一流になる力 ビジネスで勝ち残るための教科書 (講談社BIZ) | |
小宮 一慶
講談社 2009-06-11 |
【お題】
変化の激しい時代でも通用する、ビジネス力を身につけるにはどうすればいいか?
ポイント1.100点を目指す
20代から毎回の仕事で完璧と思うまでやってきた人と、そうでない人とでは、30代半ばにもなると大きな差がつきます。毎回とことん良い仕事をやろうとしてきた人は、自分の業界や自分の仕事についてある程度の自身を持てるようになります。「いい仕事」「胸を張れる仕事」を日々こころがけましょう。
ポイント2.正しい考え方を身につける
ビジネスではスキルももちろん大切ですが、若いうちはまず正しい考え方を勉強してみましょう。正しい考え方を身につけると、強く生きることができます。多くの人は例え上司から理不尽なことを求められたとしても、それが正しいのか正しくないのか判断できないため、仕方なく従うことになります。「何が正しいか」を自分で考えられるようにならなければ、良い仕事はできないのです。『論語』や『老子』など、古典的なものを読んでみるといいでしょう。
ポイント3.仕事の本質を勉強する
人より一歩仕事を深められるかどうかが、仕事で自己実現できるかどうかの分かれ道です。「今の現状で本当にいいのか?」「お客様のために、なにかやってあげられることがあるんじゃないか?」と常に考え、日々勉強するクセを身につけましょう。オン・ザ・ジョブだけでは人並みにしかなれません。
ポイント4.仕事の周辺のテーマを勉強する
普段の仕事で必要なことに加えて、少し難しいレベルの内容や、仕事の周辺にある分野について勉強しておくことは、仕事の能力を高める上でとても大切です。例えば若いうちから経営的な視点を持てる人は自分の仕事について一歩引いた目線から見ることができます。心理学や組織論など、一見関係の無さそうなテーマが自分の仕事に役立つこともめずらしくありません。最初のうちはあまり役に立たないかもしれませんが、いずれ仕事の枠を超えた知識の深さがお客様にも評価され、より大きな仕事を任される日が来るでしょう。
ポイント5.アウトプットする
せっかく勉強した内容は、外に向けてアウトプットしてみましょう。アウトプットに対して誰かがリアクションしてくれると、それを足がかりにさらに勉強し、研究を深めることで、知識をさらに掘り下げることができます。また、「よくそんな事まで勉強しているね」といった褒め言葉をもらえれば、さらなるモチベーションにもなるでしょう。
ポイント6.自分が会社を支える
「会社が自分を支えてくれる」という考え方では一流にはなれません。「私がこの会社を支えてやる」というくらいの気概を持ちましょう。一人で会社を支えられるぐらいの実力をどうやってみにつけるかを、若いうちから考えることが大切です。
【考察】
日本はしばしば「一億総中流社会」と揶揄されますが、グローバル化によってヒト・モノ・カネがひとつの市場になろうとしている現代では、「そこそこ」ではもう選ばれなくなってしまいます。インターネットの普及で地理的な距離があまり意味のないものになってしまったため、どの企業も今まで以上に多くの競合他社と競わなければならなくなっています。
それを受けて日本でも成長が鈍化し、終身雇用・年功序列制度は運用が困難になっています。今後はますます転職、解雇、リストラの機会が増えるため、社内でしか通用しないスキルばかりに頼り、会社にぶら下がって生きることは大きなリスクとなります。変化の大きな時代で最も確実なリスクヘッジは、日々自分の能力を磨いておくことだと思います。もしあなたが優秀な人材であれば、どんなに不況であっても世の中の企業が放っておきません。
「いかに一流企業に入社するか」「いかに社内で出世するか」ということばかりを考え、本質的に自分の力を磨かないのは、本当にくだらないと思います。「いい仕事をしてくれた」とお客様から言われるようになりたいものです。
一流になる力 ビジネスで勝ち残るための教科書 (講談社BIZ) | |
小宮 一慶
講談社 2009-06-11 |