1分間アントレプレナー 黄金の起業法則 | |
鈴木 智草
日本実業出版社 2008-12-18 |
ケン・ブランチャードの『1分間アントレプレナー 黄金の起業法則』を読みました。
本書は起業を視野に入れている、もしくは夢を実現する手段の一つとして考えているすべての人にオススメします。
起業というと、事前に考えておかなければならないこと、やっておかなければならないことが非常に多く、何から手をつければいいのかわからない漠然とした大変さをイメージしないでしょうか。
ところが「黄金の起業法則」とある本書の中身は、拍子抜けするほど、至ってシンプルです。
例えば、
「他人の願いをかなえる手伝いを十分にすれば、自分の人生の願いはすべてかなう」
という一文があるのですが、一件平易なこの言葉、実は起業・経営に関する本質的な重要事項がいくつも盛り込まれています。
「起業したい!」という人は、資金集めの手段や事業モデルなどについて検討する前に、まず第一に自分は誰のどんな願いをかなえていくのか、つまりどのような形で人に貢献していくのかを見つけなければ、何も始まらないのだということが腑に落ちて理解できました。
そして、十分に他人の願いをかなえる手伝いができれば、利益は後からついてくるものだということも合わせて理解できました。
「どうやったら稼げるか?」「どうやったら成功者になれるか?」という問はそもそも出発点が間違っていて、より本質的には「どうすれば人の願いを叶える手伝いができるか」「どうすれば人に貢献できるか」に私たちは頭を使わなければならないのです。
本書は起業をテーマにした物語形式の一冊なのですが、そのストーリーのいたるところに含蓄あふれる上記のような「名フレーズ」がちりばめられています。
これを読むと、「あれもやらなきゃ、これもやらなきゃ」という状態だった頭が途端にクリアになり、まず何をやらなければいけないのか、本当に重要なことは何なのか、という優先順位が明確になります。
これは起業を志す人にとっての指針となると思います。
オススメなので、是非読んでみてください。
以下、私用メモ
毎日生きている一瞬一瞬の間に、人間は、自分が最も近い関係を持っている五人の相手を足して五で割ったような人間になっていくんだ。
成功というのは、周到な準備がチャンスと出合うときに、起きるのです。
成功する企業家に必要なことは、四つしかない(中略)まず、売り上げが経費を上回らなければならない。(中略)次に、売掛金はきちんと回収すること。(中略)第三に、顧客のニーズを満たすこと。(中略)そして第四に、社員のニーズを満たすこと。
新しい収入の道を拓くことに、ポジティブなエネルギーを注ぐ必要がある。すでに情熱を持っていて、自分でも得意なことの上に、新しい道を築くんだ
『利益とは、顧客のニーズに応え、社員のやる気が湧く環境を作ったことに対する称賛である』
『採点はやめてAを取るのを助けよう』
1分間アントレプレナー 黄金の起業法則 | |
鈴木 智草
日本実業出版社 2008-12-18 |