業務改革(BPR)の上流工程でハイパフォーマンスを発揮するのは、どういう人材なのか?ストレングスファインダーで有名なギャラップ社は、人材のパフォーマンスについて以下のように主張している。
- 人は誰でもほとんどすべてのことにおいて、能力を発揮することができる、というのは誤りである。
- 誰にとっても最も成長の余地があるのは、その人の一番弱い分野である、というのは誤りである。
- 人の才能は一人ひとり独自のものであり、永続的なものである。
- 成長の可能性を最も多く秘めているのは、一人ひとりが一番の強みとして持っている分野である。
- 弱点を克服しても、それは失敗を回避する助けにしかならず、すぐれた成果を収める助けにはならない。
上記にのっとれば、業務改革においても向き不向きがあるのではないか?そこで、同じくギャラップ社が提唱している以下の「強みの定義」に基づき、業務改革の上流工程でハイパフォーマンスを発揮するのに必要な要素を書きだしてみた。
- 強み=「知識」+「技術」+「才能」
- 知識(後天的):学習と経験によって知り得た心理と教訓
- 技術(後天的):行動のための手段
- 才能(先天的):無意識に繰り返される思考、感情、行動のパターン
1.業務改革の企画構想フェーズに必要な要素
業務内容:
必要な知識:
必要な技術:
必要な才能(ストレングスファインダー34の強みより):
アレンジ、最上志向、信念、着想、未来志向、学習欲、収集心
2.全体最適な業務プロセス設計フェーズに必要な要素
業務内容:
必要な知識:
必要な技術:
必要な才能(ストレングスファインダー34の強みより):
アレンジ、最上志向、信念、着想、責任感、信念、学習欲、収集心
3.考察
業務改革の上流工程では、現状のやり方に縛られず、顧客(市場)の声や経営戦略をもとにゼロベースであるべき姿を考え、実現方法を設計する力が求められる。そのため、アレンジ、最上志向、着想、未来志向など、創造性にかかわる才能が特に重要だと判断した。
逆に、あまり相性が良さそうでないのは、共感性、慎重さ、調和性、適応性など。業務改革では現状を否定し、今の延長にあるべき姿はないという前提で行う必要がある。その中で、必要以上に現場のやり方に理解を示したり、変わることに慎重だったりすると、改革のブレーキとなってしまうかもしれない。
さあ、才能(じぶん)に目覚めよう―あなたの5つの強みを見出し、活かす | |
マーカス バッキンガム ドナルド・O. クリフトン 田口 俊樹
日本経済新聞出版社 2001-12-01 |
上記で示した才能の中身は、以下のとおりである。
アレンジ:
アレンジという資質を持つ人は、たくさんの要素を構成し管理することができると同時に、一度作り上げた構成にこだわらず、作り変えることをいとわない柔軟性をも備えています。すべての要素と資源をどのように組み合わせたら、最高の生産性を実現できるのかを考えるのが好きです。
最上志向:
最上志向という資質を持つ人は、強みを利用して、平均的ではなく最高の水準を、個人ないしは集団において追求します。単なる強みを最高レベルのものに変えようとします。
信念:
信念という資質を持つ人には、その人の中核となる強い価値観があり、しかもその価値観は変わらないものです。その価値観を実現することが、人生の目標となります。
着想:
着想という資質を持つ人は、新しいアイデアを考えるのが大好きです。全く異なる現象に見えるものの間に、関連性を見出すことができます。
未来志向:
未来志向という資質を持つ人は、未来がどのようなものかについて考え、そこからアイデアを得ます。未来についてのビジョンを語ることで、人々を高揚させます。
学習欲:
学習欲という資質を持つ人は、学習意欲が旺盛で、常に向上を望んでいます。特に結果よりも学習すること自体に意義を見出します。
収集心:
収集心という資質を持つ人は、より多くの知識を求める知りたがり屋です。ものを集めたり、あらゆる種類の情報を蓄積したりするのが好きな人が、このタイプに多くみられます。
責任感:
責任感という資質を持つ人は、一度やると言ったことは必ず実行する精神の持ち主です。正直さや忠実さなどの普遍的価値観を達成することに、意義を感じています。
信念:
信念という資質を持つ人には、その人の中核となる強い価値観があり、しかもその価値観は変わらないものです。その価値観を実現することが、人生の目標となります。