ITIL入門 ITサービスマネジメントの仕組みと活用 | |
野村総合研究所システムコンサルティング事業本部
ソーテック社 2008-01-22 |
今日は同業者にオススメの一冊を紹介します。ちまたにはツールだけを売りつけてITサービスマネジメントを実践できると言ったり、導入するための知識やノウハウもないのに製品を売ろうとする人がわんさかいます。こういう所を見ると、この分野はまだまだ未成熟だということを実感してしまいますね。しかし、それでは賢いユーザーには見抜かれてしまいます。
「プロセスを明確化していますか?インシデントもきちんと記録を取らないと分析できませんよね?ツールできちんと管理しましょう!」と提案するような人が、今までに分析をして何かを改善した経験がなかったら、笑いものです。そんな人はちょっと突っ込まれただけでしどろもどろになってしまうでしょう。そうはならないためにも、たとえ少し難しくても、本書のような書籍で勉強しておくことが営業にも必要です。
本書はITIL V3について書かれているのですが、野村総合研究所のシステムコンサルティング事業本部が書いているだけあって、分かりやすくまとまっています。資格取得のためというよりは、中身をしっかり理解して使えるようになりたい人に向いています。ITサービスマネジメントを導入するにあたっての、ツールを利用するメリットについても言及されているところは、営業にとってありがたいです。時間をかけて、じっくり読み込んでみてください。
以下、MEMO
・サービス品質のバラつきへの対応
→プロセスの標準化によるサービス品質の底上げと、サービス提供者側のプロフェッショナル意識の向上が有効
・プロセスが明文化されてないと、活動の成果を安定的に享受するのが難しくなるとともに、低いせいかとなってしまった場合にはその原因を特定することが難しく、改善活動に結び付けられない
・キャパシティに対する意識の低下は、無意識のうちに一つ上のハードウェアを選んでしまい、コストの無駄遣いになってしまう
・サービスデスクのパフォーマンス測定指標
→一次解決率、平均解決時間、平均エスカレーション時間、インシデント当たりのサービスデスクの平均コスト、SLAで定められた時間内でのインシデントクローズ率
・ツール導入により期待される効果
→管理不可の軽減、情報共有の促進、管理・分析の高度化、ITサービスの可視化、構成情報の管理精度向上
ITIL入門 ITサービスマネジメントの仕組みと活用 | |
野村総合研究所システムコンサルティング事業本部
ソーテック社 2008-01-22 |