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Author Archives: 河村 拓

『Strengths-Based Leadership: Great Leaders, Teams, and Why People Follow』

Strengths-Based Leadership: Great Leaders, Teams, and Why People Follow
Strengths-Based Leadership: Great Leaders, Teams, and Why People Follow Tom Rath

Gallup Pr 2009-01-06
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Tom RathとBarry Conchieの『Strengths-Based Leadership: Great Leaders, Teams, and Why People Follow』を読みました。
本書はストレングス・ファインダーで有名なギャラップ社の新刊(2009年1月6日出版)で、優れたリーダーとなる上で自らの強みをどのように生かすべきかを論じています。
※ストレングス・ファインダーについては以下の記事を参照
●さあ、才能(じぶん)に目覚めよう―あなたの5つの強みを見出し、活かす
●Strengths Finder 2.0
●Discover Your Sales Strengths: How the Worlds Greatest Salespeople Develop Winning Careers
●2万人にも及ぶシニア・リーダーへの詳細なインタビュー
●100万以上のワークチームを研究
●世界で最も尊敬されるリーダーたちに対する50年にも及ぶ調査
●1万人のフォロワーを新たに調査
という膨大な研究・調査の結果判明したのは、

1.The most effective leaders are always investing in strengths.

2.The most effective leaders surround themselves with the right people and then maximize their team.

3.The most effective leaders understand their followers’ needs.


という最高のリーダーたちの共通点です。
調査によると、巷にあるリーダーシップ本に書いてあるように「共感性、クリエイティビティ、規律、戦略性、謙虚さ、断固とした姿勢、コミュニケーター…etc」といった要素を全て高い次元で満たしている人など存在せず、全てどころか半分すら満たしてはいないのだそうです。
また、全てのリーダーに当てはまる、「リーダー特有の資質」というのもないのだそうです。
最高のリーダーたちは、
1.自分の強みを知り、そこに最も多くの時間と労力をさいてリーダーシップをとる
2.自分の強みではない領域については正しい人に任せることで、チームとしての力を最大化する
3.フォロワーが求めているものが何かを理解している

本書はこの考えをベースに、ストレングス・ファインダーの診断結果から得られるそれぞれの資質について、いかにリーダーシップに生かしていけばよいのかを個別詳細に指南してくれます。
以下、
●リーダーシップの強み4領域
●フォロワーの求める4つのもの
●私の診断結果
という順で紹介していきます。
――――――――――――――――――――――――――――――――――
● リーダーシップの強み4領域
――――――――――――――――――――――――――――――――――
ストレングス・ファインダーでは合計34個の資質がありますが、それらがどのようにリーダーシップに影響を与えるのかを分析した結果、以下の4領域に分けることができるそうです。
Executing
 ●事の起こし方を知っている人、最後までやりぬく人
Influencing
 ●チームのアイデアを組織の内外にアピールし、注目を集められる人
Relationship Building
 ●チームをつなげ、団結させる人
Strategic Thinking
 ●未来に人々を集中させる人
ここで重要なのは、リーダーが4つ全ての領域で優れることは「ない」ということです。
チームとしては全ての領域でも優れている必要がありますが、リーダー個人としては最も強い領域に集中すればよいのだそうです。
ちなみにここでいう最も強い領域とは、ストレングス・ファインダーの診断結果である5つの資質が最も多く分類されている領域となります。
本書では最高のリーダーたちの例としてそれぞれの領域を代表する人物が各一人ずつ、合計4人紹介されているのですが、Ritz-CarltonのSimon CooperやBest BuyのBrad Andersonなどそうそうたる顔ぶれです。
彼らの中にはExecutingの領域に2つの資質がある人もいれば、Influencingに4つもの資質が集中している人もいます。
どうやら1つの領域に4個も5個も資質が集中している必要性は必ずしもないようです。
彼らの共通点は、やはり自分の強みを理解し、自分が何者であって何者ではないのかをしていたことです。
4つ全ての領域でがんばろうとせずに、彼らは最も強い1つの領域に集中してリーダーシップを発揮しています。
また、強いチームの共通点というのも列挙されているので、紹介しておきます。
●強いチームは対立があっても崩壊せず、目的や結果に集中する
●強いチームはチームにとっての最適なものを優先し、前進する
●強いチームのメンバーは仕事と同じくらいプライベートライフにもコミットする
●強いチームは多様性を歓迎する
●強いチームは才能を引き寄せる
――――――――――――――――――――――――――――――――――
● フォロワーの求める4つのもの
――――――――――――――――――――――――――――――――――
1万人のフォロワーたちを調査した結果、フォロワーが求める最も重要なものは、
●Trust(honesty, integrity, respect)
●Compassion(caring, friendship, happiness, love)
●Stability(security, strengths, support, peace)
●Hope(direction, faith, guidance)
なのだそうです。
最高のリーダーとなるには、これら4つを満たさなければなりません。
――――――――――――――――――――――――――――――――――
● 私の診断結果
――――――――――――――――――――――――――――――――――
いよいよ私の診断結果です。
私の5つの資質は
1.未来志向
2.最上志向
3.内省
4.目標志向
5.親密性
なのですが、これらを「リーダーシップの強み4領域」に分類すると、
Executing×1(目標志向)
Influencing×1(最上志向)
Relationship Building×1(親密性)
Strategic Thinking×2(未来志向、内省)
となり、予想通り「Strategic Thinking」(未来に人々を集中させる人)が「Dominant Domain」(最高の領域)でした。
それぞれの詳しい解説を見てみます。
1.未来志向
 ●Build Trust
  相手と未来について話すとき、あなたが描く未来が現実に根ざしているようにすること
  現実的な態度があなたのビジョンに対する信頼を生む
 ●Show Compassion
  共に働く人に、夢や理想についてたずねてみることで、親近感が生まれる
 ●Provide Stability
  あなたの描くビジョンがあまりに遠いと、人々はついていけず、不安になってしまう
 ●Create Hope
  未来志向であるあなたのもとには指針やガイドを求めて人々が集まってくる
  あなたはあなたが描く未来のイメージで人々をインスパイアする
  未来を語るとき、鮮やかなビジョンと表現を用いて詳細に語り、そこに至る道すじを示すことで、周囲の人にあなたの考えを理解してもらうこと

2.最上志向
 ●Build Trust
  あなたがうまくできることでも他の人にはできないことがあるということを認めること
  相手の長所にフォーカスし続けること
 ●Show Compassion
  相手のユニークな資質に絶えず称賛を与えること
  相手のユニークな資質を気づかせ、強みを発揮させられる人になること
 ●Provide Stability
  相手が強みを築き、自身を身につけられるように見守ること
  相手の強みでない領域については援助してあげること
 ●Create Hope
 相手を彼らの資質が最も行かせるポジションに配置することで、彼らの才能に気づかせ、最大限に発揮させてあげること
3.内省
 ●Build Trust
  相手の考えを慎重に分析して、率直な意見を述べることで、彼らの成功を手助けし、頼られる存在となる
4.目標志向
 ●Build Trust
  何を優先すべきかを知り、大事なことに人々を集中させる力が信頼を築く
  すべての人が自分の決断の責任を負っていることを覚えておくこと
 ●Show Compassion
  重要なプロジェクトだけでなく、人にもフォーカスしてみること
  自分の人生のパートナーとして彼らに時間や注意を傾けるために、ゴールや計画を立てること
 ●「Provide Stability
  長期的視野にたってフォーカスし、考えているということが、周りを安心させる
  長期的ゴールを家族や仕事仲間と共有するときは、彼らもその計画の一部であることを伝えること
 ●Create Hope
  「人生や仕事で最も大事なことは何か?」「何をするのがすきなのか?」「これを辞めたらどうなるか?」といった質問をすることで、人々を新たな未来に向けてフォーカスさせる
  計測可能な到達目標などを周囲と共有すること
5.親密性
 ●Build Trust
  親密な関係が強い自信をつくる
 ●Show Compassion
  大事な人と、マンツーマンで過ごす時間を十分に確保すること
 ●Provide Stability
  相手に自分との関係が生涯続くことを期待しているとつげること
 ●Create Hope
  あなたが人と築く深い関係が、彼らの人生や成功のユニークな先見の証を生み出す
  彼らが大きな絵を描けるよう手助けしてあげること
こうしてみると、未来志向や内省だけでなく、目標志向や親密性もCreate Hopeの領域で未来に密接に関わる働きをしてくれそうで、やはり私の強みは「未来を考えること」「未来に人々を引き寄せること」に築くのがよさそうだと思いました。
「自分の描く未来が周囲にも理解できるように、詳細に、そして現実に根ざした形で伝える」というのは今後の課題だと思いました。
――――――――――――――――――――――――――――――――――
ちなみに本書には34個それぞれの資質について、「○○の資質を持ったフォロワーにどうリーダーシップを発揮していくのが良いか」という項目もあります。
これを知っておくと、身近な人とどのように接していくのかを考える上で非常に役立ちますね。
また、似たようなパーソナリティの人たちで周囲を固めるよりも、異なるパーソナリティを持つ人をパートナーとして身近において、相互補完的な関係を築いたほうが、長期的に見てアドバンテージになるのだそうです。
というわけで日頃親しくしている人や、ブログ・mixiで知り合った人などの5つの資質が「リーダーシップの強み4領域」にどう分類されているのか、私が把握している範囲で調べてみました。
何かの参考になればと思います。
また、もし興味を持って、より詳しく知りたいと思われた方は、是非本書を読んでみてください。
それでは、まずは読書会仲間から紹介します。
★TO-RAINBOWSさん『TO-RAINBOWSのビジネス書日記』
1.適応性 Realtionship Building
2.調和性 Relationship Building
3.ポジティブ Relationship Building
4.分析思考 Strategic Thinking
5.共感性 Relationship Building
結果:Relationship Building×4、Strategic Thinking×1
一人目からいきなり4つの資質が1つの領域に集中する方が出てしまいました。
私とは異なる領域で抜群の強みを発揮してくれそうですね。
読書会のまとめ役として期待大です。
★Leapさん 『Leapさんのビジネス書日記』
1.調和性 Relationship Building
2.自我 Influencing
3.最上志向 Influencing
4.分析思考 Strategic Thinking
5.公平性 Executing
結果:Influencing×2、他各1
私と同じ、2つの資質が強みの領域に集中しているタイプですね。
しかも、Leapさんも私とは異なる領域なので、相互補助的な関係が築けそうですね。
注目を引き寄せる存在ということで、読書会のマーケティング部長は彼に決定でしょうか。
★サイクルマンさん
1.最上志向 Influencing
2.慎重さ Executing
3.未来志向 Strategic Thinking
4.着想 Strategic Thinking
5.親密性 Relationship Building
結果:Strategic Thinking×2、他各1
出た、私と同じ分類!
そもそもサイクルマンさんとは3つも同じ資質を共有している似たもの同士なのですが、今回の「リーダーシップの強み4領域」でもやはりその傾向が出ました。
読書会のビジョン担当ツートップとして、よろしくお願いします!
引き続きブログやmixi仲間の紹介です。
★マックさん 『ビジョンと情熱』
1.収集心 Strategic Thinking
2.責任感 Executing
3.内省 Strategic Thinking
4.未来志向 Strategic Thinking
5.信念 Executing
結果:Strategic Thinking×3、Executing×2
私と同じ未来志向仲間のマックさんですが、Strategic Thinkingに3つもの資質が集中して、それ以外もExecutingに集中していますね。
マックさんのブログからは、未来を描きつつも、現実を見据えて着実に一歩一歩実行していく、そんなイメージが伝わってきますよね。
それがよく反映された診断結果ではないかと思いました。
最近変更されたブログタイトル、『ビジョンと情熱』、まさにぴったりですね!
★ぼってぃーさん 『キノキョウ-昨日よりは今日、今日よりは明日少しでも前進、向上!』
1.着想 Strategic Thinking
2.収集心 Strategic Thinking
3.内省 Strategic Thinking
4.共感性 Relationship Building
5.学習欲 Strategic Thinking
結果:Strategic Thinking×4、Relationship Building×1
ぼってぃーさんも私と同じStrategic Thinkingタイプなのですが、なんと4つもの資質が集中されていますね。
そもそもブログタイトルが「昨日よりは今日、今日よりは明日」と、超未来志向ですよね(笑)
また、個別の資質を見ていくと、着想、収集心、内省、学習欲と、大変勉強に特化しているのではないでしょうか。
ブログを読んでいても、ただ勉強するのではなく、しっかりと目的や目標といった未来を見据えていらっしゃるのが、伝わってきますよね。
そういった部分が色濃く出ているのではないかと思います!
★えならぷりるさん
1.回復志向 Executing
2.目標志向 Executing
3.内省 Strategic Thinking
4.未来志向 Strategic Thinking
5.収集家 Strategic Thinking
結果:Strategic Thinking×3、Executing×2
わりと最近mixiで知り合ったえならぷりるさんは、マックさんと同じ分類になっていますね。
というか、えならぷりるさんもStrategic Thinkingで、これで私も含めた7人中5人がStrategic Thinkingタイプということになりますね。
私の周りには未来に生きる人しかいないのだろうか…。
他にも、「自分のタイプも調べて欲しい」という方がいれば、5つの資質を教えていただければ調べてお知らせしますよ。
かなり長くなりましたが、オススメです。

Strengths-Based Leadership: Great Leaders, Teams, and Why People Follow
Strengths-Based Leadership: Great Leaders, Teams, and Why People Follow Tom Rath

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『細野真宏の数学嫌いでも「数学的思考力」が飛躍的に身に付く本!』

細野真宏の数学嫌いでも「数学的思考力」が飛躍的に身に付く本!
細野真宏の数学嫌いでも「数学的思考力」が飛躍的に身に付く本! 細野 真宏

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細野真宏さんの『細野真宏の数学嫌いでも「数学的思考力」が飛躍的に身に付く本!』を読みました。
ハッキリ言って、定価1200円というのは安すぎます。
数学的思考能力が飛躍的に身につくとありますが、数学的思考力(≒論理思考力)どころか、
●1つの情報から多くのことを理解する“頭のいい”思考法が身につく
●人に上手に物事を伝えることができるようになる
説得力のある話し方を身につけることができる
経済の本質をつかむ基盤が得られる
と、これ一冊で非常に多くを学ぶことができてしまいます。
巷のロジカル・シンキングに関する書籍を読むよりも、これ一冊を読んだほうがいいと思えるほどです。
もちろん数学力の向上もかなり期待でき、受験生にも非常にオススメです。
特に“思考の歩幅”"思考の骨太さ”という概念がグサッときたのですが、これはコンサルティングや営業の場面、部下に指示を出すときなど、コミュニケーションに携わる上で必見です。
以下、良いと思った箇所を紹介します。
――――――――――――――――――――――――――――――――――
● 「y=x²」的な勉強法
――――――――――――――――――――――――――――――――――
一般的な勉強法の場合、情報が1つ得られるとその分だけ知識が1つ増え、「y=x」的に知識が増えていきます。
それに対し「y=x²」的な勉強法の場合、情報が1つ得られたときに「これの意味は何だろう?」「これとつなげられる情報は何か?」を考えることで、
それまでに得られた知識との関係を考えることで、1つのことから多くの事柄が見えてくる
急速に理解するスピードと理解力が上がる
のです。
これを用いて「何故読書をする上で”考える”ということが大事なのか」を考えてみると、
●”考えない読書”では読書量と比例して知識が増えていく
●”考える読書”では一つの知識を多くの事柄とつなげてみることで多くが見えてくるため、”考えない読書”よりも理解のスピードと理解力が高くなる
ということが、理由の一つとして言えると思います。
――――――――――――――――――――――――――――――――――
● 数学的思考力と”思考の歩幅”"思考の骨太さ”
――――――――――――――――――――――――――――――――――
数学的思考力とは、ここでは「物事の仕組みを一つひとつ整理して考えることができる能力」のことです。
例えば「読書をすれば成長できる」という命題を考えてみると、これにはかなりの論理的飛躍があり、これだけを見ても万人が”明らかにそうだ”と理解できるとは思えません。
ここで読書と成長の間にいくつかのステップを設けて、
A(読書をする)→ B → C → D → E(成長する)
という具合に、筋道を立てて段階的に整理できる能力が、数学的思考能力です。
「読書をすれば成長できる」と考えている人も、実際にこのようにその思考の筋道を整理できないのであれば、何故成長できるのかわかっていない、つまり「分かったつもり」になっている、ということが分かります。
しかし、「人に伝える」ということになると、数学的思考力だけでは不足で、今度は“思考の歩幅”ということを考えないといけません。
例えば先の例で言えば、「A→B→C→D→E」という5つのステップがあるとき、頭のいい人であれば「A→C→E」という理解の仕方もできるかもしれません。
しかし、これではBとDというステップを飛ばしてしまっているため、思考の歩幅が長すぎて、相手には伝わらない可能性があります。
逆に「A→A.1→A.2→B…」という具合にステップを増やしすぎるのも、”思考の歩幅”が短くなりすぎてしまい、「全体が見えない」「結局何が言いたいのか分からない」という具合に、かえって理解の妨げになってしまいます。
なので、人に伝えるときには“心地よい思考の歩幅”を考える必要があるわけです。
しかし、「説得力のある話し方」となると”思考の歩幅”だけでも不十分で、今度は“思考の骨太さ”ということを考えなければなりません。
例えば「読書をする→知識が増える→仕事の成果が上がる」という命題で考えてみたいと思います。
「読書をする→知識が増える」については、確かに例外がないとはいえませんが、多くの場合読書をすれば知識は増えると考えられるので、この思考は“骨が太い思考”といえます。
しかし、「知識が増える→仕事の成果が上がる」については、「仕事と関係のない知識が増えても、仕事の成果にはつながりにくいのではないか?」「知識の多さが仕事の出来と関係のないこともあるのではないか?」などといくつも反論が出てきてしまいます。
こういう場合、「知識が増える→仕事の成果が上がる」というのはかなり脆弱な命題だと言うことができ、“骨が細い思考”となってしまい、説得力が生まれません。
説得力のある話し方をするには、思考の歩幅のみでなく、思考の骨太さも考えなければならないのです。

細野真宏の数学嫌いでも「数学的思考力」が飛躍的に身に付く本!
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『IT業界がわかる』

IT業界がわかる (業界×快速ナビ)
IT業界がわかる (業界×快速ナビ) 克元 亮

技術評論社 2006-12-07
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克元亮さんの『IT業界がわかる』を読みました。
本書はいわゆる業界本です。
1章 IT業界の市場動向と業界構造
2章 IT業界のしくみ
3章 システムインテグレータの現状と戦略
4章 システム開発のプロジェクト管理
5章 IT業界の仕事とスキル
6章 IT業界トレンド
7章 セキュリティ事件の傾向と対策
8章 IT業界に関わる法制度と基準
という章立てになっており、これ一冊でIT業界の構造知識や動向の大枠をつかむことができます。
見出しが充実しているのと、文章中に出てくる用語に”ハイパーリンク”として参照ページが明示されているので、まるで検索するように素早く必要な情報にアクセスしながら、詳細に調べていくことができるのも特徴です。
また、今現在この業界で求められている能力や、不足している人材なども分かるので、今後この業界でどのようなキャリアを積んでいくのかを考える際にも有用だと思います。
私も今後3~5年の間のビジョンである「IT×経営コンサルタント」に向けて、ヒントになるものをいくつか得ることができました。
今後は読書習慣にIT関連の書籍も当てはめていこうと思います。
また、本書とは関係がないのですが、3~5年後の目標として、中小企業診断士の資格を取得することにしました。
ビジョンが明確だとやるべきこととやるべきでないことの判断が早くていいですね。
昨日たまたま置いてあった資格のユーキャンのチラシを見て、「あ、これ取ろう」と即決しました。
以下、私用メモ
●総じて不足感が大きいのは、システム構築で最も上流の仕事である提案活動に携わり受注の成否を担う、セールス・マーケティングやコンサルタントである
●ITコンサルタントやプロジェクトマネージャなど、プロジェクトの成否を握る重要な役割ほど需要が高い割りに慢性的な人材不足の状態にある
●近年、コンサルティングファームがシステムインテグレーションに進出してきた背景として、コンサルティングによって顧客の長所・短所を分析した上で、顧客ニーズに合ったIT導入の提案ができることがあげられる
●顧客が属する業界の動向を調査したり、顧客企業の経営戦略を分析したり、競合企業の強みや特徴と比較するなどして、顧客企業が抱える問題点を見つけ解決策を提案する
●経営戦略を元に情報化戦略を立案するITコンサルタントと、特定のパッケージ導入を担当するパッケージコンサルタント

IT業界がわかる (業界×快速ナビ)
IT業界がわかる (業界×快速ナビ) 克元 亮

技術評論社 2006-12-07
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『最強組織の法則―新時代のチームワークとは何か』

最強組織の法則―新時代のチームワークとは何か
最強組織の法則―新時代のチームワークとは何か Peter M. Senge 守部 信之

徳間書店 1995-06
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star縁起を生じさせる企て
starピーター・センゲ氏の本
starラーニングオーガニゼーション

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ピーター・M・センゲの『最強組織の法則―新時代のチームワークとは何か』を読みました。

本書で紹介する方法やアイデアは、世界が個別の、互いに関係のない力で成り立っているという幻想を打破しようとするものだ。この幻想を捨て去ってはじめて、われわれは「ラーニング・オーガニゼーション」、すなわち“学習する組織”を構築することができる。それは人々がたゆみなく能力を伸ばし、心から望む結果を実現しうる組織、革新的で発展的な思考パターンが育まれる組織、共通の目標に向かって自由にはばたく組織、共同して学ぶ方法をたえず学び続ける組織である。

本書でセンゲ氏は、フォードやスローンやワトソンのような学習する人物が組織にひとりいるだけではもはや足りず、今後の企業はあらゆるレベルのスタッフの意欲と学習能力を生かすすべを見出さなければならないとしています。
そして、そうした組織には以下の5つの要素、
1.システム思考
2.自己マスタリー
3.メンタル・モデルの克服
4.共有ビジョンの構築
5.チーム学習

が不可欠であり、これらを合体させ、ラーニング・オーガニゼーションをイノベーションに変える方法を本書で説いています。
正直なところ、4月から読んできた270冊ほどの本の中で、本書はダントツで最も難解な一冊でした。
同時に、読み応えも相当なものでした。
特に印象に残った部分をかいつまんで紹介します。
――――――――――――――――――――――――――――――――――
● 学習障害と思考様式
――――――――――――――――――――――――――――――――――

★「職務イコール自分」なので、自分の行動が他の職務にどう作用するかを見ない。
★したがって問題が生じると、たちまちお互いに罪を着せあう。「敵」とみなされるのは他のポジションにある者、場合によっては顧客である。
★「積極姿勢」になって発注量を増やし、事態をいっそう悪化させる。

これは自分の職務という小さい領域の中だけで物事を考えてしまうと、その小さな領域の中での最適解が、システム全体には悪となりうることを説いているのですが、ここで登場する「ビール・ゲーム」が非常に面白いです。
自分がシステム全体に影響をおよびしうる個人であることを自覚し、システム全体を見据えて自分の行動をプロアクティブに考える「システム思考」「行動の構造的原因を見出す力」が必要だということは、覚えておこうと思います。

われわれは気づかぬ構造によって拘束されているのだ。だからこそ逆に、自分たちの活動の場となっている構造を把握できるようになれば、見えない力から解放され、その力を利用したり変えたりできる第一歩となるだろう。

――――――――――――――――――――――――――――――――――
● 成長の限界
――――――――――――――――――――――――――――――――――

定義/拡張(増大)プロセスは望み通りの結果を生むために機能を開始する。それは成功の連鎖反応を生むが、気づかぬうちに(平衡プロセスに見られる)副作用をも生じさせ、結局、成功のペースを落としてしまう。
経営原則/成長を無理強いせず、成長を制限している要因を取り除くこと。

これを読書にあてはめて考えてみたいと思います。
多読をしていると、毎日知識が増え、自分が成長しているのを実感し、ますます読書量を増やそうと考えるようになります(改善の様子が見てとれる初期段階では、同じ事をさらにつづけようとする)
しかし、だんだん一冊の本から得られる学びが減っていることを感じ始め、成長のペースが鈍ってくるのを感じます。
そこでもっともっと読書のペースを上げようと、さらに努力を始めます。
しかし、成長のペースは鈍る一方で、努力のわりに読書があまり自身の成長や成果につながっていないことをますます痛感してしまい、結局はモチベーションまでも失ってしまいます。
ここで何が問題だったかというと、既に現状の多読は「成長限界」に達していて、それ以上いくらペースをあげてもまさに無駄な努力となっていたのです。
「成長限界」に達したとき、私たちはよりペースを上げて努力する「拡張循環」ではなく、システム全体において読書から得られる成長を制限している要素を特定し、それを変える・取り除くという「平衡循環」をしなければならないのです。
例えば、
●量に頼らず、自分の思考の幅をワンランク上げるような質の高い本を読んでみる
●本を読むだけでなく、知識・技能を磨く勉強をして、実践で活用する中で様々なフィードバックを得る
という具合に、ボトルネックを解除することで成長にレバレッジをかけることを考える必要があるのです。
組織も同様で、「成長限界」に達したときは、既存の手法でさらに努力するのではなく、現状のボトルネックとなっている要因を取り除くことが、より大きな成長・成果につながるのだと思います。
――――――――――――――――――――――――――――――――――
●問題のすり替え
――――――――――――――――――――――――――――――――――

根本問題自体は、不明瞭であったり対処に費用がかかりすぎたりして、立ち向かうのが困難だ。そこで人は問題を、前向きかつ簡単で非常に効率的に見える別の解決方法に「すり替え」てしまう。しかし残念ながら安易な「解決方法」によって改善されるのは症状だけで、その根底にある問題はてつかずのまま残される。症状が消えると、システムは根本的な問題の解決能力を失うため、問題はますます悪化する。

これをタバコやお酒で考えると、例えば仕事上でストレスを感じているときにそのストレスを生み出す根本要因を取り除こうとせずに、タバコやお酒に力に頼ってしまう人は結構いると思います。
こうすると一時的にストレスは発散でき、問題を隠蔽することができます。
しかし根本的に解決したわけではないので、また問題は再浮上し、再びタバコやお酒に頼るはめになります。
こうすると依存症に陥り、また従来の量ではたりなくなることから摂取量も増え、副作用によって再起不能になります。
組織も同様、表面的な解決策ばかりをとって根本問題を放置しておくと、しだいに依存症になり、ついには再起不能になってしまいかねないということですね。
――――――――――――――――――――――――――――――――――
● 自己マスタリー
――――――――――――――――――――――――――――――――――

ビジョン(望んでいること)と、今の現状のはっきりとした見取り図(望んでいることと比べた現在の地点)を並列に置けば、「クリエイティブ・テンション」とわれわれが呼ぶ創造的な緊張関係が生まれる。それは、この二つの活動を一致させるための力であり、解決を求める緊張関係から自然に生み出されるものだ。

強い目的意識がなく、内なる呼び声を持たないビジョンなどは、ただのグッドアイデアにすぎない

競争がすんだあと、そしてビジョンが自分のものとなった(あるいは、ならなかった)あと、自分をさらに引っ張ってくれるのは目的意識だ。それは、その人に新たなビジョンを作れとうながしてくれる。

 
ここの部分はケン・ブランチャードの「ザ・ビジョン」とあわせて読むと効果的だと思います。
ビジョンに「内なる呼び声」を持った強い目的意識があると、ビジョン(望んでいること)と現状の間にあるギャップを埋めようとする、強力な意欲・モチベーション・力が湧いてきます。
このギャップを埋めようとする力があるかないかというのは、組織の成長においても、個人の成長においても、非常にクリティカルなものだと私は思います。
――――――――――――――――――――――――――――――――――
● 共有ビジョン
――――――――――――――――――――――――――――――――――

共有ビジョンは個人のビジョンから生ずる。(中略)
それは各個人の一連の価値観、利害関係、野心に根ざすものである。

共有ビジョンを築くことに力を注ぐ組織は、個人のビジョンをつくり出すようメンバーをたえず励ます。もし自分自身のビジョンをもっていなければ、ほかのだれかのビジョンに「加入する」しかないからだ。その結果もたらあされるのは服従であって、コミットメントではない。

けれども、服従とコミットメントのあいだに雲泥の差があることは事実だ。もし人が単に従っているだけであれば、たとえそれが心からの服従であっても、彼らの生み出しえないエネルギーや情熱や興奮を、コミットした人はもたらす。コミットした人は「ゲームのルール」に基づくプレーはしない。ゲームに責任は持つが、もし、ゲームのルールがビジョン達成の障害になれば、ルールを変える方法を見つけるだろう。共通のビジョンに本当の意味でコミットした人々が集まれば、とてつもない力となる。彼らは、不可能に見えることを成し遂げることができるのだ。

これを例えば読書会にあてはめて考えてみると、
●ここに参加していれば成功したり、成長したり、いろいろとメリットがありそうだから参加する人(=服従)
●個人のビジョンがあり、そのために読書会をこのように活用していきたい、という読書会に対するビジョンを持って意見のいえる人(=コミット)
の2者では、確実に後者のほうが読書会に与えるエネルギー、情熱、興奮は大きいということですね。
幸い私たちの読書会”TRICKYY”には「Realize Ideal Challenge」「Stay, foolish」という共通の理念がありますが、「コミットメント」に関しては正直まだまだだと思います。
やはりまずはそれぞれが「個人のビジョン」を持つことが不可欠ですね。
――――――――――――――――――――――――――――――――――
と、いろいろ紹介しましたが、正直理解できた部分よりも理解できなかった部分のほうが多かった一冊でした。
本書はまたいつか読み返してみようと思います。

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今日は趣向を変えて、マンガを紹介しようと思います。
森田まさのりさんの『ROOKIES (1)』です。
「夢を持つ熱血教師のもと、不良が野球で甲子園を目指す?はぁ?」と今まで思ってきた私でしたが、年末のドラマ再放送を見て…やられました
私は熱いのは結構好きなのですが、「夢を持とう!努力は尊いんだ!不良が一生懸命な姿でお涙頂戴!」的な表面的に熱いだけの、深みのないモノだとかなり興ざめしてしまいます。
本書はたま~にそういうところがある…かも…なのですが、哲学的側面もあり、共感させられる場面、考えさせられる場面も多く、かなり感情移入しながら読むことができます(まだ1巻ですが)。
本書の主人公、川藤幸一は新任教師なのですが、担任を受け持つクラスでの挨拶でいきなり

「夢に向かって努力してる人間ってのは瞳がキラキラしてる
ホントだぞ
俺はそんな瞳が好きなんだ
そんな瞳を持った生徒を育てたい!
それが俺の夢でもあるんだ」

と真顔で語ります。
あとは新任初日に、教頭先生に「君は教育者はいったいどうあるべきだと思っておるのかね?」と尋ねられて、

「人間として最も大切なこと…夢を持ち夢をつらぬく事の大切さを忘れない
そうあるべきだと思っています」

と突然真剣になって言ってみたり…。
当然生徒たちは皆爆笑で、教頭先生もかなり戸惑い気味なのですが…、果たして自分は自分の理想や夢や信念を、人目を気にしたり、相手の反応をうかがったりすることなく、堂々と言うことができるのだろうかと思うと、ちょっと考えさせられます。
もう一つお気に入りの場面があるのですが、新任早々不良生徒に川藤先生は殴られてしまい、顔の傷を教頭先生たちに追及されてしまいます。
本人は「退学では本当に生徒を更正することなどできない!」と、転んで落ちたのだと言い張るのですが、あいにく事件の現場を目撃したという生徒が現れてしまいます。
そこでの川藤先生の発言です。

「確かに悪い奴がひとりいなくなると その分平和になるかもしれん…しかし それだけなんだ!
何の解決にもなってないんだ!
でもな!
本当は解決の方法なんていくらでもあるんだぞ!
わかるか!?
君もイヤな奴がいなくなるよりイヤな奴がすごくイイ奴になって友達になれた方がいいだろ!
同じ学校の生徒じゃないか!
もう一度よく思い出して本当の事を言ってくれ!」

これはその通りだと思うのですが、同時にとても責任の重い、かつ大変なことだと思います。
「生徒を退学にしたところで根本的解決にはならない!」というのは簡単ですが、実際にはやはり生徒を退学にしたほうが「ラク」であり、根本的な問題を解決するというのは多くの場合、非常に難しく、労力のかかるものです。
口先だけでは済まされず、本当に生徒たちを責任を持って更正することが今後の川藤先生には求められるわけですが、彼がどこまで自分の信念をつらぬくことができるのか、とても楽しみですね。
というわけで『ROOKIES (1)』、とてもオススメなのですが、今後は400~500ページの経営書など、一日では読みきれない本を読むときの合間に、一巻ずつ、ネタバレにならない程度にお気に入りの場面を紹介しようと思います。

ROOKIES (1) (ジャンプ・コミックス)
ROOKIES (1) (ジャンプ・コミックス) 森田 まさのり

集英社 1998-05
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おすすめ平均 star
star文部省に認定してほしい。
star不良が野球で更生するストーリー
star川藤登場から野球部の心の闇まで

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『「見える化」仕事術』

「見える化」仕事術
「見える化」仕事術 石川 和幸

ディスカヴァー・トゥエンティワン 2008-12-20
売り上げランキング : 9290

おすすめ平均 star
star見える化のレパートリー
starこの本のおかげで、大きな企画が通りました
star個人の仕事の中でも見える化が必要

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石川和幸さんの『「見える化」仕事術』を読みました。
前著『思考のボトルネックを解除しよう!』同様、本書もオススメしたい一冊です。
読んでいるうちに私の頭の中が「見える化」される一冊でした。

考える仕事こそ、「見える化」すべき最重点領域なのです。
考える仕事を「見える化」するとは、自分の思考内容、思考プロセスを可視化すること、具体的に言うと、思考内容、思考プロセスを絵に落とすことです。

私は最近良く、本で得た知識や考えたことなど、自分の頭の中身を整理するためにマインドマップを書いています。
例えば人脈術に関する本を5冊ほど読んで、得た知識を自分が使える形に分類・体系化したり、

3年後に向けた目標・行動計画を整理したり

しています。
石川さんは「見える化」のメリットを、
●自分の考えていることを客観視することで、思考結果=知識を操作し、思考の不具合を発見したり、思考に上書きできるようになる
●誰が、いつまでに、どのような手順で実行していくのかや、問題点が●明確になり、実行を促進する
●仕事のレベルが上がる
としているのですが、私もマインドマップを書くことでまさに
本を読んで新しく得た知識を、既存の思考結果=マインドマップに上書きできるようになり、本から得られる知識を効率的に活かすことができる(=アウトプット力の強化)
●マインドマップで考えや計画を俯瞰することで、ボトルネックや要改善箇所が特定しやすくなり、効率化や成果の向上につながる
●今やるべきこと、そして今やっていることがどう今後につながるのかが、ということが明確になり、モチベーションが高まり、実行を促進する
●読書会などで、人と考えを共有できる
という効果が出ているのを実感しています。
自分の考えや計画をまとめてマインドマップに書くという作業は少し時間がかかるのですが、これはある意味初期投資のようなもので、あらかじめやっておくことで
●考えや計画上の問題発見・解決がしやすくなる
●新しい知識・情報・考えを効率よく活かすことができるようになる
という具合に、その後が非常に楽になります。
本書の「仕事の見える化」というのもある意味これと同じだと思います。
本書では「見える化」を
1.初級:ルーチン仕事の「見える化」
2.中級:思考の「見える化」
3.上級:計画を実行の「見える化」

3段階に分けて解説しているのですが、

私は、ここに書いている項目だけで十分だと思っていますし、ここに書いてある手法を極めれば、仕事のプロになれるとも思っています。

と、本当に使えるものだけが厳選されています。
本書に泉正人さんの『「仕組み」仕事術』等、その他の今までに読んだ仕事術関連の書籍をあわせて、まずは今まで得た知識を整理・分類して、実際に自分が使える形にまでマインドマップで「見える化」してしまおうと思います。

「見える化」仕事術
「見える化」仕事術 石川 和幸

ディスカヴァー・トゥエンティワン 2008-12-20
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starこの本のおかげで、大きな企画が通りました
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余談ですが、本書の最後のほうに「見える化のためのデバイス類」というのが紹介されています。
ここで紹介されている「ホワイトボード」、実は買って部屋に置こうと思っています。
部屋に仲間を呼んで読書会などをするときに便利そうですよね。
先日はスキャナーつきの複合機プリンタも購入しましたし、「知的生産空間・ホームオフィス化計画」は着実に進行中です。

『ならず者の経済学 世界を大恐慌にひきずり込んだのは誰か 』

ならず者の経済学 世界を大恐慌にひきずり込んだのは誰か
ならず者の経済学 世界を大恐慌にひきずり込んだのは誰か 田村源二

徳間書店 2008-11-19
売り上げランキング : 173834

おすすめ平均 star
star経済というより破壊された政治の記述
star資本主義のもたらした闇経済

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ロレッタ・ナポレオーニの『ならず者の経済学 世界を大恐慌にひきずり込んだのは誰か 』を読みました。

ショッキングにも現代という時代に、民主主義と奴隷制が、強力な”正の相関”と経済学者たちが呼ぶかたちで共存しているのだ。つまりこれらふたつは、互いに支え合って盛衰をともにする関係にあるということである。

今日の奴隷は、豊富に存在する使い捨て商品であり、”国際ビジネスの必要経費”のひとつでしかない。

私は本書を読んで改めて私を含めた日本人がとても恵まれた立場にいることを実感すると共に、「自分たちは恵まれた立場で良かった」で終わらせてはいけないのだということを感じました。
確かに私たちは恵まれているのかもしれませんが、その私たちの豊かな生活を生み出すために、奴隷が「必要経費」として使い捨てされているということが、現実に起こっているのです。
しかし私たちの多くはそういう世界を知らず、まるで映画マトリックスのように幻想にとらわれたまま生きています。
――――――――――――――――――――――――――――――――――
● イスラエル人が女を買えば、アラブが儲かる
――――――――――――――――――――――――――――――――――

イスラエルはスラブ系売春婦の最大の輸入国のひとつだ。
(中略)
彼女たちは週七日、一日最高一八時間働かされ、客が支払う一二〇シュケル(二七ドル)のうち、たったの二〇シュケル(四ドル五〇セント)しかもらえない。現在そうした女性が一万人、全国の三〇〇から四〇〇の売春宿で暮らしている。彼女たちの売買価格はひとり八〇〇〇ドルから一万ドルだ」

売春婦のハッピーエンド物語はハリウッド映画の脚本の中にしかないが、そうしたストーリーの本や映画を売るやからは後を絶たない。なぜかというと、それが中流階級に”セックス売ります”という風潮を心地よく受け入れさせるのに役立つからである。

――――――――――――――――――――――――――――――――――
● あなたの結婚指輪は血で汚れていないか?
――――――――――――――――――――――――――――――――――

奴隷制はわたしたちの冷蔵庫のなかにある。果物からビールまで、砂糖からコーヒーまで、奴隷労働によって食卓にとどく食品はたくさんある。

わたしたちが新聞を読みながら、あるいは朝のワイドショーを観ながら飲むココアは、世界への供給量の半分を生産するコートジボワールから来たものかもしれない。そこのカカオ・プランテーションで働いているのは、マリなどといったさらに貧しい隣国からやってくる子供や青年だ。彼らは生きるのに必要なわずかな金を得るために、長い道のりをてくてく歩いてやってくる。そして、そうした子供たちの多くが、結局は遠隔地の農場で奴隷労働を強いられることになる。

――――――――――――――――――――――――――――――――――
私たちはこういう現実にもっと目を向ける必要がありそうです。
百聞は一見にしかずで、一度直接現地に行って、私自身の暮らしを生み出すために、何処で何が起こっているのか、自分の目で見てみたいと思いました。
「夢がない、やりたいことがない」という人たちも、こういう現実を知ることで何か使命感のようなものが生まれるかもしれません。
私は自分の仕事を通して、自分だけでなく、こういう人たちの幸福も視野に入れながら活動していきたいと思います。
そのためにはまず勉強して、自分を磨くしかありませんね。
「こういう人たちを救おう」というには遠く及ばないほど今は力不足ですが、よりいっそうの意欲と責任感を持って、毎日を生きていこうと思います。

ならず者の経済学 世界を大恐慌にひきずり込んだのは誰か
ならず者の経済学 世界を大恐慌にひきずり込んだのは誰か 田村源二

徳間書店 2008-11-19
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余談ですが、ほんの1年くらい前までの私にとって、「ボランティア活動」「社会貢献」というのは大嫌いな言葉の一つでした。
「自分のことにも責任をもてないヤツが、軽々しく社会貢献なんて言うなよ」
「ボランティア活動なんて、親切を押し売りして自己満足に浸りたい人がやるものでしょ」
くらいに考えてました。
今は少し考え方が変わりましたけどね。

『女装する女』

女装する女 (新潮新書)
女装する女 (新潮新書) 湯山 玲子

新潮社 2008-12
売り上げランキング : 1479

おすすめ平均 star
star女が女装するとはこれいかに?
star通俗評論
star作者の半径20メートルの現実

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湯山玲子さんの『女装する女』を読みました。
本書は神田昌典さんが、

これは来年のビジネスを考えるうえで、
とても刺激になるので、オススメ。

笑いながら、一気に読んでしまった後には、
男性は、女性の真実の欲求に耳を傾けることができるでしょう。

読み終えたあとは、
ふつふつと新たなビジネスのヒントがわきあがってくる。

とオススメされていた一冊です。
興味を持って、早速読んでみたのですが、なるほどこれは確かに面白いです。
●男性がどんどん「女性化」している
●アニメヒロインやフィギュアやAVと、黙っていればすぐに現実の女性から二次元の美少女、美女たちに性的リビドーが移ってしまう日本男児を振り向かせるために、女性は必死に「女装」する
●ネイルは仕事のガス抜き
●ボーイズラブものが女性にうけるのは、女性が本心では自分も攻めの快感を堪能したいから
●大人にとって子どもは、バーベキューやキャンプ、海、山遊び、アイスショーやサーカスなどのエンターテインメント、地域の行事や祭りなど、子どもをダシにしなければ無邪気には楽しめないものを楽しむための快楽特権
などなど、最近の女性の行動や傾向の裏にある心理や世界観が描写されていて、興味深いです。
私は、本書を読んで女性の新しいニーズをキャッチし、ビジネスのヒントにつなげるところまではいきませんでしたが、読む人が読めば確かにそういう発想も出てくる内容だと思います。
純粋な読み物としても楽しめるので、オススメします。

女装する女 (新潮新書)
女装する女 (新潮新書) 湯山 玲子

新潮社 2008-12
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『-1063人の収入を60日で41%アップさせた-目標達成する技術 ~どんな目標も達成できる「成功の心理学」~ 』

-1063人の収入を60日で41%アップさせた-目標達成する技術 ~どんな目標も達成できる「成功の心理学」~
-1063人の収入を60日で41%アップさせた-目標達成する技術 ~どんな目標も達成できる「成功の心理学」~ 堀江 信宏

フォレスト出版 2008-12-12
売り上げランキング : 1750

おすすめ平均 star
star背景を読む・・・
starいまさら・・・な内容・・
starうん、今度こそ変われそうな気がする

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マイケル・ボルダックの『-1063人の収入を60日で41%アップさせた-目標達成する技術 ~どんな目標も達成できる「成功の心理学」~ 』を読みました。
●「本を読めば、きっかけがつかめる」
●「本には、成功する方法が書いてある」
●「誰かが10年かけて学んだことを、数時間または数日で読めたら理想的だ」
とは思いつつも、実際にはあまり進歩がなく、「うまくいかないなぁ」と思っている人に是非オススメしたい一冊です。
●1063人が60日で41パーセントも収入をアップさせた
●単なる成功哲学でなく、すぐに使える実践的スキル
●どんな目標にも効果がある
という本書の目標達成術が説くのは、自分の感情を上手く活用する心理学です。
著者によると、上記のような人たちは「やり方を知っていながら、行動ができないだけ」なのだそうです。

やるべきことがわかっているのに行動を起こさないのは、今の状態が心地良いからなんです。
(中略)
心地よい状態というのは、成長することと反対のこと
(中略)
「あなたの成長は、居心地の悪さから来るものなのです」
「あなたの成長は、居心地の悪さをどれだけ居心地良くするか」
なのです。

この居心地の良い状態から抜け出すためには、上手に「痛み」と「快楽」という二つの感情をコントロールし、「変わらなかったときの将来の痛みと、変われたときの将来の喜びを、今しっかり感じる」ことが重要になります。
以下、特に良いと思ったものをピックアップします。
――――――――――――――――――――――――――――――――――
● 究極のビジョンを作る
――――――――――――――――――――――――――――――――――
●大きなモチベーションを持ったほうが、モチベーションが高まる
→そこまで達することができれば、何も思い残すことはないと思えるような究極のビジョンを考える
●大きなビジョンを作ることを恐れない
→目標を達成する人は、目標を作ったときには、方法なんて知らない。しかし、どうしてもそれを達成しなくてはなら-ない感情的な理由を知っている。
●究極のビジョンを5年後の姿、3年後の姿、1年後の姿、3~6ヵ月後の姿とブレークダウンしていく
→遠い目標だけでは、実際に何をしていいかわからない。今、何を行動すれば良いのかが具体的に見えるまでブレークダウンする。
目標を達成する人は、目標を作ったときにはそれを達成する方法を知らないが、達成しなければならない感情的な理由なら知っている。
これを聞いて安堵する人も多いのではないでしょうか。
別に今それを達成する手段が見つからないからといって、その目標を達成する資格が自分にはないのだと考える必要はないのです。
ビジョンは後から描けばいいのです。
――――――――――――――――――――――――――――――――――
● 決断と信念
――――――――――――――――――――――――――――――――――
●本当に成功したいなら決断が必要
●決断とは、退路を断つこと
●「私はできない、自信がない」という間違った信念を持っていたら、成功はできない
●信念とは、事実ではない
●信念とは、あなたが何かに対して持っている、確信の感覚であり、単なる思い込み
→大切なのは、自分の力になる信念を持つこと
――――――――――――――――――――――――――――――――――
● 感情、肉体、人間関係、財政、キャリアとビジネス、時間と自由、環境、精神性
――――――――――――――――――――――――――――――――――
「人生の輪」の中で点数の低いエリア、または改善したいエリアを選ぶ
どういう状態になったら理想的か、6ヶ月~12ヶ月で達成したいすべてを書き出す
――――――――――――――――――――――――――――――――――
● 学習の3つのレベル
――――――――――――――――――――――――――――――――――
知識レベル
感情レベル
無意識レベル
――――――――――――――――――――――――――――――――――
詳しい決断の仕方や正しい信念の作り方は、本書に具体的な手法が紹介されているので、一読してスキルして身につけてしまうことをオススメします。
私は本書のスキルをコーチングでも使ってみたいと思いました。

-1063人の収入を60日で41%アップさせた-目標達成する技術 ~どんな目標も達成できる「成功の心理学」~
-1063人の収入を60日で41%アップさせた-目標達成する技術 ~どんな目標も達成できる「成功の心理学」~ 堀江 信宏

フォレスト出版 2008-12-12
売り上げランキング : 1750

おすすめ平均 star
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starいまさら・・・な内容・・
starうん、今度こそ変われそうな気がする

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『いい明日がくる 夜の習慣』

いい明日がくる 夜の習慣
いい明日がくる 夜の習慣 佐藤 伝

中経出版 2006-12-19
売り上げランキング : 14991

おすすめ平均 star
star人生は眠る前に決まる?
star夜はいかにリラックスするかがポイント
star「良い夜の習慣」を行うことにより、「良い朝」が迎えられる

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佐藤伝さんの『いい明日がくる 夜の習慣』を読みました。
本書は読書会仲間のTO-RAINBOWSさんのブログで紹介されているのを読んで、興味を持ちました。

人生は、夜眠る前の三分で決まります。

これはさすがにないと思いますが、しかし夜寝る前の3分を上手に活用することで、次の日に何かしら良い影響が生まれるのであれば、いくつか実践してみても損はないと思います。
中には「これはいい!」というものもありました。
いくつか面白いものを紹介しようと思います。
● 今日会った人、みんなに感謝する

すべてに「ありがとう」と布団の中で、小声でつぶやいてみましょう。

これは実は、本書を実際に読む前に、TO-RAINBOWSさんのブログに書いてあるのを見て実践していました。
この習慣はかなりオススメです。
一日の中には楽しいこともストレスになるようなこともあると思いますが、夜眠る前に全てに対して「感謝する」習慣を持つことで、いかに自分が恵まれているのか、周囲に活かされているのかを思い出すことができ、とても豊かな精神状態になれます。
私は小声でつぶやかずに、脳内でつぶやいていますが。
● 眠る前に自分の夢をイメージする

夢を加速する秘訣があります。
それは、眠る直前の「うふふ」です。

私はこれをやって、どんどん興奮し、脳が覚醒し、目がさえてしまい、眠れなくなりました。
夢を実現したイメージだけを見ていればいいのでしょうが、私の場合どうしても「いかに実現するか」を考え出してしまうので、脳が活発に働いてしまいます。
妄想力をコントロールする術を身につけないといけませんね。
● 観葉植物の葉に触り、瞑想する

部屋の中の観葉植物の葉っぱを触りながら瞑想しましょう。(中略)植物には、人間を癒すパワーがあります。

これはとても良さそうですね。
でも我が家の観葉植物のマイケルさんは、触るとトゲが刺さりまくります。

確かにマイケルさんを見ていると癒されるのですが、マイケルさんに触りながら瞑想するのはもはや苦行だと思います。
だんだん痛々しくなってきたのでもう辞めますね。

いい明日がくる 夜の習慣
いい明日がくる 夜の習慣 佐藤 伝

中経出版 2006-12-19
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おすすめ平均 star
star人生は眠る前に決まる?
star夜はいかにリラックスするかがポイント
star「良い夜の習慣」を行うことにより、「良い朝」が迎えられる

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余談ですが、『成功本「勝ち抜け」50冊』の著者の水野俊哉さんが「2008年ビジネス書評ブロガーマトリックス」なるものを作られたそうなのですが、そこに私のブログも掲載していただいています。

水野さんと親交のある、ビジネス書評ブログ「読むが価値」を運営している鹿田尚樹さんが、私のブログをオススメの一つとしてご紹介くださったそうです。
鹿田さん、ありがとうございました、とてもうれしく思っております!
鹿田さんのブログといえば、本人に書評を書いているつもりがあまりない私よりもずっと「書評」になっていらして、いつも非常に興味深い記事を書いていらっしゃいますよね。
私もよく拝読させていただいています。
あと、個人的には鹿田さんが主にブログやセミナー活動を絡ませて実践されているご自身のブランディング戦略が面白いと思います。
書評ブロガーとしてパーソナル・ブランドを築き、活躍されたい方は、参考にしてみてはいかがでしょうか。