働く幸せ~仕事でいちばん大切なこと~ | |
WAVE出版 2009-07-23 売り上げランキング : 1575 おすすめ平均 |
大山泰弘さんの『働く幸せ~仕事でいちばん大切なこと~』を読みました。
社員の7割を知的障害者が占める会社があることをご存知ですか?
現在、わが社の川崎工場には、47人の社員が働いています。そのうち、33人が知的障害者で、さらにそのうちの22人を重度知的障害者が占めています。障害者のほぼ全員が製造部門に所属。健常者の大半は総務・経理や営業を担当しており、工場に勤務しているのは3人だけです。
本書に登場する知的障害者の方たちは、働くことの幸せについて私たちにもう一度考え直す機会を与えてくれているのではないかと思います。
現代社会で、働きたいという純粋な意欲を持って働いている人は、果たしてどれくらいいるのでしょうか。
出来れば働きたくない、働かずに儲けられるならのんびり暮らしたい、そう思っている人も多いのではないかと思います。
本書に登場する知的障害者の人たちは、働かずとも、施設に保護されながらのんびりと暮らすことが出来ます。
しかし彼らは自らの強い意思で、社会の中で職を得るために必死になって働くことを選んでいるのです。
何故なのでしょうか?
「人間の幸せは、ものやお金ではありません。人間の究極の幸せは、次の4つです。その1つは、人に愛されること。2つは、人にほめられること。3つは、人の役に立つこと。そして最後に、人から必要とされること。障害者の方たちが、施設で保護されるより、企業で働きたいと願うのは、社会で必要とされて、本当の幸せを求める人間の証なのです」
人は仕事をすることで、ほめられ、人の役に立ち、必要とされるからこそ、生きている喜びを感じることができる。家や施設で保護されているだけでは、この人間としての幸せを得ることはできない。だからこそ、彼らは必死になって働こうとするのです。
周囲の雑音や将来への不安に惑わされて私たちの目は曇りがちになり、本当はたいして重要ではないものに一喜一憂したり、本当に重要なものを見過ごしていたりします。
知的障害者の純粋な目は、人間の根源的な欲求を正確にとらえているのでしょう。
お金も大事ですが、人の役に立てている、人に必要とされていると実感できるような仕事がしたいですね。
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