野口悠紀雄さんの著書、「超「超」整理法 知的能力を飛躍的に拡大させるセオリー」を読んだ。
Gmailが登場するのは最近の整理術関連の著書ではおなじみですが、それとスキャナーを合わせた「デジタル・オフィス」にはあこがれてしまいました。
とりあえずスキャナーがついている複合機プリンターは買おうと思います。
Gmailを活用したデータのオンライン格納
1.作業中のファイルはGmailで自分宛にメールで送り、ネット上に保管する
・複数の仕事場で仕事がシームレスにできる
・分類せずとも、検索できる
H ・Dにいれておくと紛失したりHD自体が破損したりというリスクがあるが、ネット上なら安全
2.パスワードもGmailで管理
・PCに記憶しておくこともできるが、これだと違うパソコンを使用するときに困る
3.Gmail Drive shell extension
・マイコンピュータに「Gmail Drive」が作成され、あたかもPC内にあるドライブのように扱える
Gmailの問題点
1.時系列がスレッドによって乱される
2.グーグル・フォビア
・Gmailに情報をおくということは、Googleが内容を見れる状況にあるということ
・しかしそんなことをすればGoogleは社会的信頼を失うことになるので、現実には起こらない
スキャナーを使ってデジタル・オフィスを構築
1.保管、コピー、検索、通信する書類等は、すべてスキャナーでPDFにして取り込む
2.不要な紙を減らして、整理の手間を省く
さて、本書では整理法とは別に、これからの知的生産術についても書かれています。
様々な情報はウェブで検索できてしまうようになったので、私たちはウェブやPCでは出来ない能力を身につけなければならなくなりました。
具体的には、「問題設定」「仮説の構築」「モデルの活用」という3つの能力が必要になるとのことなのですが、それぞれについての説明はここでは省きます。
面白いのは日本の大企業とアメリカの新興企業との知的生産力の比較がされているところです。
従業員一人当たり時価総額で見ると、
●Googleは867万ドル
●Appleが686万ドル
●Microsoftが327万ドル
なのに対し、日本の企業はというと
●トヨタ51万ドル
●ソニー25万ドル
●日立製作所6万ドル
なのだそうです。
ここまでの驚愕の差があるとは、正直思っていませんでした。
日本の主要企業の中では高い数値を持つトヨタも、これらの企業と比べると1/10以下でしかないのです。
この原因は、「日本人が大組織の中で能力を発揮できる機会を与えられていないことにある」と考えざるを得ない。とくに、知的労働者が搾取されているのだ。
「空気を読む人」ではなく、「革新する人」が正当に認められる組織になるだろうか?新しいアイディアにリワードが与えられるような組織が誕生するだろうか?「問題設定」と「仮説構築」、そして「モデル活用」の能力によって個人が評価されるような組織に変わりうるだろうか?そうした構造に日本の組織がなりうるか否かが、将来に向かう日本の経路を規定するだろう。
「好きを仕事に出来るほど世の中は甘くない」とか言ってないで、どうすれば自分の好きな分野、得意な分野で自分の能力を最大限に発揮できるかをもっと真剣に考えなければいけない時代になったのかもしれませんね。
超「超」整理法 知的能力を飛躍的に拡大させるセオリー | |
野口 悠紀雄
講談社 2008-09-18 おすすめ平均 |