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Author Archives: 河村 拓

『仕事はストーリーで動かそう』

仕事はストーリーで動かそう
仕事はストーリーで動かそう 川上徹也

クロスメディア・パブリッシング(インプレス) 2008-11-12
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川上徹也さんの「仕事はストーリーで動かそう」を読んだ。

ビジネスの現場にいる方だと納得していただけると思うのですが、人は論理=ロジックやデータだけでは動かないものです。むしろ感情で動くことの方が多いくらいですよね。

ストーリーには人の心を動かす力があるのです。

本書はこの「ストーリーで人を動かす技術」について、非常に分かりやすくまとめています。
人はいつも理性に従って行動しているわけではありません。
私も本を薦めるときや、読書の良さを相手に伝えたいときなどにこのことを痛感するのですが、ただ論理的に本を読むことの効用を語った場合と、その本を読むことによって得られる未来のストーリーを生き生きと描いて見せた場合とでは、相手に与える影響力が全く違うのです。
ロジックだけでは動かなかった相手の感情が、自分が描いてみせたストーリーに共感すると、大きく動いてしまう。
この「ストーリーで人を動かす技術」、様々な場面でかなり強力な武器となります。
例えば営業の際、ただ商品の良さを売り込むよりも、その商品を購入することによって得られるメリットを示した未来のストーリーを語ったほうが、相手の感情をより強烈に動かすことができます。
このとき、顧客は機能の高い商品を求めているのではなく、その商品を購入することによって得られる「未来」を購入しているのです。
また、困難にめげず、高い志を実現しようとがんばる人に、人は心を動かされるものです。
自信のミッションを掲げて、その実現に向けて取り組んでいる自分の姿をストーリーにしてしまえば、それだけで強力な個人ブランド、「ストーリーブランディング」ができてしまいます。
そして何より、ストーリーは人の感情だけでなく、行動をも変える力を持っています。
「ミッション」に向けて走り出し、それを実現する過程や、実現したときに、会社はどうなっているのか、社員はどんな未来を手にしているのか、世の中がどう変化しているのか、それを語ったものこそが「ビジョン」なのです。

たとえ今がうまくいっていなくても、信じられるビジョンを語ることのできる経営者に人はついて行こうと思います。社員や従業員もそれを現実にさせたいと思うようになります。自分たちひとり一人が何をすべきか考えるようになります。

周囲を巻き込み、一人では実現できないようなミッションをチームの力で実現させてしまう「ビジョン」は、まさに究極のストーリーと言えます。
実は本書、著者の川上さんから献本していただきました。
献本していただいたとはいえ、ここは私が感じたことを素直に書くブログなので、思ってもいないことを書くつもりはありません。
また、川上さんからも「面白くなければ取り上げなくても、厳しく斬っても構わない」と言っていただいています。
その上で言いますが、本書は非常にお勧めです。
特に、自身のミッションをようやく見つけた私にとって、本書は「まさにこんな本が読みたかった」と言える一冊でした(189ページ中、線を引いたページが40ページ以上ありました)。
未来のストーリーで周囲を巻き込み、一人では到底実現できないこのミッションを果たしていく、そんな個人に私はなろうと思います。
●なぜストーリーなのか
●どうすれば人の心を動かすストーリーが作れるのか
●どんな場面でストーリーを活用できるのか
といったことがこれでもかというくらい、分かりやすく解説されています。
特に未来のリーダーにとっては必須のスキルなのではないでしょうか。
是非読んで、ストーリーを語る力を身につけてください。
なお、著者の川上さんが以下のブログで、本書が30万部のベストセラーとなることを目指すプロモーションの様子を公開しています。
「クチコミシート」など、面白いアイデアが紹介されているので、将来出版しようという方は、参考にしてみてはいかがでしょうか?
「仕事はストーリーで動かそう」が、30万部のベストセラーになっていくストーリー
以下、私用メモ
● ストーリーはあくまで手段
 ・エンターテイメントではストーリーは目的になる
 ・仕事ではストーリーは手段に過ぎない
 ・短く、シンプルで、分かりやすいのが良い
 ・商品の実力以上のものを伝えることはできない
 ・ポテンシャルを引き出すのがあくまで目的
● ストーリーのメリット
 ・差別化できる→オンリーワンになれる
 ・感情移入できる→人・商品・企業のファンになる
 ・イメージを共有できる→行動にかりたてられる
 ・人に伝えたくなる→クチコミが広がる
 ・伝説になる→ストーリーが一人歩きする
● ストーリーの黄金率
 ・何かが欠落している、もしくは欠落させられた主人公
 ・主人公が何としてもやり遂げようとする遠く険しい目標・ゴール
 ・乗り越えなければならない数多くの葛藤・障害・敵対するもの
● 営業ストーリー
 ・顧客はあなたや企業や商品に興味がない
 ・顧客を主人公にし、顧客が大きなメリットを得られるようなストーリーを描く
 ・「得意先に何が欠落しているかを見つける」ことが最大のポイント
● ストーリーブランディング
 ・まず自分の「ミッション」を見つけることから始まる
 ・ミッションを達成するための頑張る自分の姿をストーリーにする
 ・自分のストーリーを人に語る

仕事はストーリーで動かそう
仕事はストーリーで動かそう 川上徹也

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初級システムアドミニストレータ 試験結果

10月19日に受けた初級シスアドの結果が今日出ました。
なんとか受かってました。
内心ハラハラしてたので、ほっとしました。
引き続き簿記の勉強を続けようと思います。

『「バカ売れ」キャッチコピーが面白いほど書ける本』

中山マコトさんの「「バカ売れ」キャッチコピーが面白いほど書ける本」を読んだ。
本書は以前読んだ「「バカ売れ」キラーコピーが面白いほど書ける本」よりも前に書かれた一冊なのですが、内容的にはまた違うことが書かれているので、こちらもお勧めです。
実はこの本しばらく机の上に積んであったのですが、昨日読んだ「非常識な成功法則」に自分に都合のいい肩書きを作るというのがあったので、自分のキャッチフレーズを作るためのヒントはないかという視点で読んでみました。

なぜ、それを選ぶべきなのか?を気づかせてあげること

これは著者の考えるキャッチコピーの役割なのですが、これを応用するなら、
何故、自分とつきあうべきなのか?を気づかせてあげること
といった具合でしょうか。

あなたのパーソナルブランドは強力、明晰かつ前向きな人物像であり、人々があなたのことを考えるたびに心に浮かぶものである。これは人々があなたのことを関連付けるための価値、能力、行動を象徴するものである。

これはピーター・モントヤの「パーソナルブランディング 最強のビジネスツール「自分ブランド」を作り出す」からの引用ですが、これも合わせて考えるならば、
キャッチフレーズとは、相手のメリットになるような自分の特徴を、分かりやすく伝えるもの
と言い換えられるでしょうか。
自分の取扱説明書のようなものですね。
では相手のメリットになるような自分の特徴は何かと言われて、すぐに思いつくでしょうか?
自分が考えているものと、実際に相手が感じているものの間にはズレがあるかもしれません。
ではどうするのか。

人に訊く、です。

●何故買ったの?
●その商品は、あなたに何を与えてくれるの?
●それを使うと、どんな気持ちになる?
と、聞いて見るのだそうです。
確かにこれが一番早くて確実ですね。
そういえば月曜日の読書会ではこんな会話がありました。
「○○さんの話には説得力があるんですよ!」
「○○さんの話聴くと、俺もこんなふうになりたいなって思うんですよ!」
「前は本なんて年に1冊読むか読まないかでしたけど、今は読書が楽しいんですよ!」
※○○には私の名前が入ります
こんなことを言ってくれる仲間を持って、つくづく私は幸せ者だなと思ったのですが、早速これを取り入れてキャッチフレーズを考えてみました。
「Super Futuristic Motivator(スーパー・フューチャリスティック・モチベーター)」
超未来志向モチベーター、人を未来に駆り立てる男といったところでしょうか。
なんだかとても熱くてウザイキャラクターの臭いがぷんぷんします。
もう少しキャッチフレーズの勉強をしたいですね。
というわけで検索してみたらありました。
「バカウケ」キャッチフレーズで、仕事が10倍うまくいく―たった1フレーズで、あなたはブランドになる! (Dream skill club)
作者: 中山マコト
出版社/メーカー: 学習研究社
発売日: 2008/09
メディア: 単行本
同じ中山マコトさんが、しかも新刊を出してたとは…。
もちろん読んでみます。
そのときまでこのキャッチフレーズは保留ですね。

「バカ売れ」キャッチコピーが面白いほど書ける本
「バカ売れ」キャッチコピーが面白いほど書ける本 中山 マコト

中経出版 2006-06-20
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starターゲットを絞ってココロに響かせるコツ
star「通販生活」のようなビジネス書
star売れるキャッチコピーの書き方がシンプルにまとめられている

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『非常識な成功法則―お金と自由をもたらす8つの習慣』

神田昌典さんの「非常識な成功法則―お金と自由をもたらす8つの習慣」を読んだ。
始めて神田昌典さんの著書を読んでみました。
想像・期待をはるかに超える内容で、思わずのめり込みながら一気に読んでしまいました。
●成功は「悪の感情」から始まる
目標を紙に書いて毎日ニタニタしながら眺めれば実現できる
殿様セールスをすれば儲かる
なるほど確かに非常識です。
しかし、「常識的か非常識か」=「正しいか正しくないか」ではありません。
一見非常識でも、ロジックをしっかりとおえば実は非常に理に適っていることが分かりました。
本書の最も優れている部分は、このロジックだと思います。
例えば「目標を紙に書いて毎日見れば実現する」ということは他のいろいろな自己啓発本にも書かれていますが、これだけを見ても「そんなはずがない」という疑問がぬぐえず、結局実践できない人は多いと思います。
本書のロジックには、この疑問を解消し、読者を実践に駆り立てる魔力のようなものを感じてしまうのです。
何故目標を紙に書いて毎日眺めるだけで、それが実現してしまうのか、それをただの不思議な法則として紹介するのではなく、その原理を誰にでも理解・納得できる論理的な切り口・つながりで語ってしまうのです。
本書を読んで私は、神田昌典さんという方は常識的発想にとらわれず、自分の頭で物事を考えて本質を見抜く力が抜群に優れている方なのではないかと確信しました。
とにかく頭がいい。
難しいことを簡単に言うとは、この人のことを指すのだなと思いました。
本書に書かれている8つの習慣のなかで、本書ではじめて目にするものはほとんどありませんでした。
しかし読後の納得感、「これは実践したほうがいい」と思わせる説得力は、全て始めてのものでした。
読んでいて脳が活性化する一冊です。
お勧めなのでまだの方は是非、「是非!」読んでみてください。
以下、私用メモ
● 悪の心を利用する
 ・嫉妬、敵対心、見栄、虚栄心等の「悪」の感情は、もってはいけないと言われる一方で、非常に高いエネルギーを持っている
 ・逆に金銭的に豊かになっていないうちに、社会に貢献しようという動機だけで高いエネルギーを発するのは難しい
 ・不純な動機を無理に否定してもうまくいかないので、逆にこのエネルギーを利用してまずは金銭的に豊かになってしまい、そのあと社会貢献すればいい
● 目標は紙に書くと実現する
 ・良い目標とは、その実現に向けてあなたを自動操縦するもの
 ・良い目標を設定するには自分のやりたいことを明確にすること、そしてそのためにはまず、自分のやりたくないことを明確にすること
 ・良い目標に加えてミッションを持つことで、脳のアンテナが敏感になり、必要な情報や資源を効率的にキャッチするようになる
 ・自分の命が後半年しかないとしたら、何をするか?
 ・その半年の間に、お金を一銭も得られないとしてもやるべきことは何か?
 ・「実現するリスト」「ミッションステートメント」を作る
● 自分に催眠術を書ける
 ・目標を書いた紙を、毎朝、そして毎晩、ぼや~眺める
 ・目標設定するときは、現在形を使う
 ・眺めながらニタニタする
 ・クリアファイルに入れて、いつでも持ち歩く
● 都合のいい肩書きで、都合のいいセルフイメージを持つ
 ・セルフイメージが変わらなければ、目標は実現できない
 ・自分にふさわしい肩書きを作って、毎晩眺める
● 耳学習
 ・セミナーや講演のテープを移動中に聴く
● 殿様営業
 ・マーケティングとは、「優良な見込み客を、営業マンの目の前に、連れてくる」こと
 ・セールスとは、「見込み客を、営業マンが成約する」こと
 ・」効果的なセールスをするには、お客を説得するよりも、お客を見極めることがカギになる
 ・「あなたが買わなくても私は別に構いません」というニュアンスをそれとなく態度で示す
 ・広告宣伝についての知識を持っていると、独立開業がスムーズになる
 ・「感情」つまりお客が買いたくなる感情はどうすれば起こるかを心理学で学ぶ
 ・営業マンは、購入する確立が高いお客にだけ時間を使い、購入する確立が低い客はさっさと断る
 ・自分にとってふさわしくない客は断る
 ・万が一怒られても構わない、「お客と仲良くすればそのうち買ってくれる」は幻想
 ・「お願い営業はしない」「できるだけ早くNOの返事を得る」
● 年収は自分で決める、稼ぐ
 ・お金持ちを揶揄する人は、「お金より社会貢献が重要だ」とか言いながら年収500万で満足してないで、1億円稼いで9500万円寄付してください
● 決断を思い切る必要はない
 ・実現したい状況に至るまでのシナリオを描く
 ・現在の「いい面」を最大限残し、同時に将来の「悪い面」を最小化する

非常識な成功法則―お金と自由をもたらす8つの習慣
非常識な成功法則―お金と自由をもたらす8つの習慣 神田 昌典

フォレスト出版 2002-06
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おすすめ平均 star
star他の自己啓発本との併読をおすすめします。
star常識的な成功法則
star面白く楽しい成功書

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『本当はすごい私 一瞬で最強の脳をつくる10枚のカード』

苫米地英人さんの「本当はすごい私 一瞬で最強の脳をつくる10枚のカード」を読んだ。
本書は以前読んだ「努力はいらない! 「夢」実現脳の作り方」よりも前に書かれた苫米地さんの一冊です。
本書も素晴らしい内容なのですが、「努力はいらない! 「夢」実現脳の作り方」と内容がかなりかぶるので、両方を読む必要はないと思います。
また、まだどちらも読んでいない人であれば、私は「努力はいらない! 「夢」実現脳の作り方」のほうをお勧めします。

他人の目に自分がどう映っているかを気にするのはナンセンス。そもそも「他人の目に映る自分」自体が自分自身のつくり出した虚像なのですから、それを物差しにするなど意味のないことです。

これも”ランク付け”と同じで、「社会の価値観」なんて物差しを持っても、過去の達成感が定義する「幸せ」が得られるだけです。

資本主義社会、世間の定義する成功、他人の目など、私たちは「本当の自分」であることを許そうとしない様々な物事に囲まれていて、そのため「自分のなりたいもの」「自分のやりたいこと」が見えなくなっています。
本書はそんな現代社会の中で自分の「志」を見つけるための方法が説かれています(詳しくは以前の記事を参照)。

自分の価値というものは、出身大学や勤務している会社のブランド・職種、稼ぎ、容貌、血筋などとは関係なく、何をゴールにして生きるか、その志にあります。

私たちの未来を決めるのは過去の実績や今まで積み上げてきたものではなく、これからどんな未来をつかむのか、あくまでその選択なのです。
そしてその選択を決めるのが「志」なのです。
苫米地さんの著書は「選択のボトルネック」(詳しくはこちらの記事を参照)を解除するのにうってつけの一冊。
まだ読んでいない方は、是非「努力はいらない! 「夢」実現脳の作り方」のほうを読んでみてください。

本当はすごい私 一瞬で最強の脳をつくる10枚のカード
本当はすごい私 一瞬で最強の脳をつくる10枚のカード 苫米地 英人

講談社 2008-08-06
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star奴隷として 有能なヤツが 「現代型奴隷制度」 から脱出する場合
starもう一度、自分を好きになれる本
star?????

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『頭のいい人が儲からない理由』

坂本桂一さんの「頭のいい人が儲からない理由」を読んだ。
本書はhiroさんのブログにて紹介されていた一冊です。
●頭のいい人は儲からない
●一本筋の通った人は失敗する
●常識はビジネスの敵
●まじめで勤勉だと成功が遠ざかる

と、かなり天邪鬼な内容が書かれていますが、要するに自分の頭で考えることをせず、どこかにある(と思い込んでいる)正解を探し続けているうちは成功しないということだと思います。

それなのに、どうも日本人はいつもどこかに正解があると無意識のうちに思ってしまうらしい。それで、正しいWHATを探すのにばかり時間と労力をかけるのだ。そのくせHOWにはそれほど気を使わず、通り一遍のことしかしなかったりする。その結果、うまくいかなかったりすると、やっぱりあっちを選ぶべきだったとその原因をWHATのせいにして後悔するのである。

答が先にありきで、丸暗記だろうがなんだろうが答えさえ合っていればよしとされるなどというのは、受験勉強にしか通用しない特殊な考え方だということを、まずわからなければダメだ。

言われたことを素早く、正確にこなすことがひたすら求められるような環境で働くのならば、このような正解まずありきのやり方でも通用するのでしょう。
しかし、何か新しいものを生み出そうというときには、資料を探そうが、ネットで検索しようが、どこにもマニュアルや正解はないわけです。
そんなときは自分の頭で考える作業、つまり仮設を立て、様々な情報を基に検証し、緻密な戦略を自らつくるということをしなければならないのです。
そんなときに常識は何の役にも立ちません。
常識とは、今までに人々が考えてきた「正しい」と思われる事柄の集合体に過ぎないのですから。
常識が悪であると決め付けるのは良くないと思いますが、自分の頭でその真意や真価を考えることなく、また、物事の本質を考えることなく、常識や世間のならわしといったものに依存してしまうのはもっとまずいと私は思います。
また、毎日塾に通って、テストでいい点を取って、いい大学に入って、一流の企業に入社すれば幸福になれるという「入学歴・入社歴」の考え方もどうかと思います。
価値観も、考え方も、何に幸福を感じるかも人それぞれなのですから、
「世間」がどう思うか
ではなく、
●「自分」の目的は何なのか
●「自分」はどういう生き方がしたいのか
●「自分」はどうすれば幸福になれるのか

を、最終的には自分の頭とハートで考えるということが、ただ「生きる」のではなく、より一人ひとりが「活きる」ためには必要なのではないでしょうか。
あくまで正解は自分の中にあるもので、本から得た知識や人との触れ合いから得た情報も、自分の中にある正解をとりだすための触媒に過ぎない。
だからこそ、”Follow your heart”なのだと、私は思います。
ビジネスにしても、生きることにしても、常に自分の頭で考えられる人でありたいですね。
今まで自分の頭で物事を考えるということをしてこなかった人には、かなりガツンと来る内容だと思います。
お勧めです。

頭のいい人が儲からない理由 (講談社BIZ)
頭のいい人が儲からない理由 (講談社BIZ) 坂本 桂一

講談社 2007-03-27
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star圧倒される人なんですよね
starソフトウエア界の草分け
star「考える」ことを止めないために

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『ブログ道』

久米信行さんの「ブログ道」を読んだ。
本書は既にブログを始めている方、またはブログを始めようかと考えている方にかなりお勧めしたい一冊です。
本書に書かれているのはブログの「真価」であり、ただ日常をダラダラをつづるだけにとどまらず、自分の成長を後押し、同士と出会うきっかけにまでブログの効用を高めるための心構え・手法が書かれています。

ブログをテコにして、自分らしい生き方を模索し、時に楽しみ時に苦しむ様を、読者にさらしながら、自分で見つめながら成長していく。そんな新しい生き方こそが「ブログ道」の本質だと思います。

ダラダラと日常を書き連ねるだけの意味のないものにすることもできますが、使い方次第では自分を日々見つめなおすためのツールにも、自己実現を促すツールにも、そして、自分と価値観や理念の合う人たちと出会うためのツールにもなりえるのがブログです。
私もブログを通して、
●アウトプットの練習
●読んだ本を脳内に体系化
●自身の価値観、理念の発信
●価値観や理念、マインドの合致する人たちとの出逢い
●出逢いを通じての新しい気づき、発見

といったことを実現したいので、本書は非常に参考になりました。
以下、気になった箇所を紹介します。
● デザインよりもメッセージそのものの方が大事
もちろん私もメッセージそのものの方がデザインよりも重要だと思います。
が、デザインも重要だと思います。
「デザインとは外見の美しさではなく(それもあるが)、機能のことである」
もちろん見た目の美しさも大事ですが、それ以上に読む側にとって読みやすいレイアウトになっているかどうか、どこを見れば目的の情報が得られるかが明確であるか、というユーザーにとっての利便性がより大事だと思います。
●重要な箇所は分かりやすく色を変え、字を大きくする
●適度に改行、空白を入れて、読みやすくする
●直感でどこに何があるかがわかるような配置にする
といったことを工夫するのも、ブログの醍醐味だと思います。
私もCSSで四苦八苦しながら、地道に改良しています。
● 生涯かけて取り組む夢や理念を描く

ブログを読み進むうちに、その人が生涯かけて取り組む夢や理念が感じられないと、本当の元気が伝わってこないような気がします。

ただ「性格が明るい」「話題が面白い」「書いているのが成功者」というだけで、そのブログが人を元気にし、深く共感を与えるわけではないと著者は述べていますが、私もそのとおりだと思います。
本当に人を心のそこから元気にするには、そもそも発信者に心のそこから湧き出てくるような「強烈なメッセージ」がなければならないのではないでしょうか。
ただ単に本の内容を褒めたり、面白く書くのではなく、思わず読者が「自分もやってみよう!」と立ち上がりたくなるような、魅力的な未来を示せる記事を書きたいと、私も常々思っています。
● ブログは実名で

しかし、ブログ道を歩む方なら迷わず「名誉をかけて実名で舞台に上がる、語り続ける」ことをお勧めします。それはもちろん責任とリスクを伴いますが、だからこそ自分を見つめ直し、縁者からの叱咤激励を受けられる「新しい習慣」につながると確信しています。
(中略)
実名で発信する人は実名で発信する人を信頼します。

なるほど、ご意見ごもっともです。
でも私は今のところブログで実名を公開する予定はありません。
mixiではマインドの合致する、信頼できる人とだけマイミクシィ関係を結ばせていただいているので、そちらでは実名を公表していますが。
● プロフィールを充実させる
確かに、ブログの記事を読んで気になったら、まずは書いている人のプロフィールを見たいと思いますよね。
しかしそのプロフィールがいい加減な内容だと、がっくりしてしまいます。
私もプロフィールは気を使って書くようにしています。
信条などがうまく伝われば、共感してコンタクトしてくれる人がいるかもしれませんしね。
近々また少し中身を改善しようと思います。
● 個人名刺にブログアドレスを載せる
これは絶対にやろうと思ってます。
会社の名刺に個人のページ情報を載せるのは難しいかもしれませんが、会社の名刺を渡すときに同時に自分で作った個人名刺を渡すことなら出来るはず。
いい出逢いのきっかけを作るツールですから、これも自己投資だと思って、印象に残るような、個性の伝わる名刺を作りたいですね。
というわけで、基本的には無料であるにもかかわらず、使い方次第では莫大な恩威をもたらすのがブログです。
いい時代になったものですね。

ブログ道
ブログ道 久米 信行

NTT出版 2005-12-23
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おすすめ平均 star
starうざい本です。
starブログの伝道師(エバンジェリスト)
star「メール道」ほどでは・・・・

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『この「社則」、効果あり。』

柳澤大輔さんの「この「社則」、効果あり。」を読んだ。
本書はマックさんのブログにて紹介されていた超面白い一冊です。
『面白法人カヤック』代表の柳澤さんが、他社やカヤックのユニークな社則を集めて紹介しています。

毎月1度、「○○ファッションデー」をもうける。
その日、社員は、○○に沿ったファッションをして
出社しなければならない。

これはどのような格好をするかを考えることで、クリエイティブな思考を養うことを狙ったものだそうです。
なるほど、確かに楽しみながら「いかに相手を楽しませるか」を考える、いい訓練になりそうです。

社員は月に一度、給料日前にサイコロを振らなければならない。
そして、基本給×「サイコロの出目」%が
その月の「サイコロ給」として支給される。

人が人を評価することに、正解なんてない。
給与なんて、サイコロで決めるくらいでちょうどよい、という思いがあるのだそうです。
もうここまでくると、価値観の合う合わないの問題になってきますね。
他にも、面白いものが満載です。
「【元気玉募集!】○○○について」「オラにアイデアを分けてくれ…」
アイデアに詰まったとき、社内に送信するのだそうです。
こんなのが送られてきたら楽しいでしょうね。
アイデアじゃなくてお金を分けてほしいときは、
「【現金玉募集!】オラにお金を分けてくれ…」
で応用できますね。
ちょうどゴクウもニートみたいですし。
BM11(ブッコミイレブン)
「ブッコミ」を使命とする11人の集団なのだそうです。
オーシャンズ11みたいで、かっこいいですね。
ちなみにBM11のHPがこちらにありました。
オーシャンズ11とは違って、カオスですね。
管理部→ギブ&ギ部
「お客様は社員」をあらわした部署名なのだそうです。
私はこういう面白い社則はOKだと思います。
こういうちょっとしたことで職場が明るくなり、仕事が楽しくなれば、本業のほうにもいい影響を与えそうです。
ただ、「面白い」「楽しい」というのは結構人によって基準が違うので、皆が満足する「突飛な」ルールを作るのはかなり難しいことだと思います。
なので、ルールを作ることそのものも、いいクリエイティブ思考の発想になりますね。
本書を読むだけでも、かなりインスピレーションを得ることができました。
最後に個人的にツボにはまったものを紹介します。

ひと月に5回以上の遅刻をした社員は、
その翌日、全身タイツで勤務しなくてはならない。

これはなかなか遅刻が直らない社員をなんとかしようと考えたルールだそうです。
全身タイツで勤務って、私なら絶対に嫌です。
絶対に遅刻なんてしないと誓うはずです。
しかしなんとその社員、5回目の遅刻を達成してしまいました。

施行日の朝は、出社したらすぐ全身タイツを着用し、いつもどおり席につきます。が、それに対して、誰も”ツッコミ”は入れません。笑いもしません。何ごとも起こっていないかのように、仕事の依頼をします


これはいい生殺しですね。
これぞシュール。

誰にも触れられない、痛々しい状況をつくりあげ、もう遅刻はやめようと思わせる作戦です。
あえて、お昼ご飯を外に買いに行かせたり。もちろん、渋谷の駅前を通らなければ行けないような、ちょっと遠方のお店をわざわざ指定します。

全身タイツで渋谷の駅前を通る、むごいですね。
死にたくなるほど恥ずかしいですよ。
二度と遅刻なんてしないと誓うこと、間違いなしですね。

しかし、彼の遅刻癖は、なおりませんでした。

もう直ることはないでしょう。

この「社則」、効果あり。 (祥伝社新書)
この「社則」、効果あり。 (祥伝社新書) 柳澤 大輔

祥伝社 2008-06-26
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starお疲れ様に最適
star美味しい本。
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『スティーブ・ジョブズの流儀』

リーアンダー・ケイニーの「スティーブ・ジョブズの流儀」を読んだ。
本書は私の敬愛するアップル創業者、スティーブ・ジョブズの「仕事術」にフォーカスしたものです。
「天才発明家」「最高のイノベーター」と称賛される傍らで、「奇人」「変人」「独裁者」とも揶揄されるジョブズですが、愚直なまでに真摯におのれの信念を貫く姿には、やはり圧倒的な魅力があります。
本書を読んで再確認しましたが、これほどまでにジョブズを突き動かしているのは、やはりあくなき卓越性の追及、宇宙をへこませたいという情熱だと思います。
そしてジョブズはまた、その情熱を周囲に伝染させる力が抜群に優れていた。
だからこそジョブズの周りには優秀な人たちが引き寄せられ、そしてジョブズの元で彼らは最高の力を発揮することができた。

アップルのスタッフの多くは、自分たちの会社が宇宙をへこませていると本気で考えている。

「情熱がたっぷりなければ生き残ることは出来ない」とジョブズは言う。「それがないと人はあきらめてしまう。だから、情熱を傾けられるアイデアや問題を持っていなければならない。正したいと思う誤りでもよい。さもないと、こだわりつづけるだけの忍耐力が持てない。」

スティーブはその「現 実 歪 曲 空 間」で有名である。強いカリスマ性に影響され、だれもが現実を歪められてしまうという。(中略)「現実歪曲空間はカリスマ的な話術、不屈の精神、いかなる事実をもみずからの目的に従わせようとする熱意が寄せ集まったものだ。」

「現実歪曲空間」これこそがまさに、ビジョンを描き、周囲を引き込むジョブズの最高の能力を象徴するものだと思います。
ジョブズの情熱が伝染し、ジョブズの個性がそのまま事業哲学になったのが、アップルという特別な存在なのではないでしょうか。
だからアップルはこれほどまでに親しみやすく、人間味のある、クールな企業になりえたのだと思います。
本書を読んで、私は同じ世界一でも、世界一の売上よりは世界一の利益率、世界一の規模よりは世界一の尊敬を集める仕事をしようと改めて思いました。
おのれの個性を事業哲学にまで高める仕事術に興味のある方は、読んでみてください。
以下、私的に参考になった箇所の紹介です。

アップルの本質とは何だ?それは既存の枠組みにとらわれない人たち―ただ仕事をこなすのではなく、世界を変えるため、世の中に一石をとうじるものを創造するためにコンピューターの力を借りたいと考える人たちのことだ」

失敗を覚悟で挑みつづける、それがアーティストだ。

「フォーカスとは『ノー』と言うことである」

有能な社員の小さなチームは大規模な集団より断然すぐれている、というのがジョブズの持論である。

ジョブズは芸術やデザイン、建築を熱心に学ぶ。メルセデスを観察しながら駐車場を走り回ることだってある。

スティーブ・ジョブズの流儀
スティーブ・ジョブズの流儀 三木 俊哉

ランダムハウス講談社 2008-10-23
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おすすめ平均 star
star神楽ポイント
star時代がスティーブ・ジョブズの思想に追いついてきた。
star心が奮える一冊

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『竹中式マトリクス勉強法』

竹中平蔵さんの「竹中式マトリクス勉強法」を読んだ。
本書には勉強の本質があります。
「そもそも何故勉強するのだろう」この質問をあまり今まで考えてこなかった人に特に、そうでない人にも是非、読んでもらいたい一冊です。

何度も言いますが、教育の本質は「エンカレッジ」―つまりは勇気づけるに他なりません。
(中略)
教育とは本来、あれをするなだのこれは危険だの、ネガティブリストをあげつらうのではなく、ああしよう、こうしようとポジティブリストを示唆してあげるものなのではないでしょうか。

これは竹中さんの、ディスカレッジ―やる気をそぐ傾向のある日本の教育の問題を指摘しての発言ですが、勉強にも同じことが言えると思います。
つまり、勉強とは「これを勉強しておけば失敗しないだろう」とか、「これをやっておけば安定した生活が手に入るだろう」という消極的な目的のためではなく、まずは何か高い志があり、その上で「これを勉強すれば目標に近づくのではないか」「これをやれば理想に近づけるのではないか」と積極的な目的をもってやるものだと私は思います。
その前提に立てば、何も受験勉強や資格勉強のようなものばかりが勉強なわけではないことがわかります。
仕事に関する知識を学ぶことも、教養を広げることも、趣味の世界を掘り下げることも、人間力を磨くことも全てが勉強なのです。

「人生いろいろ、勉強もまたいろいろ」

「志のある勉強」をする人が増えれば、きっと日本はもっと良くなると思います。
今まで読んだ勉強術の本の中では間違いなく私のベストです。
以下、私の心に残った箇所を紹介します。
● 志があってはじめて努力ができる
 ・人間力を磨くような天井のない学問に挑めるのは、努力する才能のある人だけ
 ・地道な努力を裏支えするのは、「自分はこうなりたいんだ」という強い志
 ・「自分はできる」「You can do it!」「Yes, I can!」と信じることが大事
何かどうしても成し遂げたい志がある人にとって、そのための努力は、つらく苦しいけど「やらなければいけない」ものではなく、むしろ楽しくて「やりたい」ものになるのではないかと感じます。
努力はつらいままでは続かないと思います。
なかなか勉強が長続きしないと言う人は、順序としては逆なのでしょうが、そもそも自分の志は何なのか考えてみてはどうでしょうか。
● ビックピクチャーを描きつつ勉強する
 ・人間には、夢のようなことばかりを言って足元を見ないタイプと、目の前の課題ばかりを見て大局を見ないタイプがいる
 ・勉強はあくまで、夢や目標を叶えるためのステップであり、現時点の自分と理想の状態とのギャップを埋める行為にすぎない
 ・資格を獲得することがゴールになってはいけない
 ・勉強そのものがゴールになってはいけない
● 「exclusive」な仲間をつくる
 ・良い仲間をつなぐのは志
 ・前向きな人には人間治癒力があり、前向きな人が寄ってくる
 ・その瞬間は楽しくても、終わったあとに何も残らない社交の時間や刺激のない人間関係は重視しなくていい
 ・常に忙しそうにしていれば、無駄な飲み会に誘われなくなる
 ・知的生活を妨げるのは、意味もなく人と群れること、愚痴や人事話に花を咲かせてもしかたがない
 ・優れた仲間、知的好奇心を刺激してくれる仲間と切磋琢磨することが大事
交友関係は、勉強へのモチベーションに大きく影響すると思います。
私もネガティブな人とは、申し訳ないのですがあまり付き合わないようにしています。
最近は熱い志を持った読書会のメンバーが増えてきたので、勉強に対するモチベーションも上昇中です。
● 批判をしないで、改革をする
 ・具体的な対案を出すのが議論のおきて
 ・批判は3種類
  1.「コントラリアン型」―日銀が金利を下げると「中小企業がだめになる」、逆にあげると「年金生活者が大変だ」と、いつも反対の意見を言うだけの人
  2.「永遠の心理型」―「長期的な視点に立て」「相手の立場になって考えろ」など、確かにご説ごもっともだが、中身のない発言ばかりする人
  3.「ラベルを貼る型」―「竹中は至上主義者」「今の若者は意欲が低い」と、物事を決め付けてかかる、話し合いのできない人
 ・3者に共通するのは、対案が何もなく、人のふんどしで相撲をとって「守り」にはいっているだけの楽な人であること
 ・実際に自分がイノベーションを起こせる、ひとかどの人物にならなければならない
● 資格勉強を有効活用する
 ・資格勉強は、ちゃんと勉強すれば必ず天井までいけるよう、よくできている
 ・活用しない手はない
 ・分かりやすく自分の能力を証明できると同時に、実力をつけることができるという、二重の意味で効果的
というわけで、TOEICの勉強はかなりおすすめです。
● 英語の勉強をする
 ・最初から完璧を目指しても絶対に無理
 ・日本人は驚くほど英単語を知らない
 ・ある程度を目指して勉強すればよい
 ・日本人はしゃべれないが読み書きは出来るというのはおおうそで、 ・読む量が圧倒的に足りないから書くこともしゃべることもできない
 ・暗証することが第一のコツ
 ・有名なスピーチは暗証のいい材料
私もSteve Jobsのスタンフォード大学でのスピーチは何度も何度も繰り返し聴き、全部ではありませんが特に好きな部分は暗証しました。

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