仕事頭がよくなるアウトプット勉強法 | |
増永 寛之
サンマーク出版 2009-03-16 おすすめ平均 |
株式会社ライブレボリューション代表取締役社長、増永寛之さんの『仕事頭がよくなるアウトプット勉強法』を読みました。
はっきり言って、「身につける」勉強はムダ。
(中略)
「アウトプット」、つまり成果として「出す」ことを前提としてからインプットしない限り、それがよい成果に結びつくことはありません。
アウトプットの重要性については、多くの本で語られているところです。
しかし、実際には読書や勉強が上手く成果に結びついていないと感じている人のほうが多いのではないでしょうか。
そういう人は、そもそも具体的な成果が何なのかをよく理解せずにインプットし続けてるのではないでしょうか。
こういう人は漠然と勉強してしまいがちなのですが、そういう人の多くが陥るのが
●「とりあえずこれを勉強しておけば失敗しないだろう」
●「これをやっておけば安心だろう」
といった、「保険の勉強」です。
このような、いつ役立つときが来るかもわからない、ひょっとしたら永久にその時がこないかもしれない勉強ばかりしていたら、なかなか成果につながらないのは当たり前なのです。
つまり、「とりあえず英語を勉強しよう」という漠然とした理由で飛びつく人は、未来の自分に投資をしているのではなく、「保険」をかけているにすぎないのです。
もう一つ陥りがちなのが、「正解探しの勉強」ですね。
「これからの時代、必要なのはお金の知識と英語力と簿記・会計力だ!」と、勝間さんや本田さんの本に書いてあることを素直に実践している人は、その知識や能力を今後どうアウトプットしていくつもりなのか、ちゃんとビジョンを描けているのでしょうか。
どう考えたって、必ずしも全員が全員、これらの知識や能力が必要なわけがありません。
ビジネスパーソンにとってのアウトプット、それはまず、自分の仕事で成果を出すことです。
当たり前のことですが、営業なら営業、経理なら経理という具合に、まずは自分の専門分野の知識や能力を養うことが、最も成果に直結しやすいですよね。
レバレッジ・リーディングに書いてあるように、「将来この投資が10倍、100倍ものリターンになって帰ってくるんだ!」と信じてひたすら読書をするのもいいですが、目の前のこと、つまり今の仕事で成果を出すことがおろそかにならないよう、心配な人は是非本書を読んでみてください。
以下、内容の紹介です。
――――――――――――――――――――――――――――――――――
● ヤル気が続かないわけ
――――――――――――――――――――――――――――――――――
人間とは不思議なもので、「やらなくても何とかなる」という気持ちが心の片隅に少しでもあれば、どんなにやる気をだしたかにみえても、結局のところ、集中力が続きません。
これは小学校の夏休みの宿題がわかりやすいですね。
まだまだ2学期まで時間があるからと考えていると、なかなか手を付けようという気になりません。
逆にいうと、なかなかやる気が出ないということは、そもそもやる必要性をいまいち認識できていない可能性が高いのです。
やっていてもすぐ飽きてしまうものは、たいがい、アウトプットするべきものが明確に定まっていないのです。
やる気が出ないというときは、「それをやる意義が見出せていないということは、アウトプット先が明確になっていないのではないか」と、一度立ち止まって考えてみるといいと思います。
読書習慣がなかなか身につかないという人も、まずはアウトプットの形を明確にすることから始めるといいかもしれませんね。
――――――――――――――――――――――――――――――――――
● 「最新」の勉強
――――――――――――――――――――――――――――――――――
どうせ勉強するなら「最新」のことを勉強せよということです。
相手が一〇年かけて勉強してきた知識に、時間のハンディつきで挑むのはとうてい不利です。
一番新しい情報、新しいやり方を勉強していくことこそ、「後発」が前を走っている人たちをゴボウ抜きして勝つ方法です。
これは思わず「なるほど」とうなづいてしまいました。
ITでいえば、「クラウド」が最新のキーワードになるのでしょうか。
既に『クラウド グーグルの次世代戦略で読み解く2015年のIT産業地図』(http://d.hatena.ne.jp/lemoned-icecream/20090312/1236857637)を一冊読みましたが、実はもう一冊「クラウド」に関する書籍を購入済です。
最寄の書店にあと2冊ほど並んでいたので、これは全部読んでみる必要がありそうですね。
――――――――――――――――――――――――――――――――――
● ビジネス書はイッキに一冊読みきるな
――――――――――――――――――――――――――――――――――
ビジネス書を最初から最後まで同じペースで一気に読み終えているという人、要注意です。
本当に役立ちそうな本、参考になりそうな本であれば、自分でも実行できそうなことが見つかった時点でいったん本を閉じ、そのテクニックについて考えたり、一つひとつ実際に試したりと、「寄り道」しながら読むことです。
私の場合、同じ分量の本でも、さっと読めてしまう本と、なかなか読み終わらない本があります。
さっと読めるのはたいていの場合、実践できそうな箇所が見つからなかった、もしくは既に実践している、もしくはしようと思っている内容しか書いてなかった場合です。
逆になかなか読み終わらないのは、「これは今実践できるのではないか」「将来のビジョンにこれを取り入れられるのではないか」という考えが浮かんだときです。
そういう時は一度本をおいて、頭の中で妄想を始めます。
要するに「考える時間」をとっているんです。
この「考える時間」というのは、本に書いてある内容を自分が使える形に翻訳する作業といえます。
なので、早く読んだり、量をこなすことだけに着目して、「考える時間」をおろそかにしている人は、相当な無駄だと思いますよ。
――――――――――――――――――――――――――――――――――
最後に、本書は著者の増永さん、株式会社ライブレボリューションの八木麻美さんより、献本いただきました。
ありがとうございました。
仕事頭がよくなるアウトプット勉強法 | |
増永 寛之
サンマーク出版 2009-03-16 おすすめ平均 |