女ぎらい――ニッポンのミソジニー | |
上野千鶴子
紀伊國屋書店 2010-10-06 おすすめ平均 |
この本を読んで、世の中はまだまだ男社会なのだなということを再認識しました。例えば先日読んだ『ビジネス書大バカ事典』には、著者の勢古氏が勝間さんの著書『勝間和代のインディペンデントな生き方 実践ガイド』の内容を取り上げ、こき下ろす場面があります。
年収600万以上を稼ぐ自立した女性であるインディにとってのいい男の条件として、勝間さんは「一千万以上の年収」「今後も継続し年収が上がる」「女性の夢やキャリアを邪魔せず、助けられる」ことの3つをあげているのですが、それに対して勢古氏は「年収一番、人間性二番、つくづくアホである。」と批判を展開します。しかし、勝間さんの考えの背景に、「年収600万の女性に対して1000万くらいの年収がないと、男のプライドがもたない」という経験則があることを知ったら、こんな馬鹿な意見は出てこないはずです。
男と女のバランスは「女が男を立てる」ことでようやく保たれていて、世の中がまだまだ男に有利な社会である以上、無自覚に男性が女性に「男を立てる」ことを強いているのが現実なのです。自分よりも学歴や地位の低い女性をパートナーに選びたがる男性が多いことをみても、それは明白ですね。そして選ばれない女性たちは有能であるにもかかわらず「負け犬」としてのレッテルを社会から押し付けられてしまう。本書は男性にこそよく読んでもらいたい一冊ですね。
One comment
ミソジニー
ミソジニー人口に膾炙する時は ないだろうなあホモソーシャルも
あとがきの決意に至り得心す あたなはやはり味方なのだと
「