ビジネス書大バカ事典 | |
勢古 浩爾
三五館 2010-05-21 おすすめ平均 |
ビジネス書には二種類ある。まともなビジネス書と、いかがわしいビジネス書「もどき」である(その実体は、成功本といわれる自己啓発書である。
本書は勝間和代さんや苫米地英人さん、神田昌典さんといった著名なビジネス書作家をとりあげ、ビジネス書「もどき」であるとしておちょくった一冊です。どんな文面でも悪意のある人が部分的に引用すればいくらでもこき下ろすことはできるわけで、著者のメッセージを無視した形である部分を引用し、無理矢理ネタにしているふしもある本書のやり方は私はフェアではないと思います。
それに、「年収が10倍にアップする」「100倍の利益を生む」なんて、その本を読んだ人すべてがそうなることなどないとわかった上で読んでいるのに、「そんなありもしないことをうたう本はすべてインチキである」という著者の主張もなんだかズレているような。というわけで、今回は本書にある『ビジネス書「もどき」に拉致されないための「7つの習慣」』を取り上げて、検証してみたいと思います。
1.タイトルに騙されない
「成功」「法則」「ルール」「ステップ」「習慣」「方程式」「運」「秘訣」「魔法」「引き寄せ」「夢を叶える」「10倍アップ」
著者はこのようなタイトルが出てきたら即注意だと言います。確かにかなり誇張したタイトルだと思いますし、誰もが本当にそうなるかといえば嘘なので、著者の言いたいこともわかります。ただ、その本を読んで例えば本当に年収が10倍になることを期待しているわけではなく、著者が年収を10倍に上げた背景を知ることで少しでも今の自分に活かせればそれでいいという視点で読むのであれば、それなりに学べるものはあると私は自分の体験から思っています。
2.効能書きに騙されない
「オビ」や「まえがき」で、「だれでも」「楽に」「シンプル」「すぐ」「必ず」「成功する」などの誇大な効能を断定している本は疑ってかかること。
これって1.の習慣といっていることは同じですよね。
3.著者の経歴に騙されない
著者の経歴に関しては、経歴を読んだだけじゃほとんどわからないので私はあまり参考にしていません。
4.何十万部突破、に騙されない
ベストセラーだからといっていい内容の本かというと、そうではないとのことです。そんなの当たり前なんじゃ・・・。それこそ、本に書いていうほどの話じゃないですよ。
5.活字(本)に騙されない
本になる内容だからというだけで、その中身を信用するなという主張です。「だって本にそう書いてあったよ」という発想ではいけないというのはその通りだと思います。
自分の頭で考える必要があると思います。
6.ブックレビューに騙されない
確かにアマゾンをみるとたまに明らかな身内だなと思われるレビューがあります。気にするのであれば、信頼できる人から勧められた本を読むか、自分で立ち読みしてよかった本だけ買うかにすればいいでしょう。ちなみに本書はレビューや他の人の感想を全く見ず、お化け屋敷についつい入りたくなるような恐いもの見たさで読んでみました。
7.自分の価値観を持つ
結局は自分の価値観を持って、自分でよしあしを選ぼうね、と締められています。まあその通りなんじゃないでしょうか。
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