泉正人さんの著書、「最少の時間と労力で最大の成果を出す「仕組み」仕事術」を読んだ。
本書を買うのに投資した1365円が、10倍にも100倍にもなって帰ってくるような、良書だった。
本書を執筆する7年前、著者は毎日、3人でも終わらないような量の仕事をひとりで抱え、朝6時から夜12時過ぎまで働いていた。
にもかかわらず仕事は増えていく一方で、ついには体調を崩してしまったと言う。
ところが今はどうかと言うと、これらの仕事を毎朝2時間で片付けてしまい、残りの時間を別のことに当てられるようになったと言う。
その秘密は「仕組み化」にある。
仕事は大きく分けると「作業系」と「考える系」の二つに分けられる。
そして、この「作業系」の仕事に「仕組み化」は有効に働く。
「仕組み化」とは、「誰が、いつ、何度やっても、同じ成果が出せるシステム」をつくることだ。
単純作業やルーチンワークなど頭を使わないですむ仕事は徹底的に「仕組み化」してしまい、効率化させたり、人に任せたりしてしまうのだ。
「仕組み化」をしたことによって実際、著者は作業時間を大幅に効率化できたというのだが、メリットはこれだけではない。
実は一番重要なポイントは、「作業系」の仕事を「仕組み化」することで捻出した時間を、「考える系」の仕事に与えられることなのだ。
優秀な人にたくさんの仕事をさせてしまうと、その人が持つ最も大切な能力が発揮されなくなってしまう。
その最も大切な能力とは、「新しいものを生み出す能力」である。
優秀でない人は、暇になれば暇なだけで終わってしまうが、優秀な人と言うのは、暇な時間ができると、意識的に、あるいは無意識のうちに、それを「考える時間」にあて、そして実際、何か新しいものを生み出す。
優秀な人に「自由な時間」を与えるほど効率のいい戦略はない。
新しい価値の創造こそが会社を次のステージへ導いてくれる。
「労働時間」=「業績」からの脱却を目指す人にはうってつけの良書だった。
そのほか、特にポイントとなりそうだと思った部分を以下にまとめる。
●出来るビジネスマンの条件とは、高い能力を身につけていることと、それを「仕組み化」できること。
●コミュニケーションにかかわる様々な行動も「仕組み化」できる。
●ポイントは、そのつどゼロから始める無駄をなくすこと。
●「忙しい」=「これ以上何も出来ない」と考えず、効率化する努力をする。
●部下がその仕事を問題なく実行できる「仕組み」を作ったうえで、その仕事を任せる。
●新人や若手ビジネスマンは、出来る人、仕事を効率よくしている人の仕組みを真似る。
●仕組みを作る際には、「才能」「意志の力」「記憶力」に頼らない。
●チェックシートの活用、一元管理
最少の時間と労力で最大の成果を出す「仕組み」仕事術 | |
泉 正人
ディスカヴァー・トゥエンティワン 2008-03-03 おすすめ平均 |