勝間和代さんの著書、「勝間和代のビジネス頭を創る7つのフレームワーク力 ビジネス思考法の基本と実践」を読んだ。
これほど思考力、フレームワーク力を体系的・論理的にまとめた著書は見たことがない。
大変密度が濃く、全てを吟味して吸収し血肉とし、フレームワークとして、実際の行動に落とし込まなくてはもったいない。
いつでも必要な部分を読み返せるよう、気になった部分を体系的にまとめおく必要がある。
1.ビジネス思考力とは:
1.ビジネスの場を中心として
2.限られた情報と限られた時間の中で
・意思決定の内容の精度はイマイチでも、行動、決断が早い人は伸びる
・逆に考えすぎて意思決定が出来ず、行動から学べない人は伸び悩む
・鮮度はいいけれど確度が多少悪い判断のほうが、遅くて正確な判断よりもよほど重要であるから、限られた情報の中でどんどん意思決定をする必要がある(あくまで、そのあとに修正可能であることが条件)
3.より適切な推論・判断を行い
・推論・判断が適切で速い人は、「フレームワーク力」が豊富である
・フレームワーク力とは、既存のフレームワークを正しく使う能力、そして自分で新しくフレームワークをつくっていく力
4.より適切な行動を起こすことで
・行動さえできれば、圧倒的に他者より優位に立てる(20%×20%×20%=0.8%)
5.より高い付加価値を生み出す能力
=今、自分が持っている最良の情報を組み合わせて、新しい情報を生み出せる能力
現場の一人ひとりが不確実な情報を限られた時間の中で意思決定していかないと、企業の経営が成り立たなくなってしまっていて、そうした、自分で意思決定していける人材が求められている
大事なのは思考の結果ではなくプロセス
最低限の知識をつけたうえで、実際に一つでも多く痛い目に遭いながら、新しいフレームワークを頭の中で積み上げていくことで身につく
知識→理解→応用→分析→統合→評価の繰り返し
2.フレームワークとは:
現実を観察する方法を構成する仮定、概念、慣行の集まり
フレームワークをたくさん持つということは、頭の中でさまざまな情報を処理し、判断し、意思決定を行う際に、その場に応じて最適な道具を使えるということ
3.論理思考力とは:
一見ランダムに見えるような事象、関係性が明確でない事象であっても、その事象を支配する何らかの法則や関係性を導き、その関係性の中で、その場ではまだ明らかになっていない事象や将来の不確定事項について、高い確率で起こりうることを推察する力
基本となる三つのテクニック:
1.MECE
・漏れなく、ダブりなく
2.ピラミッド・ストラクチャー
3.仮説思考
・思いつきと再現性の間には溝があり、ランダムな思いつきで行う予想と、MECE+ピラミッド・ストラクチャーに基づく仮説設定では、その分析結果の制度が異なる
・仮説思考のクセがある人はサイクルを回すことで、より精度の高い仮説にたどり着けるが、思いつきで考えてしまう人は精度が向上しない
身につけるための四つの実践方法:
1.日常業務で使う
2.論理パズルを解く
3.なぜ五回を考える
4.観察から仮説をつねに立て続ける
4.水平思考力とは:
直感や想像、新しいものの組み合わせなどから解の仮説をイメージする方法
ロジカル・シンキングが絞り込む思考法だとすると、ラテラル・シンキングは広げる思考法
=「Out of the Box Solution」(想定した範囲以外から出てきた解)
基本となる三つのテクニック:
1.前提を疑う
・自分も他人も、根深い前提思考、ヒューリスティックを持っていることを自覚する
2.見方を変える
・自分の考え方、見方から離れる
3.組み合わせてみる
・既存のもので、一見関係なさそうなものを組み合わせて、新しい考え方を作る
・=「組み合わせバリュー」
・何かを組み合わせると出来ることがあるのではないかという発想をつねに持っておくことが重要
身につけるための四つの実践方法:
1.アイデアの量を増やす
2.アイデアを試してみる
・よいアイデアを出す人とそうでない人の違いは、温めたアイデアを周りや市場に評価してもらって、フィードバックをうける、そのフィードバックを新しい情報として取り入れていく、この繰り返しをどれだけ速いスピードで行っているか
3.失敗から学んで修正する
・よい失敗:未知の状況の中で、限られた情報から、見込める最大リスクの範囲内でベストの判断だと思って行ったけれども、結果的に失敗になったもの
・悪い失敗1:一度行ったことがある種類の失敗を、自分の能力を過信したり、過去の失敗を否定したりして、単純に繰り返すもの
・悪い失敗2:初めての失敗であるが、自分の能力を過信し、失敗したら取り返しがつかない結果を招くにもかかわらず、無謀なチャレンジをしてしまうもの
・悪い失敗3:失敗を恐れて何もしないうちに、結果として現状が悪くなってしまって、何もしないことが失敗になってしまうもの
・「よい失敗」の回数が多いほど、成功につながるスピードが速まる
4.チームを活用する
・多くのラテラル・シンキングのアイデアは、一人で黙々と考えたものではなく、人と話をしていて急に浮かんだり、何かのピースが足りないときに、そのヒントを思いもかけない人がくれたりして生まれることが多い
・相手を厳選すること
・素人マーケターになっていないか注意
5.視覚化力とは:
論理思考力、水平思考力で分析したものをもう一度新しいものに組み直すには、視覚化力、数字力、言語力の三つが必要
この三つで統合をしてはじめて、考えを整理し、人と共有することが出来る
Visualizationとは、何かの概念やものごとをVisualにする、すなわち、画像にして目でわかりやすくすること
上手に視覚化力を使えるようになることで、情報の入力においても、考えるプロセスにおいても、出力についても、大きな差別化が出来る
基本となる三つのテクニック:
1.画像のパワーを使う
・何かを統合して表現する際には、イラストやグラフ、図解などを使う2.訓練を意識的に行う
・デザインの力を身につける
デザインとは、モノに備わったものであり、人が知覚できる行為の可能性
3.画像と文字を組み合わせる
身につけるための四つの実践方法:
1.フォトリーディング+マインドマップをマスターする
2.イメージ・ストリーミングを習慣的に行う
3.イラスト・図解をつねに意識して使うクセをつける
・人にものを説明するときに大事なのは、相手の無意識の中に、あるいは、相手がこれまで経験地として蓄えてきているものに、いかにきっかけを与え働きかけ、それを呼び覚ますことができるか
4.睡眠を十分にとり、夢を活用する
6.数字力とは:
情報を絞りに絞ってもっともシンプルにしたのが数字
数字が読めない、理解できないというのは、「ものごとを組み合わせる
創造性が弱い」ということにもつながる
相手との意思の疎通を円滑にするのが数字力の役割
基本となる三つのテクニック:
1.数字の意味を知る
・数字のいちばんの役割は、感性と理性をつなぐこと
・数字は、将来予測を行うと、私たちに将来のリスクや可能性を事前に教えてくれる
2.数字に分解する
・数字と言う小さな塊になってはじめて、測定し管理するということが可能になる
3.統計を読む
身につけるための四つの実践方法:
1.統計データを見る習慣をつける
2.身の回りのわかっている数字を記録する
3.数字から仮説をつくる
4.数字を使って人に説明してみる
7.言語力とは:
言葉というのは、ある意味、曖昧なもの
基本となる三つのテクニック:
1.なるべく多くの知識・説明を知る
2.言葉に落とす習慣をつける
3.比喩を意識する
身につけるための四つの実践方法:
1.読書・読書・読書
・ボキャブラリーの裏側にある知識、経験、世界観、考え方、想定、仮定、そういうものを知るのが読書
2.話す時間・書く時間の質量を高める
3.辞書を引き検索するクセをつける
4.ブログで訓練する
8.知的体力とは:
自分の思考力を最大限に発揮しようとするとき、重要なのは、いかに身体を健全に保ち、心を健全に保っていくかである
この心と身体の関係=「知的体力」
基本となる三つのテクニック:
1.身体と頭の関係を理解する
・思考は五感全体、身体全体で行われている
・頭を鍛えるのと同じくらいの労力を使って、身体を鍛える
・ふだんから身体を大事にして、身体感覚を磨いていく
2.健全な精神が健全な発想を生む
・知的体力といったときの体力には、肉体的な体力だけでなく、精神的な体力も含まれ、それらを健全な状態に保つことが必要
3.食べ物と知力の関係を理解する
・アルコール・カフェイン・ニコチンを過剰摂取しない
・気持ちのよい場所に行くことも、ネガティブな感情が生まれない人とつきあうようにすることも大事
身につけるための四つの実践方法:
1.ブレインジムの体操を行う
2.聴覚・触覚・味覚・嗅覚を鍛える
3.三毒を追放する
・三毒とは、妬む・怒る・愚痴る
4.身体にいいものを中心に生活する
9.偶然力とは:
=セレンディピティ(Serendipity)
予期せぬ出来事はどうしても起こるのだから、それを避けるのではなく、起きたことをつねに最大限活用しようという考え方
偶然力を生かす五つの考え方:
1.好奇心
2.持続性
3.楽観性
4.柔軟性
5.リスクテイキング
・迷ったときはリスクをとる方向で考える
基本となる三つのテクニック:
1.偶然のチャンスを生かす
・偶然のチャンスというのは、十分に準備をしたなかではじめて出てきて、そこで偶然に、「ああこういうことなのか」と、答が向こうからやってくるイメージ
2.つながりを見つける
3.無理に格好をつけない
身につけるための四つの実践方法:
1.良いチャンクを集める
2.つねに観察しつづける
3.魅力的な人々に会う
4.つねに周りをポジティブな視点で見る
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勝間 和代
ディスカヴァー・トゥエンティワン 2008-06-15 おすすめ平均 |