EVERNOTE「超」知的生産術 | |
倉下忠憲
シーアンドアール研究所 2011-02-26 |
Scansnapも買い、最近になってようやくEvernoteを本格的に使うようになりました。どうせ使うならと本を買って勉強してみたので、今更ながらEvernoteの効果的な使い道を考えてみます。
1.発想は情報の”ハブ”
結論から言うとEvernoteは、インプットとアウトプットの間にある、「整理して、思考につなげる」部分を簡略化するツールになります。従来だと情報の入口が頭にわいたアイデアからノート、雑誌、本と様々で、これにWebも加えると様々な情報が雑多にちらばってしまい、いざアウトプットに活用したいと思っても必要なタイミングでアクセス出来なくなりがちです。つまり忘れてしまうか、どこにあるか分からなくなってしまうわけです。
Evernoteはこの問題を解消し、インプットを限りなくダイレクトにアウトプットへと繋げられる可能性を秘めています。私がイメージしたのは、インプットとアウトプットの間を埋めるハブのような図でした。
2.なぜハブになれるのか
なぜEvernoteがハブになれるのかというと、2つの問題を解決できるからです。それは、管理の問題と、整理の問題です。管理の問題とは、情報がどこに保管されているのかが分からなくなりがちなことを指します。必要な情報がノート、雑誌、本、メモ帳、Webなどバラバラに存在していると、いざ必要なときにどこにアクセスすればいいのかが分からなくなってしまいます。
Evernoteではこういった情報を全て並列に登録・管理できるので、使えそうな情報や気になったアイデアはとりあえずEvernoteに放りこむようにすれば問題ありません。情報はクラウド上で同期されるので、自宅のPCでも、スマートフォンでも、会社のPCからでも、常に最新の情報にアクセスできます。
もうひとつの整理の問題とは、例えば名刺を顧客ごとに分類したり、アイウエオ順に並べ替えたりといった手間です。Evernoteには検索機能(画像内の文字も可能)が付いているので、整理・分類せずともほぼ問題なく必要な情報に簡単にアクセスできます。情報の整理ばかりに時間をかけて肝心のアウトプットが減ってしまっては本末転倒なので、最低限のタグ付けやノートブック化だけしておき、あとは放りこんでおくのが理想の状態です。
3.どんな情報を預けるといいのか
ではどんな情報をEvernoteに取り込むといいのかですが、私はアウトプットから逆算して考えました。営業職なので、とりあえず名刺は全部放り込んでおけば、ファイリングして持ち運ぶ必要もなくなりますし、テレアポするタイミングで「誰に会おうかな〜?」とスクロールしながら眺めることができます。あとはIT系の雑誌をスキャンして放りこんでおけば、例えば自分の担当企業や開拓したい企業の名前で検索して事例や担当者名を見つけたり、書き途中の提案書を補足するような統計資料を探したりといった場面で活躍できます。
それ以外では、以前作成した見積もり書や契約書のデータを保管しておけばバックアップになり、似たような内容の書類を作成する際に再利用できます。プレゼン読書会で使えそうなネタも収集してまとめています。
【まとめ】
Evernoteをうまく使えば、インプットとアウトプットの間にある「整理して思考につなげる部分」を簡略化し、インプットを限りなくアウトプットの結びつけることができます。アウトプット力の強化にはもってこいなので、日頃から提案書や企画書を書く機会の多い知的労働者にこそ力を発揮するでしょう。
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倉下忠憲
シーアンドアール研究所 2011-02-26 |