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Author Archives: 河村 拓

【自社のプラットフォーム戦略を考える7つのポイント】プラットフォーム戦略

プラットフォーム戦略
プラットフォーム戦略 平野 敦士 カール アンドレイ・ハギウ

東洋経済新報社 2010-07-30
売り上げランキング : 797

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つまり、プラットフォーム戦略とは、
1.多くの関係するグループを「場」(プラットフォーム)に乗せ、
2.マッチングや集客などさまざまな機能を提供し、
3.検索や広告などのコストを減らし、
4.クチコミなどの外部ネットワーク効果を創造する
ことで、新しい事業のエコシステムを構築するという戦略です。

Microsoft、Google、Yahoo、Facebookなどの成功により、今「プラットフォーム」という言葉が非常に注目されています。最近私も自社の製品・サービスにおける他社との協業戦略の立案を任されることになったので、これは研究する必要がありそうだということで本で勉強してみることにしました。その際に活用した平野敦士カール氏の『プラットフォーム戦略』から、自社でプラットフォーム戦略を考える際に私が重要だと感じた7つのポイントを取り上げます。

1.自らの存在価値を創出する

プラットフォームが成功するには、そのプラットフォームが存在することによって、それがなかった場合と比較した際のメリットが必要です。例えばクレジットカード会社はカード発行業務、端末設置、審査、決済業務を一手に引き受けることによって、利用者と取り扱い店舗双方の取引コストを引き下げることに成功しています。また、「ネットショップならAmazon」といったブランドを確立することができれば、消費者が商品を求めて探し回るコストを削減できるとともに、プラットフォーム側にとっては集客のためのマーケティングコストの削減になります。

2.対象となるグループ間の交流を刺激する

プラットフォームに参加するグループ間で、クチコミが広がることも重要です。「この本はためになる」「このゲームで遊ぼう」といった具合に、情報が勝手に広がる仕組みを作ることにより、プラットフォームは自然増殖を始め、拡大していきます。特に資金力に限りがある会社にとっては、広告・宣伝に多額の資金を費やせるわけではないので、ここの設計を十分に練る必要がありそうですね。

3.社会の流れを把握する

新しいライフスタイルが生まれる時や、規制緩和や制度変更によって変化が生じているところは、プラットフォームを生み出すチャンスです。まだプラットフォームが存在しない、もしくは既存のプラットフォームがまだ成功していない領域で、「何故成功していないのか?不満や不平は何か?」を考えることが、大きなヒントとなります。システムの分野でも「クラウド」というキーワードがかなりの盛り上がりを見せているので、チャンスは大きいと言えそうです。

4.メーカー発想を捨てる

研究開発費や製造原価に利益を上乗せして発売するという「メーカー発想」では、プラットフォームはうまくいきません。将来の市場の拡大を予想して、そのリスクを取れるような価格設定が必要で、ここに関してはフリーミアムに共通する部分だと言えそうですね。

5.ルールを制定し、管理する

プラットフォーム上に粗悪品が蔓延するようになると、消費者にとっての魅力が失われ、プラットフォームの力を急速に失うことになります。iTunesやiモードがコンテンツの審査を行ったり、Amazonがユーザー同士によるレビュー機能を用意したりしているように、プラットフォームのクオリティをコントロールするためのルールを制定し、管理することが重要です。

6.安易にプラットフォームに飛び込まない

iTunesの成功により多くのユーザーを獲得したAppleに対し、もはや音楽レーベル各社はなすすべがない状況です。iPodやiPhone、iPadといった端末で利益を生み出せるAppleにとっては、そのなかで配信するコンテンツについては価格を引き下げる力が働きやすくなり、そうなると音楽レーベルにとっては非常に苦しい展開になります。安易にプラットフォームに参加して失敗したパターンはいくつもあるので、事前に戦略を練ることが大切です。その際は、自社単独もしくは他社と組んで交渉力を持った上で参加できないか、あらかじめ価格や収益確保について契約をかわせないか、あるいは既存プラットフォームの上でプラットフォームを構築できないか、といったことを考えてみましょう。

7.キラーコンテンツを用意する

Microsoft WindowsのOfficeやiモードの着メロのように、成功するプラットフォームにはキラーコンテンツと言われる人気コンテンツやサービスがあるものです。それは「そのプラットフォームがどういうプラットフォームなのか?」というブランドを形作る上でもっとも重要な要素です。ユーザーをファンに変えるためには、製品やサービスの裏に思想・グランドデザインが存在することが不可欠だと私は思うのですが、現実を見渡すと実はほとんどの企業が出来ていないのがこの部分なのです。これからの世の中のあり方、もしくはあるグループの在り方についてなんのビジョンも持たずに、ただ製品だけを提供している企業が残念ながら非常に多いですね。

プラットフォーム戦略

私も次回のミーティングに向けて、マインドマップを書きながら読み進めました。本書は是非、自社の会社や製品、サービスを具体的にイメージしながら読んでほしい一冊ですね。

プラットフォーム戦略
プラットフォーム戦略 平野 敦士 カール アンドレイ・ハギウ

東洋経済新報社 2010-07-30
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図解入門ビジネス 最新IT統制の基本と仕組みがよーくわかる本

図解入門ビジネス 最新IT統制の基本と仕組みがよーくわかる本 (How‐nual Business Guide Book)
図解入門ビジネス 最新IT統制の基本と仕組みがよーくわかる本 (How‐nual Business Guide Book) 打川 和男

秀和システム 2007-08
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今日は私の所属するIT業界本をご紹介します。営業活動をしていると毎日のように聞くのが「内部統制」「IT統制」というキーワード。昨今の景気を受けてIT投資を控えている企業が多い中、法律や監査といった「外圧」への対応は依然として必要なのです。

知識に自信がない人は、あらためて『図解入門ビジネス 最新IT統制の基本と仕組みがよーくわかる本』くらいは読んでおいてもいいでしょう。内部統制の背景と主に影響を受けるシステムについてはもちろん、ITILで一時盛り上がりを見せた「インシデント管理」「変更管理」「構成管理」といったものが何故必要なのか、という基本的な理解をおさえることができます。

たしかに営業職は営業活動中にお客様と会話しながら業務知識を学べる職種ではありますが、それで得られるのはあくまで断片的な知識であって、それらをつなげて理解するには本書のような体系立てられた本で勉強することが不可欠です。是非活用してみてください。

【短い時間で高いアウトプットを生み出す5つのポイント】どんな時代もサバイバルする人の「時間力」養成講座

どんな時代もサバイバルする人の「時間力」養成講座 (ディスカヴァー携書)
どんな時代もサバイバルする人の「時間力」養成講座 (ディスカヴァー携書) 小宮 一慶

ディスカヴァー・トゥエンティワン 2009-11-19
売り上げランキング : 27428

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時間管理というと、いかにルーティンワークを効率的にさばくか、スキマ時間を有効活用するか、スケジュールを上手に立てるかということを考えがちです。しかし仕事をする上で本来重要なのは、いかに早くこなすかということではなく、いかに質の高いアウトプットをたくさん生み出せるかという「結果」のはずです。どれだけ時間をかけようが、楽をしようが、結局は価値あるアウトプットを出せるかどうかがすべてなのです。今日は小宮一慶氏の『どんな時代もサバイバルする人の「時間力」養成講座』から、「短い時間で高いアウトプットを生み出す5つのポイントを取り上げます。

1.自由度とやる気の高い時間を増やす

仕事は、どれだけの長さ働くかではなくて、限られた時間の中で、どれだけ、いいアウトプットを出せるか、です。

限られた時間の中でいいアウトプットを出すには、まずは自分にとっていいアウトプットが出せる状態を作りましょう。自分にとっていいアウトプットが出しやすい状態とはズバリ、自由度とやる気の高い状態です。やる気のない状態で仕事をしていても能率が上がらず、成果もなかなか出てきません。たいていの場合は自由度の高い仕事をしているときが最もやる気のでやすい時間なのですが、かといって若いうちはそれほど自由度の高い仕事を任されるわけではありません。まずは「やる気」のある時間を意識的に増やすようにしましょう。そして自由度の低い時間をやる気を持ってやっていくうちに評価が上がり、だんだんと自由度の高い仕事ができるようになります。

2.良質なインプットをする

良質なアウトプットをたくさん出すためには、まずは多くの良質なインプットが必要です。新聞、読書などを通して、自分の仕事にとって短期的長期的に必要となりそうなことは、コンスタントにインプットし、情報をアップデートするようにしましょう。

3.調子のいい時間帯にインプットする

限られた時間でよいインプットをするために、自分にとって調子のいい時間帯はいつなのかを把握しましょう。疲れたときに難しい本を読んでも、表面的に読むだけで、結局活かすことができあせん。例えば早朝の頭がすっきりしていて、誰にも邪魔されない時間等を確保して、その時間に集中して重要なインプットをする習慣をつけましょう。

4.よい仲間を持とう

新聞や読書と同様、人からの情報収集もかかせないインプットです。よく勉強しているマインドの高い友達を持つことができれば、質の高い情報をシェアすることで、多いに時間の節約になります。そのためにもまずは自分自身のアウトプット力を高めましょう。とはいえ自分がよいアウトプットを出せる人でなければ、相手からもよいインプットを得ることはできません。まずは自分自身のアウトプットを高めるようにしましょう。

5.ブログを書く

アウトプットは主に書くことと話すことに分けることができますが、若いうちは必ずしも書く機会や話す機会が多いわけではありません。いずれ必要になるわけですから、今のうちに練習しておきましょう。例えばブログを書くことを習慣づければ、それは書くことの練習になりますし、物事を体系立てて論理的に考える訓練にもなります。論理的にかける人は、同時に論理的にはなせるものです。まずは書く練習を生活の中に取り入れるようにしましょう。

仕事の効率化というと仕事を単に早くこなすことのように錯覚してしまいがちですが、本書はそんな考えに喝を入れてくれる一冊です。今まで読んだ時間管理術の本では最も本質的だと思いますので、是非読んでみてください。

どんな時代もサバイバルする人の「時間力」養成講座 (ディスカヴァー携書)
どんな時代もサバイバルする人の「時間力」養成講座 (ディスカヴァー携書) 小宮 一慶

ディスカヴァー・トゥエンティワン 2009-11-19
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女ぎらい――ニッポンのミソジニー

女ぎらい――ニッポンのミソジニー
女ぎらい――ニッポンのミソジニー 上野千鶴子

紀伊國屋書店 2010-10-06
売り上げランキング : 522

おすすめ平均 star
star上野の待望の「ミソジニー」特集が出ました。
star「女性嫌悪」だけでは到底説明しきれない
star世の中がいままでとは違ってみえてくる

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この本を読んで、世の中はまだまだ男社会なのだなということを再認識しました。例えば先日読んだ『ビジネス書大バカ事典』には、著者の勢古氏が勝間さんの著書『勝間和代のインディペンデントな生き方 実践ガイド』の内容を取り上げ、こき下ろす場面があります。

年収600万以上を稼ぐ自立した女性であるインディにとってのいい男の条件として、勝間さんは「一千万以上の年収」「今後も継続し年収が上がる」「女性の夢やキャリアを邪魔せず、助けられる」ことの3つをあげているのですが、それに対して勢古氏は「年収一番、人間性二番、つくづくアホである。」と批判を展開します。しかし、勝間さんの考えの背景に、「年収600万の女性に対して1000万くらいの年収がないと、男のプライドがもたない」という経験則があることを知ったら、こんな馬鹿な意見は出てこないはずです。

男と女のバランスは「女が男を立てる」ことでようやく保たれていて、世の中がまだまだ男に有利な社会である以上、無自覚に男性が女性に「男を立てる」ことを強いているのが現実なのです。自分よりも学歴や地位の低い女性をパートナーに選びたがる男性が多いことをみても、それは明白ですね。そして選ばれない女性たちは有能であるにもかかわらず「負け犬」としてのレッテルを社会から押し付けられてしまう。本書は男性にこそよく読んでもらいたい一冊ですね。

【多読の危険な一面】読書について 他二篇

読書について 他二篇 (岩波文庫)
読書について 他二篇 (岩波文庫) ショウペンハウエル Arthur Schopenhauer

岩波書店 1983-01
売り上げランキング : 5640

おすすめ平均 star
star言葉の乱れを正す!
star自分の態度を改めようと思いました
star人生観が変わる?

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ショウペンハウエルの『読書について 他二篇』は読書、特に多読をしている人には是非読んでほしい一冊です。多読についての危険な一面を鋭くついており、ハッとさせられます。
危険な一面とはずばり借り物の知識に満足し、評論家になってしまうことです。

読書は言ってみれば自分の頭ではなく、他人の頭で考えることである。(中略)常にまとまった思想を自分で生み出そうとする思索にとって、これほど有害なものはない。

知識は大きく分けると形式知と暗黙知の2つがありますが、読書で得られるのは実は形式知だけなのです。形式知とは言い換えれば本の中身のように文書化できる知識、それに対して暗黙知とは、文書や言葉にできないノウハウのことです。例えば子どもがいくら自転車の乗り方について本で勉強して形式知を身につけても、それだけでは乗れるようにならないのは明白です。実際に何度も失敗しながら運転して初めて、暗黙知である感覚が身に付くのです。

読書もこれと一緒で、いくら本を通して形式知を身につけても、それはそのままでは実践で使えない、加工できない、応用もできない、借り物の知識に過ぎません。形式知を得たら実際に自分で使ってみて、フィードバックを分析し、どうすればもっとうまくできるのか仮説を立てて、再び実行してみる、ということを繰り返して暗黙知化しなければ、それは本当に使える知識にはならないのです。多読の怖いところは、形式知を得ただけで満足してしまい、自分で使ってみることと、自分の頭で考えてみることを忘れてしまうことにあります。それではただの批評家なのです。

自ら思索する者は自説をまず立て、後に初めてそれを保証する他人の権威ある説を学び、自説の強化に役立てるにすぎない。ところが書籍哲学者は他人の権威ある説から出発し、他人の諸説を本の中から読み拾って一つの体系を作る。

すなわち精神が代用品になれて事柄そのものの忘却に陥るのを防ぎ、すでに他人の踏み固めた道になれきって、その思索の後を追うあまり、自らの思索の道から遠ざかるのを防ぐためには、多読を慎むべきである。かりにも読書のために、現実の世界に対する注視を避けるようなことがあってはならない。

本書をよく読めばわかるのですが、本書は必ずしも多読を否定しているわけではありません。むしろ自分の頭で思索する人にとっても、多量の知識が思索の材料として必要なため、積極的に本を読むべきだとしています。大切なのは本を読んで得た知識で満足せず、自分で使えるようになるまで実践することです。
借り物の知識で批評家にならず、現場で結果を出せる実行者になることです。

体系化された形式知を学べる読書は確かに効率の良い学習ツールですが、本を読むのに費やしたよりももっと多くの時間を暗黙知の習得に費やさなければ、読書は無駄な労力に終わってしまうのです。効果の怪しいノウハウを語る自称コンサルタントになりたいのであればそれでもいいでしょうが、読書を実際の成果につなげたいのであれば、借り物の知識だけでは意味がないことを肝に銘じなければなりません。一日に何冊も本を読むことを自慢している暇があったら、結果で示しましょう。

読書について 他二篇 (岩波文庫)
読書について 他二篇 (岩波文庫) ショウペンハウエル Arthur Schopenhauer

岩波書店 1983-01
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【忙しくても部下とのコミュニケーションを怠らないための4つのポイント】プレイングマネジャーの教科書―結果を出すためのビジネス・コミュニケーション58の具体策

プレイングマネジャーの教科書―結果を出すためのビジネス・コミュニケーション58の具体策
プレイングマネジャーの教科書―結果を出すためのビジネス・コミュニケーション58の具体策 田島 弓子

ダイヤモンド社 2010-04-09
売り上げランキング : 5682

おすすめ平均 star
starコミュニケーションは仕組み化できる
star題名の通り、プレイングマネジャーの振る舞いがわかります。
starマネージャー一歩手前の人こそ読んで!

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現場職であり管理職でもある中間管理職(=プレイングマネジャー)は、自分の業務に加え、チームとしての目標も達成しなければならない、非常にハードな役割です。業務量の負荷が大きい上に時間的な余裕がないため、わかっていてもなかなか部下とのコミュニケーションにまで気を回すことができないのが実情です。また、そんな余裕のない上司をみている部下にしても相談しにくい雰囲気ができてしまい、これでは仕事がうまく回らないなと感じています。今日は田島弓子氏の『プレイングマネジャーの教科書―結果を出すためのビジネス・コミュニケーション58の具体策』から、忙しい中でもコミュニケーションを上手にまわすための4つのポイントを取り上げます。

1.ビジネスコミュニケーションを後回しにしない

忙しいからといってビジネスコミュニケーションを後回しにすることは、大きな誤りです。

日常業務で手いっぱい

コミュニケーションは後回し

職場の空気が停滞する

仕事が思わぬところでストップしたり、部下とのトラブルが生じたりする

ますます業務が増える

これではいつまでたっても忙しいままで、楽になりません。後々大きな問題となってかえってこないよう、コミュニケーションを緊急ではないからという理由で先延ばしにするのをまずはやめましょう。

2.指導よりも、フォローする

人が自発的に動くのは、プレッシャーよりもモチベーションを感じているときです。自分自身が優秀であり、部下を引っ張るタイプのライオン型マネジャーよりも、部下を理解し、フォローができるシマウマ型マネジャーの方が、この点に関しては優れていると言えます。もしあなたが後者であるならば、無理にリーダーシップを発揮しようとせず、まずは部下のフォロー役に回ってみましょう。その方が結果的に、部下の成長を促すことができるのです。

3.引き出し上手になる

気がついたときには最悪の事態になっていたということをさけるためにも、悪い話ほどすぐに報告してほしいものです。そのためにも、引き出し上手、話しかけられ上手になることを目指しましょう。いつも余裕なくあせっていたり、目の前の仕事に追われている上司には、部下も遠慮してなかなか声をかけられません。どんなに忙しくても、部下が話しかけてきたときには相手の目を見て「どうした?」と、その瞬間は100%で受け止めるようにしましょう。そして焦って解決しようとせず、まずはじっくり部下の話に耳を傾けましょう。

4.成功プロセスを評価する

大きな受注がとれたり、新規顧客をかいたくしたときなど、部下がうれしい報告をしてきたときは部下の成長を促すチャンスです。「よくやった!」「すごい!」と褒めることも大事ですが、その上で部下が自分の手柄を具体的に披露できるようにしてあげましょう。「どうしてお客様はウンといってくれたの?」と尋ねることで部下は自分のプロセスを整理し、成功から学ぶことができます。

プレイングマネジャーの教科書―結果を出すためのビジネス・コミュニケーション58の具体策
プレイングマネジャーの教科書―結果を出すためのビジネス・コミュニケーション58の具体策 田島 弓子

ダイヤモンド社 2010-04-09
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【10分で本を読むための4つのポイント】10分間リーディング

10分間リーディング
10分間リーディング 鹿田 尚樹

ダイヤモンド社 2010-10-29
売り上げランキング : 26328

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会社に就職する前は時間に余裕があったこともあり、1日1冊の読書をそれほど苦労せず続けることができました。しかし自分の時間が減った今ではまとまった時間を確保するのが難しく、なかなか1冊の本をじっくり読むということができなくなってきました。加えてブログへのアウトプットをルーチン化しているので、なおさら読むための時間は限られます。

そのため、本からの学びの質を落とさずにもっと早く読みたいものだと最近はよく思うようになったのですが、今日はちょうど良い本を読むことができました。鹿田直樹さんの『10分間リーディング』から、「10分で本を読むための4つのポイント」をご紹介します。

1.「1冊10分」と決めて読む

「1冊10分」と決めてから、本を読みます。

必ずしもすべての本を10分で読む必要はないのですが、ビジネス書や専門書などで本の中から1つでもエッセンスを学びたいという場合は、あらかじめ読む時間を10分と制限してしまいましょう。そうすることで集中力を高め、少ない時間で密度の濃い読書ができるようになります。

2.「Read」よりも「Search」で読む

「文章を読む」というよりは、「単語を拾う」というイメージです。

10分で本を読もうと思ったら、すべてを読むことはできません。なので、まずは本を最初から最後まですべて読むことをやめ、その本から何を学びたいのか、あらかじめ目的を絞ってしまいましょう。その上でその目的に合致する部分だけを「拾う」ようにして読めば、今の自分に必要な部分を効率よく吸収できるようになります。

3.スキマ時間に読書しない

スキマ時間を有効に使って読書をしているという人も多いと思いますが、実はスキマ時間には本を読むよりももっと効果的な使い道があります。それは、読書した記録を読み返すことです。いくら早く本を読んでも、読んだら読みっぱなしでは結局身に付きません。読んだ本の内容を効率よく取り入れるには、忘れないように定期的に読み返すことです。私は記録媒体としてブログを使っていますが、本書でも紹介されているように、読書ノートやEvernoteを使うのもいいと思います。

4.同じジャンルの本を10日連続で読んでみる

知っていることが増えれば、自然と本を読むスピードは上がります。

今まであまり触れたことのないジャンルの本を読む場合、そもそも知らないことばかりのため、目的をあらかじめ絞るということができません。もしあなたがまだそういう段階であるならば、まずは同じジャンルの本を10冊連続で読んでみましょう。すると重複して書かれているポイントをつかむことで共通する重要ポイントがわかったり、逆に別の本では触れられていない差分がわかるようになります。この「差分」がわかるようになると、次からはそこだけを読めばいいようになるので、読書スピードは自然と上がっていきます。

さて、本をたくさん読むことは大事だと思いますが、だからといって闇雲に速読に走ることに私は反対です。自分の中に知識の土壌がない中でいくらエッセンスだけを拾い読みしても、それは使える知識にはなり得ないからです。ビジネス書や専門書はたいていの場合、著者がうまくいった方法が紹介されているだけであって、それをそのまま実践したからといって必ずしも私たちが同様にうまくいくとは限りません。著者がその方法でうまくいった背景は何だったのか、その背景に対して著者はどのように解釈をして、その方法を実行したのか。

そこまで分析しなければ、著者の方法を自分の場合に当てはめることはできないのです。そこが、読書を有効にいかせる人と、そうでない人の大きな違いの1つだと思います。10分とはいきませんが、私も以前と比べるとかなり本を読むスピードは上がりました。それには、本書でも言われているように本をたくさん読むことで「差分」がわかるようになり、そこだけを拾って読めるようになったことが大きいと感じています。むやみに速読を推奨せずに、効果的なアウトプットまで意識されている本書はなかなかオススメなので、読書に興味がある方は是非読んでみてください。

10分間リーディング
10分間リーディング 鹿田 尚樹

ダイヤモンド社 2010-10-29
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【遺伝子操作人間の是非】完全な人間を目指さなくてもよい理由-遺伝子操作とエンハンスメントの倫理-

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遺伝子操作によって親が子供の知能や運動能力を意図的に高めることは認められるべきだと思いますか?もし何らかの理由で認めるべきではないというのであれば、視力の障害や身長が伸びないなどの病気から回復するために使う場合はどうでしょうか?本書は遺伝子操作とエンハンスメントの是非についてマイケル・J・サンデル教授が考察を試みた一冊です。
読み物としては非常に面白いです。

ただ、かなりデリケートなテーマでもあるので、こちらでは自分の感じたことを慎重に述べるにとどめたいと思います。

遺伝学の画期的な発展は、希望と窮状の両方をわれわれにもたらしている。その希望とは、われわれを苛む多くの疾病の治療や予防が間もなく可能になるかもしれないことである。他方、その窮状とは、筋肉や記憶や気分の改善、子どもの性別や身長その他の遺伝的形質の選択、身体能力や認知能力の改良、「健康以上」の状態になることなど、遺伝学上の新たな知識がわれわれ人間の本性の操作を可能にするかもしれないことである。

病気から回復するために遺伝学を使うのは歓迎ですが、性別の選択や知力、身体能力といった本来選べないものを人間が選ぶためにというのであれば反対だと、なんとなく直感では思います。しかしそれは何故なのかと言われると非常に難しい。

一つには損得の勘定があるのかもしれません。病気の人が回復する分には、誰かが損をしてそのかわり誰かが得をするということはないと仮定します。しかし例えばある人の身長が遺伝子操作でいっそう高くなると、他の人の身長は相対的に低くなるという事態が発生します。そうすると自分も自分もという状態になり、勝者のいない成長ホルモンの軍拡競争になりかねません。

それはすべての人にとって共倒れであることを考えると、遺伝子操作などせずに自分が与えられたものを受け入れる方がかしこい選択のような気がします。もう一つは、性別や持って生まれる特徴については自分で選ぶことはできないということが、何でも自分の思った通りにコントロールしようとする支配的な考え方を牽制し、与えられたものに感謝して受け入れるという謙虚な姿勢に寄与している側面があるからなのかもしれません。

あるいは、卵子売買や精子売買のことを考えてもらいたい。人工授精の普及により、これから子どもを持つ予定の親は、自分の子どもに持ってもらいたい遺伝的形質を備えた配偶子(卵子・精子)を買い求めることも可能である。

子どもに対して自分の遺伝子よりも、他人の遺伝子を与えることを望む。これは何を意味するのでしょうか?私が真っ先に考えたのは、それを知った自分の親はどういう気持ちになるだろうかということです。それは親から授けられた遺伝子を否定することのように感じてしまいますし、結局は自分自身をも否定してしまっているのではないでしょうか。

両親や才能、性格など自分では選べないものがある中で、それでも与えられたものに感謝して、幸福でいられるかどうかを自身の思想や行動を通して自由に選択できる力強さや美しさも失われてしまうかもしれません。子どもに自分が望む遺伝的形質を与えることが、本当に人々の幸せにつながるのか、疑問がぬぐえませんでした。現実にはクローンのペットを販売する事例が本書で紹介されているように、遺伝学の発展はもうすぐ人の遺伝的形質を自由に選択できるところまできているのかもしれません。ワクワクする気持ちがある反面、それ以上に不安が大きいと感じています。

完全な人間を目指さなくてもよい理由-遺伝子操作とエンハンスメントの倫理-
完全な人間を目指さなくてもよい理由-遺伝子操作とエンハンスメントの倫理- マイケル・J・サンデル 林 芳紀

ナカニシヤ出版 2010-10-12
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おすすめ平均 star
star頭のなかにのこる良書
star翻訳とは思えない読みやすさ
starマイケルサンデル本人が本にクレーム

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【ビジネス書にダマされないための7つの習慣】ビジネス書大バカ事典

ビジネス書大バカ事典
ビジネス書大バカ事典 勢古 浩爾

三五館 2010-05-21
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star読む価値のない本
star人の褌
star油もあるから肉が引立つ!

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ビジネス書には二種類ある。まともなビジネス書と、いかがわしいビジネス書「もどき」である(その実体は、成功本といわれる自己啓発書である。

本書は勝間和代さんや苫米地英人さん、神田昌典さんといった著名なビジネス書作家をとりあげ、ビジネス書「もどき」であるとしておちょくった一冊です。どんな文面でも悪意のある人が部分的に引用すればいくらでもこき下ろすことはできるわけで、著者のメッセージを無視した形である部分を引用し、無理矢理ネタにしているふしもある本書のやり方は私はフェアではないと思います。

それに、「年収が10倍にアップする」「100倍の利益を生む」なんて、その本を読んだ人すべてがそうなることなどないとわかった上で読んでいるのに、「そんなありもしないことをうたう本はすべてインチキである」という著者の主張もなんだかズレているような。というわけで、今回は本書にある『ビジネス書「もどき」に拉致されないための「7つの習慣」』を取り上げて、検証してみたいと思います。

1.タイトルに騙されない

「成功」「法則」「ルール」「ステップ」「習慣」「方程式」「運」「秘訣」「魔法」「引き寄せ」「夢を叶える」「10倍アップ」

著者はこのようなタイトルが出てきたら即注意だと言います。確かにかなり誇張したタイトルだと思いますし、誰もが本当にそうなるかといえば嘘なので、著者の言いたいこともわかります。ただ、その本を読んで例えば本当に年収が10倍になることを期待しているわけではなく、著者が年収を10倍に上げた背景を知ることで少しでも今の自分に活かせればそれでいいという視点で読むのであれば、それなりに学べるものはあると私は自分の体験から思っています。

2.効能書きに騙されない

「オビ」や「まえがき」で、「だれでも」「楽に」「シンプル」「すぐ」「必ず」「成功する」などの誇大な効能を断定している本は疑ってかかること。

これって1.の習慣といっていることは同じですよね。

3.著者の経歴に騙されない

著者の経歴に関しては、経歴を読んだだけじゃほとんどわからないので私はあまり参考にしていません。

4.何十万部突破、に騙されない

ベストセラーだからといっていい内容の本かというと、そうではないとのことです。そんなの当たり前なんじゃ・・・。それこそ、本に書いていうほどの話じゃないですよ。

5.活字(本)に騙されない

本になる内容だからというだけで、その中身を信用するなという主張です。「だって本にそう書いてあったよ」という発想ではいけないというのはその通りだと思います。
自分の頭で考える必要があると思います。

6.ブックレビューに騙されない

確かにアマゾンをみるとたまに明らかな身内だなと思われるレビューがあります。気にするのであれば、信頼できる人から勧められた本を読むか、自分で立ち読みしてよかった本だけ買うかにすればいいでしょう。ちなみに本書はレビューや他の人の感想を全く見ず、お化け屋敷についつい入りたくなるような恐いもの見たさで読んでみました。

7.自分の価値観を持つ

結局は自分の価値観を持って、自分でよしあしを選ぼうね、と締められています。まあその通りなんじゃないでしょうか。

ビジネス書大バカ事典
ビジネス書大バカ事典 勢古 浩爾

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ロズウェルにUFOが墜落した

ロズウェルにUFOが墜落した
ロズウェルにUFOが墜落した ドナルド・R・シュミット トーマス・J・キャリー

学習研究社 2010-09-29
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あまりこのブログで取り上げる類いの本ではないのですが、結構面白かったのでご紹介します。

1947年夏、米ニューメキシコ州の砂漠にUFOが墜落し、宇宙人の遺体が軍に回収された—

俗に「ロズウェル事件」と呼ばれるこの騒動は実際にあった出来事であり、多数の目撃者がUFOや宇宙人の存在を証言しているものの明確な証拠は見つかっていません。これだけならよくあるUFOの目撃証言なのですが、ロズウェル事件の面白さは軍や政府が色濃く関わっているところにあります。事件当初は「空飛ぶ円盤を捕獲した」というニュースがロズウェル・デイリー・レコード紙の一面を飾ったのですが、それはすぐさま「単なる気象観測気球にすぎなかった」という続報によって上書きされ、事件は一度終息します。

しかし30年以上の沈黙を経て、当時ロズウェル陸軍に所属し、墜落物の金属片を回収したとされるマーセル少佐が「あれは気球の残骸ではない。地球外のものだと思う」と発言したことで、再びUFO界に衝撃が走ることになるのです。結果、ロズウェル事件は様々な憶測を呼び、噂される政府の極秘計画、隠蔽とごまかし、多数の目撃者、地球外の人工物・生物の存在など、人々の興味を大きくかき立てる大事件へと発展してしまいます。

本書『ロズウェルにUFOが墜落した』はこのロズウェル事件に関して、官民問わずあらゆる関係者にインタビューを試み、事件の断片をつなぎ合わせ、詳細に迫ろうとしたノンフィクションで、結論としてはやはりロズウェルにUFOは墜落し、宇宙人の遺体が回収されていたのだという立場をとっています。思わずワクワクしてしまう一冊なので、興味があればオススメします。

ロズウェルにUFOが墜落した
ロズウェルにUFOが墜落した ドナルド・R・シュミット トーマス・J・キャリー

学習研究社 2010-09-29
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