小学校6年生のときに、5年間暮らしたアメリカから日本に帰国した。そこで一番強く感じたギャップが、日本は周りに抑圧される傾向が非常に強いということだ。自分の意見を主張することは避けるべきであり、周りの様子をうかがいながら、空気を読んで、協調性を持った行動をすることが暗黙のルールとして存在していた。
だからなのか、社会人になっても周りの目に縛られ、自分に嘘をつきながら、我慢して働く人が多いと感じる。そういうことを続けていると、だんだんと自分の本音がどこにあるのか自分でも分からなくなってしまう。
今日紹介する『自由であり続けるために』は、内なる情熱をとり戻すためのヒントがたくさんつまった一冊だ。その中から特に私が共感した箇所をピックアップしたい。
1.とにかく捨てる
今後の自分にプラスにならないと思ったものは、潔く捨てればいい。
捨てれば捨てるほど、視界と思考からノイズが取り除かれ、
本当にやりたいことが明らかになるからだ。
Steve Jobsは毎朝起きるたびに鏡に向かい、「今日が人生最後の日だとする。それでも私は今からやろうとしていることをやるだろうか?」と自問していたそうだ。そうすると周囲のくだらない雑音や失敗したときの恐怖が消え去り、守るべき本当に大切なモノを見失わずに済んだのだと言っている。
自分にとって不要な誘いは断る。時間を浪費するだけのテレビを止める。ムダなものに時間とお金を使わない。そうすると重要なものだけが残り、自分の情熱のありかがだんだんと見えてくる。
他人の人生を生きることを止めるための第一歩は、余計なものを捨てることである。もし捨てるのが恐いと思ったときは、「今日が人生最後の日だとしたら?」と自問してみよう。
2.多数決をやめる
これはいける! と心の声が叫んだら、みんなの顔色は見て見ぬふりだ。
心の声にすべてをかけよう。
あらゆるケースを考え尽くすのは、そのあとだ。
(中略)
いくつか足りない部分はあるが、他にはない、とんでもない魅力がある。
そんなスゴイ製品は、誰かひとりの”熱狂”がカタチになったもの。
100万人に届く歌は、誰かひとりのために創られた曲。
世界を変えられるのは、そういうものだけだ。
最近仕事をしていて強く感じるのは、魂をこめた仕事でなければ”スゴイ”成果は出ないということだ。そして魂をこめる価値のある仕事というのは、みんなの賛同を得るために作られた誰からも愛されないアイディアではなく、自分が心から信じるアイディアからこそ生まれるものである。
全員から「まあまあのオーケー」をもらうような適当な仕事をするくらいなら、たとえ大勢から反対されても自分が信じるアイディアで世界を変えるべきである。そういうクレイジーな人だけが、本当に世界を変えているのだ。
3.自分の中に選択肢を持つ
勝負をするときに、度胸はいらない。
一か八かの勝負をしたいなら、はじめから逃げ道を作っておけばいい。それもポジティブな逃げ道を。
ぼくが組織に属しながらも、つねにインディペンデントな立場であり続けられたのは、いつでもやめられる覚悟があったからだ。
その覚悟ができた理由はシンプル。他に生きる術を持っていたから。
ここを首になったら、どこにも行くところがない。そういう不利な立場におかれたら、どんなに不本意であったとしても言いなりにならざるをえなくなってしまう。そうならないために必要なのは、自分の中に「いざとなったら他の道もある」という選択肢を持っておくことだ。
どこへ行こうが自分ならやっていけるという自信があれば最強である。誰かに嫌われることを必要以上に怖れなくなるし、失敗の可能性を見据えながらも思い切って挑戦ができる。
自分に力がなければ、たとえ正しいのは自分だとしても、自分より立場の強い人に負けてしまう。言いたいことを言い、やりたいことをやるためには、自分の中に選択肢を持つことである。
自由であり続けるために 20代で捨てるべき50のこと (Sanctuary books) | |
四角大輔
サンクチュアリ出版 2012-07-12 |