安田佳生さんの著書、「千円札は拾うな。」を読んだ。
「残業をやめれば、給料は増える。」
こういわれると普通の人はどう思うだろうか?
日々仕事に追われ、がんばってもがんばっても終わらない、という人がこれを聞いたら「ふざけるな」と思うかもしれない。
しかしこういう人は、著者に言わせれば頑張る対象を間違えているのだろう。
何をどう頑張ることが必要なのか。それをきちんと理解し、実行しているか。大切なのはそこである。仕事のやり方を見直すことなく、単に仕事のスピードアップを目指して頑張るのはムダな努力だ。
今の時代は、時間で解決できる商品を作っている限り、長い目で見たときには、同業者には絶対に勝つことはできない。
毎日休むまもなく仕事に追われていては、「どうすれば仕事を劇的に効率的にやれるだろうか」と考える余裕がなくなってしまう。
前例のないようなビジネスモデルも、画期的な商品も、「考える時間」がなければ生まれてこない。
しっかり休む時間を与えてやれば「考える時間」が生まれ、結果的にはそれが新しい仕組みやアイデアを通して会社の発展につながると言うわけだ。
なんとも合理的ではないだろうか。
本書を読むと、いかに著者が常識の枠内で物事を考えるのを嫌い、常に「本質」を捉えようとしているかがわかる。
そして、常に本質を追求してきた著者だからこそ見えている先があり、本書は面白い。
自分の考え方は凝り固まってるんじゃないか、という人は読んでみるといいと思う。
以下、自分用のメモ
●勤勉の対極にあるのは怠惰ではなく不変
●優秀な人材には優秀な仕事、つまり、「長期的戦略を立てる」ことを任せる
●成長とは「自分」を捨てる勇気
●スキルは身に着けていくもの、成長は変化すること
●「無謀なほど高い目標」を掲げることが、まったく別の新しい方法を生み出す
●大切すぎる顧客は作らない
●お金は使わないと上手に使えるようにならない
●自分の価値を高めるためにお金を使う人が大成する
●どんな人生のどんな状況においてもリスクと無縁ではいられない
千円札は拾うな。 | |
安田 佳生
サンマーク出版 2006-01-20 おすすめ平均 |