勝間和代さんの「起きていることはすべて正しい―運を戦略的につかむ勝間式4つの技術」を読みました。
本書はメンタル筋力を鍛えることで、どんな状態にあっても思わぬところから幸運を見つける力、「セレンディピティの力」を養うための一冊です。
1.脳内フレーム120%活用法―顕在意識だけでなく、潜在意識を最大限に活かす技術
2.即断即決法―多種の情報から必要なものを選び出し、決断に至る技術
3.パーソナル資産増強法―身近な経験、技術などのパーソナル資産を組み合わせ、使いこなす技術
4.勝間式人間関係の兵法―周りの人と協調、尊敬、調和し、自分の力を倍増させる技術
上記の4つの技術に加え、「起きていることはすべて正しい」という考え方、つまり、今起きていることから何を学び、どのように行動すれば、この時間を最大に活用できるかを考える技術を養うことが、メンタル筋力を鍛えることにつながり、セレンディピティの力を強化できるとしています。
ものすごく密度の濃い一冊なのですが、ここでは今現在の私に照らし合わせて、特に大きな気づきとなったものだけを紹介しようと思います。
● 批判しない
勝間さんは「良書は10冊に1冊」といっているにもかかわらず、良書を紹介する際に残りの9冊についての批判はしないのだそうです。
それには2つの理由があり、
1.自分の読書力が絶対ではない
2.批判しても、運命過程の成長パスがよくならない
ということなのだそうです。
私は最近の自分を振り返って、自分の読書力が絶対ではないにもかかわらず、ピンと来るものがないからといって安易に批判的な姿勢で本を読んだり、ブログを書いたりしていることがあるのではないかと反省しました。
本代と本を読む時間というコストに対して今以上に「無駄にしてはもったいない」という感性を持ち、学び取ることに貪欲にならねばならないと改めて思いなおしました。
● わがままなFWになる
私たちは一人で生きているのではないからこそ、自分の得意なことを見極め、自分が得意でないことについてはなるべく時間を使わないようにすることが、自分に対しても相手に対しても誠実な生き方となります。
本書で勝間さんは、わがままを通さないと成功しないと述べています。
ここで言う「わがまま」はあくまで、自分の能力を最大限に発揮できるよう、自分のパーソナル資産配分に優先順位をつけて周りと調和しながら、その優先配分が気持ちよく行えるよう、常に工夫を繰り返すことです。
つまり、最大限の成果をあげるためには自分が強い意志を持ってリーダーシップをとり、なるべく自分の能力が発揮しやすいように舞台をセッティングしなくてはならないのです。
私はこれを聞いてサッカーの守備をしないFWと同じだなと思いました。
一昔前の元ブラジル代表のロナウドが特にそうだったのですが、FWにも守備での貢献が求められる最近のサッカー事情の中においても、中には守備を“さぼる”FWたちがいます。
しかし見方によっては、彼らは自らの特性が守備にではなく得点を奪うことにあることを理解し、その特性を最大限に活かすためにあえて守備をせずに得点を奪うことにだけ集中するという、真のプロフェッショナルでもあるのです。
得意ではない守備に奔走して体力を減らし、肝心の得点シーンで自分の能力を存分に発揮できないよりも、自分の得意な仕事である”ゴールを奪うこと”に専念したほうが結果的にチームにプラスになると、彼らは判断しているのです。
しかし注意しなければならないのは、これは彼らが世界屈指の決定力という武器をもっているからこそ、許されるわがままだということです。
守備をサボって力を温存しても、肝心の得点シーンでも活躍しないようであれば、お払い箱です。
したがってどのくらい他者に対してリーダーシップを発揮し、自分のわがままを通すかについては、自分の能力との見合いで決まってくるということをくれぐれも忘れないようにしてください。
まずはわがままが許されるくらいの“決定力”を身につけて、それから“サボる技術”を発揮しようと思いました。
● 「信念のあるわがまま」には応援団が集まる
最後の仕上げとして大事なのは、このわがままさにしてもアサーティブにしても、周りが共感するような大きなミッションや目標があって初めて応援団ができるということです。
毎日の意思決定のうち、半分以上は自分以外の相手が絡むとすると、自分のやりたいことを通すためにはある程度周囲の理解が必要になると思います。
例えば来年から私は就職ですが、将来の目的・目標に向けて読書、英語の勉強、簿記の勉強、IT業界の研究、読書会、セミナー受講などなど、やりたいことは様々ある中で、これらを実践するためにいかに飲みのお誘いをマネジメントするかはかなり気になる問題です。
このときに、「あいつはやることがあるから」「あいつは目標をもってるから」と周囲の理解がある場合、無闇に誘われなくなったり、仕方なくお断りしたときも理解を示してくれたりする可能性が高まるのではないかと思います。
その相手が絡むときに、相手に対して潜在意識・顕在意識の両方を使いながら、どのような受け答えをして、どのような会話をして、どのように相手に対して自分のミッションやビジョンを説明していくのか。そして相手が自分のミッションやビジョンに対してぜひとも協力したいと思ってくれるかどうかは、普段の私たちの立ち居振る舞い、言葉と行動、主張を通じたメタ・メッセージ(言語によるメッセージによって間接的に暗示される対人関係に関するメッセージ)が相手に影響しているのです。
“決定力”、”サボる技術”、”信念のあるわがまま”の3つを念頭においてやってみようと思います。