Kageさんの『好きなことだけやればいい』を読みました。
「好きなことだけやってればいいのか」というとなんだかとても楽なことのように聞こえます。
でも現実はどうでしょうか。
その好きなことというのがある程度職業として世の中に浸透していればまだいいでしょう。
しかしまだ世の中にない、全く新しいモノ・コトを仕事にしようとする場合は、その良さや価値を、それについて全く知らない人たちに気づいてもらうことから始めなければいけません。
「こうすればうまくいく」と頭の中ではいろいろ戦略をたてるものの、現実には想像しなかったような困難や壁が次々と立ちはだかってきます。
著者のKageさんも、アメリカ風の似顔絵「カリカチュア」の良さを日本にも広めようとカリカチュア・ジャパン株式会社を立ち上げますが、事業が軌道に乗るまでの道のりは決して平坦なものではありませんでした。
好きなことをやる上で出会う困難や壁を前にすると、自信すらも失いそうになるかもしれませんが、そんなときはどうすればいいのかを教えてくれる一冊だと思います。
自分が自分の仕事に惚れこんでいない状態で、
お客様のためにも、へったくれもない。
自分が心底良いと思えるからこそ、
人に勧められるし、気持ちも伝わる。
それを通して人の幸せを願うこともできる。
自分自身が楽しくないものは、
お客さんにとっても楽しくない。
チャンスが逃げることはない。
自分がテイクチャンスしなければ、他の誰かが先に行動し、チャンスをものにするだけ。
逃げているのはいつも自分だ。
好きなことをして生きていこうと思うのなら、その道のバカにならないといけない。
「野球バカ」「活字バカ」、周囲からそう言われるくらい、覚えられるくらい、熱中し、追及し、こだわることだ。
(中略)
バカとは、突き抜けている人のこと。
現代は「個」の時代、個性が大切だと言われている。
だけど基本を身体に染み込ませるためには、個性を一度忘れないといけない。
(中略)
土台が安定して、はじめて個性的なデザインは生きる。
好きなことを仕事にするということは、
毎日が楽しいことばかりじゃない―。
(中略)
まだまだアーティストとして一人前と呼ばれるには程遠い僕が、取捨選択できるような立場にあったのか?
ハングリーにお客様を捕まえる意欲が、なぜもてなかったのか?
量をこなす前に質を選んでいては、何も得られないじゃないか―。
「裸一貫」という言葉があります。
まさしく飾らず、奇をてらわず、素直な気持ちで人と接する―。
本当の強さとは、自分の弱さを受け入れること。
そのうえで、できることを積み上げていくこと。
それが、本物の強さだと僕は思う。
好きなことを見つけても、「自分にはそれをやるための才能がない」「自分にはそれだけの資格がない」「他にもっと得意な人がいるから」と考えてしまい、やる前から諦めたくなることはたくさんあると思います。
しかし、最初から「得意」で「天才」で「資格」がある人なんているんでしょうか?
理想像と自分を比べてしまうとそのギャップに「自分には無理なんじゃないか」と考えてしまいがちですが、誰でも最初はそうなんだと思います。
そのときに自分の弱さや至らなさを痛感しつつも、だからこそ着実に一つ一つを積み上げていける人、そういう人がきっといつか突き抜けるのだと思います。
最初から特別なのではないのです。
答えは自分の中にしかありません。
自分が歩んでいく、まだ知らない道の上にしかありません。
立ち止まってじっと考え込んでいても、答えは見つからないのです。
「こうじゃないかな」と考えて、自分なりの答えを導き出し、
それを行動に移しながら、改善し、調整していくしかないのです。
人の評価を気にしないでください。
あなたの目標を見失ってしまいます。
常に前を見て進んでいくこと。
諦めることだけはしない。
諦めずに歩き続ければ、「好き」と「夢」は、
「今」と「これから」に変わっていきます。