私たちは日頃、お金について勉強する機会があまりありません。しかし早いうちから知っておくことで、後々大きな差がつくこともあります。今日はそんなお金の常識をいくつか本書よりご紹介します。
1.年収は伸び続けるのか?
これまで多くの企業では、社員の勤続年数が増えるとともに技術や能力が蓄積され、企業の成績向上に貢献できるようになるとの考えから、「年功序列制度」を導入していました。しかし実際のところ、ベテラン社員の全員が必ずしも優秀というわけではありません。そこで、会社の業績に貢献した人に対して給料を増やし、重要なポストに就任させるという成果主義が導入されました。
今後は20代のうちから会社に貢献し、実力を発揮する人はより評価され、若くしても年収を伸ばしていける時代になります。逆に貢献度の低い人は、30代、40代になってもずっと同じポスト、同じ給料で働かなくてはならなくなります。給与が30歳で頭打ちになるということも十分あり得る、ということをまずは認識しましょう。
2.ボーナスをあてにローンをくんでもいいか?
結論から言うと、NOです。そもそもボーナスは、あらかじめ低く設定された社員の給与に対して、業績が良かったときに不足分を補うための「調整弁」として利用されている面があります。ということは、業績がよくない時には減額されたり、打ち切りされたりする可能性もあるわけです。
ボーナスをあてにしてカードで大きな買物をしたり、ローンの返済にボーナスを当てたりすることは、絶対に避けましょう。次もボーナスがもらえるとは限らないのですから。
3.銀行口座は二つ以上つくる?
年金制度への不安から、将来に向けて貯金する傾向が高まっています。出来れば無理をせず、我慢せず、上手に貯金を貯めたいものです。
そういう人は、まずは貯金用の口座を別に用意してみましょう。普通預金の口座をひとつしか持っていないと、どうしても「残高があるからまだ使える」と気が緩んでしまい、お金がなかなか貯まりません。
しかし「生活のメインの口座」とは別に「貯金用の口座」をつくれば、まずお金をやりくりしているという自覚が生まれます。貯金用の口座からは原則として引き出さないようにし、生活用のメイン口座にあるお金でやりくりする週間を身につけましょう。
4.子育てにはいくらかかる?
何かとお金のかかるイメージがある子育て。実際にいくら必要なのでしょうか?
仮に幼稚園から大学まですべて公立に通わせた場合、およそ900万円〜1000万円の教育費がかかるそうです。また、すべて私立に通わせた場合は、2000万円〜2200万円ほどかかると言われています。ただし、これはいっぺんに必要になるわけではなく、特にお金がかかり始めるのは高校〜大学にかけてです。お金がかかる次期に備えて、子どもが小さいうちからコツコツ貯蓄するようにしましょう。
5.賃貸よりも、家を買ったほうが特?
「頭金なしで、月々の支払いが今の家賃と同じ金額で、35年間のローンでマンションが買えますよ!」と言われると、35年後に資産としてマンションが残るのでとてもお得に感じてしまいます。しかし簡単に騙されてはいけません。月々の返済以外にも、登録免許税や司法書士への報酬など登記に必要な費用、住宅ローンを利用するなら利息はもちろん契約印紙税や保証協会への保証料など様々な費用が発生します。
また購入した不動産は資産になるため、固定資産税や都市計画税といった税金も支払う必要があります。分譲マンションであればあわせて建物の清掃を行ったり、備品の補充を行ったりするための管理費や将来の大規模修繕に向けた修繕積立金を毎月支払わなければなりません。マンションを買うのであれば、上記を含めた全体で係る費用をきちんと念頭に置いてからにしましょう。
20代のいま知っておくべき お金の常識50 | |
マルコ社
サンクチュアリ出版 2011-12-10 |