営業の「聴く技術」 新版―SPIN「4つの質問」「3つの説明」 | |
古淵 元龍
ダイヤモンド社 2008-08-28 おすすめ平均 |
ケンブリッジ・リサーチ研究所編集の『営業の「聴く技術」 新版―SPIN「4つの質問」「3つの説明」』を読みました。
本書は営業パーソンに超オススメの1冊です。
今までにも「自分が話すのではなく、お客様に話してもらう提案型営業」について書かれた本は何冊か読んだことがありました。
ただ、これらはどちらかと言うと複雑というよりは簡単で、かつ小型な商品を扱っている企業向けの内容になっていて、「うちのシステムのように大型で複雑なものを扱っている場合は、このままやってもうまくいかないのではないか?」と疑問に思ってました。
本書の「SPIN」は、特に大型商談に効く営業手法なので、複雑商品・システム・高額商品・企業向け商品を扱っている営業パーソンにはピンポイントで役立つと思います。
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● 営業の仕事は、ビジネス上の問題解決提案
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顧客のほうが、営業よりも多く話している
営業は多く質問している
商品説明は、商談プロセスの最終段階になってからしている
これは本書であげられている、販売成功の3つの行動様式です。
営業の仕事は商品をたくさん売ることではなく、お客様のビジネス上の課題や問題を、自社製品を通して解決するような提案をすることだとSPINでは考えます。
なので、優先すべきは営業パーソンがひたすらしゃべりまくって商品の機能説明をすることではなく、顧客の課題を知る、お客様の課題が何かを聞きだすことなのです。
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● 顧客の求める営業パーソン
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1.専門知識
2.コミュニケーション能力
3.企画力・創造力・提案力
4.パーソナリティー
いくら質問したところで、自分が営業パーソンとして信頼されていなければ、お客様は自社の内情について話そうとは思わないでしょう。
「こいつに話しても理解できるのか?」
「ちゃんと提案してくれるのか?」
「そもそも信頼できるやつなのか?」
こういった不安をまずは取り除かなければならないわけです。
なので、当然お客様の話を理解し、その上で提案できるだけの専門知識や企画力は必要ですし、それを根本で支えるコミュニケーション能力やパーソナリティーも不可欠なのです。
昨日営業部の先輩に対お客様で心がけるべきこととして、
1.約束は守る
2.ウソはつかない
3.こびへつらわない
4.迎合しない
の4つを教えられました。
自分はお客様とともにお客様の問題を解決するパートナーであるという意識を持って、プロフェッショナルとして振舞うことが大事ですね。
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● SPIN 4つの質問
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顧客は、「相手を知る前に、自分を知ってほしい」ものです。
・知るためには、聞くことから始まります
・聞くためには、質問することです
・質問をすれば、話してくれる可能性が高まります
・話してくれれば、情報が入ります
・情報が入れば、相手を理解できます
・理解できれば、課題がわかります
・課題がわかれば、最善の提案が可能です
というわけで、「質問力」が非常に重要になるわけです。
SPINでは、
状況質問で顧客を理解する(顧客の現状を把握する)
問題質問で潜在ニーズを明確化する(顧客に問題に気づかせる)
示唆質問で問題の重要性を認識させる(このまま放置することの影響など)
解決質問でニーズを自覚させる(ニーズの顕在化)
の4つのステップを踏みます。
簡単にいうとヒアリングを通してお客様の現状を知り、抱えている課題や問題(潜在ニーズ)に気づいてもらい、それが今解決しなければならない問題であることを示し、自社製品を通した解決策を提案すればいいわけです。
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営業の「聴く技術」 新版―SPIN「4つの質問」「3つの説明」 | |
古淵 元龍
ダイヤモンド社 2008-08-28 おすすめ平均 |