強いIT戦略 攻めの経営に向けたIT活用の新機軸 | |
アクセンチュア テクノロジーコンサルティング
東洋経済新報社 2008-11-28 おすすめ平均 |
アクセンチュア テクノロジーコンサルティングの『強いIT戦略 攻めの経営に向けたIT活用の新機軸』を読みました。
アクセンチュアが実施したIT生産性に関するグローバル調査によると、「IT投資と経営目標は整合性が取れているか?」という質問に対し、整合性が取れていると回答したのは米国が83%だったのに対し、日本はなんと38%だったのだそうです。
ITは進化を遂げていますが、ITの活用レベルはまだまだ過大が山積み状態であり、IT投資が実はあまりリターンを回収できていない、というのが現実のようです。
アクセンチュアはその大きな原因の一つとして「経営トップとCIOあるいはIT部門との対話力のなさ」を上げているのですが、本書は両者の対話のベースとなるよう編集された一冊です。
CIOあるいはIT部門が経営トップと話すときのベースとなるように書かれているわけですが、私のようにあまりITに詳しくない人でも理解できる範囲で、かなり分かりやすく「ITと経営目標の統合」の問題点や解決すべき課題、対応策などが解説されており、かなり勉強になりました。
ここからは読後の感想なのですが、もう少しIT関連書籍を読む割合を増やしたほうがよさそうだと感じました。
本書からはかなりの知識を得ることができましたが、この得られた知識の質が果たしてどれほどのものなのか、IT関連書籍の読み込み量が浅い私では判断できそうにありません。
同様に、どの本が質の良いものなのか、今の私に必要なものなのか、という判断も今のままでは難しそうです。
まずは量を読み込んで、量が質に転化するのを待つしかないかなと思います。
近々、関連書籍を買い込むことにしました。
以下、私用メモです。
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● イノベーション
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●経営トップとITの整合性が取れていないこと、そして既存ITのしがらみにより新しいITの導入に対して保守的にならざるをえない姿勢や環境の問題
●IT部門はシステム操作の教育を提供するとともに、ITがどのような業務を実現可能にしているか、従来と何が変わり、どのような価値を提供できるかについて具体的な活用事例などを含め、経営トップやユーザーに対し継続的に啓蒙、教育していくべき
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● インフォメーション
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●企業におけるIT化の目的は「情報の活用」にある
●電子化によって現場の生データがリアルタイムに参照できるようになったのはよいが情報が細分化されすぎ、経営トップにとっては「要はどうなっているのか?」が見えてこない。
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● インテグレーション
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●「ERPはベストプラクティスである」、裏返すと、それは標準ソリューションであり、特定企業に固有の機能やプロセスに100%適合するものではない、ということである。
●多くの場合には導入企業側での追加開発か、従来からのシステムを残してERPとインテグレーションする形式で実現することとなった。
●ERPへの追加開発「アドオン」は、ソフトウェアベンダーによってサポートされない。新しいバージョンに乗り換えるとき、アドオン機能は改修と移行に多大なコストと時間がかかる。
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● インフラストラクチャ
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●既存システムの保守・運用費用である固定的IT支出部分は、グローバル53%に対して日本は76%と非常に大きい。そのため、本来お金をかけたい「戦略的IT投資」に十分な予算を使えていない。
●数十年にわたって機能拡張され、つぎはぎだらけとなってしまった既存ITインフラは、いまでは管理しきれないほど深く複雑に絡み合っている。それがITインフラコストの高止まりの大きな要因ともなっている。
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● インダストリアライゼーション
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●日本のSI企業においてコスト吸収力はほぼ限界に近づいている。
●日本国内におけるIT人材不足、IT技術者の単価の上昇
●必要なIT人材を国内だけで確保することは今や難しく、オフショアの活用は避けては通れない。
●オフショアは単なる低コスト労働力の供給源ではなく、システム構築に欠かせない人材拠点。
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