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Author Archives: 河村 拓

ROOKIES (4)

今日はこちらの本を読んでいました。
第8の習慣 「効果」から「偉大」へ
作者: スティーブン・R・コヴィー, フランクリン・コヴィー・ジャパン株式会社
出版社/メーカー: キングベアー出版
発売日: 2005/04/23
メディア: 単行本
『7つの習慣』で有名なコヴィー博士の一冊ですが、前作同様こちらも約550ページと長いです。
というわけで、今回も合間にROOKIESの紹介をはさもうと思います。

ROOKIES (4) (ジャンプ・コミックス)
ROOKIES (4) (ジャンプ・コミックス) 森田 まさのり

集英社 1999-01
売り上げランキング :

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star安仁屋特集
star悪ガキの

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今回は4巻です。
――――――――――――――――――――――――――――――――――

確かに俺は…野球をナメていたかもしれん…
ろくにルールも知らないくせにエラソーにあいつらに夢を持てなどと…
あほな俺だ!ド素人のくせに!
バカヤローだ!
けど……
ド素人が甲子園目指して何が悪い!

苫米地さんの『努力は要らない!「夢」実現脳の作り方』に、「時間は未来から現在、過去に向かって流れている。未来に夢をかなえるのに、今までのことは一切関係がない。大事なのは、未来に働きかけること。」ということが書いてありました。
「年収何万稼げるようになりたい!」とか、「社長になりたい!」とか、いろいろと願望はあっても、自分にはそれを目指す資格がないように感じてしまうことってあると思います。
それは多くの場合、過去の学歴や職歴など、今まで積み上げてきたものに自信がもてないことに原因があるのではないでしょうか。
しかし、それがどうしても実現したい願望であるならば、そう思った時点でその人にはそれを目指す資格があるのではないかと私は思います。
どんな目的も目標も、それが遠く険しい道のりであるほど、必要なのは能力ではなく、ハードワークなのではないかと思います。
そしてハードワークを継続させるのは、ハードワークをハードワークだと感じさせないような、目的・目標への情熱です。

タイガー・ウッズにしても、スティーブ・ジョブズにしても、ビル・ゲイツにしても、渡邉美樹さんにしても、私が今まで読書を通じて知ってきた尊敬すべき先輩たちは誰をしても、その高みに至るまでに大変な量のハードワークをこなしています。

“The only way to do great work is to love what you do.”

情熱を傾けられる時点で、ド素人だろうがなんだろうが、私たちにはそれを目指す資格があるはずなのです。
――――――――――――――――――――――――――――――――――

何もしねーうちから
あきらめてんじゃねーっ
バカヤローッ!!
好きならがんばってみやがれ!!
全然だめかも知んねーけど
すんげー選手にはるかも
知んねーだろ!

時間は未来から現在、過去に向かって流れています。
あきらめて何もしなければ、確かに過去に積み上げてきた学歴や職歴で未来は決まるのかもしれません。
しかしあきらめずにがんばれば、これからどんな未来をつかむのかは自分たちで選べるのだと、私は思います。

“Have the courage to follow your heart and intuition. They somehow already know, what you truly want to become.”

――――――――――――――――――――――――――――――――――
というわけで4巻も面白かったです。
ここから少し話が脱線しますが、すごくうれしいことがありました。
後輩が一人、「とりあえず2日に1冊、いずれ目標1日1冊!」といって、本を読み始めたのです。
まずは今後の時代の見通しを得られるような一冊が読みたいとのことだったので、ドラッカーの『プロフェッショナルの条件』をオススメしました。
そして今日も「スティーブ・ジョブズの本でオススメのものを教えて欲しい」とメールが来たので、『スティーブ・ジョブズ 偶像復活』と『スティーブ・ジョブズ 神の交渉術』を紹介しました。
がんばってるようですね。
仲間が自分の手で人生のコントロールを握り始めた瞬間にたずさわれるのは、本当にうれしいものですね。
また一人読書仲間が増えそうです。

ROOKIES (4) (ジャンプ・コミックス)
ROOKIES (4) (ジャンプ・コミックス) 森田 まさのり

集英社 1999-01
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『凡人が最強営業マンに変わる魔法のセールストーク』

凡人が最強営業マンに変わる魔法のセールストーク
凡人が最強営業マンに変わる魔法のセールストーク 佐藤 昌弘

日本実業出版社 2003-12-04
売り上げランキング : 3217

おすすめ平均 star
star駆け出しセールス向けの本?
starまあ理屈は分かるが…
star凡人が最強営業マンに変わる魔法のセールストーク

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佐藤昌弘さんの『凡人が最強営業マンに変わる魔法のセールストーク』を読みました。
本書は神田昌典さんのファンであれば是非読んでおきたい一冊です。

「見込み客をみつけてくるまで」がマーケティング活動、そして「見込み客を成約まで持っていく活動」がセールス活動だとも言えます。

●神田昌典さんの『ザ・コピーライティング』『あなたの会社が90日で儲かる!』などでマーケティングを学び、
●本書『凡人が最強営業マンに変わる魔法のセールストーク』でセールスを学ぶ、
それだけでも相当な効果が出るのではないかと思います。
本書はいきなり『お客が欲しいというものを、売ってはいけない』という言葉で始まるのですが、その真意は「お客さんは自分自身が欲しいものを知らない」というところにあります。
美容院を例に考えてみたいと思います。
美容院に行く人は恐らく「カッコイイ髪型にしたい」「ビジネスでさわやかな印象を与えるようなスタイルにしたい」等、様々な欲求を持っていると考えられます。
しかし、お客様はヘアスタイルのプロではありません。
自分が「カッコイイ」と思っていた髪形が、実は自分に似合うものではなかったり、さわやかなイメージだと自分では思っていたが、他人には必ずしもそういう印象をあたえるものではなかった、ということも十分あり得るのです。
なので、美容院で「どのようにカットされますか?」と質問し、「こうカットして欲しい」「こうして欲しい」とお客様が言われるままにカットしていても、それは本当にお客様が求めていたソリューションではないかもしれないのです。

つまり、売り手とお客は、同じ土俵に立ってはいけないのです。

お客さんは、物を買いに来ているのではないのです。
「自分の欲求を満たしてくれる手段」を手に入れようとしているにすぎないのです。

つまるところ、お客様の本当の欲求を聞こうともせずに、モノが売れるわけがないのです。

セールスのステップというのは、極めて単純なのです。
1.あなたが望んでいるものは、本当は何ですか?
2.では、これがあなたにピッタリの商品ですね。

本書はこの「本当に望んでいるものを聞き出し」「それにあわせた提案をする」手法を、
1.ファースト・マジック・クエスチョン
2.マインド・キー・クエスチョン
3.要望の確認プロセス
4.提案&最強のクロージング
の4つのステップからなる「魔法のセールストーク」として解説しているのですが、私は以下の3つの理由で、この手法が逸脱したものだと感じました。
1.効果的
2.誰でもできる
3.日常の場面で練習できる
特に、日常の場面にすんなりとあてはめて練習できてしまうのは大きいですね。
ずっとセールスのフレームワークをマインドマップでまとめたいと言ってきましたが、本書の手法を型にすることにしました。
非常にオススメです。

以下、私用メモ
●褒めるのではなく、心を汲む
●例:「ここまで読むということは、あなたは『向上心』をとても大切にしているのですね」
●マーケティングとセールスを分けて考えていない会社は、いったいどのプロセスに問題があるのかを明確にさえできない

凡人が最強営業マンに変わる魔法のセールストーク
凡人が最強営業マンに変わる魔法のセールストーク 佐藤 昌弘

日本実業出版社 2003-12-04
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『小倉昌男 経営学』

小倉昌男さんの『小倉昌男 経営学』を読みました。
本書は神田昌典さんが『10年後あなたの本棚に残るビジネス書100』にてプッシュしていた一冊ですが、なるほどこれは確かに経営戦略の教科書です。

私は、経営者には「論理的思考」と「高い倫理観」が不可欠だと考えている。
経営は論理の積み重ねである。したがって、論理的思考ができない人に、経営者となる資格はない。

本書は以前のトラック運送事業が立ち行かなくなり、このままではいよいよ終わりだという状態に陥った経緯、そこから宅急便という新しい業態を生み出し、大企業になるまでの道のりが、当事の小倉さんの胸中の思いを交えながらイキイキと描かれています。
宅急便と意う新しい業態を創案し、需要がどれほど見込めるのか、どうすれば損益分岐点を越えられるのかと、ビジネスモデルを確立していく様はまさに論理思考の積み重ねです。
この一連の戦略立案の生きたお手本は、起業する際や新規事業を立ち上げようというときに非常に参考になると思います。
また、経営戦略のみならず、小倉さんの経営者としての優れたマインドを学べるのもポイントです。
宅急便という新しい業態について同業他社がこぞって儲からないと判断し、また、内部でも役員が総反対するという状況で見方を増やしていく様子。
倫理観が欠落している顧客とはたとえお得意さまで会っても取引を解除し、また、必要であれば行政にも挑んでいく自立の精神。
しがらみが多い中で自分の信念を貫く強さは、経営マインドのお手本といえるものだと思います。
様々なツールを駆使した経営学・戦略立案系のビジネス書は多くあるものの、本書のように実際の生きた事例を通して学べるものはかなり貴重だと思います。
神田さんは「毎日10分音読して読むべき」とおっしゃっていますが、確かにこれは自分が小倉さんになったつもりで、マインドの動きを追うように読むのが効果的だと思いました。
本書は本棚に残しておいて、また時期が来たら読み返したいと思います。

『伝説の外資トップが説く リーダーの教科書』

伝説の外資トップが説く リーダーの教科書
伝説の外資トップが説く リーダーの教科書 新 将命

ランダムハウス講談社 2008-11-28
売り上げランキング : 3782

おすすめ平均 star
starよく出来た本です。
starリーダーのためのポイント集
star日本人としてのリーダー論

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新将命さんの『伝説の外資トップが説く リーダーの教科書』を読みました。
本書は今までに読んだリーダーシップ論に関する著書の中でも、私的に3指に入る一冊でした。
まだまだ実感のわかない箇所も多かったのですが(というより実感のわかない箇所のほうが多かったですが)、著者のリーダーシップや経営に対する理念には非常に説得力・一貫性があります。
以前読んだ、同じく素晴らしいリーダーシップ・マネジメント論の一冊、『即戦力の人心術』はかなり感情に訴える力が強い一冊でしたが、本書はものすごくロジカルで、体系的です。
第1章 これからリーダーになる人へ
第2章 リーダーとして歩き始めた人へ
第3章 リーダーシップをさらに磨きたい人へ
第4章 選ばれたリーダーをめざす人へ
という章立てになっていて、これからリーダーを目指す若いビジネスパーソンから、既にリーダーとして活躍している人まで、実に幅広く対応しています。
若い人にとっては、リーダーとして歩き始めた後を見据えて今やるべきことをおさえることができるというのも魅力ですね。
繰り返し参照して、辞書的に活用したいと思いました。
以下、自分が考えたことをまとめてみます。
――――――――――――――――――――――――――――――――――
● 「サラリーマン」ではなく「ビジネスマン」になれ
――――――――――――――――――――――――――――――――――

「サラリーマン」と「ビジネスマン」は違う
(中略)
サラリーマンとは、会社に仕事をしにいく人のこと。
(中略)
ビジネスマンとは何か。会社に結果を出しにいく人のことだ。

最近思うのですが、会社から与えられる給与をお小遣い感覚でとらえている人が多いのではないでしょうか。
自分がもっとスキルを磨き、成果を出すことをするわけでもなく、「給料が他社と比べて低い」とか「給料がなかなかあがらない」と愚痴をこぼす人を見ていると思うのですが、お金ってお小遣いとして「もらう」ものではなくて、自分で「稼ぐ」ものですよね。
また、何々の資格を持っているとか、何々のスキルがあるとかだけではダメで、それを通して自分がどのように他社および世の中に価値を与え、貢献するのかまでを考えなければ、お金をもらうことなどできないと思います。
私は貢献に対して報酬を得られる立場でありたいと思います。
――――――――――――――――――――――――――――――――――
● 願望だけで成功した人はいない
――――――――――――――――――――――――――――――――――

願望だけで夢を実現したというビジネスパーソンにお目にかかったことはただの一度もない。
重要なのは、願望を目標に変換することだ。そのうちそのうち、というのが願望。いつまでに、何をやると決めるのが目標。
(中略)
そして私は、さらに行動計画を付け加えたものが目標だと定義している。

何度か「成功したいな、と漠然と考えているだけではいくら本を読んでも無駄なのではないか」と書いたことがありますが、それを分かりやすく教えてくれる一文だと思います。
ただ、多くの読書術本で「目的・目標を持って読むこと」と書いてある影響からなのだと思うのですが、一冊一冊に対して目標・テーマを絞って設定して読んでいる人が最近多いなと感じます。
例えば「この本ではリーダーシップを学ぶ!」「この本ではマーケティングを学ぶ!」といった具合ですね。
私はそのように一冊一冊に個別のテーマや目標を設けるよりは、何か自分自身の人生や生き方に目的や目標を持って、それを実現する上でこの一冊の本がどのように役立つだろうかと考えながら読むほうが、学びが多く、実践に生かしやすいのではないかと思います。
例えば今私がリーダーシップ論を学ぶことを目的に本書を読んだところで、実践で生かせる機会は現時点でほとんどないでしょう。
しかし自分の目的や目標に照らし合わせて、それらを実現する上でリーダーシップを磨き、リーダーとなるということは有効な手段になりえるのだろうか、ということを考えることはキャリアの方向性を考える上で有用だと思います。
結局いくら目的・目標を持って本を読んでも、肝心のそこから得られた学びを蓄積する「一つの軸」が自分になければ、ほとんど意味がないと思います。
一冊の本にではなく、自分の人生や生き方にまずは目的・目標を作ることが大事だと思います(もちろん、まずは自分の人生や生き方に目的や目標を見つけるために本を読む、というのは良いと思います。それに関しては梅田望夫さんの『ウェブ時代をゆく』の「ロールモデル思考法」が大変参考になります)。
――――――――――――――――――――――――――――――――――
● 「できる人」と「できた人」
――――――――――――――――――――――――――――――――――

仕事ができるというだけで、果たして人はついてくるだろうか。
(中略)
そうではなくて、「あの人のためなら」と思ってもらうだけの魅力こそが、人を動かすのだ。それこそが、人間力であり、マインドなのだ。優れたリーダーは、スキルという仕事力で人を説得し、マインドという人間力で人の感情を揺り動かすのである。だからこそ、大きな仕事ができるのである。

逆に言えば、大きな仕事をしようと思ったならば、人間力と仕事力の両方を身につけなければならないということですね。
私自信の目的を考えると、組織のリーダーになる必要性は必ずしもないと思うのですが、「社会的リーダー」にはならなくてはならないのではないかと思いました。
そのために自分に必要なのは何か、また一つテーマが増えました。
また、次の一説で「才能」「資質」というものについて少し考えてみたいと思います。

リーダーマインドを高めるために何より重要なのは、「情熱」である。(中略)何かに立ち向かおうというパッションがあるかどうか、だ。願望、希望、野望、欲望、なんでもいい。

『さあ、才能に目覚めよう』でストレングス・ファインダーを受けると、自分の5つの資質を知ることができますね。
この本は、ただ試験を受けるだけでなく、じっくりと本文を読むことが不可欠だと思います。
結局あの本で分かるのは「才能」「強み」ではなく、「資質」であり、「強みの源泉」なんですよね。
大事なのは「どういうときに自分は喜びを感じるのか」「何をしているときに情熱を燃やせるのか」ということだと思います。
スポーツが一番分かりやすいのですが、イチローにしても中村俊輔にしても、大変な努力を積み重ねています。
しかし彼らは本当に「つらいけれども一生懸命歯を食いしばって努力している」のでしょうか。
私は違うと思います。
彼らには「野球がすき」「サッカーが楽しい」という感情と、「プロになりたい」「ワールドカップに出たい」といった目的から生じる情熱があって、だからこそ日々のトレーニングも苦痛ではなくなり、継続することができたのではないかと思います。
スポーツ選手ではなく、ビジネスパーソンにしても、何かの分野で一流と呼ばれるには1万時間の学習・トレーニングが必要だと言われています。
結局それだけの努力を積むことができるかどうかは、それを努力と感じさせないもの、つまりは
「目的の強さ」から生まれる情熱
目的を実現するための手段を自分の資質にあった、好きなものにすることで生まれる情熱
の2つで決まるのではないかと思います。
なので、私はあの本で自分の資質を知っておくことはとても有用だと思います。
試験を受けていても、実際にはあまり活用されていない方が多いなと感じますが、大変もったいないなと感じますね。
――――――――――――――――――――――――――――――――――

伝説の外資トップが説く リーダーの教科書
伝説の外資トップが説く リーダーの教科書 新 将命

ランダムハウス講談社 2008-11-28
売り上げランキング : 3782

おすすめ平均 star
starよく出来た本です。
starリーダーのためのポイント集
star日本人としてのリーダー論

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『ROOKIES (3)』

ROOKIES (3) (ジャンプ・コミックス)
ROOKIES (3) (ジャンプ・コミックス) 森田 まさのり

集英社 1998-11
売り上げランキング :

おすすめ平均 star
star川藤の人間臭さと野球部再建にむけて
star今、ジャンプで

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明日(今日?)は出かけてしまうため、今日は早めの更新です。
『ROOKIES (3)』です。
3巻もかなり熱い場面が多く、途中で思わずが…。
ビジネス書ばかり読んでしまうのは個人的にどうかと思うので、たまにはこういった感性に訴える刺激を受けるのもいいと思います。
今回もお気に入りの場面を紹介します。
――――――――――――――――――――――――――――――――――

夢にときめけ!
明日にきらめけ!
by川藤幸一!

ついに出ました、ドラマでもおなじみの名言ですね。
私は冗談でこれをみんなの前で言ってみたら、爆笑されました。
このセリフはちょっと恥ずかしいですが、しかし何か自分のテーマとなるようなセリフがあると面白そうですよね。
考えておこうと思います。
――――――――――――――――――――――――――――――――――

行けないよ甲子園なんか
でもこうやって努力してたら可能性はゼロじゃねーだろ
「行けるかもしれない」……って……
そういうのでいいんだ
俺そういうのでいいんだよ

キャプテン御子柴君のセリフですが、この場面で私は涙が…。
彼らが最終的に甲子園に行くのかどうか私はまだ知りませんが、「甲子園に行けるかもしれない」という思いを胸に仲間たちとがんばれる時間というのは、最終的な結果に関わらず、素晴らしいものなのではないかと思います。
私も是非そんなチームを作って、仕事をしたいと思います。
生きているって、本当に素晴らしいですよね。
あ、ちょっと川藤先生が入ってしまった…。
――――――――――――――――――――――――――――――――――

どんな人間だってなにか素晴らしい事ができる可能性を持っています
ましてや何かやりたいことを見つけた人間はそれだけで尊敬に値します
二度とクズなどと口がさけても言わないでください

よし、がんばろう!

『抜擢される人の人脈力 早回しで成長する人のセオリー』

抜擢される人の人脈力 早回しで成長する人のセオリー
抜擢される人の人脈力  早回しで成長する人のセオリー 岡島悦子

東洋経済新報社 2008-12-12
売り上げランキング : 5585

おすすめ平均 star
star優れた人脈論
star貢献せよさもなくば去れ
star「抜擢」されるための年齢制限は無い

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岡島悦子さんの『抜擢される人の人脈力 早回しで成長する人のセオリー』を読みました。
本書は人脈という切り口で個人のキャリアを論じた一冊ではないかという印象を受けました。
人脈を、キャリアの方向性・やりたいこと・目的・自己実現といったこととこれほど密接に結びつけた本は初めてで、「オススメの人脈本は?」と聞かれたら私は迷わず本書を挙げたいと思います。
本書では人脈を通じて成長し、自己実現に向かう様子を
1.自分にタグをつける(自分が何屋なのか訴求ポイントをはっきりさせる)
2.コンテンツを作る(「お、こおいつは」と思わせる実績事例を作る)
3.仲間を広げる(コンテンツを試しあい、お互いに切磋琢磨して、次のステップを共創する)
4.自分情報を流通させる(何かの時に自分のことを思い出してもらうよう、種を蒔く)
5.チャンスを積極的に取りに行く(実力以上のことに挑戦し、人脈レイヤーを上げる)
という5つのステップと、それを繰り返しサイクルとして回すことで「人脈レイヤー」をあげて活躍するステージをスパイラル上に上昇させていく、「人脈スパイラル・モデル」として見える化しています。
先にも書きましたが、このモデルは「自分が何者で、何をしていくのか」ということと非常に密接につながっているので、特に若い世代の人に読んでもらいたいと思います。
私自身、本書を読みながら自分の方向性がますます明確になっていくのを感じ、読後の今、新たな一つの結論を導き出すことができ、非常にすがすがしい気分です。
また、「そもそも人脈なんて必要なのか?」という人は是非本書の、「人脈のパラダイム・シフト」という箇所を読んでみてください。
これはドラッカーの『プロフェッショナルの条件』にも書いてありましたが、
 ●企業の組織寿命が短命化し、個人のビジネス寿命のほうが長くなる
 ●組織は、定常型組織から、プロジェクト型組織へと移行する
 ●人は、クリティカル・ワーカーとルーティン・ワーカーに二極化し、ルーティン・ワーカーの仕事はグローバルな労働力に代替される
 ●リファレンス文化が普及し、所属組織名での評価から、個人の実績や仕事振り重視へと、評価の質が変化する
と聞いては、今後は個人のブランドを持たずに、また、人脈を持たずに働くということが困難になりかねないというのは自明のことだと思います。
最近は派遣労働者のリストラ問題がクローズアップされていますが、厳しい言い方かもしれませんが、私はそれはあくまで本人が選んだ道なのであって、責任は本人にあるのだと思います。
「会社から首になったら、働き先がなくなった」「会社が倒産したら、どこも雇ってくれなくなった」とならぬよう、自分のキャリアは自分で責任を持って管理していく「自己マネジメントの時代」がやってきたのだと私は思います。
というわけで、人脈とキャリアデザインを同時に学べる非常にオススメの一冊なので、是非読んでみてください。
以下、気になった箇所をまとめます。
――――――――――――――――――――――――――――――――――
● 自分にタグをつける
――――――――――――――――――――――――――――――――――
・自分の志向やスキルをタグにするには、自分の信念や使命感といったものとどこかで結びついていないと、説得力の弱いタグになってしまう
・タグは「Will」「Skill」「Value」の三つから考える
 1.将来どんな仕事をしたいか
  キャリアの方向性を示していればいい
  キャリアプランを綿密に作り上げる必要はない
  抜擢の場面で思い出してもらえるよう、「やりたいこと」をあらかじめ表明しておく
  「やりたい仕事を手に入れるために、今どんな努力をしているか」も話す

  「やりたいこと」を考えるに当たり重要なのは、自分との対話、つまりは「内省」
  自分の魂が震えるくらいのめりこめることは何か」という自己実現欲求に立脚した意欲・アスピレーションを突き詰めることが必要
 2.自分にできることは何か
  実力ではなく、可能性
 3.相手にどんなメリットをもたらすか
本書に

キャリアプランを綿密に作り上げようと努力している方も拝見しますが、変化の早い現代において、そのために時間を使いすぎることはあまりお勧めできません。(中略)
キャリア・ドリフト(漂流)という概念(キャリア計画を立て過ぎず、やりたいことだけを明確にした上で、漂流しながら実力を蓄積しておき、来たチャンスという波をしっかりと捉まえる)が主流になってきています。

という記述があったのですが、これは自分のビジョンを考える上で非常に参考になりました。
私自身、長期的な目的、やりたいことの方向性はありますが、具体的なビジョンとしては5年後くらいまでしか考えていません。
その後についてはそのときにならないとわからないし、今は5年後くらいまで考えておけばいいと思っていたのですが、本書を読んで改めてそれでいいのだと安心しました。
「漂流しながら実力を蓄積させ、来たチャンスをしっかり捉まえる」というのは勝間和代さんの「起きていることはすべて正しい」にも通じる考え方ですね。
――――――――――――――――――――――――――――――――――
● コンテンツを作る
――――――――――――――――――――――――――――――――――
・コンテンツを作れそうなチャンスを得たら、いきなり自分のやりたいことを実行しない
・まずは相手が求めていることに100%応える
・少しずつ仕事を自分の「やりたいこと」に引き寄せていく
・ビジネスに必要な心肺機能
 脳に汗をかくくらい頭を使う
 ビジネス上の修羅場を経験する
 自分の名前で仕事をする
――――――――――――――――――――――――――――――――――
● 仲間を広げる
――――――――――――――――――――――――――――――――――
・人脈を共創できるような仲間と活躍のステージを上げていく
・仲間とは、「タグ」や「コンテンツ」について評価や駄目だしをしたり、関連しそうな人を紹介してくれたり、活躍の機会をもたらしてくれたりする、同志のことで、人脈の核となるグループのこと
・「やりたいこと」「価値観」と関連した切り口での勉強会コミュニティを開催する
・参加者全員が「貢献せよ、さもなくば去れ」を認識しなければならない
・議論のクオリティに厳しい目をお互いが持つ
・特性がバラバラな仲間のほうが学びが多い
・フリーライダーは許されない
「貢献せよ、さもなくば去れ」、これは読書会「TRICKYY」のときや、その他コミュニティを開催するときには是非実践しようと思いました。
幸いTRICKYYも着実に密度が濃くなってきており、貢献のギブ&テイクが成り立つようになってきました。

抜擢される人の人脈力 早回しで成長する人のセオリー
抜擢される人の人脈力  早回しで成長する人のセオリー 岡島悦子

東洋経済新報社 2008-12-12
売り上げランキング : 5585

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star優れた人脈論
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『営業の赤本・一問一答 儲けにつながる99.5の教え』

営業の赤本・一問一答 儲けにつながる99.5の教え
営業の赤本・一問一答 儲けにつながる99.5の教え 月沢 李歌子

日経BP社 2007-12-13
売り上げランキング : 26223

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star営業の具体的なことが書いてあり、ためになりました!
star営業の総合力を高める本
star時々ドキッとします

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ジェフリー・ギトマーの『営業の赤本・一問一答 儲けにつながる99.5の教え』を読みました。
これで4冊目なのですが、ギトマー氏の本は単に営業のノウハウやスキルにとどまらず、「営業としての職業人生観」に根ざした一貫性のある切り口で語っている点が非常に良いと思います。
本書では「営業として成功したいのであれば努力が必要である」という記述がところどころに見られるのですが、長期的視点に立って今何を努力しなければならないのかがしっかりと理解できるように書かれているので、ビジョンを考える上で有用です。
前著『営業の赤本 売り続けるための12.5原則』と同様、本書も営業に携わる人に是非読んでもらいたい一冊です。
私は、
●パーソナル・ブランドを築いて、自分のポジションを確立する
●「あって欲しい」「売って欲しい」と向こうから言われる仕組みを作る

という視点で読み進めたのですが、今回も「パーソナルブランディング」×「営業」を考える上で有用な発見が満載でした。
今着々と頭の中で構想が出来上がりつつあります。
今回もメモ書きのみとします。
――――――――――――――――――――――――――――――――――
● 目標を達成できない理由
 1.目標を書き出して目に見えるところに貼っていない
 2.目標を達成するための計画を立てていない
 3.目標を達成するための努力をしていない
 4.そもそも達成できるはずがない目標を設定している
● 毎日ベストを尽くす方法
 1.早起きをする
 2.学び続ける
 3.テレビは見ない
 4.毎朝本を読む
 5.毎朝書く
 6.自分が一番だと信じる
● アポ
 ・大切なのは相手の関心を引くことで、売ることではない
 ・目的はアポをとることにある
 ・決定権のある人に価値ある情報を提供する
  記事を書く
  トークショーに出演する
  講演を行う
  毎週、電子メールでアイデアを提供する
  無料のセミナーを開く
  業界の集まりで人脈作りをする
  あなたを気に入ってくれている人からお客様を紹介してもらう
 ・お客様に情報を伝えるには、お客様が「読まなければ」と思うような情報の提示をする
● アポを取るためのアイデア
 ・CEOのアシスタントに、あなたが毎月発行しているリーダーシップに関するメールマガジンに載せるために、上司のインタビューをさせてほしいと言う
 ・30分だけ時間をいただきたい、カメラマンを連れて行くという
 ・80%成功する
 ・メールマガジンは、お客様に名前を覚えてもらい、重要な人とアポをとり、リーダーとしての存在を確立するのに一番手っ取り早い方法
 ・インタビューするときは、あなたの商品を宣伝してはいけない
 ・自分のことを話すのは聞かれたときだけにし、価値ある情報を提供すること
 ・インタビュー記事を配信したら、ふたたびアポをとり、商品を売り込む
 ・インタビューをしたCEOは、記事が掲載されたメルマガをありとあらゆる人に転送してくれる
● 質問
 ・あなたが提供する商品やサービスを、購入するという観点ではなく、所有するという観点で考える
 ・「ジョーンズさん、この車を買って、最初に行きたいところはどこですか?」
● 電話で主導権を握る
 ・質問をする

営業の赤本・一問一答 儲けにつながる99.5の教え
営業の赤本・一問一答 儲けにつながる99.5の教え 月沢 李歌子

日経BP社 2007-12-13
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『私はどうして販売外交に成功したか』

私はどうして販売外交に成功したか (Life & business series)
私はどうして販売外交に成功したか (Life & business series) 土屋 健

ダイヤモンド社 1982-08
売り上げランキング : 5825

おすすめ平均 star
star本質を突くタイプの典型的な名著
starこれこそ営業の「バイブル」
star迫力と情熱に溢れた名著

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フランク・ベトガーの『私はどうして販売外交に成功したか』を読みました。
本書は初版が1964年に出版され、40年たった今でも読み次がれている正真正銘の名著です。
『10年後あなたの本棚に残るビジネス書100』で紹介されていたのを見て読んでみたのですが、まさに
 ●セールスマンとしてのプライドを持てる
 ●セールスマンシップをひしひしと感じることができる

一冊でした。
本書に書いてあることは
●金曜日に次の1週間のスケジュールを立てる
●上手に話せるようトレーニングする
●毎朝早起きして1時間勉強する
●相手の顔と名前を覚える
など、基本的なこと、原則的なことが中心に書かれているのですが、私はこれを読んで営業という仕事は、プロフェッショナリズムが強く求められる、自己鍛錬の側面が多い仕事なのだなと感じました。
今回はメモ書きのみとしますが、営業に携わる人には非常にオススメの一冊です。
是非読んでみてください。
――――――――――――――――――――――――――――――――――
● フランクリンの13項目
1.情熱
2.秩序―自分自身の行動を組織的にする
3.他人の利害関係を考える
4.質問
5.中心問題
6.沈黙―相手の話をよく聞くこと
7.誠実―信用を得るに値することをする
8.自分の事業に関する知識
9.正しい知識と感謝
10.微笑―幸福感
11.人の名前と顔とを記憶すること
12.サービスと将来の見込みに対する予想
13.販売を取り決める―購買行動を起こさせる
● 販売に成功する7つの原則
1.結論は最後の止めをさすときまで出さないこと
 相手の注意を惹く
 興味を起こさせる
 欲しいという気持ちにさせる
 商談の成立

2.要点をかいつまんで話すこと
3.言葉の魔術を活用する
4.反対する客を歓迎する
5.どうしてですか?そのほかに何かわけがあるのではありませんか?という問いかけをする
6.ここに署名してくださいと見込客に頼む
7.契約と同時に小切手をもらう。金を受け取ることを遠慮してはならない
●記録をとっておかないと、自分のしていることに誤りがないかどうかを知る方法がない(訪問解するの記録をとり、分析する)
●慎重にものを考え、プランを立てるために十分な時間を使い、そのうえで果敢に実行する
●早く人の信頼を獲得する確実な方法は、「証人」を持ち出すこと
●名前を覚える際は、印象、反復、連想
●知っている人に道で出会った場合には、いつでもその人の名前を呼ぶ

私はどうして販売外交に成功したか (Life & business series)
私はどうして販売外交に成功したか (Life & business series) 土屋 健

ダイヤモンド社 1982-08
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『スピード・オブ・トラスト―「信頼」がスピードを上げ、コストを下げ、組織の影響力を最大化する』

スピード・オブ・トラスト―「信頼」がスピードを上げ、コストを下げ、組織の影響力を最大化する
スピード・オブ・トラスト―「信頼」がスピードを上げ、コストを下げ、組織の影響力を最大化する Stephen M.R. Covey Rebecca R. Merrill

キングベアー出版 2008-11
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star今年読んだ本で一番の名著

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スティーブン・M・R・コヴィーの『スピード・オブ・トラスト―「信頼」がスピードを上げ、コストを下げ、組織の影響力を最大化する』を読みました。
本書はあの『7つの習慣』の著者であるスティーブン・R・コヴィーの息子のデビュー作なのですが、「2008年、いろいろな本を読みましたが、この本がおそらく、私の中でダントツの今年一番良かった本」とkazさんのブログにて絶賛されているのを見て、読んでみることにしました。
結論から言うと、これは必読の一冊だと思います。
本書のテーマは「信頼」です。

世界中のすべての人、人間関係、チーム、家族、組織、国家、経済、文明に共通するものが一つある。それがないと、どんなに強力な政府も、どんなに成功している企業も、どんなに繁栄している経済も、どんなに影響力のあるリーダーシップも、どんなに素晴らしい友情も、どんなに強靭な人格も、どんなに深い愛情も壊れてしまう。
逆に、それを育て活用すれば、人生のいろいろな面で類まれな成功と繁栄を築き上げることも夢ではない。なのに今の時代、それはほとんど理解されず、おざなりにされている。
それは何か。「信頼」である。

しかし、信頼というと主観的なもので、実体がなく、持とうとしてもてるものではないと多くの人が思っているのではないかと思います。
本書では「信頼」を科学しています。
つまり、実際的かつ具体的で実用的な財産として、築き、育て、与え、回復することができるものだとしているのです。
――――――――――――――――――――――――――――――――――
● スピードとコスト
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本書で特に逸脱していると私が感じた概念が二つあるのですが、そのうちの一つに「信頼の結果はスピードとコストに表れる」というものがあります。

信頼の量は常に、スピードとコストという二つの結果として表れるということである。信頼が減ると、スピードが低下し、コストが上昇する。

それに対し、信頼が増えるとスピードが上昇し、コストが低下する。

例えば9.11以前のアメリカの空港では安全に対する信頼があったため、セキュリティ・チェックにさほど時間がかからず、出発時刻の30分前に着くようにすれば大丈夫でした。
しかし事件後の今では、信頼を高めるために厳重な手続きと検査システムが導入されたことから飛行機での移動に要する時間とシステム導入によるコストが上昇しています。
営業でも同じで、信頼の確立されていない人は「買ってください」と多くの見込み顧客を回らなければならないため、非常に効率が悪くなります。
それに対し周囲から信頼され、ブランドを築いている人は、顧客のほうから紹介されたり、「売ってください」とお願いされたりするため、購入する意思のある人を中心に時間を使うことができ、非常に効率が良くなります。
信頼が低いとスピードとコストに悪影響が生まれ、低い信頼によって発生する「税金」を支払わなければならなくなり、それは極めて高額にのぼります。
それに対し高い信頼は「配当」をもたらし、それはときに信じられないほど高額になるのです。
――――――――――――――――――――――――――――――――――
● 信頼性の四つの核
――――――――――――――――――――――――――――――――――
もう一つは、「信頼性の四つの核」という概念です。
信頼というと、「誠実さ」だとか、「正直である」とか、そういった人格的なものを連想することが多いと思います。
しかし、信頼が「人格」だけで決まると考えるのは誤りで、それに加えて「能力」が同様に重要なのだと本書では述べられています。
例えば非常に重要な仕事を誰かに任せるときに、「人格」は素晴らしいけれども「能力」の低い人に任せることと、「能力」は素晴らしいけれども「人格」に信用がない人に任せることは同じくらいリスクを伴うものだと思います。
人格と能力の両方が信頼には不可欠なのです。
本書ではこの2つを更に分解して、「信頼性の四つの核」としています。
1.誠実さ
 ●正直であること、高潔であること、有限実行であること、表裏がないこと、自分の価値観や信念に従って行動する勇気を持つこと
 ●一貫性:根底にある価値観や信念と行動が一致している
 ●勇気:困難な状況下にあっても正しいことをする
2.意図
 ●率直な動機や相互の利益に基づく思惑、その結果として表れる行動
3.力量
 ●他者の信頼を得るための才能、態度、スキル、知識であり、結果を出す手段
 ●才能:自分の才能をできるだけ活かすにはどうしたらよいか
 ●スキル:将来どんなスキルを習得する必要があるか、スキルの継続的向上にどの程度努力しているか
 ●自分の強み(および目的)で勝負する―自分の強みを上回るものがある、それは目的の強みだ
 ●適応力を持ち続ける
 ●自分の進む方向を見極める
4.結果
 ●過去の実績、実行力、正しいことをやり遂げるかどうか
最近ではパーソナル・ブランディングのツールとして、ブログ・メルマガ・その他いろいろなマーケティング・ツールが注目されています。
現代において個人がブランドを築くことは非常に大切だと思います。
しかしパーソナル・ブランドの本質が「信頼」にあることを考えると、個人のブランドを築こうと思うならばこのようなマーケティング手法にばかりとらわれていてはダメで、自分の誠実さ、意図、力量、結果を着実に高めていかなければならないことが良く分かります。
自分の意図を明確にすることをせずに、意図に基づく誠実な行動をとらずに、望む結果を出すために必要なスキルを日々磨くことをせずに、実績を残すことなしに、真のブランドなど築けるはずがないのです。
本書はパーソナル・ブランディングを考える上でも必読の一冊でしょう。
――――――――――――――――――――――――――――――――――
実は本書は大きく分けると
1.自分自身の信頼
 ●決めた目標を達成したり、約束を守ったり、言ったことを実行する能力に対する自信のように私たちが自分自身を信頼するとともに、他者にも信頼されること
 ●原則:信頼性
2.人間関係の信頼
 ●他者に対する「信頼口座」を確立し、増やすにはどうしたらいいか
 ●原則:行動の一貫性
3.組織の信頼
 ●企業、非営利組織、政府機関、教育機関、家族、さらには組織のチームなどありとあらゆる組織においてリーダーはどうしたら信頼を得られるか
 ●原則:一致
4.市場の信頼
 ●会社のブランド、個人のブランド
 ●原則:評判
5.社会の信頼
 ●他者や社会全体のために価値を創出すること
 ●原則:貢献
という構成になっていて、今回はそのうちの第一の波:「人間関係の信頼」にしか触れていません。
しかし残りの箇所も同様に非常に濃いです。
最近は企業の不祥事がクローズアップされがちですが、そういう中で自社の軸を築く上で、さらには信頼・ブランドを築くマーケティングを考える上で、マストな内容だと思います。
まだあまり注目されていないのが不思議な、素晴らしい一冊なので、是非読んでみてください。
――――――――――――――――――――――――――――――――――
以下、私用メモ
●信頼を築き、育て、与え、回復する方法を身につけると、現在のみならず未来の人生の軌道を変えることができるのだ。
●できるだけ手っ取り早く信頼を回復したければ、どんなに些細なことでもいいから自分自身と他者に対して約束をし、それをきちんと守るのが一つの方法
●不信が社会に蔓延すると、あらゆる種類の経済活動に一種の税が課されることになる。これは、高い信頼が築かれている社会では支払う必要のない税である
信頼がもたらすスピードほど速いものはない
信頼は、人にやる気を起こさせ、鼓舞する最も強力な手段の一つである
●自分との約束を守らないでいると、自信が切り刻まれ、人格の弱さとなる
●自分との約束を守ると、自分への信頼度は高くなり、高い自己イメージが持てる
●「信頼性の4つの核」が会社のマーケティング方針になる
規則の強化を声高に叫ぶ企業は多い。しかし、自らの価値観を明確にした上で、その価値観を実践する方法を社員に指導しようという企業は少ない。
あなたはどんな人で、どんな価値観を持ち、何を信念としているか―それがあなたの錨であり、北極星である。そういうことは本で学べるものではない。自分自身の精神の中に見つけ出すものなのだ。
● 信頼されるリーダーの十三の行動
1.率直に話す
 正直に話す、真実を話す、自分の意見を明らかにする、ありのままに表現する、事実をゆがめない、真実を操作しない、誤った印象を与えない
 他者を尊重する
2.透明性を高める
 オープンになる、偽らない、人々が確認できるやり方で真実を話す
 隠さない、心にしまわない、抱え込まない、秘密を持たない
3.間違いを正す
 ただ謝るだけでなく、償いをする
4.忠誠心を示す
 他者に花を持たせ、その人の貢献の意義を認め、創造性の発揮、強調、アイデアの自由な享有を通じて信頼を飛躍的に拡大することを社員に促す環境を構築する
 誰かの話をするとき、その人がそばにいるつもりで話す
 誰かに何かを改めてもらいたいのであれば、直接話す勇気を持つ

6.結果を出す
7.より上を目指す
 退化しない、悪化しない、過去の栄光にあぐらをかかない
 フィードバックを求め、間違いから学ぶ
8.現実を直視する
 現実から目を背け、やがて消えてなくなるか、実在しないかのように思い込まない
 困難な問題に正面から取り組む
 悪い知らせも告げる勇気を持つ

9.期待を明確にする
 期待がどの程度満たされるか、または裏切られるかが信頼に影響する
10.アカウンタビリティ(結果に対する説明責任)を果たす
11.まずは耳を傾ける
 聞くふりをしたり、自分が話すことを頭の中で考えながら話す順番を待たない
12.コミットメントし続ける
13.他者を信頼する
● 低信頼組織
 ・事実の操作、歪曲が行われる
 ・情報が抱え込まれる
 ・新しい考え方があからさまに抵抗を受け、抑え付けられる
 ・間違いが隠蔽される
 ・責任のなすりあいや他者の悪口が横行する
● 高信頼組織
 ・情報がオープンに共有される
 ・間違いを成長の糧とする
 ・文化が革新的かつ独創的
 ・その場にいない人にも忠誠心が示される
 ・透明性が一つの価値として実践される
● 組織の「信頼性の四つの核」
1.誠実さ
 組織のミッション・ステートメントやバリュー・ステートメントを作成する
 全員を関与させる
 約束を守る文化を創る
2.意図
 信頼を築くような動機と原則を繁栄するミッションや価値観を持つ
 思いやりの規範を示す
3.力量
 組織内の構成やシステムを改善し、必要な才能をひきつけ、維持する
 トレーニングや指導を継続的に提供する
4.結果
 段階的な目標達成や全員の考えの統一を可能にするシステムにより、望ましい結果の共通ビジョンを持てるようにする

スピード・オブ・トラスト―「信頼」がスピードを上げ、コストを下げ、組織の影響力を最大化する
スピード・オブ・トラスト―「信頼」がスピードを上げ、コストを下げ、組織の影響力を最大化する Stephen M.R. Covey Rebecca R. Merrill

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『ROOKIES (2)』

ROOKIES (2) (ジャンプ・コミックス)
ROOKIES (2) (ジャンプ・コミックス) 森田 まさのり

集英社 1998-09
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以前紹介した1巻に引き続き、ROOKIES (2)の紹介です。
今回もお気に入りの場面をピックアップしていこうと思います。
――――――――――――――――――――――――――――――――――

他の奴らもただ目指すものが見えてないだけなんです
それを見せてやるのが私の仕事だし夢ですから

大丈夫本当にどうしようもない人間なんてこの世にいませんから

これは教頭先生に対して述べた、野球部の不良たちに対する川藤先生の考えです。
で、以下の場面に続きます。

小人閑居して不善をなす
だな

徳の至らない人は暇でする事がないとつい悪い事をやってしまう
言いかえれば目的をもってがんばってる人は悪いことしてる暇なんてないってわけだ
だから大事なんだよ夢ってのは

以前読んだ『ザ・ドリーム・マネジャー』に「社員一人ひとりの現在の仕事と夢の実現とをつなぐ架け橋をつくることで、彼らの情熱やエネルギーを呼び起こすことができる」とありましたが、川藤先生が言わんとしていることも同じなのだなと思いました。
また、今週読んだ『最強組織の法則』にも個人のビジョンについて、
ビジョンに「内なる呼び声」を持った強い目的意識があると、ビジョン(望んでいること)と現状の間にあるギャップを埋めようとする、強力な意欲・モチベーション・力が湧く
と書かれていました。
結局何故夢や目的を持つことが必要なのかというと、それがあるかないかでは、未来と現実のギャップを埋めようとする意欲・モチベーション・力に大きな差が出てしまい、成長するスピードが全然違うからなのかもしれません。
渡邉美樹さんも夢について、「夢を叶えることよりも、夢を叶える過程で成長することが実は大切」と述べていますが、まさに成長するうえで「夢」「目的」というのは欠かせないものなのだと再認識しました。
――――――――――――――――――――――――――――――――――
ということで、次の場面です。

岩屋の外には明るい未来があるのに穴から出られない状況に自分を持っていった愚かさ…
しかもその状況を変革しようともせず穴ぐらの中で小さなよろこびにひたるしかない……
そんな山椒魚の孤独な物語なんだ

自分を変えればいくらでも状況は好転できるのに、今の状況に安住することを選び、その中で小さな喜びに一喜一憂している、という人を例えての比喩だと思います。
周囲を見回すと、そういう人は結構いますよね。
例えば近年のお笑いブームなんかも、グローバル化・不況・リストラなど、いろいろとストレスにさらされながらも、自分が成長することで状況を打開するのではなく、お笑いでストレスを一時的に発散することを多くの人が選んでいるのかもしれません。
――――――――――――――――――――――――――――――――――
というわけで、ROOKIES (2)も、かなり面白いです。
読書と同様、問題提起をしながら読めばマンガからも間違いなく得られるものがあるなと実感します。
おそらく多くの人にとってマンガは本よりもハードルが低いので、なかなか本が読めないという人は、まずはマンガを読んでみるのも一つの手かもしれませんね。

ROOKIES (2) (ジャンプ・コミックス)
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ちなみに今読んでいるのはこの2冊です。
スピード・オブ・トラスト―「信頼」がスピードを上げ、コストを下げ、組織の影響力を最大化する
作者: スティーブン・M.R.コヴィー, レベッカ・R.メリル, Stephen M.R. Covey, Rebecca R. Merrill
出版社/メーカー: キングベアー出版
発売日: 2008/11
メディア: 単行本
今ちょうど半分ほど読み終えたのですが、500ページと量が多いのと、かなりじっくりと読んでいるため、恐らく読み終えるのは明日でしょう。
もう一冊はこちら。
Talent Is Overrated: What Really Separates World-Class Performers from Everybody Else
作者: Geoff Colvin
出版社/メーカー: Portfolio Hardcover
発売日: 2008/10/16
メディア: ハードカバー
洋書なので、読み終わるのは1週間~2週間後だと思います。