさばく技術」が共存しながら、閉塞したビジネス環境にスマートさとポップを注入する方法
と定義します。
この「ハック」の考え方を用いて、本書では
●「リーディング・ノウハウ」を誰もがわかりやすく吸収できるものに変換する
●読書をアウトプット=成果に直結させる
ことを目的としたノウハウ・テクニックを解説しています。
読書自体が楽しくなると、習慣化しやすくなります。
しかし、かといって楽しむことが目的になり、本を読んでなんとなく頭がよくなった気分で満足してしまっても、成果にはつながりません。
●なかなか本を読む習慣が身につかない
●読書は習慣化しているが、アウトプット=成果につながっていない
●だんだん読書に対するモチベーションが下がってきた
こんな悩みを抱えている方にお勧めです。
以下、私が興味を持った、もしくはすぐ取り入れようと思ったものを紹介します。
寄り道読書術
●どうしても興味を持てないテーマのものを読まなければならないときは、興味の対象を別の部分にずらしてみる
 ・著者の経歴やエピソード
 ・著者の声
 ・著者のインタビュー
 ・著者のブログ
書斎を充実させる
●家の中に快適な勉強空間をまず構築する
●ポイントは椅子
 ・無印良品の低反発クッションとクッションシートがお勧め
●自宅に図書コーナーを作る
私も、来年からは一人暮らしなので、自分の部屋を書斎にすべく、机と椅子は快適なものを買う予定です。
本棚は先取りして既に購入したのですが、だんだん一杯になってきました。
自分の生涯読書のなかで、改めて本のランキングを書き出してみる
ランキングって、やはり人をひきつける魅力がありますね。
本が200冊近くたまってきましたし、ジャンル別お勧め書紹介記事でも書いて、定期的に整理するといいかもしれませんね。
太字ゴシック読書
●最近の本は、著者の強調したい部分が太字になっている
●これを読むだけで著者のいいたいことをほぼ把握できる
私は読書する際に、まず目次などを通して本の全体像を把握してから読むようにしてます。
著者のように、太字ゴシック部分だけ先に読んで著者のいいたいことを大体把握してしまってから、部分を読んでいく、もしくは必要な部分だけ読んでいく、というのもいいと思います。
70:20:10
●7割は自分のビジネス領域に関わる本を読む
●2割は周辺領域の本を読む
●1割は全く新しい未知の領域の本を読む
この黄金率でまずは自分の領域に関する思考のホーム・グラウンドを作り、その上で他領域の考え方も取り入れ、更には未知の領域に触れることで「予期せぬ偶然の出逢い」も能動的に取り入れるわけです。
まずはある特定の分野のスペシャリストになりたいという方に、お勧めですね。
ブログで思考のデータベースを構築
ブックストッパーを使うと、本の内容をパソコンに打ち込むときにいちいち本を抑える必要がなく、便利なようです。

READING HACKS!読書ハック!―超アウトプット生産のための「読む」技術と習慣
READING HACKS!読書ハック!―超アウトプット生産のための「読む」技術と習慣 原尻 淳一

東洋経済新報社 2008-10
売り上げランキング : 6447

おすすめ平均 star
star読書術について、意外によくまとまっている
star入門書としてオススメ
star行動しアウトプットするための読書

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『フリーエージェント社会の到来―「雇われない生き方」は何を変えるか』

ダニエル・ピンクの著書、「フリーエージェント社会の到来―「雇われない生き方」は何を変えるか」を読んだ。
本書は以前、hiroさんのブログにて紹介されていた一冊です。

二〇世紀後半、アメリカの社会と経済を理解するカギは、「オーガニゼーション・マン」だった。それに対して、二一世紀前半のアメリカを象徴する人物像は、フリーエージェント―すなわち、決められた一人の上司の下で働くのではなく、大きな組織のくびきを離れて、複数の顧客を相手に、自分にとって望ましい条件で独立して働く人たちである。

2001年に出版されたので、現在の状況とはまた少し変わっているのかも知れませんが、フリーエージェントの実態に迫り、今後のフリーエージェント社会の未来像を描いた、なかなか面白い一冊です。
簡潔にまとめると、現在アメリカではフリーエージェントと呼ばれる人たちが増加しているようです。
その数、なんと3300万人(2001年当事)といわれ、アメリカの労働人口のほぼ1/4にあたるのだそうです。
その背景には、
1.従来の、従業員が忠誠心と引き換えに会社から安定を保障してもらうという関係が崩壊
2.生産手段が小型で安価になり、個人でも所有できるようになった
3.社会が発展した結果、仕事の目的は稼ぐことだけではなく、やりがいを求める人が増えた
4.組織の寿命が短くなった
というアメリカ社会の変化があったそうです。
これって、ある程度現代の日本にも言えることですよね?
しかし、かたやアメリカではフリーエージェントと呼ばれる人たちが、
組織に身を隠すのではなく、自分の仕事に責任を持って
自分自身の成功の定義に従い
自由、自分らしさを求めて
働いているのに対して、日本ではニート、フリーターが社会問題になっています。
この違いは何なのでしょうか?
日本もアメリカみたいにフリーエージェントが増えればいい、とまでは思いませんが、フリーエージェントのいい部分を日本の組織人ももっと吸収したほうがいいのではないかと、本書を読んで思いました。
例えば、
組織に身を隠すのではなく、自分の仕事に責任を持って
という部分は、特に今後重要になってくると思います。
●終身雇用制度、年功序列制度の崩壊
●安い労働力の輸入
●進むグローバル化
などといった環境の中、もはや個人が組織の中でろくにトレーニングもせずにぬくぬくとやっていけるとは思えません。
ぬるま湯につかっていたら、ある日会社が倒産、もしくはリストラにあって、ろくにスキルを磨いてこなかったためにどの企業も雇ってくれず、再就職先がみつからない。
そんな事態にならぬよう、今後は個人が会社のブランドではなく、個人のブランドで稼げるようにならなければならないのではないかと思います。
また、いつでも会社を辞められる立場にあるからこそ、しがらみを気にせずに起こせる行動もあります。
そういう人が組織を改革していき、価値のあるアウトプットを通して成果を積み重ねていくのではないでしょうか。
フリーエージェントの働き方から、私たちが学べるものは非常に多いと思います。
なお、ピーター・モントヤの「パーソナルブランディング 最強のビジネスツール「自分ブランド」を作り出す」とあわせて読むと、より効果があると思います。
是非読んでみてください。

フリーエージェント社会の到来―「雇われない生き方」は何を変えるか
フリーエージェント社会の到来―「雇われない生き方」は何を変えるか Daniel H. Pink 池村 千秋

ダイヤモンド社 2002-04
売り上げランキング : 13327

おすすめ平均 star
starバランスが良い、弱い絆の力には驚いた。
starネット社会がもたらした自営業の復活
star”石がなくなったから石器時代が終わったのではない”

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TOEICの結果が出ました

9月28日に受けたTOEICの結果が出ました。
初受験、準備期間3ヶ月、ノルマ900点、目標950点でやってきましたが、結果は945点でした。
あと5点で950台だったのかと思うと若干悔しいですね。

しかし、結果自体は十分喜べるものですし、4ヶ月前と比べればかなり勉強の成果も出ていますので、良かったと思います。
また、ここで950点をとって変に満足してしまわなくてよかったのかもしれません。
来年就職する会社の関連で、昨日は初級システムアドミニストレータの試験を受けたのですが、
解答速報を見る限りギリギリのようです。
午前:60/80
午後:69/80
午後はいいとして、午前はちょっと微妙です。
とりあえず英語の勉強は、洋書を読んだりオーディオブックを聞いたりしながら続けつつ、次は「ビジネスの言語」、簿記の勉強を始めようと思います。
会計士とか税理士までいくつもりはありませんが。

『転職は1億円損をする』

石渡嶺司さんの著書、「転職は1億円損をする」を読んだ。
本書は早期退職を安易に考える最近の風潮にまったをかけたものです。
特にこれから就職を迎える学生や、既に就職してなんとなく転職しようなどと考えてしまっている方は必読だと思います。
本書で言う「転職は1億円の損」というのは、1社に定年まで勤めた場合の生涯年収と、途中で転職を行った場合の生涯年収との差を比較したものです。
その計算過程は細かく解説されていますが、そもそもの「1社に定年まで勤める」という前提に、既に終身雇用制度と年功序列制度が崩壊したと言われ、また、企業の寿命は30年を言われる現在、無理があると思います。
なので「1億円の損」という数字を額面どおり受け取ることはできないと私は思いますが、しかし、
●「転職すれば自分に合う仕事が見つかるんじゃないか」
●「転職すれば年収がアップする」
などと安易に考えた人が、人材紹介会社にうまくのせられた結果、自分が望んだものとは全く異なる悲惨なキャリアに陥っていることは事実だと思います。
まず、転職すれば年収があがるというのは間違いです。
もちろん能力のある人がより自分の力を発揮できる環境に移ったりした場合は異なります。
しかし賃金が能力に対して払われるものである以上、ろくにスキルの身についていない若者が転職してキャリアアップできるなどというのは幻想に過ぎません。
こうした当たり前のことも見抜けずに人材紹介会社に上手にあおられている若者も若者ですが、あおっている人材会社はもっとたちが悪いのではないでしょうか。
転職ビジネスは仕入れが出来ません。
あくまで転職希望者が連絡しない限りは、仕入れが出来ないのです。
だから転職をあおるのです。
本当は転職をした結果多くの人が損をしているという事実を知っていながら、
●「転職すれば年収があがる」
●「自分に合った環境が見つかる」
●「若いうちは冒険したほうがいい」
などといってくるわけです。
これで転職ビジネスは非常に儲かることになります。
2006年度の段階で転職市場は既に1000億円規模になったようです。
しかし、転職ビジネス会社が大きくなるほど早期退職者が増え、日本企業の活力は失われていきます。
新卒で何もできない若者に研修費等さんざん投資した挙句、投資を回収する前にやめられてしまうのだから当たり前です。
もちろん転職ビジネスだけにすべての責任があるわけではないでしょう。
しかし、自らの利益をあげるために若者のキャリアをいたずらに傷つけ、企業の活力を奪っている彼らのやっていることは「悪」だと私は思います。
結局転職に失敗した若者は、また転職することになります。
しかし、ろくに勤務せずにすぐに辞めてしまう様な人を、企業は採用したいとは思いません。
また、無用な転職はキャリアを傷つけるばかりではなく、時間の浪費にもなります。
なので私は学生は「新卒の3割が3年以内に辞める」というデータをもっと真剣に受け止めたほうがいいと思います。
「面接の必勝法」だとか、「内定ゲット法」のようなものは読まなくていいので、それよりはいい企業と悪い企業を見抜く方法や、自分の特性はどういうところにあり、将来何をしたいのかなどを理解したほうがいいでしょう。
一番いいのは本を多く読み、いろいろな人の生き方のロールモデルに触れることだと思いますが、いくつか特にお勧めできる本があると思います。
ウェブ時代をゆく ─いかに働き、いかに学ぶか (ちくま新書)
作者: 梅田望夫
出版社/メーカー: 筑摩書房
発売日: 2007/11/06
メディア: 新書
「ウェブ時代をゆく」梅田望夫
ウェブにより新たな産業革命を迎えたこの時代をどうやって生きていけばいいのか、そのロールモデルを示した非常に参考になる一冊です。
辞めない採用、即戦力の育成で儲かる会社になる!
作者: 小山昇
出版社/メーカー: あさ出版
発売日: 2008/08/19
メディア: 単行本(ソフトカバー)
「辞めない採用、即戦力の育成で儲かる会社になる! 」小山昇
中小企業向けに書かれた採用ノウハウ本ですが、逆に学生が読むことで「採用のミスマッチ」という最大の失敗を防ぐために学生が何を見極めなければならないのか、理解できる一冊です。
ザ・ビジョン 進むべき道は見えているか
作者: ケン・ブランチャード, ジェシー・ストーナー, 田辺希久子
出版社/メーカー: ダイヤモンド社
発売日: 2004/01/08
メディア: 単行本(ソフトカバー)
「ザ・ビジョン」ケン・ブランチャード
「未来のイメージ」「目的」「価値観」の明確化、共有、実践がなされている組織とそうでない組織とでは、パワーが全く異なるということが深く理解できる一冊です。
さあ、才能(じぶん)に目覚めよう―あなたの5つの強みを見出し、活かす
作者: マーカスバッキンガム, ドナルド・O.クリフトン, 田口俊樹
出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
発売日: 2001/12/01
メディア: 単行本
「さあ、才能(じぶん)に目覚めよう―あなたの5つの強みを見出し、活かす」マーカス・バッキンガム
自分の強みの土台となる資質のうち、自分が最も強く持っている5つを「Strengths Finder」という診断テストによって教えてくれる一冊です。
自分がどういう方面で力を発揮できるのかを考える上で、非常に役に立つと思います。
余談ですが、「転職すればもっと自分に合った環境が見つかるのではないか」と考えている人も、まずはしっかりと自分に合う環境とはどういう環境なのか、理解しなければならないでしょう。
そのためにはまず自分の特性を知ることだと思います。
まだ受けたことのない人も、既に一度受けたという人も、「Strengths Finder」を受けてみてはいかがでしょうか。
hito-kanさんのように、6年後に受けてみたら自分の思考・行動パターンに変化が見られ、いくつかの資質が変化していたということがあるようです。
※hito-kanさんの記事はこちら
参考リンク:
転職は1億円損をする – to-rainbowsのビジネス書日記

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