「週4時間」だけ働く。 | |
ティモシー・フェリス 田中じゅん
青志社 2011-02-03 |
【お題】
週4時間労働でも成果を出すにはどうすればいいか?
ポイント1.外部委託業者や一緒に働く人に仕事を任せる
要領よく働くことばかりが重要なわけではありません。それよりも、自分でやる必要のないことを積極的に他人やシステムで置き換えることが効果的です。誰でもできる業務を標準化する、単調な業務は自動化する、ヴァーチャルアシスタントを使って外部委託するなど、自分がいなくても回る仕組みを作りましょう。目指すはMBA(Management By Absence)です。
ポイント2.顧客を増やさない
顧客を増やすことは目標になりません。収益の伸びがわずかしか見込めない顧客を増やしたところで、雑用が増えるだけです。最小の労力から最大の収益を得るのが第一の目標なのですから、むやみに大勢の顧客を追い掛け回すのを辞めましょう。
ポイント3.問合せに答えない
緊急事態なんてめったにあるものではありません。しかし人は重要度の判定がそれほど得意ではないので、何でもかんでも重要かつ緊急かのように依頼してきます。成果と無関係な問合せで業務への割り込みをさせないよう、問い合わせの対応も見直しましょう。知らない番号からの電話には出ない、メールも1日にチェックする回数を決める、不要なものには返信しない、というルールを取り入れてみましょう。
ポイント4.80/20の法則を用いる
時間を多く手に入れるには、やることを減らす、これに尽きます。To-doリストを作ることも大事ですが、それと同じくらいNot-to-doリストも重要です。20%のどんなことが原因で、80%の困ったことや不幸が生み出されるのか?20%のどんなことが原因で、80%の満足いく結果や幸せが生み出されるのか?定期的に見直して、時間ばかりかかって成果のでない仕事はなくしましょう。
ポイント5.会議に出ない
時間のムダの象徴が、会議です。明確な目的のない会議ほど、非効率で非生産的なものはありません。しかも会議をすると、仕事をした気になるからたちが悪い。前もって明確にされた問題について決定を下すためのものでなければ、会議に出るのは極力避け、Eメールや電話で代替えできないのかを検討しましょう。周囲の人達が効果的・効率的に働けるよう教育するのもあなたの役目です。
【考察】
人によっては「うちの会社ではこれはできない」と言うかもしれませんが、大事なのは手法ではなく、思想です。日本では「仕事優先で当然」「仕事であればすべて最優先」「お客様は神様」みたいな風潮がまかり通っています。しかし、成果の出ないお客様にペコペコ奉仕したり、成果が出ないと分かっている仕事のためにプライベートの時間を犠牲にするなんて、バカバカしいと思います。
何でもかんでも残業して解決しようとする思考を辞めて、時間は有限であることを認識し、ムダな仕事は減らし、成果につながる仕事に費やす時間を増やさなければ、いつまでたっても「働くために働く」状態から抜けられません。そういう状態で残業ばかりしていると、インプットの時間が削られてしまうため、もっと成果を出すための工夫ができなくなってしまいます。今日本の企業に一番必要なのは、「ムダなことをするな」というマネジメントなのかもしれませんね。
「週4時間」だけ働く。 | |
ティモシー・フェリス 田中じゅん
青志社 2011-02-03 |