営業の本質は、お客様の問題を解決することだと私は考えていますが、そのためには「提案力」が欠かせません。この「提案力」の強化のために私が日頃よく行っているのが、パワーポイントでのスライド作成です。ヒアリングした内容をロジカルにまとめ、問題についてお客様とさらに深彫りする時・・・提案内容について、お客様に分かりやすく説明し、納得していただきたい時・・・
提案活動の様々な場面でパワポは力を発揮しますが、効果的なスライドの作り方をきちんと学んだことのある人は、実はあまりいないのではないでしょうか?私も我流で作ってきましたが、『パワポで極めるフレームワーク』を読んで、やはりプロの方法論を学ぶことは大切だと改めて感じました。
1.不可欠なのは「メッセージ」と「データ」
本書では、プロのコンサルタントのスライド作成のルールがいくつか紹介されています。そのなかでも、スライドに「メッセージ」と「データ」の2つの要素を入れることは、鉄則であると書かれています。
「メッセージ」とは、そのスライドで伝えたいことそのもので、そのスライドの結論にあたります。それに対して「データ」とは、メッセージを裏付けるグラフや分析といったもののことです。メッセージのないスライドは何が言いたいのか分かりませんし、メッセージを裏付ける根拠がなければ、読み手は納得してくれません。私はこれまで「データ」を入れることを意識してこなかったので、今後はさらに納得感のある提案ができるよう、取り入れたいと思いました。
また、データを入れる際には「出所」も明示したほうがいいそうです。きちんとした統計データであることが示せれば、信頼性を増すことが出来ます。私は日経コンピュータを定期購読しているので、めぼしいデータはPDFにして保管してみようと思います。
2.伝えたいポイントを強調する
スライド作成は、ワンスライド・ワンメッセージが基本です。より明確にメッセージを伝えるため、グラフの中でも伝えたいポイントを強調することが有効です。例えば棒グラフであれば、強調したい棒グラフの色を濃い色にし、それ以外のものを薄い色にする。折れ線グラフであれば、強調したい棒グラフのみ色を変え、太くする。これだけで、どこに注目して見て欲しいのかが開いてに明確に伝わります。
3.使えるフレームワーク集
最後に、実際に使ってみたいとおもったフレームワークをいくつか紹介します。
問題解決のときに使われる論点整理の方法。解決したい問題(イシュー)を、複数の小さな論点(サブイシュー)に分解していく。問題解決の論点を明確にするとともに、どのような論理で問題をとらえているかということを1枚で示すことができる。
主張とその根拠を階層構造にして伝える方法。主張を論理的に階層にして伝えるので、ピラミッド状に話が構成される。簡潔に結論から伝えることができるため、冒頭のエグゼクティブサマリーとして最適。
仕事上の業務手順(人の作業やシステムの処理等)を流れにそって書き起こした図。全体の業務手順が明確に定義され、各担当が何をいつどうするのかがわかる。作業の洗い出しを通して無駄の発見、効率的な手順の考察に使う。
パワポで極めるフレームワーク ロジカルに落とすプレゼン資料作成の秘訣 (ビジネス極意シリーズ) | |
大石哲之
アスキー・メディアワークス 2011-11-03 |