就活に迷ったら読む本 (だいわ文庫) | |
宮内 亮太
大和書房 2011-03-09 |
就職氷河期であり、なかなか内定が決まらず苦しんでいる学生が多いみたいですね。中には、「業界も業種も迷っている」「何から始めればいいか、優先順位がわからない」「自己PRが書けない」と悩んでいる人もいるのではないでしょうか?実は就職活動には、おさえておかなければならないポイントがいくつか存在します。今日は宮内亮太さんの『就活に迷ったら読む本』から、すぐに使えるものを7つ紹介します。
ポイント1.考えを手放す
就活中の学生にありがちなのが、「有名企業で自分のステータスを高めたい」「華やかな業界で目立ちたい」「大企業で安定した暮らしをしたい」という他力本願な志望動機です。しかし、企業が欲しがるのは「稼げる人」です。「務めた企業に自分の人間的な価値や人生を保証してもらう」という考え方を捨てることから、就活はスタートします。それができない人は十中八九、失敗することになるでしょう。
ポイント2.自分を売る営業マンになる
「最低限の電話、メール、カメラ機能があればいい」というユーザーに対して、「値段が安いですよ」と要点がぼやけたセールストークしかできない営業は、まず成約することはできないでしょう。就活も同じで、企業が何を求めているのかを理解せずに自己PRをしても、うまくいかないのです。自己分析をして、自分という商品の強みを把握し、その中から相手のニーズに合う部分を最大限にアピールすることが大切です。自分という商品を売り込む「営業マン」になりましょう。
ポイント3.他人の意見を参考にする
自己分析を自分でやっていても、ピンと来ない場合があります。人は短所を見つけるのは得意でも、自分の長所については意外と分かっていないものだからです。そういう時は、「他人の意見」を参考にしてみましょう。友人・知人5人ずつ、計10人に「私について感じることやイメージを教えてほしい」と頼んでみましょう。周りの人の言葉から、ヒントが得られるかもしれません。
ポイント4.自分年表を作る
どのような業種・業界に入りたいのかを考えるときに有効なのが、自分年表です。80歳の時に「どのようにして死にたいか」をまず書き出し、次に60歳の時に「どうなっていたいか」を書いてみます。そこから逆算して、「では50歳ではどうなっていたいのか?」「30歳では?」「25歳では?」とさかのぼっていくと、行きたい業種・業界の条件が絞れてきます。先の1年、2年の間に自分がこなすべきことが明確になったら、それに合う仕事を探しましょう。
ポイント5.「興味がある」ではだめ
エントリーシートに「この業界や業種に興味があるから」と書いているようでは、内定は取れません。そもそもエントリーシートを書いている時点で、興味があることくらいわかるのです。採用担当者が聞きたいのはその先の、「なぜ、興味があるのか」「なぜ、うちの会社なのか」なのです。なぜ業界に興味を持ったのか、そのなかでもなぜこの企業なのか。入社したらどんなことをやりたいのか、どのような形で会社に利益をもたらすのか。エントリーシートを書くときは、上記のポイントを外さないようにしましょう。
ポイント6.短く、簡潔に
志望動機を書くときに重要なのが、「短く簡潔な文体にすること」と「伝える順番」です。何百、何千というエントリーを見なくていはいけない採用棚当社は、読むのに時間がかかる文章や、分かりにくい文章に付き合う余裕がありません。必ず頭に「結論」を持ってきてから文章を展開するようにしましょう。そうすることで相手に意図が伝わりやすくなりますし、構成もスマートになります。
ポイント7.挫折体験を語る
「どん底から這い上がって、前向きな今がある」面接で自己PRすべきポイントはこれに尽きます。3年で3割が辞めてしまうこともあり、採用担当者は苦しい時にその人がどういう行動に出るのかを見ているのです。失敗や挫折の経験に終始するのではなく、その中で何に気づき、どのような努力をして、どう乗り越え、何を得たのか、語れなくてはいけません。前向きな今にあるバックグラウンドを、きちんと話せるようにしましょう。
【まとめ】
就活ノウハウ本には懐疑的で、実際に3年前に自分が就活していた時も全く読まなかった私ですが、宮内さんの本はオススメできます。受かれば良しという小手先のテクニックではなく、自分はそもそも何をしたいのか、どこに行きたいのかという本質的に重要な部分を決しておろそかにしないからです。小手先のテクニックはその想いを上手く伝えるための手段に過ぎず、中身がなければ意味がありません。
前著『不況にも負けない 技あり! これで採用内定繁盛術 就活導場』もオススメなので、就活中の学生は読んでみてください。
就活に迷ったら読む本 (だいわ文庫) | |
宮内 亮太
大和書房 2011-03-09 |