ロバート・マウラーさんの著書、「脳が教える! 1つの習慣」を読んだ。
本書は脳の仕組みをたくみに利用し、どうすれば何か新しいことを始めたり、自分を変えたりできるかを解説したものだ。
私たちが持つ脳に、大脳辺縁系という部分がある。
ここは闘争・逃走本能を支配しているのだが、どうやら私たちが何か大きな変化に直面するときこの大脳辺縁系が働きかけ、「恐怖」という感情を生み出すらしい。
「毎日30分ジョギングしよう!」
「会社の業績を劇的に向上させるにはどうしたらいいか」
と考えてみたものの、
「つらくて続かない」
「考えても頭が真っ白だ」
ということはよくある。
これはまさに、大脳辺縁系の妨害が入っているのである。
はじめから大きな変化を起こそうとすると、脳が恐怖を生み出し、うまく行かない。
しかし、最初は脳がキャッチできないような小さな変化から始めてまずはそれを続けることで習慣化すると、恐怖を迂回でき、それが大きな変化につながっていくことを著者は発見した。
この「小さな習慣」の一つが「小さな質問」だ。
例えばいきなり、「会社の業績を劇的に向上させるにはどうしたらいいか」と考えても、脳に妨害されてうまくいかない。
そんな時は、「この会社の業績を向上させるために、今自分ができるごく小さなアクションは何だろう?」と質問してみる。
そしてこの小さい質問を繰り返して、習慣にしていくと、創意工夫に取り掛かれるように脳がセットされる。
そうすると、無理して考えていたときには思いつかなかったようなアイデアを、自然と脳が生み出してくれるのだ。
つまり、小さい質問という無理のないハードルの低いアクションを習慣化することで、脳を創意工夫モードに変えることができ、恐怖を迂回したことになるのだ。
行動に関しても同じである。
いきなり大きな変化を起こそうとしても、脳に無理を強いることになり、うまくいかない。
ダイエットにしても、「毎日一分間足踏みする」といったように、ハードルの低い、「小さな行動」から始めて、それを習慣化することで恐怖を迂回できるのだ。
一度習慣化してしまえばこっちのもので、むしろその習慣が楽しくなり、より高い負荷も楽にこなせるようになるらしい。
つまり、「今できる小さな一歩は何だろう?」と自分に問いかけ、それを実践すれば、無理せず習慣にすることができるのだ。
自分を変えようと思いながらも、なかなか一歩が踏み出せないという人は、もしかしたらその最初の一歩のハードルが高すぎるのが原因かもしれない。
本書を読んで、自分の脳とうまくつきあってみるのをお勧めします。
以下、私用メモ
●マインド・スカルプチャーで、五感すべてを用いてイメージすると、実体験しているかのように脳が働き出す
●小さな問題をその場で解決することが、後に大きな問題が生じるのを防ぐ
●アイデアに対して多額の報酬を出すと、従業員は壮大なアイデアばかり考えようとして失敗する
●大きな報酬は、社員の内発的動機付けを弱めてしまう
●小さなごほうびが効果的
●人の好意ではなく、その人自信の魅力を褒めるとき、人は自分に関心を持ってもらえたと感じる
脳が教える! 1つの習慣 | |
本田 直之 中西 真雄美
講談社 2008-07-05 おすすめ平均 |
2 Comments
こんにちは♪
会社が社員に提供できることが出来る報酬(財務的報酬、非財務的報酬等々)的側面から、
本書を読んでみたくなりました。
どうすれば、楽しく働けて成果も出るのか??
報酬バランスを考えるのは、とても悩ましいですね・・・。
ありがとうございます!
BJさん
どうすれば楽しく働けて成果も出るのか。
これは本当に大事なテーマですよね。
報酬は確かに社員のモチベーションに影響を与えますが、
社員にとっての報酬って金銭だけではないですしね。
仕事を通して成長して、日々自己実現に近づいていく、
というのも大きな報酬だと思います。
小さな何かを繰り返すことで、
それをだんだん大きな報酬へとしていきたいですね。
コメントありがとうございました!