今日は残りの人生の最初の日 | |
小川 敏子
サンマーク出版 2005-09-02 おすすめ平均 |
ロビン・シーガーの『今日は残りの人生の最初の日』を読みました。いわゆる成功本なのですが、そういうのは私はあまり好きではないので、全く違う視点で読みました。
何かをするのにヒーローであることは必要なのか?
本書には成功に必要な要素として「ヒーローになる」ということを挙げています。
わたしは思う。ヒーローとは、ふつうの人がこわいと思うこと、勇気が必要なことを実行できる人だ。わたしたちはヒーローの行動をたたえ、その資質を理想に掲げる。
恐れずに果敢に挑戦して、成功を勝ち取るというイメージでしょうが、本当に何かを成し遂げる人は何も恐れなかったのでしょうか?以前とある社内企画でリーダーを務めたときは、プロジェクトメンバー内の温度差に非常に手を焼きました。私はやるからには高いゴールを掲げて、全員で知恵を出し合いながら良い成果を出したかったのですが、チーム内の雰囲気は明らかにその逆でした。
私の方針に反対する人は大勢いましたし、そういう人たちを前に何とか意識を変えようとする私を表立って支援してくれる人はいませんでした。それでも自分の方針を最後まで曲げなかったのは自分の考えが良いものであると信じていたからであったし、プロジェクトが成功に終わった後に、「今になってやっとわかったけど、やっぱりお前は正しかった。よくめげなかったね」と言ってくれる人もいました。でもそれは結果が出て初めて理解されたのであって、プロジェクトを進めている最中はなかなか分かってもらえず、あきらめたくなる場面もありました。
孤立無援で、中には自分を嫌う人もいましたし、これ以上嫌われるのが怖くて、もう辞めたほうが楽だなとも思いました。何かを成し遂げる人は恐怖を感じないのではなくて、恐怖と直面することになったとしてもめげずにやり抜こうと思える人なのではないかと思います。周りから理解されず、嫌われ、一人になったとしても、自分が正しいと思っていることを信じられるかどうか。それは人々の賞賛を一身に集めるようなヒーロー像とは、程遠い気がします。
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小川 敏子
サンマーク出版 2005-09-02 おすすめ平均 |