次世代マーケティングプラットフォーム 広告とマスメディアの地位を奪うもの | |
湯川 鶴章
ソフトバンククリエイティブ 2008-09-27 おすすめ平均 |
湯川鶴章さんの「次世代マーケティングプラットフォーム 広告とマスメディアの地位を奪うもの」を読みました。
本書はマックさんのブログ経由で読んでみたのですが、読んでいるだけで右脳が刺激され、何かアイデアが出てきそうなモヤモヤした状態になれる、思わずワクワクするような一冊でした。
どうやら今後のマーケティングにおいては、広告にクリエイティビティを求める従来のあり方はかなり変質化し、印象に残る広告よりも、必要な人に必要な情報をピンポイントで届けることがより重要視されるようになりそうです。
「コンピュータが顧客との双方向の関係を築いていく中で、これまでのマーケティング施策は効かなくなる」
「商品やサービスが必ずしも消費者の記憶に鮮明に残るものである必要はない。製品やサービスは、単に満足を得るのに十分であり、購入可能な価格帯であり、アクセス可能であり、便利であればいいだけである。」
今、アメリカのIT企業がこぞって、この次世代マーケティングプラットフォームの開発に取り組んでいるようです。
それはもはや検索連動型広告に収まらず、ウェブ上からどんどんリアル社会にも進出しています。
また、顔認証技術によって、何人の人が広告を見ているのか、広告を見ているのは男か女か、何歳くらいかがわかるようになってきている。どんな人が見ているのかによって、広告の内容を変えることができる。
これはデジタルサイネージという技術なのですが、このようなものが小売店などに設置されたらと思うと、ワクワクしてきませんか?
ただ、この種のマーケティング技術は、まだまだ発展途上でもあります。
例えば、私は良くアマゾンで買い物するのですが、筋トレ用にと以前一度だけダンベルを購入したのをAmazon側でデータとして活用しているようで、毎日のようにフィットネス関係の商品の広告メールが届きます。
これ以上購入予定のない私にとって、これはもはや迷惑メールです。
同じような経験のある人は、かなり多いのではないでしょうか?
今、ネット上で最も完成度の高い顧客サービスを提供するといわれるAmazonでさえ、その程度のものである。この種のサービスはまだまだ改良の余地があるのだ。
また、本書には次世代マーケティングプラットフォームの開発に着手しているアメリカ企業のトップたちのインタビューがいくつか掲載されているのですが、これはかなり読み応えがあります。
特に印象深かったのは、どの人も技術革新がもたらすこれからの次世代マーケティングの世界に対するビジョンを持っていて、そのビジョンの中での自分たちのあり方をしっかりと描いているところです。
来年からはIT業界で働く一人となるわけですから、私もこれからのITがどのような世の中を創って行くのかという自分なりのビジョンを持ち、その中で自分は何をするのかを描けるようでなければならないと強く感じました。
テクノロジーに関する本を、もっと読み込んでみようと思います。
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湯川 鶴章
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