最近はビジネス書を読んでいても、以前ほど刺激がないなと感じる場面が増えてきました。ピーター・M・センゲの『最強組織の法則』に、
経営原則/成長を無理強いせず、成長を制限している要因を取り除くこと。
とありますが、恐らく今の読書を続けていても既に「成長限界」に達していて、今必要なのは更に多くの本を読もうとする「拡張循環」ではなく、成長を制限している箇所(=ボトルネック)を取り除く「平衡循環」なのだと感じます。例えば、もっと難解な本をじっくり読んでみるとか、違う趣向の本を読んでみるとか、実践の場を増やしてみるとか。なので、今日はいつもとは趣向を変えて、二人で意見を交わしながら1冊の本を読む、ということをやってみました。
題材はこちら。
結局、女はキレイが勝ち | |
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勝間さんによる笑撃の衝撃の一冊。本屋で発見して思ったのが、まずタイトルがすごい。勝間さんにいったい何が起こったんだろうと動揺してしまい、その場ではスルーしてしまいました。しかしどうしても気になり後日、本を手に取り開いてみるとそこには勝間さんのグラビア写真が。
本を書く際に大切なことは、書こうとしているテーマに対して世の中に伝えたい強いメッセージがあること、そしてそのテーマを語るだけの資格(コンテンツ)が書き手にあること、というのはよく聞きます。この本のタイトルに見合うだけのキレイさが勝間さんにあるのかどうかは私にはわかりません…。が、散々本を読みましょう、勉強して資格を取りましょうと内面を磨くことを強調してきた勝間さんが突然「とはいえ結局女はキレイが勝つのよ」と掌を返すような本を出版したことにびっくりしました。
そして帯にある「勝間さん、キレイでない私も、生きてていいですか…?」という香山リカさんの言葉。「キレイでない私も生きてていいですか?」という痛々しい言葉を表紙に持ってくるのはどうなの?という疑問と、反カツマーの立場を取りつつも結局香山さんは勝間ブームに上手く便乗しているだけで、二人は仲良しなんだなと思いました。
「これらの12の基本ルールを理解して日頃から心がけていくだけで、大げさに言うと幸せな人生の半分は手にしたようなものかもしれません。」
「服装と髪型に気を使っていれば、どんな女子もブスに見えない」。
結婚がいいのは、特定の相手といつでもHができるからです。しかもホテルを使うよりお金がかかりません。
「クリンクリン髪の知的女子」が最後は勝ち。
(中略)
セミロングの巻き髪だけれど、中身もあるクリンクリンになれたら、すべてにおいて無敵なのです。
女性の人生の幸福度は、結婚7割、仕事2割、その他1割で決まります。
私は二人で笑いながら読みましたが、勝間さんの迷走ぶりは顕著かな…。カツマーはこれを読んでどう思うんだろう?
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2 Comments
>最近はビジネス書を読んでいても、以前ほど刺激がない
1000円から1500円オーダーのビジネス書はキャッチーで手頃なのが利点ですが、内容が本質的といるよりも表層的なモノがすくなくありません。わかりやすく伝えることを目的としているので致し方ないのかもしれませんね。
個人的にはマイケル・ポーター『競争の戦略』や北岡元『ビジネス・インテリジェンス』、ワイリー『戦略論の原点』をおすすめします。それぞれ企業戦略、情報分析、軍事戦略の理論書です。議論が本質的で内容が少し堅いかもしれませんが、繰り返し読み続けられるに値する本です。
vassal_hiroさん
最近は小説形式のものが多いのも同じですよね。
分かりやすく書かれているものが多いですが、論理的に考えなくても内容が理解できるよう、つまり本が読めない人でも抵抗なく読めるよう書かれているのかもしれません。
お勧めいただいた本はチェックしてみますね。
ありがとうございます!