成毛眞さんの著書、「会社のつくり方」を読んだ。
本書は創業に必要な知識にはどのようなものがあるかをまとめたものだが、20台、30台、40台、50台以上と起業するときの年齢ごとにそのメリット、デメリットに言及し、それぞれのポイントをしっかり書いてあるのでわかりやすい。
また、起業するにあたっての必要事項を端的に知ることで、今から準備できること、心がけておくべきことがおのずと明確になるのが大変良い。
特に創業前に明確にやっておくべきことは、「会社の将来イメージを明確にすること」と、「自分の特性を知ること」だと感じた。
創業した会社の将来イメージを持つことができるのが社長だけです。
社員は、社長の夢や会社の業務に共感して入社してくるものです。
株主も、社長の能力や会社の発展性を評価して投資をしてきます。
しかし、社員や株主は、自分の会社のイメージを持てないからこそ、あなたを頼ってやってきたのです。
そのイメージには三つのタイプがあります。そのすべてを頭の中で組み立ててしっかりと定着させてください。会社のあり方のイメージ、会社の発展のイメージ、そして将来の自分のイメージです。
まずは仲間や投資家、顧客から信頼を得るためにも、明確で説得力のある企業ビジョンを持っていることが大事なのだろう。明確な企業ビジョンを持つことはまた、創業後に起こる様々な困難にも立ち向かえる勇気を与えてくれるはずだ。
写真のような鮮明なイメージを持ち、目標を定め、まっすぐ突き進んで行きたい。
また、会社のイメージと共に自分の特性についても明確にしておかなければならないだろう。
自分が出来ること、出来ないことをあらかじめ知っておき、それを変わりに補ってくれるような仲間を見つけておかなければならないからだ。
これは創業してからでは遅い。
普段からそういうアンテナを張っておくべきだろう。
それ以外で特に気になった部分は、以下に簡単にまとめた。
●理想の経営者を目標とするのは危険だ。自分がどのような経営者になりたいかではなく、会社がどのような経営者を必要としているかと言うことも大事。
●不測の事態に陥った場合に備えて、「上手な会社のたたみ方」も知っておくべき。
●会社の経営状況を客観的に見てもらう弁護士と税理士を探しておくべき。
●大企業を目指すには、地道に社会的影響力を積み重ね、社会的信用を得ていくことが必要。
●大規模なプロジェクトにかかわった経験や売り上げ金額の大きさではなく、人の役に立ってきたという自信が、小さくてもなくてはならない会社を作る。
会社のつくり方 (日経文庫) | |
成毛 眞
日本経済新聞社 2005-11 おすすめ平均 |